ある平日の夕方、「もうそろそろ2人が帰ってくる時間ですね〜。夕食の支度しなきゃ」 
なんてことをマリアは考えながら廊下を歩いていると何やらガサゴソと音が聞こえる。音のする場所はハヤテの部屋だった。  
「まさか、泥棒が入ってるなんてことは…」  
SPたちの能力を考えると侵入を許していることがないとは言えない。恐る恐るドアを開けて中の様子を窺う。  
「ニャ?!」  
人の気配に驚いたタマが窓から逃げ出して行くのが見えた。  
「なんだ… タマでしたか。もぉ、こんなに散らかしちゃって」  
実はタマが以前ハヤテの部屋に持ってきた『相撲ファイター』の隠し場所が分からなくなり室内を物色していたのだった。  
また面倒な仕事が増えたと、ぶつぶつと文句を言いながら散乱したものを片づけ始めるといくつかのDVDが目にとまった。  
「あれはもしかして10代の男子が必ず持っているという…。このままにしておくわけにもいきませんし、かと言って元の場所と違う場所に戻したらハヤテくんとしても気まずいでしょうし…」  
ハヤテがそのような物を持っていることに驚き戸惑いつつ、とりあえず床から拾い上げる。  
それらのジャンルはメイドものばかり。  
 
 
ガチャ  
「あれ?マリアさん?」  
いつのまにか帰ってきたハヤテが入ってきた。マリアは慌ててDVDを隠そうとしたがハヤテの目に止まってしまった。  
「・・・・・」  
「・・・・・」  
2人とも顔を真っ赤にしてしばし沈黙が続く。  
いろいろ考えた結果、どうにか主導権を握ろうとマリアが先に口を開く。  
「ハヤテくん!だめじゃないですか、まだ16歳なのにエッチなDVDなんて持ってちゃ!」  
「そ、それは… その…」  
「それに、」  
ハヤテとの間を詰めて顔を近づける  
「こんなの見なくても、本物のメイドさんがいるんですから」  
 
 
 
                        以上  
 

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