草木も眠る丑三つ時――
白皇高校生徒会役員専用時計塔。
そこに、二人の人間がいた。一人は少年、もう一人は同年代の少女だ。
二人は重なりあうように立っていた。
しかも、お互いに全裸で。
「ヒナギクさん……」
少年――綾崎ハヤテが、少女、桂ヒナギクを優しい声で呼んだ。
ヒナギクは頷いて、その唇をハヤテの唇に重ねた。
ハヤテもそれを待ち望んでいて、触れ合った途端ヒナギクの口内に舌をいれた。
お互いに舌を絡ませ、むさぼり合うようなキスをする。
「は……う、ぁん、んく……」
唇をはなすと、間には唾液の糸が引いた。
「ヒナギクさん……ホントに、いいんですか?」
どこか心配しているような口調で、ハヤテは言う。
ヒナギクはそんなハヤテに溜め息をつき、微笑んでこう言った。
「平気。――あなたなら、平気よ」
ヒナギクは膝をついた。その眼前には、巨大に膨張したハヤテの男根があった。
ヒナギクは、それを根元から舐め上げる。
「くっ……」
ハヤテはその快感に思わずうめいた。
ヒナギクは妖しく笑むと、ハヤテの男根を口に含んだ。
そのまま、顔を動かす。口から出して先端を刺激し、再び口に入れる。
ヒナギクの口によって行われる快楽の波に、ハヤテは絶頂を迎えようとしていた。
「ヒナギクさん、もう……出、るっ」
ドプッ
ヒナギクの口内に、ハヤテの精液が大量に放出されていく。
「ん……んく、うん……」
ヒナギクも必死で飲み干そうとするが、飲み切れず、吐き出してしまった。
「うぁ……」
床が白く染まっていく。
「大丈夫ですか?」
ヒナギクは荒い呼吸を整え、一度深く呼吸してから、ハヤテを見つめた。
「心配しないで。大丈夫。……意外と、おいしかったわよ?」
ハヤテはその言葉に安心し、立ち上がった。
「それじゃあ、次、本番ね」
そういうと、ヒナギクは股を開き、自分の秘部を指で開いた。
すでにそこは愛液でびしょ濡れになっていて、ハヤテを受け入れる準備が調っていた。
「……行きますよ?」
最後の確認だ。
「お願い」
その言葉を聞き、ハヤテは安心して秘部に男根をあてがった。
ズッ……ブズッ
「つ……っ!」
強烈な痛みがヒナギクを襲う。
「大丈夫ですか? 抜きましょうか?」
ヒナギクは首を振った。
「我慢するから、続けて?」
ハヤテははい、と返事をして、さらに奥深く挿入していった。
ヒナギクの秘部からは血が流れ、愛液と交ざって不思議な色をしている。
「んっ、く、ぁは……っ!」
痛い。だが、それに負けない快感が、現れはじめてきていた。
「動かします」
ズチュ……グチュ……
クヂュ、チュグ、ズチュ
「んぁ、はん、あぁ!」
卑猥な水音と、ヒナギクの喘ぎが混じり合う。
痛みは消え、走る快感は愛する者と繋がっている証拠。
ヒナギクはうっとりとした恍惚の表情をしていた。
「ハヤテ、くぅん……っ!」
ハヤテの首に手を回し、ヒナギクは淫らに叫ぶ。
「ハヤテくん、ハヤテくんっ、ハヤテくん!」
愛する者の名を言う度に、快楽が増していく。
絶頂まではもうすぐだった。
ズチュッグチュッヂュブッ!
「ハヤ、テくん……だ、抱っこ、したまま、イキたい……!」
「はい、ヒナギクさん」
ハヤテはヒナギクを抱きかかえ、ラストスパートをかけた。
ブヂュグヂュプチュズヂュッ!!
「イク、イク、イッちゃう――っ!」
「く……っ、ヒナギク、さん!」
ともに限界だった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ドグゥッ
ヒナギクの膣内に、ハヤテの精液が注がれていく。
「ぁ……ハヤテ、くん……」
最後に愛する者の名を言って、ヒナギクは意識を失った。
ヒナギクはベッドの上で目を覚ました。
見ると、ハヤテはすでに服を着終わっている。
「……私、気絶しちゃってた?」
ハヤテに問うてみる。
ハヤテはう〜んと唸ったあと、
「というより、寝てましたね」
と言った。加えて続ける。
「かわいかったですよ、寝顔も」
ハヤテの言葉に、ヒナギクは今更ながら赤面した。
「あ、ありがと……」
気恥ずかしくて目を逸らした。
ハヤテが苦笑する。
「な、何よっ、もう!」
ヒナギクは怒ったふりをしてそう言い、ベッドの毛布の中に潜った。
布の向こう側から、すいません、と聞こえてきた。
「……もう」
そう言いながらも、その表情は笑顔だった。
愛する人を側に感じ、ヒナギクは再び眠りについた。
その表情は、至福。
【END】