ハヤテのごとく! コミックス第3巻第8話ダッシュ超ショート!
「耳年増なお嬢様はブラックハヤテな妄想をする!」
ハヤテと伊澄が抱き合っているように見えるシーン(コミックス参照)を見た翌朝、
三千院ナギは自分の執事であり、恋人だと思っている綾崎ハヤテを問い詰めた。
伊澄のことは好きだが、愛してはいないというハヤテにナギは強い口調で尋ねる。
「昨日のあれは、伊澄をもてあそんだだけだというのか!?」
「どちらかというと……、咲夜さんとは遊びましたけど……」
少し考えるようにしてからハヤテが答えると、ナギの多感なお年頃の妄想が超加速した。
☆
「や、やめえや借金執事……いくらウチが一番お姉ちゃんや言うても――ひやあっ!!」
「そんなことおっしゃっても、身体は正直ですよ? こんなに火照らせて……耳まで赤いじゃないですか」
「あっふああっ! そないなとこ、甘噛みせんといてっ!」
「胸の先だって、こんなに固くして……摘めるほど大きくなって……いやらしいですね」
「やっ……ひんっ! そないなこと……ふぁ……言うなや……んん、くぅぅ」
「それにさっきから……内腿を擦り合わせて、何をしているんです?」
「――――――!!」
「すっかり汗ばんで……ほら、敏感な内腿を手がゆっくり上っていく感触はどうですか?」
「や……あかん、あかんて、しゃ――――ハヤテ、お願いや、お願いやから、堪忍したって……!」
「ダメですよ。お客様を欲求不満のまま帰すような不手際は、三千院家の執事として出来ませんから」
「ひゃ――っ、いま……カリッて……ふぁぁっ、いや、やめ! 引っ掻かんといてっ!!」
「ショーツの上から少し刺激しただけでこれですか。とても敏感なんですね、咲夜お嬢様」
「そんな……恥ずかしいコト、言うなや……っ! んくっ……ああああっ……!!」
「シルクのショーツなんて、大人ですね。簡単には染みないから、擦れる感触がたまらないでしょう?」
「やめてや……ウチ、そんなことのために、穿いてるんとちがう……くぅぅっ!」
「僕の腕を強く握り締めて……我慢しているんですね。……でも、これからですよ」
「ひやっ……! ふあああああっ……!!」
「わぁ、ショーツの中、とろとろじゃないですか。熱くて、僕の指が溶けちゃいそうです」
「……っ、直接、触るの……やめ……あ、あぅぅッ! もうアカン……アカンからぁっ!!」
「浅く埋めた指先に、一生懸命吸い付いて……ほら、こう、くちゅくちゅするのがいいんでしょう?」
「いやや……ウチの女の子んとこ、ふぁ、そんなにイジめんといてぇぇ……ッ! ひゃ……んくぅぅっ」
「たっぷり撫でてあげますから、遠慮なくイッてくださいね」
「ふぁ、や、アカン、ひっ、あああああっ……―――――――――――――――――――――――――!!!」
「胸に縋り付いてくるなんて、意外と甘えんぼさんですね」
「…………はぁ……はぁ……や、かまし…………――――ひや!?」
「そんな甘えんぼさんな咲夜お嬢様に、少しだけおまけです」
「や、やめ、いまびんかんになっとるからっ!! や、ふああっ! やあああっ!!」
「さっきは入り口だけでしたからね。今度は、こっちの尖ったところも触れて差し上げましょう」
「ややああっ! もうイキたない! もうウチ、イキたないねんっ! 堪忍してや……ハヤテぇ!」
「ダメですよ。頭の中が真っ白になるまで、たくさん気持ちよくなってくださいね?」
「あぁ……ひっ!! ふああっ! ああああああああああああああああああああああああッ!!」
「うっ……ぐすっ……どうして……ウチ、また、こんな……ッ」
「ふぅ……とっても可愛かったですよ。咲夜お嬢様」
「……可愛いとか、言うなや……! キスもしてくれへんで……どうせウチとのことは遊びのくせにッ!!」
「ええ。咲夜お嬢様とは、遊びです。僕にはナギお嬢様という恋人がいますから」
「――――!! くっ……っ……ぐすっ……。……用が済んだんなら、とっとと行きや……!」
「でも、可愛いと思ったのは本当ですよ。遊びではありますが、素敵なひとときでした」
「あ……っ」
「では僕はこれで。……また遊びましょうね、咲夜お嬢様」
「……ウチ、アホや……こんな、おでこにキスされたくらいで……っ! こんな……っ、うううっ……!
ウチの身体オモチャにして、こんなにするヤツやのに……ウチ……ウチ、離れられへんよ……ナギ……!」
☆
(ああああ……サク姉ちゃんが……サク姉ちゃんが……ハヤテに……ハヤテと……)
自分の妄想にくらくらするナギに気付かず、思考を続けていたハヤテがポンと手を打つ。
「あ……でも、あの暗い地下で、伊澄さんと遊んだといえば遊んだかも……」
混乱の極みにあった多感なお年頃の天才の頭脳は、さらなる燃料投下によって種割れを起こした。
☆
「ハヤテさま? どうして地下に連れてくるのです?」
「暗い地下ならお嬢様に気付かれる心配がないですから……いえ、こちらのことですよ」
「あの、それで、……その、告白の、ことなのですが……お返事を――――んむっ!?」
「ちゅ、んむ……れろ……んん……んちゅっ。はぁ……可愛いですよ、伊澄さん」
「あ、いや、やめてくださいハヤテさまっ、こんな突然っ……。お返事もまだ頂いてないのに……」
「いやでしたら、僕の手を振りほどいて逃げてくださって構いませんよ」
「そんな…………私は…………ん……」
「それにしても、いつみても綺麗な髪ですよね。こうして撫でられるの、好きですか?」
「あ…………えっと、その……はい……」
「それじゃあ、こうして優しく抱き締められて……キスされるのは……?」
「ん……ちゅっ、はあ、あむっ……んんっ……ちゅ……っ、はぁ……はぁ……ハヤテさま……ズルいです」
「そうやって、頬を染めながら怒る伊澄さんも素敵です」
「あぁ……ハヤテさま……」
「……さすがに着物を着たままでは何も出来ませんね。残念です」
「んっ、ちゅ……さっきから、私の唇を何度も何度も吸ってらっしゃるのに……?」
「ふふ。伊澄さんの唇も舌も、とっても甘くとろけていて美味しいですよ」
「そんな……ああ……恥ずかしいです……」
「身体に触れられないのは残念ですが、せめて露わになっている部分だけでも触れていいですか?」
「ええと……髪、とか、ですか……んん……ちゅ……れろ……ちゅ」
「ええ。綺麗な黒髪を撫でたり、他にも、こうして手を繋ぐのもいいですよね」
「あ……はい。なんだか、温かくて逞しくて……ドキドキしてしまいます」
「伊澄さんの手こそ、すべすべで、白くて細くて……こういうのを白魚のような手と言うんでしょうね」
「そんな……もう、ハヤテさまったら……ん……ちゅっ、ちゅっ……んむっ……ふぁ……」
「ふふ。それと、頬に触れたり……耳に触れたり、したいです」
「頬、は、その……触れられると嬉しいですが…………耳も、なのですか?」
「ええ。少し、試してみましょうか?」
「まずは指で髪をそっとよけて……外耳をゆっくりなぞって……耳たぶや、耳の裏を……」
「ふあ……んんっ……ハ、ハヤテさま……くすぐったいです……っ」
「小さくて、ぷにぷにしてて気持ちいいですよ。……あ、少しずつ熱くなってきましたね」
「す、すみませんハヤテさま……なんだか、恥ずかしくなってしまって……んあっ、く、ふっ……」
「声を出しても構いませんよ。ここには僕しかいないんですから」
「ふあ、は……そんな、お慕いする殿方の前で……そんな、はしたない、姿は……きゃぅぅ……っ」
「あとはこうして……いままで唇にして差し上げたみたいに、唇と、舌で……」
「ひゃっ……はぅぅっ……! あ、あ、ハヤテさまっ……ダメです、ダメです、……んくぅぅっ!」
「ふぅーーーっ、ちゅっちゅっ、れろれろれろ………」
「は、あ、ぞくぞくって……ふぁあ……っ、私……なんだか……ああ……――――――――――」
「ちゅ……。可愛かったですよ。伊澄さん」
「ハヤテさま……、私の身体、どうしてしまったのでしょうか……その、なんだか……」
「ふふ、内腿をもじもじとさせて……。その先はお洋服か、夜着を着ている時に教えて差し上げます」
「……ん……ちゅっちゅっ……はぁっ……はぁ……また、その、こうして……くださるの、ですか?」
「ええ。ですが、今日はここまでです。火照った身体で……何度も思い返しながら、ご帰宅してくださいね」
☆
(ああああ、伊澄が……伊澄が……結婚を申し込んだこともある伊澄までもがぁぁ……!)
「おや?」「ハヤテのバカーーーー!!」 こうしてハヤテはぶん殴られた。 おしまい。