「だからウチをよう見てみって言うてるやろ!」  
「だからさっきからお前を見ても、さっぱり何も分からんと言ってるではないか!!」  
 
この日サクヤとナギは『女らしさ』について白熱した議論をしていた。  
「せやからな…ほら、よーウチのこの体を見てみって!自分には無いもんがあるやろ?」  
サクヤはそう言いながら確かにナギには無い、年頃にしては大きめの胸を寄せてそう言った。  
「…どうや?女らしいって言うのはこう言う事を言うんや。」  
「何を言っている。そんな物ただの無駄な脂肪細胞ではないか。」  
「な、なんやてー!!」  
サクヤがそう熱くなると、ナギは勝ち誇った顔で語り始める…。  
「いいか?女らしいと言うのは私の様な性格の事を言う……」  
「あはははっ!さすがナギ!今のボケはなかなか面ろかったわ!」  
「……なっ!ボ、ボケなどでは無い!大真面目だ!!」  
「ほぉー…せやけどナギからはその女らしい性格…って言うのはいっさい感じられへんけどなぁ。」  
「…な、なんだと!!」  
 
すると、この両者引かない一進一退の攻防に割って入るかの如くハヤテが部屋に現れる。  
ソレをみたナギは、ハヤテに自分がいかに女らしいかを証明させるべく駆け寄った。  
「おいハヤテ!丁度いい所にきたな!今あのバカと話していたんだが…」  
「だ、…誰がアホやてー!!」  
「…あほでは無い、バカと言ったんだ。」  
「なっ…!」  
二人が何か火花を散らしていると、ハヤテはつけっぱなしになっているゲームに気づいた。  
「…お譲様、ゲームもいいですがたまには女の子らしくショッピング等お出かけになられては―――」  
それを聞いたナギは固まった。  
「ハ、ハヤテはゲームばかりしていては女らしく無いと言うのか…?」  
「そりゃあ女の子ならゲームはあまりしないかと…」  
「―――はっ!!」  
ナギが何か背中に嫌な視線を感じ振り返ると、そこにはニヤニヤしているサクヤが立っていた。  
 
「そやそや、ゲームなんて女らしゅうないよな。さすがは三千院家の執事や、よーわかっとるわ。」  
「いえ、そんな。ぼくなんてまだまだ…」  
「そんな謙遜せんかってもええで、…ほら、これは褒美みたいなもんや受け取り。」  
サクヤはそう言うとハヤテの前で服の胸元を人差し指で引っ張り、ハヤテにその谷間を見せつけた。  
「…?!…サ…サク……サ…」  
「あははっ!なんやなんや、こんなんで照れるやなんて可愛い執事やないか。…よっしゃ、特別に触らせたる!」  
そう言ってサクヤはハヤテの手を掴んだ。  
「……そんな、…お譲様からも何か言ってくださ……お譲様…?」  
そこには目を光らせ般若の如く鋭い目つきで、今にも噛み殺さんとハヤテを睨むナギがいた。  
「……ハーヤーテ〜!!!」  
「お、お譲様…!?」  
「うるさいうるさいうるさい!!さっさと出て行かんかーっ!!」  
ナギはそう言ってハヤテを部屋の外へと追いやった。  
…しかしハヤテはいなくなってももう一つの大問題が部屋には残っている…それは勝ち誇った顔をしているサクヤだった。  
 
「…どーやナギ、女らしさって物がわかったか?」  
「……な、何を言っている。あんなのはただの色仕掛けではないか…。」  
「せやけど、その色仕掛けを出来るのが女と違うんか?」  
「…そ、それは……。」  
この時サクヤは、ナギが怯んだと見るや否や後ろに回り込んでナギの小さな胸に手を当てた。  
「!!!!?な、何をする!離せ!!」  
「そんな暴れなや、ウチがナギの胸大きいしたるわ。」  
「……ほ、ホントか?」  
いつもならサクヤの言う事など聞く耳を持たないナギだが、今回は珍しく素直に言う事を聞いた。  
「(実際サクヤの胸は大きい…もしかしたら本当に大きくする方法があるのか?…そうすればハヤテも喜ぶんじゃ…)」  
等と思っていたとかいないとか…。  
 
「そ、…それでどうすればいいのだ?」  
「なんもせんでええ、ウチが全部世話したるわ。」  
「そ、そうか…すまん。その、よろしく頼む……。」  
ナギがそう言うとサクヤはナギの服の中へ手を滑り込ませた。  
「…?!うわぁ…っ!!」  
「なんや、自分ホンマに少しもあらへんねんな。」  
「よ、余計な御世話だ!…まだ発展途上なのだ……。」  
「ほんならウチが急速に発展させたるわ。  
サクヤはそう言うとナギの胸をゆっくりと揉み始める…。  
 
「……く…っ。……あ…ぅっ…!」  
「なんや、自分女らしい声出せるんやん。ほら、もっと出してみ。」  
「…は…ぁ……んっ…!おぃ…ホント……こんな事…んんっ!!」  
「ん?なんや、ハッキリ言わんとわからへんで?」  
「だから…ホントに……ぃっ…こんな事で大きくなる…んっ……のか…?」  
「う〜ん…そうやなぁ……」  
サクヤはそう言いながら、ナギの胸の先にある硬くなった部分を指でグリグリと押さえつけ始めた。  
「…ふぁ…っ!ハァ…ッ……こ、こら…そんな事したら……あぅ…ぅ…い、痛いだろ……っ!」  
「そんな顔して言うても説得力無いで?」  
確かにサクヤの言う通り、ナギは口ではそう言ってはいるが顔を赤くし息づかいも荒くなっていた。  
サクヤが更に指の力を強くするとナギは目を固く瞑り、指を噛んで声を殺そうとしている…  
「そや、ナギその調子や!今の自分色っぽいで!!」  
「そ、そうか…あっ……よし、これでハヤテも喜……あっ…は…ぁ……んぁぁぁ…っ!!」  
ナギは大きな声をあげると、そのまま床に倒れこんでしまった。  
着衣は乱れ顔を真っ赤にし、息づかいも荒いままだが何所か満足そうな顔をしている。  
すると早速ナギの大きな声を聞きつけたハヤテが部屋へ駆けつけた。  
 
「お譲様!!なにか悲鳴のようなおおきな声が聞こえましたが…」  
「おお、ハヤテ!グッドタイミングだ!…どうだ、さっきの私と何か変わった所はないか?」  
「…えっと……その…。」  
「なんだ、照れなくてもいいぞ。ハッキリと言ってみろ。」  
「…はぁ……それではマリアさんに言って替えの下着を持ってきて貰いますね。」  
ハヤテはそう言って急いで部屋を後にした。  
ナギは状況が飲み込めずその場に立ちすくんでいる…  
 
「なんだハヤテの奴…いったい何を言っているのだ……?」  
すると見るに見かねたサクヤがナギの肩をポンッと叩いた。  
「…あのな、たぶん女らしい人なら…おしっこは漏らさへんと思うで?」  
「……え?」  
ナギが自分の足元を見ると。そこにはビショビショの下着と小さな水たまりが出来ていた。  
「な、何だこれは!!私はいつの間にこんな……ハヤテ、誤解だ!コレは…」  
しかしその時すでに、ハヤテは見えないほど遠くを走っていた…。  
「……まぁーなんや、…ウチはそう言う体を張ったギャグは嫌いとちゃうで?」  
するとナギは無表情のまま、大きさの変わらない自分の胸をペタペタと触り始めた。  
「…ぜんぜん大きくなってない……。」  
「……ほ、ほなウチはそろそろこの辺で…」  
「…サ〜ク〜!!!!」  
「わっ…ちょ!そんな……あかんてーーー!!」  
 
 

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