ヒナギクとの一件以来性格が豹変したハヤテは、ヒナギク、マリアを犯し、ついには最後のターゲットを狙うほどになっていた。  
最後のターゲット――それは、三千院ナギ、その人だった。  
 
「お嬢さまー」  
ハヤテの姿で、ハヤテの体の誰かがナギを呼ぶ。  
「なんだー」  
返答はすぐ返ってきた。  
ハヤテは時計を見る。時刻はいつの間にか午後7:00を回っていた。  
「お風呂は入られたんですかー?」  
「いや、まだだー。まだこの亀公が倒せーん」  
やはりゲームに夢中だった。「さっさと切り上げてくださーい」  
ハヤテはそう言うと、準備をしに風呂場へ行った。  
その口許に、下卑た笑みを浮かべて。  
 
準備が終わると同時にナギが部屋から出て来る。やや上機嫌だ。  
「どうなさいました?」  
「いや、ノーミスで勝てたからな」  
ナギはそれが嬉しかったのか、鼻歌混じりで風呂場へ行こうとする。それを見計らって、ハヤテは声を掛けた。  
「どうせなら、僕が背中を流しましょうか?」  
その言葉にナギは「うむ」と頷きそうになり――気付いて思い切り首を振った。  
「な、何を言っているのだ!? そんなこと――だ、だいたいマリアはどうした?」  
 
ハヤテは考えておいた建て前上のセリフを並べる。  
「グッスリ寝てますよ。きっと疲れてたんです、起こす訳にもいかないでしょう」  
実際はハヤテに乱暴され失神中だ。  
ナギは睨みをきかせた目でこちらを見つめている。  
「目隠しならしますって」  
ハヤテは右手でハチマキをひらつかせた。  
「……見たら借金倍にしてクビだからな」  
ナギは渋々それを認めたのだった。  
 
 
一方、予感を感じ三千院家へ向かった伊澄は、困ったことに、というかやっぱり迷っていた。  
「ここは……どこでしょう……?」  
さっきの決意はどこへやら。  
 
ザ――……  
シャワーの流れる音が風呂場に響いている。  
「…………」  
「いやぁ、お嬢さまの肌、スベスベですね」  
妙な緊張感で黙ったままのナギの腕を、ハヤテはタオルでこすっていた。  
ハヤテの言う通り、ナギの肌はとても綺麗にたもたれていた。  
「こういうのを、玉の肌っていうんですよね」  
「…………」  
ナギは一向に喋ろうとしない。どころか体の前面を洗う手まで止まってしまっていた。  
ハヤテはチャンスを逃さない。  
「ほら、ちゃんと洗ってくださいって」  
ハヤテは手をスルリと前面に滑らせた。胸の突起に触れる。  
 
「ひぅっ!」  
ナギの体が震えた。  
「ど、どこを触って……!」  
「洗わなきゃいけないじゃないですか」  
ハヤテは即答すると体をタオルごしに触り続けた。胸にふれ、反応を楽しむ。  
「んっ……く、いい加減に――」  
殴ろうとでもしたのか、ナギは急速に体をひねった。  
しかし、それは妨害された。「ひゃっ!」  
ハヤテはナギの耳に下を這わせていた。  
「暴れないでくださいよ。……ゆっくり犯せないじゃないですか」  
「な――!」  
ハヤテはナギの股間に手を滑らせた。まだ未成熟の割れ目に指を沿わせる。  
「ん……っ、く、やめ……!」  
ムリヤリ、中に指を突っ込んだ。  
「ぁ――」  
 
ビクッ  
 
ナギの体が痙攣する。目を見開いて、震えていた。秘部からも愛液が噴出した。  
イッたようだった。  
「いくらなんでも、早すぎないか?」  
その口調は無演技の証。ハヤテではない、誰かの言葉。  
「まだ終わってないからな、覚悟はしておけ」  
「ぃ、やだ……」  
ハヤテはお構いなしにナギをいじめる。  
秘部に挿れた指をさらに奥に侵入させ、掻き回す。  
「ぅん……、っ、くは……っ」  
必死で耐えようとしている姿が逆にハヤテの欲望を感化させた。  
「ほらっ」  
 
さらにもう一本、指を挿し入れる。  
「――っ!!」  
再びの絶頂。しかしハヤテはやめない。  
徹底的に膣内を嬲る。  
愛液が溢れ、ハヤテの手を濡らした。  
「しっかり感じてるじゃないか」  
「ふ……あぅ……っ!」  
ナギは真っ赤になっていて、すでに抵抗の意思はなさそうだった。体は正直。まさにそういうことだ。  
「ただ挿れて中出しするのも飽きたし……こっちをやらせてもらおうか、な!」  
ハヤテは言いながら指を抜き、な、に合わせて思い切り指を挿し入れた。ただし、うしろ――俗にいう、アナルに。「ひぐっ!?」  
「ひぐっ!?」  
内壁はハヤテの指を締め付け、外へ押し出そうとする。  
だがハヤテも抵抗を続け、ついに根元まで押し込んだ。  
「く……っ、は、ぁ……」  
勢いをつけて出し入れする。「ひっ、あっ、ぁくっ、くぅっ!」  
ナギの声に、もう拒否感はなかった。  
どころか、感じはじめてきている。  
「はっ、とんだ淫乱だな!」指の動きを早くする。  
「あっ、ダメ、イク、イッちゃう!」  
その言葉を聞いて、ハヤテは指を止めた。  
「あぅ……?」  
絶頂に向かう感覚が、急速に後退して行く。  
「どうせイクなら、コイツで、な」  
 
ハヤテはそう言って、ナギのアナルに陰茎をあてがった。  
「すぐに楽にしてやるよ!」  
ズブッ!!  
 
「ぁ――っ!!!!」  
一気に到着した絶頂。ナギは恍惚な表情をしている。  
しかし、その余韻に浸らせることもさせずに、ハヤテは腰を振り動かした。  
「あうっ、ひっ、く、ふぁっ……」  
その激しい運動に喘ぐナギ。ハヤテも、強烈な締め付けに耐えることは出来なかった。「……っ、出、る!」  
 
ドクッ  
 
「あぁ! ぁ……あつ……」  
ナギの腸内にハヤテの精液が流れ込んでいく。  
体に何かが流れ込んでくる感覚が、ナギの神経を覚醒させた。  
出し終わって一息ついていたハヤテ。アナルから陰茎を抜き、ナギを見る。  
「まだ終わらな――」  
いぞ、と、言おうとしたが、その口が、ふさがれた。やわらかく温かい――ナギの唇に。  
舌が侵入し、ハヤテの口内を動く。  
ナギはぷはっ、と唇を離し息をつく。  
「……っと」  
小さな声で何かを言う。  
「は?」  
「もっと、して……!」  
「!」  
ナギは、すでに堕落していた。  
「もっと私を、めちゃくちゃにグチャグチャに、犯してくれ、ハヤテェェ!」  
断る理由は、なかった。  
 
『ひぃっ、あふっ、あぁっ!』  
『まだまだ、行くぞ!』  
「これは……」  
伊澄は風呂場のドアに聞き耳を立て、中の惨状を予測していた。  
「……ハヤテ様では……ありませんね」  
聞こえている声はハヤテのそれだが、口調が違う。  
『ひゃぁぁぁぁぁっ!』  
一際大きい声が響く。  
『……気絶したか。……まあ、別に構わない、か』  
ナギが気絶。伊澄はそれを見逃さなかった。  
バタン、と風呂場のドアを開く。  
その音に、ハヤテは驚いて振り向いた。  
「……!」  
「お痛が過ぎたようですね」ハヤテは――ハヤテの姿の誰かは、ハヤテの記憶から伊澄のことを理解した。自分が一番忌み嫌う相手。  
ただの『霊体』である自分なんか、一瞬で――  
「やられる前に……犯ってやる!」  
ハヤテが飛び付いてくる。しかし、伊澄は慌てず騒がず、札を取り出す。その目は、真剣だ。  
「えいっ」  
伊澄にしては思い切り、ハヤテの頬をぶった。おまけに札をつけて。  
「ぐ! ぐぉぉぉぉ!」  
ハヤテの体から、何かが抜け出してくる。その姿は若く、一般な高校生ほどだった。  
ハヤテの体が倒れる。  
 
「……ふぅ」  
伊澄は一息つくと、二人を運べる人を探しに行った。  
 
 
……ハヤテに憑いていた霊、あれはある学校の生徒会長をしていた人物だった。  
格好もよく、異性にもよく好かれていて、性交も上手かったが、自分が一番好きだった者と性交を果たす前に事故で死んでしまい、それで『あの場所』にいた訳だ。  
だが、そのことは、誰も知らない。  
 
 
伊澄はハヤテの様子を見に部屋へやってきていた。  
疲れていたのか、死んだように眠っている。かなりの量の精液を出したのだから当然だが。  
「…………」  
ジッとハヤテを見つめていると、先ほどのハヤテとナギのやり取りが思い起こされてきた。  
ナギの喘ぎ声、ハヤテの言葉、部屋中に飛び散った液体。「……少し、なら」  
そして、  
「……ハヤテ、様……」  
伊澄がハヤテに近付く。  
 
 
 
「……ん」  
ハヤテ――本当の――が目を覚ました。  
極度の疲労感で起き上がれない。  
「僕は今まで……何を……?」  
ヒナギクと争っていた途中から記憶がない。  
「……? って、何か股間が異常に気持ちいいような……」  
よく動かない首を持ち上げて、見てみる。そして、固まった。  
 
「……は、ぅん、ん……」  
舌で刺激され、ハヤテは突然射精感に襲われた。  
「――っ、くぅっ!」  
 
ドクッ  
 
「……ぁ、あぁ……」  
息を荒くするハヤテは、深呼吸をして、同じく荒い息のその人物を見た。  
「おはようございます、ハヤテ様……」  
そこには、真っ白な精液にまみれた、どこか卑猥な微笑みの伊澄がいた……  
 
 
【To be contined...】  
 

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