それはまだ私が高校生になる前の、少し子供だった頃の話――――  
 
「おかあさん、大変。エアコン壊れちゃったみたい」  
8月中旬、季節は夏真っ盛り。私の快適夏休みライフを揺るがす事件が起きた。  
そう、それはエアコンの故障……今から電話しても電気屋さんが修理に来るのは明日か明後日か……  
それまでの間、私はこの灼熱地獄にいなくてはならない事になる。  
 
とりあえずエアコンが直るまで、日中は図書館で時間を潰そう。そんな事を考えていると、  
「ヒナちゃん、今から修理屋さんが来てくれるって」  
と言う吉報が耳に入る。  
こんなに迅速に対応してくれる修理屋さんもいるんだ……なんて感心していると、家にチャイムが鳴り響く。  
 
「どうも。お電話いただいた修理屋の者ですが」  
「はいはい。ヒナちゃん、部屋に連れて行ってあげて」  
連れて行ってあげて……って、さっき電話してからまだ5分も経ってないじゃない!?  
なんでこんなに早いの?  
……いや、そんな事よりも気になるのは――――  
 
「ねぇ、あなた何歳?」  
「え? 僕は14さ……18歳ですけど?」  
嘘ばっかり、どう考えても私と同じ年くらいじゃない。最初に十四歳って言い掛けてたし……  
「あなた、本当に修理できるの?」  
「あっ、その点はお任せ下さい。一応プロですから」  
何がプロよ、あんたみたいな子供に修理ができるなら、とっくに私がなおしてるわ  
……でも言ったからには見せてもらおうじゃない、あなたのプロとしての腕前って奴を。  
 
――――5分後〜  
 
 
「はい、これで修理は終わりですよ」  
……う、嘘でしょ? こんな手際よく短時間で……でも涼しい風は出てるし、あなたはいったい何者なの?  
「それじゃあ僕は次のバイトがあるんでこの辺で……」  
「ちょっ、ちょっと待ちなさい!」  
何者なのか知りたくて思わず引き止めちゃったけど、どうしよう……  
……と、とにかくあなたが何者なのか暴いてやるんだから!  
 
「もう少しゆっくりしていけば? あなた、どうせ暇なんでしょ?」  
「えっ、だから次のバイトが……」  
うーん……ちょっと可哀そうな気もするけど……  
「あら、私に逆らうの? なんならバイト先に電話してもいいのよ? 『おたくに14歳の子が働いてます』って」  
その言葉を聞いて急に慌てだす姿を見て、私は彼が14歳……つまり同い年である事を確信した。  
 
「とにかく、少しでいいから私に付き合いなさい」  
「えぇ?! そんな、初対面で付き合うなんて……」  
「ばっ! 何勘違いしてんのよ! そう言う意味じゃなくて、遊んだりしましょうって事よ!」  
まったく……もしかしてバカなのかしら?   
ボーっとした感じでとても頭がよさそうには見えないけど……  
でも、そんな人のエアコンが修理できるとも思えないし。  
とりあえず何でも良いから、彼の力を試してみなきゃ。  
 
「そうねぇ……じゃあ、あなたが私に勝負で勝ったら帰してあげる」  
「勝負って……いったい何で勝負するんですか?」  
ん? そう言えば考えて無かったわ。  
まぁ、何で勝負しても彼に負ける気なんてしないけど。  
「あなたの得意なものでいいわよ。かかってらっしゃい」  
 
そして彼が選んだ物が、よりによって私が一番得意なこのゲーム。  
数あるゲームの中でこれを選ぶ辺り、相当運も無いみたいね。  
でもこれはあなたの器を計る真剣勝負、手を抜いたりなんてしないから!  
 
 
――――そして30分後……  
 
「あの……これで僕の12連勝なんですけど……もう帰っても良いですか?」  
「ダメよ! こんなの認めない、私が一度も勝てないなんて……こんな事…………」  
ありえない、このゲームで一度も勝てないなんて!  
……しかし結局この後、何度やっても彼に勝てる事はなく、  
私はついに諦めてしまった……この種目で勝つことを。  
 
「それじゃあ次の種目で勝負よ!」  
「えぇ?! 勝ったら帰してくれるんじゃないんですか?」  
「つべこべ言わない! ほら、さっさと次の勝負何するか決めてちょうだい!」  
 
次に彼が選んだのはトランプのババ抜き。二人でババ抜きって……  
と思ったりもしたが、もう彼に勝てれば何でも良かった。  
……ところが勝てない。何度やっても最後に私の手元に残るjoker。  
だからまた次の種目……そして次……次…………果てはじゃんけんまで。  
それでも私が勝つ事は一度も無かった。  
 
「こんなの納得いかないわ! どうして運否天賦のじゃんけんでも勝てないのよ!!」  
「そんな事言われましても……分かっちゃうんですよ、筋肉の動きとか、出す直前に指の動きで」  
何それ……どんな超人なのよ、そんなの何やったって勝てるわけ無――――  
 
……あれ? 違う、あるじゃない。私が勝てる種目……  
「分かった。さっきまでは、あなたの得意なもので挑んで来たから勝てなかったのよ」  
「えぇ?! だって好きなもの選べって――――」  
「次は私が選ぶ番、……剣道で勝負よ!!」  
 
こうして私は竹刀を二本持ち、彼を連れて外へ向かった。  
 
「あのー……これで勝てたら本当に帰っても良いんですか?」  
「もちろん、私から一本とれたらね」  
ふんっ、取れるわけ無いわ。私は小さい頃からずっと剣道ばかりして来たんだから、  
コレだけは絶対負けない自信があるもん。  
「えっと、君の防具的な物は……」  
「いらないわ。あなたは私に触れる事も出来ないんだから……さぁ、行くわよ!!」  
私は彼の懐へ一気に飛び込んだ。いける、気も充実してるし……勝てる!!  
 
『てやぁぁぁぁ――――!!!!!!!!!』  
 
間合い、踏み込み、共に完璧。そのまま勢いよくまっすぐ竹刀を降ろす。  
……なのに、振り下ろした竹刀は空を切り、そのまま地面に叩きつけられ、  
私の手にはビリビリと衝撃が伝わってくる。  
かわされた? 私の攻撃が? こんなへラヘラしてる人に?  
許せない……絶対に許せない!!  
 
その後はもう間合いも踏み込みも無い、怒りにまかせてただがむしゃらに竹刀を振り回すだけ。  
当然そんな物が彼に当たる訳も無く、すべてかわされ私の体力だけが削られていく。  
「ハァ……ッ、ハッ……なんで、……なんで攻撃してこないのよ」  
「だって、防具も付けて無い女の子を竹刀で攻撃なんて出来ませんよ……」  
ふふっ……それは、その気になればいつでも一本とれた……って事よね…………上等!!  
 
ぎりっと歯を噛みしめ、最後の力を振り絞って立ち上がり彼に挑む。  
もっと早く、もっと強く踏み込んで……もっと!!  
「――――きゃっ!!」  
外での勝負、足元は砂利。私は踏み込んだ際に足を滑らし体勢を崩す。  
振り上げた竹刀は降ろす事も出来ず、このままじゃ顔から落ちてしまう。もうダメッ……  
 
「危ない!」  
その声と共に、頭に付けた防具を投げ捨て、ハヤテの如くやってきて私を助けてくれたのは彼だった。  
あんなにあった距離を一瞬でここまで詰めるなんて――――  
「って!! ちょ、ちょっと! どさくさにまぎれてどこ触ってるのよ!!」  
「どこって……何がですか? ……あぁっ!! ご、ごめんなさい! 小さかったから気付かなくて――――」  
 
――――カチンッ……  
 
頭の中でスイッチの入る音が聞こえた気がした。  
彼の手は確かに私の胸へ添えられていた。  
まぁ、どうせ私の胸なんて、触っても分からない程の大きさですよ……ふふっ、ふふふ…………  
 
「え? あれ? ……あの、ちょっと、どうしたんですか?」  
「問答無用……覚悟しなさい!!」  
 
――――バシンッ!!!!!!!  
 
今日初めて入ったその一本は、綺麗に彼の脳天を叩き割る様に直撃し、  
それと同時に彼は目をまわして、その場に倒れこんでしまった。  
 
「ふぅ……なによ、男の子のくせにだらしないんだから……」  
何とか部屋まで運びこみ、ベッドに寝かせて一息つきながら彼の顔をじっと見つめる。  
こうして良く見てみると、カッコ良いって言うか、女の子見たいでちょっと可愛いかも……  
気を失ってるみたいだし、ちょっとくらい触っても平気だよね?  
そう思ってそっと頭に手を乗せて軽く撫でてみると、くすぐったそうに頭を振って可愛い反応を見せる。  
調子に乗った私は、次にほっぺたをつねってみる。すごく柔らかくてキメの細かい肌、  
引っ張ってみると少し痛そうな顔をして、何やらうなされ始めた。  
 
「せ……ん、……と…………で……」  
「ん? ……なんて言ってるんだろう?」   
気になった私は彼の口元に耳を近づけ、何を言っているのか耳をすませて聞き取ろうとした。  
うーん……、寝息が耳にかかる度に体がゾクゾクしてなかなか聞き取れない。  
仕方が無いので彼の枕に頭を並べ、頬の辺りに耳をひっつけて何を言っているのか確かめる。  
「すみま……せん、小さくて……気付かなかったんです…………」  
 
思わず耳を疑った。なに? 夢の中でも私の胸を小さいとか言ってるの?  
へぇー……見た目と違って、大した根性してるじゃない。ようは私に喧嘩売ってるのね。  
だいたいあなたはどうなのよ? 人の事言えるほど大きいモノを持ってるって言うの?  
そうよ、あなただけ触るなんてフェアーじゃないわ。私にだって少しくらい触る権利は……  
ベッドの中に手を入れ、彼の股のあたりを弄ると、そこには私に無い膨らみ……それを軽く握ってみる。  
 
「なによ、自分だって小さいくせに。……見た事無いから平均は分からないけど、多分小さいと思うわ。  
それに柔らかくてフニャフニャしてるし、ぜんぜん大したこと無いじゃない」  
 
「く…………んんっ……」  
突然声を出してモゾっと動く彼。  
「わわっ、な、何よ! 勘違いしないで!! って、……寝言? はぁ……、ビックリさせないでよ」  
本当に驚いた。もうこんな事は止めよう。  
私はソレを掴んでいた手を離し、手を引き抜こうとした……その時、ある異変に気づく。  
「あれ? さっきより少し大きくなった……?」  
そう思った時にはもう手遅れ。彼のそこはドンドン大きくなって、ズボンの中で苦しそうにしている。  
 
慌てて布団をめくると、さっきまで遊んでいた時と全然違う形になり、  
心なしか顔の表情も苦しそうにしている。  
「ちょ……ちょっと、どうしてこんなに形が変わっちゃうのよ……どうしたらいいの?」  
問いかけても彼が答える事は無く、私は意を決してベルトを外しズボンを脱がせ、  
苦しそうにしていたソレを解放してあげることにした。  
 
「これって……やっぱり下着もずらした方がいいのかな?」  
ズボンを脱がせても、下着に押さえつけられテントを張っているソレを見て、  
少し考えた結果、私はその下着を膝のあたりまで下げる事にした。  
「な……なによコレ……」  
そこから現れたのは、若干上に反り返って硬くなった男性器。  
思わず目を丸くしてそれを凝視してしまう。  
 
「コレって……子作りする時に、女の人の中へ挿れるのよね……?」  
そう考えると恐ろしい。こんなもの挿れられたら痛いどころじゃ済まない、  
きっと壊れてしまう。少なくとも私の中には到底入りそうにない。  
「そんな事よりも、今は彼が起きる前にコレを小さくする方法を考えなくちゃ……」  
さっきから小さく時なる気配ないし、やっぱりあれしか――――  
 
「コレって、射精させれば小さくなるんだよね……」  
つい思い当った事を口にして、自分で赤くなってしまった。  
とは言え、どうすれば射精するのかが分からない。  
ポケットから携帯を出して手に取り、その手の動画があるサイトを探す。  
 
『18歳以上ですか?』その問いかけに、『はい』と嘘を答えた時に少し胸が痛んだけど  
彼だって18歳と偽って仕事してるんだから、コレくらいは許されるわよね……  
そう自分に言い聞かせてたどり着いた先は、見た事も無い様な動画の数々、  
ある動画はセックスをし、またある動画では女性が男性器を咥え、手でしごいている。  
今の私に出来る限界……それは手でしごく程度。  
 
硬くなったソレを手で掴みゆっくりと擦ってみると、彼は意外と気持ち良さそうな顔をし、  
小さな喘ぎ声と、吐息を漏らす。  
 
「もしかして私、結構才能あるのかしら……?」  
気を良くした私は少し手を動かすスピードを速め、彼の様子を伺う。  
「どう? 気持ちいいの?」  
「ふ……あ、……ぁ…………」  
 
もちろん気を失っている彼が答える訳はない。そんな事は分かってる。  
それでも、何故か問いかけてしまう。  
依然気持ち良さそうな顔をする彼、  
そして自分の言った台詞を切っ掛けに、私の中に少しえっちな感情が生まれ始めた。  
 
「あなただけ気持ち良くなるなんてずるいわ……私だって――――」  
 
さっき見た動画の一つに、男性が女性の中へ指を入れるというのがあって、  
その時の女性はすごく気持ち良さそうで……だから私も同じ様にする事にした。  
とは言え、いきなり入れるのは怖いので、最初は下着の上からなぞる様に触って――――  
「な、何よこれ……なんで濡れてるの……?」  
 
中指で触れた下着は、まるで少量のおしっこを漏らした様に濡れてる……  
慌ててその下着を脱いで、そこに付いたその液体を調べ始めると、  
ヌルヌルしてて糸を引いて……どうやらおしっこではなさそう。  
じゃあいったいこれは何?   
それを確かめるべく、その液体が溢れ出る場所、股の間に手を伸ばした。  
 
「きゃ……ぅ、なんでこんなに……あっ……」  
お風呂やおトイレに行ったら必ず綺麗にする場所……なのになんだかおかしい。  
いつもなら触ってもくすぐったい程度なのに、今日はすごく敏感になってて触れるだけでエッチな声が出ちゃう……  
それにこの液体、触れれば触れる程奥から溢れて――  
なんだろう、頭がぼーっとしてきた……運動した訳でもないのに息もあがってるし、コレってちょっと……  
 
「や……あっ、ハァ……ッ……気持ちいい……かも…………」  
そう思った時、何気なく手に握った彼のソレに私の目がいく。  
『しごくのが限界』最初はそう思って始めたこの行為、  
でも、自分の恥ずかしい部分に触れた事によって気持ちは高揚し、  
今ではソレを咥えてみたいと思うようにまでなっていた。  
 
彼の左足に跨る様にして座り、ソレに口を近づけてみる。  
さっき剣道をしたせいかソコは少し汗のにおいがして、とてもじゃ無いけどいい匂いとは言えない。  
でも……なんだろう、それが凄くいやらしい匂いに感じて、むしろ魅かれてく……  
気づくと私はその先へソッと口づけをしていた。  
 
「あっ……、うぁ……ッッ」  
さっきまでよりも大きな反応、きっと気持ち良いんだ。  
「さっきも言ったけど、あなただけ気持ちいいなんて許さないんだから……」  
膝まで下げていた彼の下着を完全にはぎ取り、跨いでいた左足の上へソッと腰を降ろす。  
「く……ッ」  
彼の足が私の恥ずかしい場所に……そう考えるだけでも気持ち良くなっちゃう……  
 
私はソレを少し口に咥えたまま、彼の足へ股を擦り付ける様に腰を動かし続けた。  
 
「はぁ、んっ……あぁぁ、ダメ、ぁッ……刺激が強すぎ…………はむっ、ん……んっ」  
さっきから咥えてはいるけど、大きすぎて私の口には根元までは入らない。  
動画で見たのは根元まで咥えて頭を動かしてたけど……  
とりあえず無理はしないで、半分程口に含んであとは手でしごいてみると、  
彼は射精しそうになって来たのか、我慢できないと言った様子で足をモゾモゾと動かし始めた。  
 
「ちょっ、あっ、ダメ! そんな足動かさないでよ……あんっ、あ……ヤッ、……えっち!」  
自分でここまでしておいて、何が『えっち』なんだか……  
このまま続けたら、彼が射精する前に私がおかしくなっちゃいそう。  
とにかく一度ココから離れて――――  
「なっ、何これ?! ……もしかして……全部私が出しちゃったの……?」  
 
彼の足から離れると、私が股を擦りつけていた左足はぐっしょりと濡れていて、  
私も股だけでなく、膝のあたりまでビショビショになっていた。  
この液体が何なのかは分からない……でも、これがエッチな汁だって事だけは分かる。  
気分が高まるにつれいっぱい出て……だから今の私はすごくエッチで、  
もっともっとエッチな事がしたい。それも、彼とじゃなきゃヤダ……  
これ以上のエッチな行為……それは私の頭の中に一つしか浮かばなかった。  
 
「これ以上えっちな事って……挿れるしかないわよね…………」  
そうよ、なんだかんだで男の人は中に挿れてる時が一番気持ち良さそうだったし、  
コレは私がしたいとかそう言うんじゃなくて、さっさと射精を終わらせたいからするだけで――――  
適当ないい訳を済ませ、今度は腰の上に跨り、ソレを掴んで標準を合わせる。  
……でも、この年で処女膜を破るのって良くないわよね……  
そう思った私は、ほんの少し、さっぽだけを入れる事にした。  
 
――――グチュッ……  
 
「――――ッッ!!」  
痛い、ちっとも気持ち良くなんてないじゃない!  
私の小さな穴を無理やり押し広げる様にして食い込んでるんだもん、痛くない訳――――  
でも、彼は違う。すごく気持ち良さそう。私のココに触れて気持ち良いんだ……  
それならもう少しだけ我慢してあげても良いかな……  
 
「んっ……んん…………あれ? ここは…………え? えぇぇぇぇ?!!!!」  
 
寝言にしては大きな声が部屋中に響き渡く。  
そう、彼は目覚めてしまったのだ……  
 
「ちょっ、ちょっと! こんな時に意識が戻るなんて……どう言うつもりよ!!」  
「いや、それは僕のセリフですよ! これはどう言う事なんですか?!」  
うぅ……確かに彼の言うとおり。目覚めた時にこんな状況じゃ慌てても仕方無いか。  
なんて説明すればいいんだろう……とにかく、ありのままの事を言わなくちゃ。  
 
「その、あなたが寝てる間に少し触ったら大きくなっちゃって……小さくする為に仕方なく……」  
嘘はついてない……よね? 正直に離した。  
なのに彼の目線は私の事なんてちっとも見て無くて、腰の辺りばかりを……腰?!  
そう言えば私、先っぽを挿れたままで……これじゃあ彼に全部丸見えじゃない!  
早く抜かなきゃ、恥ずかしくて死んじゃうよ……  
 
「なにジッと見てるのよ! この変態!!」  
「あっ! ダメです! あの……今動かされると、いろいろ出ちゃいそうなんです……」  
「……え? いろいろ? それって射精するって事?」  
ちょっと待って、さっきまでは気分がおかしくなって暴走しちゃってたけど、冷静に考えたらコレって子作りじゃない!  
じゃあ、このまま射精されたら私は妊娠……高校生になってすぐお母さん?!  
「そんなの絶対ダメ――――!!!」  
「あぁっ、動かしちゃダメですって――!!」  
 
――――ビュッビュッ……!!  
 
間一髪。私がソレを引き抜いた直後に、彼のソレからは大量の精液が噴き出した。  
ただ、中には入らなかったものの、とにかく全身がベトベト。  
なのに怒る気にならない。私、ドキドキして興奮してる……?  
「凄い、こんなにいっぱい…………じゃなくて! も、もぉ! 服や髪までベトベトじゃない!!」  
この気持ちを悟られないように一応怒って見せると、  
彼は悪くないのに何度も謝り、汚れた私をティッシュで拭いて行く。  
顔、髪、服……そして――――  
 
「え? えぇ?! 何してるのよ!!」  
「何って、スカートの中もビショビショだったので……」  
彼の手は私のスカートの中へ入れられ、恥ずかしい部分へ伸ばされる。  
「こらっ、止めなさい! あぁんっ……離して! ダメだってば!!」  
「我慢してください。きれいにしないと、赤ちゃんが出来たら大変ですよ?」  
 
彼に悪気も無ければ、えっちな気も無いのは明らか。  
それでも、そんなに触られたら私は……もう――――  
 
「あれ? おかしいなぁ……さっきから拭いても拭いても全然……」  
「もうダメ、もう……我慢できない、気持ち良いの! 気持ち良過ぎて、エッチな汁いっぱい出ちゃうの……!」  
こんな時、なんて言うんだっけ……確か動画で、えっと……  
そうだ、思い出した――――  
 
「っ……く……イク、イッちゃう! だめっ、だめぇ――――!!! あっ、んあぁぁぁぁ!!!!!」  
お腹の中が熱い……それに頭の中が真っ白になって、  
彼が凄く慌ててるのが何となく分かる。どうしたんだろう……もしかしてまたいっぱい出ちゃったのかな……  
……恥ずかしいな。でも、今はこの余韻にもう少しだけ浸っていたい――――  
 
「ん……? あれ?」  
気づくともう日も沈みかけた夕刻。どうやら私はあのまま眠ってしまっていたらしい。  
少しベタベタするけど私の体は綺麗になっていて、  
その代わりゴミ箱にはおびただしい量のティッシュが……  
最後、私は彼の前でどれくらいのエッチな汁を出しちゃったんだろう?  
考えただけでも恥ずかしくて顔が真っ赤になる。  
 
机の上には置手紙。彼が残して言ったんだろう。  
そう言えば名前聞いてなかったっけ……手紙の内容は後回しにして、一番下に書いてある名前を確かめなくちゃ。  
「えーっと、名前……名前っと…………あっ、あった――――」  
 
『綾埼ハヤテ』  
 
「ハヤテ君かぁ……可愛くて、ちょっぴりカッコ良かったかも……  
 年も同じだし、意外と同じ高校に通っちゃったりして……なーんてね」  
 
 
この時私は、約一年後に再会する事になるなんて思ってもいなかったのでした。  
 
 
 
 
 
おしまい  
 
 

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