「……やめて…くださ……ぃ…」
切れ切れに発せられる否定の声。
夕暮れの教室に、熱気の篭る吐息とぬめり気のある水音が響く。
声の主は綾崎ハヤテ。そしてもう一人。ハヤテのか細い声とは裏腹に、相手の声はきわめて明るい。
「にはは〜いいんちょさんに逆らうハヤ太君にはお仕置きだ〜」
にぱ、という効果音が似合う笑顔を浮かべるのは、クラス委員長である瀬川泉。
自他共に認めるM属性。いじめて泣かせてこそその真価を発揮する。
そんな彼女が、人気投票で虐めたいと言われまくった彼女が、
世のいいんちょさんを虐めたい人達に反して、逆に虐めて泣かせているという行動を。
「……せ…がわさ……んぅっ」
「まだいけるみたいだからもう一本いれちゃおうかな〜」
細い二本の指を引き抜き、もう一本増やし、再びハヤテの後孔に押し入れ、わざと音がでるように動かす。
「ひぁっ!い……やぁぁ……」
「ハヤ太君ってエッチな声だすんだね〜」
濡れた音と、泉のあくまでもスローペースな話し方が耳に響いて羞恥で頬が染まる。
そんなハヤテを見て、泉は楽しそうに笑った。
泉が指を動かすたびに、小さく声が漏れ緩く腰が揺れる。
その動きでハヤテの目に溜まっていた涙が染まる頬を伝った。
そして、生温かい液体が泉の太ももにも。笑顔に隠した自分の高まりを自覚させるように。
「…おぉ…泉が攻めてる」
「まぁ泉だってたまには攻めたい気分になるさ」
「ヒエラルキー最下層の戦いね…!」
廊下から中を覗くのは美希と理沙。その手には映研のカメラが。勿論稼動済だ。
「明日の泉の反応、楽しみだな」
口元に浮かぶ笑みが、物凄く黒かった。