少年の掌が少女の後頭部に優しく添えられ、  
それが、あたかも鮮やかな山吹色の大河を緩やかにたゆたう小船の如く、  
少女の美しい金髪を慈しみ深く撫でながら細い首筋から肩、背中、そして腰へとゆっくりゆっくり降りてゆく。  
選りすぐりの絹糸でしっかりと織り上げられた布地のような、滑らかでしっとりとした手触りが掌に伝わる。  
少年のもう一方の掌が、少年の胸元を緩々と這う少女の小さな手の甲を包むようにそっと重ねられ、  
そのしっかりした造りの指が僅かにさわさわと動いて、少女の白く細い指を絡め取っていく。  
少女は空いている方の腕を少年の腰に回し、密着している二人の身体を名残惜しげに引き剥がすと、  
髪を撫で下ろしてそのまま腰に留まっている少年の手に自分の背中を預けた。  
「ハヤテ‥‥」  
頬と耳を可愛らしい桜色に染め上げ、翡翠色の瞳を切なく潤ませた少女は、  
やっと手に入れた恋人の優しさに満ちた笑顔を見上げながら、甘くて熱い溜息が交る声でその名を呼ぶ。  
「はい‥‥」  
ブルーサファイアの瞳をちょっと細めながら返事をする少年の態度は慎み深さを少しも失ってはいなかったが、  
その声音は、少女の耳には蕩けるように甘く響いた。  
少女がゆっくりと目を閉じ、ピンクの薔薇の蕾のように愛らしい唇をちょっと尖らせながら、ツッと爪先立ちになる。  
少年は、少女の腰に回した手に軽く力を入れると、  
ほんの少し肩を窄めながら背を丸め、鼻がぶつからぬように僅かに首を傾げて、  
自分の唇を少女のそれへそっと接近させていく。  
と、その時‥‥  
グゥ〜〜〜  
少女の腹の虫が盛大に鳴いた。  
少女は、パチッと見開いた目を点にすると、次の瞬間、真っ赤にした顔をサッと少年の胸元に伏せる。  
その様子がとても可愛らしくて、少年は、少女の腰に回していた手に軽く力を込めて少女の小さな身体を抱き寄せ、  
シャンプーが甘く香るそのつむじにチュッチュッと2、3回軽くキスをした。  
きちんと告白し合ってからの初めての口付けだというのに、もう、恥ずかしいやら、バツが悪いやら、  
こういう時の癖で−少年に抱き締められたままではあったが−少女は咄嗟に少年に対して無難な指示を出す。  
「か、顔を洗いに行くぞ!」  
「はい」  
頬っぺたを真っ赤に火照らせたまま、ドギマギ、オロオロと定まらぬ視線を宙に泳がせながら、  
少年の腰に回した自分の腕をサッと解き、自分の腰に回っている少年の腕をスルリとはずすと、  
絡めている指はそのままに、少年の手をクイクイと引っ張って少女は洗面所へ向けて大股で歩き出す。  
そんな少女の後姿がまたとても可愛らしくて、少年は、絡めている指にキュッと力を込めた。  
 
 大浴場の入り口に到着したところで、ちょっとした問題が発生した。  
洗面所は脱衣所の中にあるのだが、『男』と『女』、果たしてどちらの脱衣所にある洗面所を使うべきか?  
ハヤテにしてみれば  
『男』の側にナギを連れて入るのは如何にも自分の“ホーム”にナギを連れ込む様で嫌だったし、  
ナギにしてみれば、  
『女』に入るのはハヤテの部屋での悪いひとり遊びの動かぬ証拠に近付かねばならないので気が進まなかった。  
仕方が無いので、『男』『女』それぞれに別れて入ることにする。  
しっかりと絡められている指同士を解くのは、とても難儀だった。  
先ず少年が指の力を抜いて少女のするままに任せたが上手く解けず、  
次に少年が少しずつ指を動かして、ようやく解くことが出来た。  
少女は、たった今解いたばかりの指をもう片方の手できゅっと握り締めると、  
おずおずと少年の優しい顔を見上げながら、如何にも不安そうに呟く。  
「顔を洗い終わったら、もう一度手を繋いでくれるか‥‥?」  
「はい。僕のこの指も、全てお嬢様のものですよ」  
少女にとって、少年が話す言葉の一つ一つは正真正銘の福音(エヴァンジェリン)であった。  
「‥‥ありがとう‥‥」  
少年の真っ直ぐで情熱的な言葉にポッと頬を染めた少女は、  
寸刻でも惜しいと言うように、少女漫画のヒロインさながら、美しい金髪を靡かせながらサッと身を翻すと、  
『女』の入り口の引き戸を素早く開けて中へと飛び込んだ。  
その後姿を見届け、少年が『男』の暖簾をくぐる。  
 
少年は洗面台の前に立ち、先ず被っていた三角巾をはずしたが、  
その時、ついさっきまで少女と絡め合っていた指が軽く強張っていることに気が付いた。  
その指を見詰めながら、何回か曲げ、伸ばす。  
「(こんなにも強く指を絡めていたのか‥‥)」  
その指に、少女の長い指の滑らかな感触と時に大胆で時に恥ずかしげなその微妙な動きが蘇る。  
「(お嬢様‥‥)」  
早く、あの指に、再び触れたい。  
少年は、自分自身で自覚している以上に少女に強く惹かれていることに気付く。  
ふと目が合った鏡の中の自分は、とても幸せそうな顔をしていた。  
少年は手早く顔を洗い柔軟材が良く効いたタオルで拭き上げると、三角巾を素早く被り直して脱衣所を出た。  
 
少女は、大急ぎで洗面台に駆け寄り、ザブザブと顔を洗い立ててタオルで拭き上げ、  
そのタオルをそれまで首に掛けていた白いタオルと共にクリーニング・バックの中に捩じ込んだ。  
と、その横にある例のひとり遊びで汚れた下着が入っているバッグに目が行く。  
「(やっぱり、ハヤテに正直に言わなきゃ‥‥)」  
その部屋の主の留守を良いことに、そこに入り込んでその人のものを使って自分を慰めた挙句、  
その机の中まで好きなようにかき回すなどというのはルール違反に極めて近い重大なマナー違反であり、  
あらゆる意味ですごく恥ずかしいことである。  
少年の寛恕に期待するのは如何にも虫が良すぎるが、しかし、少女は、少年に対して誠実でいたかった。  
 
 少女が脱衣所の引き戸を開けると、既に外には少年が待っていた。  
少女は小さな身体を縮こませながら少年の前にぎこちなく進み出て、正対した。  
「ハヤテ、すまん‥‥」  
「どうなさったのですか?」  
いきなりの少女の様子の変化に、少年は心配そうな表情で少女の顔を覗き込みながら、不安な声で尋ねる。  
「‥‥ハヤテの勉強机の、一番下の大きな引き出し、中を見てしまった‥‥」  
俯いて答える少女の言葉を少年は暫し心の中で反芻していたが、やがて、「あ!!」という表情になる。  
「あはははは‥‥。あれをご覧になったのですか‥‥」  
「‥‥うん。ごめん‥‥」  
虚ろに笑う少年の心の内が読み切れず、少女は謝ることしかできなかった。  
「いえ、僕こそ、お嬢様の大切なお屋敷の中にあんなものを持ち込んでしまって、申し訳ありません」  
高い背を縮こまらせて本当に申し訳なさそうな声で侘びる少年の姿を見て少女は少し安堵すると共に、  
もうあんなことは二度とするまい、と固く心に誓った。  
だが、とても幸せなことに、少女はもうあんなことはしなくてもよくなったのである。  
「すぐに処分しますので、お許しください」  
「あ、いや、別に処分せずともよい‥‥。‥‥というか‥‥、今度から、そういう必要があったら、私が‥‥」  
そう言った直後に顔を真っ赤にして深々と俯いてしまった少女を見て、少年が慌ててフォローを入れる。  
「いえ!お嬢様にそういうことをさせるわけには‥‥。  
あ!!いや、その‥‥、お嬢様にして頂くのが嫌だと申し上げているわけでは‥‥、  
わあっ!そ、その‥‥、『して頂く』というのはですね‥‥」  
どうにもエライことになってしまった。藪を突付いたらパンドラの箱が転がり出てきたようなものである。  
二人を包む空気が、かなり微妙に重くなりかける。  
その時、少年の頭に、この難局を打開する天の啓示が一条の黄金の光と共に舞い降りてきた。  
「えー、では、そのことは、僕がこのお屋敷でお仕事をさせて頂いた最初の日に、  
お嬢様の書斎でお嬢様がお描きになっていた漫画をお許しを得ずに読んでしまったことと“おあいこ”ということで  
如何でしょう‥‥?」  
「うん!」  
丁度良い“落とし所”が見つかって安堵した少女は、満面の笑みで頷く。  
あの時、  
少年は、少女の書斎で読んだ少女渾身の漫画『世紀末伝説・マジカル☆デストロイ』を絵日記扱いしてしまい、  
少女の逆鱗に触れて屋敷を退去せざるを得なくなった。  
だがそれは全くの誤解であり、闇金業者よって海外へ連れて行かれそうになったところを『マスク・ザ・マネー』に  
救われて、その結果、少女との固い絆が結ばれたのだ。真に丁度良い“おあいこ”であった。  
少年の手が、すっと少女の前に差し出される。  
「お嬢様、お手をどうぞ。」  
「うむ」  
少女は夢見るような眼差しでその大きな掌を見詰めながら、そこに自らの同じ方の掌を乗せる。  
少年の指と少女の指が互いの掌をそろそろと撫であい、やがて指の関節の一つ一つを、  
そして爪の形を愛しげになぞり確かめるように動き、最後にはどちらからともなく指を幾重にも複雑に絡めあった。  
「では、参りましょう」  
「‥‥うん‥‥」  
少女の返事がほんの少し遅れた。  
このとき少女は、  
さっき自分が思わず口にした「そういう必要があったら、私が‥‥」という台詞を思い返しながら、  
少年と指を絡めあうだけでもこれだけ心地よいのに、少年と一つになるその時を迎えたら、  
果たして事が終わるまで自分は正気を保ち続けられるだろうか、という不安と期待に心を震わせていたのである。  
 
 厨房に戻ってきた二人は、早速、調理を再開する。といっても、少女は大人しく見学である。  
消えていたガスコンロの火を再点火し、フライパンを暖めなおし、必要な食器を選り分ける。  
作業工程を説明する少年の声がとても心地良くて肝心のその内容が上の空なのはさっきと同様だが、  
少女は、明日からでも、マリアに本格的に料理を習おうと考えていた。  
食器棚から皿を1枚取ろうとすると2枚割ってしまうというほどの家事音痴を改善して  
ハヤテの手伝いが出来るようになれば、その間一緒に居られるし、  
ゆくゆくはハヤテに「美味しい」と褒めてもらえるような料理を作れるようになるかもしれない。  
少女の脳中では『二人きり』『新婚』『裸エプロン』『はい、ア〜ンして』などの単語がピンクの文字でチカチカと点滅し、  
その夢と希望は幸せにどこまでもポワポワと大きく膨らんでゆく。  
「では、これを焼いていきます」  
少年の手によって、形良く小判型に整えられたハンバーグが2つ、  
ジュッという音と共にフライパンの上に並べられた。  
手入れの行き届いたレンジ・フードはその機能を最大限に発揮してはいたが、良い香りが厨房全体に満ちていく。  
少年は、頃合を見計らってハンバーグを返し、  
野菜嫌いの少女のためにと一工夫も二工夫も凝らしたキャロット・ポタージュの仕上げに入る。  
やがて、ハンバーグに続いてキャロット・ポタージュも仕上がり、  
それらが少年の手で金線の飾り模様のあるシンプルな皿に手際よく盛り付けられていく。  
それらを乗せた優雅な装飾が施されたカートを少年が押し、それを少女が先導して一番小さな食堂に移動した。  
 
 二人きりの食卓。  
普段、少女が食事をしている時、少年はその後ろの側近くに立って給仕をするのだが、今日は違う。  
さっき恋人同士になったばかりの主人と執事が、仲良く向かい合って同じテーブルに着いている。  
「と、とっても、美味いぞ」  
夢にまで見た想い人との初めての二人きりの食事だというのに、少女は緊張で味も何も良く分からない。  
「有り難うございます。お嬢様」  
少年は、蕩けるような笑みを返す。  
食事のときのマナーは、  
日本では味噌汁を音を立てて啜っても良いが“無言”で食べるのが善しとされ、  
西洋ではスープを音を立てて飲んではならないが“楽しい会話”は大いに奨励される。  
そんな訳で、少女は思い切って  
−それを始めるのに“思い切り”が必要な会話が“楽しい”かどうかは大いに議論が分かれるであろうが−  
少年に話しかけた。  
「なあ、ハヤテ‥‥。その‥‥、私達は恋人同士なわけだが、えっと‥‥、  
二人きりの時は、お互いに名前で呼び合うことにしないか‥‥?」  
少女の思い切り照れながらの提案に、少年は笑顔で頷く。  
『お互いに名前で』とは言っても、既に少女は少年をずっと呼び捨てにしていたから、  
その提案を受け入れたからといって自分と少女の関係にそれほどの変化は無かろうと少年は考えていた。  
「ええ、お嬢様がそうおっしゃるのでしたら」  
「じゃ、じゃあ‥‥、『ナギ』と呼んでみてくれ」  
「はい。では、ナギ‥‥さま」  
思わず『さま』を付けてしまった。  
「(これでは従来の呼び方から『お嬢』を抜いただけではないか!)」と、呼んだ方と呼ばれた方、  
二人の考えがシンクロする。  
「ちがーう!」  
思わぬ結果に、少女が鋭くダメを出す。これでは少しも“二人の特別な関係”を実感し楽しめないではないか。  
「もう一度!」  
少女の、巨匠と呼ばれる映画監督の如きリテイク指示に、少年は少々焦りつつも真剣に応える。  
「え‥‥、あ‥‥、はい。‥‥ナギ‥‥さん‥‥」  
今度は『さん』を付けてしまった。自らの内奥に潜んでいた想像以上の心理的抵抗に、少年は動揺を隠せない。  
少女は、ナイフとフォークを持つ手を糊の効いた白いテーブルクロスの上にキッチリと据え、  
翡翠色の目を細め、仄かに紅に染まる頬をプッと膨らませ、愛らしい唇をツンと尖らせて、  
疑り深い独裁者のような口調で少年を尋問する。  
「もしかして、『ナギ』と呼びたくないのか?」  
「いえいえ!決してそのようなことは!!」  
先ほどの、大浴場の入り口以来の大ピンチである。  
少年は、自らの認識の甘さを激しく悔やんでいた。  
『その対象を何と呼ぶか』−子供の命名や新製品の名称の決定はその産みの親達にとって最重要な課題であり、  
渾名にしても、それがそう定まるまでにはいろんなエピソードがある。  
ましてや、自分の屑両親だって『ハヤテ』の名に彼等なりの願いを込めたのではなかったか‥‥  
最終的にどういう結果を招くのかは分からないが、少女のことをとにかく一度『ナギ』と呼んでみる他無いだろう。  
「‥‥では、‥‥ナギ‥‥」  
「うん!それでよい!」  
恋人から自分の名を呼び捨てにしてもらえた少女は、向日葵のような微笑みを浮かべて大きく頷いた。  
 
だが、少年の心はどうにも落ち着かない。  
嬉しさを隠しきれないと言わぬばかりの少女の視線をひしひしと感じつつ切り分けたハンバーグを口に運びながら、  
少年はその理由をあれこれと考える。  
“親”を名乗る屑共に散々利用された挙げ句の果てに莫大な借金を押し付けられて棄てられた自分を、  
そのたった一言の宣言で大財閥の次期当主の専属執事という高みにまで一気に引き上げてくれた少女は、  
少年にとって、自らの命に換えて守り抜きたい真の救いの女神であった。  
そう、今まで、少年は、少女を物理的・心理的に護ってきたのだが、  
同時に、そしてそれ以上に少女によって物理的にも心理的にも、救われ、護られてきたのである。  
そして何より、こうした事実と真実に基づく『少女が「主」で、少年が「従」』という関係に、  
少年は心からの安定と安心を見出していた。  
だが、それと、『呼び捨て』は−喩えそれが恋人同士として過ごす時間を証するためのものだとしても−  
果たして両立するのだろうか‥‥  
少年の顔が憂いに翳り、そのナイフとフォークも動きを止めていることに少女が気付いた。  
「どうした?ハヤテ‥‥」  
少女自身もその手を止め、如何にも心配げな表情で少年の顔を覗き込む。  
「お名前を呼び捨てにせよとのお言葉は、お嬢様の恋人としての僕にとってはとても嬉しいのですが、  
やはり僕は、いつでも、どんな時でも、どんな所でも、お嬢様をお助けしお護りする、お嬢様の、  
お嬢様だけの執事で居たいのです。ですから、お呼び棄てのことはお許し頂けないでしょうか。  
でも、お嬢様が『どうしても』とおっしゃるのなら、お呼び捨てにさせて頂きます‥‥」  
−どんな時でも所でも、私を助け護る、私だけの執事−  
俯きながら、ポツリポツリと自らの苦しい心の内を吐露する少年の姿とその言葉に、  
少女の小さな胸は甘く切なくキュンキュンと痛み、その心臓はドキドキと高鳴る。  
「ごめん!‥‥悪かった。ハヤテの気持ちも考えないで、つまらんことを‥‥」  
少女の侘びの言葉を、少年の切ない訴えが遮った。  
「お詫びしなければならないのは僕の方です!!  
せっかくお嬢様の恋人になれたのに、お嬢様のお望みを何でも聴かせて頂くと約束申し上げたのに、  
‥‥僕は、ダメな男です‥‥」  
力なく項垂れる少年に向かって、今度は少女が切ない声を張り上げる。  
「そんなことはないぞ!!  
ハヤテは、強くて、優しくて、カッコよくて、ステキで、とにかく最高の男の中の男なのだ!  
もう二度と『ダメな男』なんて言ってはいかん!  
私のハヤテをバカにする奴は、喩えそれがハヤテ本人だって絶対に許さないからな!!」  
「‥‥お嬢様‥‥」  
失意の少年に向けて放たれた少女の言葉は、その心の内をそのまま表した何の飾り気も無いものだった。  
だが、それだけに、ストレートに少年の柔らかい心のど真ん中に深々と突き刺さり、  
そこから熱く甘い痺れがじんわりとその隅々にまで沁み広がっていった。  
 
 
 
 

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