「お嬢様、こちらでよろしいでしょうか。」  
ハヤテがみかん箱大のダンボール箱を私の机の横に置く。  
「うむ。ご苦労だったな。  
ではこれから一気読みするから夕食の時間になったら呼んでくれ。」  
私はハヤテをさがらせるとダンボール箱をそっと開けた。  
漫画の大人買い、いわゆるかなりの巻数に達した漫画を一気に買い揃えるのは私には簡単な事であった。  
今私が凝っているのは、漫画家の作家買いだ。  
その漫画家が出した漫画は勿論、挿し絵を担当した小説、  
イベントパンフレットに描かれた小さなカット、雑誌の付録などを収集するのだ。  
今日も古書と同人誌を扱うショップから依頼した分が届いたので引きこもって堪能しようと思っている。  
「おおっ!なんと美麗な!」  
フルカラーの今は入手しづらい画集や雑誌のポスターを開き机に並べてゆく。  
嬉しくてつい頬がゆるんでしまう。  
「よし!マンガもゆっくり読むぞ!」  
次に私がダンボール箱の底から取り出した本は、市販の漫画本より薄くフルカラーの表紙のものだった。  
大きさはB5判で薄いので背表紙もない。  
「もしやこれは同人誌?」  
そういえば下積みの長い漫画家だと聞いたことがある。  
表紙に描かれた美少女キャラはおそらくオリジナルキャラクター。  
私は椅子に深く座り直すと何の気なしにパラパラとめくった。  
すると、表紙や最初のページでセーラー服を着ていた美少女が  
どんどん半裸になりあられもない姿になっている。  
「なっ!?」  
なんだ、これは。  
カァーっと顔が赤く染まる。  
もしかして成人向け同人誌というものなのか?  
存在は知っていたが未成年のため手にとった事は無い。  
見ちゃダメだ!  
顔の前でパタンと本を閉じる。  
でも。  
でもきれいな絵だ。  
表紙を上にするとしげしげと眺めた。  
今は部屋に私一人。  
タマは庭で昼寝している。  
使用人全員には創作活動中につき、何かあったら内線するように言ってある。  
私はそっとページをめくり1ページ目からじっくり目を通した。  
主人公はセーラー服の女子高生。  
好きな男がいるが内気ゆえ、自分の想いを伝えられないらしい。  
なかなか伝わらない切ない想いを自身の体にぶつける。  
自分の部屋の椅子に座ると少女はセーラー服をめくりブラを緩めた。  
現実離れした大きな丸い胸がこぼれる。  
「なんてえっちな体の描き方なのだ…」  
呟きながら私は胸の鼓動が早くなってきた。  
 
コマを追うとやがて少女は大きな胸を揉みはじめた。  
私もドキドキしながら自分の胸に手を伸ばす。  
「…うっ」  
悲しいかな、私の胸は発育途中のため、漫画の少女のようにふわりとした感触は無い。  
ため息をついてページをめくると今度は乳首に指を当てている。  
再びドキドキしながら私は洋服の下に手を入れ直に胸の先を触ってみた。  
「…あ」  
少女のように乳首は硬くなり敏感になっている。  
指でなぞりながら、さらに読み進めると少女はスカートを脱ぎショーツの上から恥ずかしい部分をなぞっている。  
自分でも耳まで熱くなるのがわかる。  
同時に下半身も…。  
今、私は部屋に一人だ。  
なんとなく周囲を振り返り静かにスカートを脱ぐ。  
そしてショーツの上から熱くなった部分をなぞる。  
「あっ…」  
ショーツが湿っているのがわかり驚いてしまった。  
大きな胸が丸出しでショーツの中に手を入れ恍惚の表情を浮かべる少女がページいっぱいに描かれている。  
「うう…なんていやらしい構図なんだ…」  
喉が渇いてきた。  
顔は真っ赤なままだけれど胸の高鳴りは少し落ち着いた。  
私もショーツに手を入れてみる。  
「あっ…あぁ…」  
足と足の間を指でなぞると指に露が絡みついた。  
ぬるりとした指先のまま突起した部分を往復して触る。  
「んっ…あぁっ!」  
目をつぶり声を上げてしまう。  
そして目を薄く開け漫画を見ると、少々は自分の好きな男への想いを呟いていた。  
「んっ…ハヤテ…」  
無意識に呟いた後、ドキッとした。  
頭の中でハヤテが私に愛の告白をしてきたシーンが甦る。  
今はまだ告白止まりだけどいつか結婚するってことは…。  
新たな妄想が頭にわきそうになった直前、部屋の電話が鳴った。  
 
「わっ!」  
びっくりして飛び上がった後、慌てて受話器を取る。  
「お嬢様、ただいまお時間を少々頂いても大丈夫でしょうか?」  
「ハハ、ハヤテか?どっどうした?」  
「先程、漫画のショップから連絡がありまして、何でも誤って同封してしまった本があるとかで」  
む、もしかしてこの成人向け同人誌の事か。  
私の名義で購入しているので送ってから気付いたのか。  
「どの本か見当はついているから、箱に入れて封をしておく。  
後で送り返せばいいんだな」  
「はい。  
それと夕食の支度が整いましたが、お部屋までお持ちしましょうか?」  
うっ。  
今すぐハヤテの顔を見るのは…。  
「いや。  
キリがいいところで食堂に向かうから構わんよ」  
受話器を置くと私は椅子にへたり込み息を吐いたのだった。  
 
 
終  
 

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