そう時間が経たないうちにハヤテから唇を離した。  
咲夜は名残惜しそうにハヤテに縋る。そんな咲夜が愛おしくて仕方ない。  
「キスならこれからも、いつだってしてあげますよ」  
「む〜…」  
咲夜はうなだれる。  
「それより、不公平ですよ?」  
「え?」  
「僕はさっきからすっぽんぽんなのに咲夜さんは…」  
ハヤテはニコニコとして、咲夜が何かをするのを待ちかまえるかののようにじっとしてた。  
咲夜はハヤテの言わんとしていることを悟り、恥じらい躊躇う。  
「うち、裸を男に見せたことなんかあらへんし、その…」  
 
がしっ  
 
「へ?」  
ハヤテはタオルの裾を掴み、そして一気に、  
「それっ!」  
脱がした。  
ハヤテの目に、生まれたままの姿の咲夜が写る。  
「な、なにするん…ひゃっ!?」  
ハヤテはそのふくよかな胸に顔を埋め、舐め回す。  
「んっ…こ、こそばゆい、は、ハヤテ…ちょっ、やめんか、ぁああっ!」  
次にハヤテは右の乳首に吸いつき、舌で先端をいじくる。  
「ふぁっ、ハヤテ…ハヤテぇぇぇぇ!」  
咲夜は耐えきれず、ハヤテの頭に抱きつい。それでもハヤテは舌の動きを止めない。  
咲夜の体が小刻みに震える。  
 
ハヤテは調子に乗って、左の乳首もいじりだし、そして、  
 
ぬちゃ  
 
「な……………………かはっ…ぁん」  
咲夜の陰部をもいじりだした。  
いきなりのことに咲夜は喘ぐ。  
「いにゃっ…そにゃいなゃとこ……」  
余りもの快感に呂律が回らなくなる。  
ハヤテはクリトリスだけでなく、その全体をバランスよく愛撫し、的確に咲夜に快感を与える。  
そして、愛撫をすればするほど愛液が溢れでる。  
 
ちゅぱ  
 
ハヤテは口を離して咲夜を見上げた。胸が唾液で輝いている。  
「咲夜さんの乳首、勃起してますね、とても硬いです」  
「ぃゃ、言わんといて…」  
「それにここも…」  
 
くちゃくちゃ  
 
「ーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」  
 
咲夜は声にならない叫びをあげる。  
「すごいですよ、ほら!こんなに愛液が…」  
「んゃぁ…」  
咲夜が弱々しく反応する。  
「でも、まだイってないみたいですね」  
そう言うと、ハヤテは両手を離し、軽々とお嬢様抱っこをする。  
咲夜はボーッとしていて、口からはだらしなく涎を垂らしている。  
 
ざばん  
 
ハヤテは湯船から上がり、椅子に腰掛けると、向き合うように咲夜を股に跨がせた。  
咲夜はハヤテに凭れる。  
 
「僕も、そろそろ楽しみたいです」  
ハヤテはにっこりと微笑む。  
「さっきから触ってすらいないのに、全くおさまらないんです、これ」  
二人は勃起したモノを見つめる。  
咲夜はそっと先端な触れてみる。  
「んくっ…」  
それだけで我慢汁が溢れてくる。  
咲夜は指についたそれを舐める。  
「うち、ハヤテのが、欲しい」  
「ぼくも、早く、入れたい…」  
互いに頷く。  
 
咲夜は少し腰を浮かす。  
そして、先端に穴をあてがう。  
「も、でちゃいそう…」  
「あ、あほぉ、我慢しぃ、これから、もっと気持ちええことするんやからな…」  
「は、はい」  
ハヤテは深呼吸する。  
 
「では、いきますよ」  
「ああ、ハヤテ…」  
ハヤテは咲夜腰を掴み、ゆっくりとゆっくりと侵入させていく。  
 
二人とも浴場に響き渡るほど、あえぎ叫んだ。  
初めての感覚に戸惑い、しかしながら感動する。話しかける余裕など二人にはなかった。  
ハヤテは咲夜が処女であろうと気遣いたかったが、そうもいかない。  
 
『えぇぃ、ままよ!』  
ハヤテは一気に貫いた。  
 
 
咲夜は目を開けた。  
 
天井が見える。  
『ここ、ナギのベットか…?』  
より状況を把握するために辺りを見渡す。  
『誰…や?…あかん、ぼやけて見えへん…』  
ベッドの横で誰かが椅子に座っている。咲夜は目をこすり確かめようとするる。  
「咲夜さん…」  
咲夜が再び目を開けると、ハヤテが心配そうに自分を見つめていた。  
「はやて…」  
「お身体の方は、大丈夫ですか?」  
「え…?あ、ああ。………うっ」  
下半身、膣内に痛みが走る。  
『そっか、うち、ハヤテと…』  
今思うと、夢だったのではないかと疑ってしまう。しかしその痛みが、事実だと訴える。  
 
「咲夜さん…」  
ハヤテは頭を下げた。  
「ごめんなさい!」  
「え…?」  
「貴女を傷つけてしまい、申し訳ありませんでした!」  
咲夜は呆ける。  
しかしすぐに、ハヤテの言ってることを理解した。  
「別に、謝ることやないやんか…」  
「でも…」  
「大方予想がついたわ。うち、気絶してもうたんやろ?」  
「…はい」  
「なら、うちが悪いやんか。いいところで中断させてもうたわけやしな…」  
咲夜はにっこりと微笑む。しかしハヤテの顔は暗い。  
「もしな、実際にハヤテが悪かったとして、そんなら…」  
咲夜はそっとハヤテの頬に触れる。  
「笑ってくれへんか?」  
そう言って口づけを交わす。  
触れるだけだが、長い長い口づけ。  
 
 
しかし、それでもハヤテは笑ってはくれない。  
咲夜は不思議に思うと同時に、感づいた。  
「何か、隠しとるんか?」  
「え?」  
「もしくは、言いたいことがあるんか?」  
ハヤテは目を丸くする。  
「図星か…」  
ハヤテは力無く笑う。そして、口を開いた。  
 
「言いたいこと、いえ、言わなくちゃいけないことがあります。」  
「…」  
咲夜は黙って聞いている。  
「けれど、それを言ってしまったら、貴女を傷つけてしまうかも、いや、傷つく筈。  
でも、言わないわけにはいかないんです。」  
「…言ってみ」  
「…」  
「言わんかったら分からんよ。」  
咲夜はやはり微笑む。ハヤテの受け売りのように。  
「頭なんか下げんでええから。言ってみ。」  
漸くハヤテは頭を上げる。  
「複雑」、まさにそんな顔をしていた。  
 
ぼくは最初、夢だと思ってたんです。  
咲夜さんとの一連のできごと全てが、夢だと思いました。  
だから普段とは違う、あんな大胆な真似ができました。  
 
でも違いました。  
咲夜さんと、その、繋がった時、気づきました。  
その感覚、流れ出る血、そして気を失った貴女が、これは夢なんかじゃないと気づかせたんです。  
 
僕は愚かなことをしたと後悔しました。  
貴女は真剣に僕を想ってくれていたのに、僕は貴女のことを………  
 
前にもある人達に言ったんですけど、僕には「女を養う甲斐性」がないんです。  
だから、貴女を幸せになんてできる筈が…  
 
「はっ…」  
ハヤテが言いかけてる途中で、咲夜が鼻で笑った。  
「なにかと思えば下らん話やな」  
「え…」  
「言いたいことははっきり言わんかい、アホ。」  
ハヤテは押し黙る。  
「さっき、うちが真剣にハヤテを想ってるて言うたよな?  
それは当たっとる。そして今も変わらん。」  
一息つく。  
「愛しとる。  
けどな、おまえの、自分の意見をしっかり持たん所は嫌いや。  
おまえはどうなんや?うちは真剣に想ってる。ならハヤテは?  
うちはな、ハヤテの素の気持ちを聞きたいんや。甲斐性だ何だとか、そないな話とはちゃうねん。  
おまえに養う甲斐性とやらがないなら構わへん。うちが養ったる。」  
ハヤテは固唾を飲む。  
「いっちばん重要なんはハヤテ、おまえの気持ちなんやからな。」  
「咲夜さん…」  
「さてと」  
 
がしっ  
 
咲夜は両手でハヤテの顔を自分に向かせる。  
「うちだけを見るんや。他に目ぇ行ったらぶん殴ったる…  
うちだけを見てな、それで教えてくれへんか?ハヤテの気持ち。」  
「僕の気持ち…」  
「そや…」  
二人は見つめあう。  
 
「何度でも言ったる。うちは、愛しとる。ハヤテが『生涯の相方』になってくれるんなら大歓迎や…」  
「…僕は」  
「ああ」  
「…僕も、咲夜さんが好きです。でもそれは多分、恋愛感情ではありません。  
さっきの僕は、ただの欲情した猿だったんです。理性を持たない猿だったんです…  
貴女は、そんな僕を」  
「愛しとる。」  
咲夜は躊躇なく告白する。  
「で、でも…」  
「あのな、うちがハヤテを愛してる理由、分かってへんやろ?」  
ハヤテは押し黙る。  
咲夜は、やっぱりかと言うように笑う。  
「ハヤテは人の想いだけやのうて、自分の想いにも気づかへんのやな」  
「え…僕の?」  
「そや…うちがお前を愛するのはな、」  
咲夜はハヤテに凭れ、胸に耳を当てる。  
「ハヤテの、ハヤテの想いが伝わったからや」  
咲夜は更に強く抱きしめる。  
「…決めつけるなって話やけどな、でもうちはそう感じたんや」  
ハヤテを見上げる。  
「なあ、ハヤ」  
 
ぎゅっ  
 
「!?」  
『は、ハヤテ?』  
咲夜の心臓がバクバクと激しく鳴る。身体が火照る。  
 
咲夜は嬉しくなり、より想いを込めて抱きしめ「返し」た。  
 
「…咲夜さん」  
「なぁんや?ハヤテ…」  
「『好き』、だとか『愛してる』、だとか、そういう気持ちは僕にはありません」  
「え?」  
「僕にとって貴女は、咲夜さんは、守るべき存在です。」  
「守る、べき…」  
「はい。お嬢様も、守るべき存在ではあります。でも、それとは違って、咲夜さんは…」  
「ええよ」  
「え…」  
「まさかな、ハヤテからそないな情熱的な台詞が聞けるとは思わんかったわ!」  
咲夜は照れ、顔を背ける。ハヤテもつられて照れる。  
「なあ、ハヤテ」  
「はい」  
「愛しとる。」  
 
『素直、か。ひねくれず、素直になるな、さっきの言葉は間違ってる。  
そう、僕は…』  
 
 
「愛してます。」  
咲夜がハッと見上げる。  
「愛してます、咲夜さん」  
 
咲夜は瞬時に唇を重ねた。  
『こないな情けない姿、流石に見せられへんな…』  
咲夜の目尻から雫が零れ落ちた。  
 
今まで以上に濃厚なキスを終え、二人はポーッとする。  
「なあ、ハヤテ」  
「はい、なんでしょうか」  
「続き、せえへん?」  
「続き、ですか」  
「うち、今切ないんや。アソコが疼いてしょうもないんや…」  
「うーん…」  
「だ、ダメなんか?」  
「いや、だってここ一応…」  
「あ…」  
ここはナギの部屋、ましてや咲夜がいるのはベッドだ。  
「今、お風呂に入ってらっしゃるんですけど、あと十分もしたら戻ってくるかと…」  
「そ、そか」  
二人は冷静さを取り戻す。  
「ま、まあ、しようと思えばいつでもできるしな…」  
「そ、そうですね」  
少し気まずくなり、言葉を探る。  
言い換えれば、「初々しい」二人であった。  
 
「なあ、ハヤテ。」  
「はい」  
「そらな、こないなとこでセックスはできひんけど…」  
咲夜の大胆な台詞にハヤテは吹いた。  
「な!べ、別に変なこと言うとらんやないか!」  
「そ、そうですね…」  
「ったく。…でな、変わりに言うたら変やけど、」  
咲夜は躊躇いがちに言う。  
「しゃぶったろか?」  
 
突拍子もない申し出に、ハヤテは放心する。  
 
「さっき、寸止め食らったんやろ?せやから、うちが慰めたる。」  
「で、でも…」  
「脱げ!下だけでええ。脱げ!」  
咲夜はベッドから出て、立ち上がった。  
その時、咲夜は自分が着ている物に気づく。  
「ネグ、リジェ?」  
そして咲夜ボディラインが窺える。  
「ふーん…」  
咲夜は自分が着ている物をマジマジと見つめる。  
「これ、ハヤテがやったんか?」  
「え?は、はいそうですけど…」  
「はっ、本心丸見えやな!」  
「ぬぁっ!?別に僕はそんなつもりじゃ!」  
「嘘ついたらあかんでぇ?」  
「うっ…」  
「ほらな。」  
咲夜はカマをかけた。  
「なぁ、決めたんやろ?正直ぃなるって」  
ニカっと笑う。  
ハヤテは後ずさるが、咲夜もじわじわと近づいてくる。  
そして  
「たぁっ!」  
 
どすっ  
 
「痛ぅ…」  
「これで、逃がさんで♪」  
咲夜はハヤテを押し倒し、馬乗りになる。  
「全く、ナギと同じで、あ〜んまぃ奴よのぉ♪スキだらけや」  
「どこの賞金稼ぎの豚ですか貴女は…」  
「ちゃうわ…」  
「へ?」  
「うちはただの虜や……ハヤテのな」  
「咲夜さん…」  
二人は微笑む。  
 
唇を重ねた。  
 
「やっぱり、ええわ」  
「何がです?」  
咲夜は無視して、大きくため息をついた。  
「…ハヤテの、大きくなっとる。」  
「そりゃ、まあ」  
咲夜はクスリと笑う。  
「身体はこない正直やのに、せやからて、ハヤテの意思が揺らぐことはないんやな」  
「……」  
「普通の男やったら、こないな状況で黙っとる筈あらへん。  
……おまえは、『普通の男』やない。おまえは、『ハヤテ』や。」  
咲夜は立ち上がる。  
「うちから攻めるんはもうやめや」  
「え?」  
「こういうんはハヤテからエスコートするもんや、せやから、うちは待つ。  
それに、ナギに見つかってもつまらんしな…」  
そう言うと、咲夜は大きな欠伸をし、ベッドに向かう。  
「咲夜、さん?」  
「おやすみな、うちはもう寝る。疲れてもうたわ」  
咲夜はさっさと布団の中に入り込む。  
「また明日、相手したるわ…」  
咲夜は眠るフリをしだす。  
 
『さあハヤテ、かかってきい!今のハヤテならできる!さあ、さあ!』  
 
しかし…  
 
ハヤテはむくりと立ち上がる。  
「そう、ですか。」  
『え?』  
「そうですよね!夜も遅いことですし、今日はお休みになられた方がいいですよね」  
『はぁ!?』  
「で、では、お、おやすみなさいませ…」  
 
パタン  
 
 
ハヤテは出ていってしまった。  
『…………は、』  
「はっやての、ぶゎっかやるぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」  
咲夜はベッドの上で暴れ出す。  
「な、なんでや!どこで計算が狂ったんや!うちの予想ではハヤテは襲ってくるはずやったのに…」  
咲夜はバーサーカーと化す。  
「も、もう最悪や!こうなったら一晩中オナニーしたる!寝不足になったらあいつのせいや!」  
などと宣っていたところに、ナギが部屋に戻ってきた。  
「ふー、さっぱりした。お、ナギ、目が覚め…って何してるんだ?」  
「知らん!」  
「知らん、てお前、人のベッドで暴れるとはお前は猿か?」  
「アホ!うちは豚でも猿でもないわ!」  
「ああわかったわかった。兎に角、落ち着け。」  
「ふん!」  
咲夜はゴロンとする。  
 
「なぁ、なにかあったのか?」  
「別に…」  
「まさか…ハヤテに何かされたのか!?」  
咲夜ハッとナギを見、そして力無く、悲しげに笑う。  
「んなわけないやろ…」  
「んぁ?」  
「…は、ハヤテがそないなことする奴やないって、なんだかんだでナギが一番分かっとるやないか!」  
「ムッ…」  
ナギは照れる。  
「ま、まあな、何せハヤテは私のお嫁」  
どすっ  
 
「へ?」  
咲夜が拳でベッドを殴った。  
「ちっ…」  
舌を打つ。  
「さ、咲夜…さん?」  
「なんや」  
俯いていて表情を窺えない。  
「本当に、どうしちゃったんだ…?」  
「どうも、してへん…」  
「う、嘘だ!」  
「…」  
ナギは咲夜に近寄る。  
「本当に、どうしたんだ?」  
恐る恐る、咲夜の顔を覗く。  
「さくや。……!?」  
戦慄が走る。  
「え………え?」  
戸惑いを隠せない。  
鳥肌が立つ。  
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!