「じゃあ、私は先にお屋敷に戻りますから、ハヤテ君も早く帰ってくるんですよー?」
「あ… は、はい。」
[間違えましたとは言えなかった。]
アウターストーリーin第126話
「暴露の実の熟する時」
「ただいま戻りました〜。」
マリアはゲームをしているナギに声を掛けた。
「おお、マリア。お腹すいちゃったぞ。早くおやつ作ってくれ。」
「はいはい。なんでもすぐに作っちゃいますよ〜」
なにやら上機嫌なマリアの返事に、ナギはなんとなく振り返る。
「あれ?それおやつじゃないのか?」
ナギがマリアの手の包みに気付いた。
「いえ、これはホワイトデーのですね……」
「な……なんだって!!」
衝撃の結論を告げられた編集部員のようにナギが驚きの声を上げる。マリアは
眉をしかめて、降ろしていた視線を包みからナギへ戻した。
「いやいやなんですかその反応は。」
「いやだってこれは宇宙人の陰謀だと――」
ダダダダ!!
「なにが、宇宙人の陰謀ですか?」
黒い羽根をナギの足元に打ち込んだマリアがにこっと笑って尋ねる。
「……え、えーと……堂々の最終回が。」
「まったく……」
マリアは羽根を拾いにナギに歩み寄った。ナギが問いかける。
「いや仮にこれが超常現象でないとしてだな、ホワイトデーのプレゼントなんて
一体誰から貰ったのだ?」
「これはハ――」
「しかしマリアがチョコを誰かに渡していたなんて知らなかったな。」
「え?」
「あ?」
返事を待たずにナギが感想を漏らし、マリアがそれに対して戸惑いを表した。
「いえいえ渡してませんよ!?ハヤテ君にチョコなんか――」
「は?ハヤテ?」
意外な名前が出てきてナギが聞き返す。マリアは同じ事を繰り返した。
「だからハヤテ君には渡してません。」
ナギは状況を整理する。
「ええと。マリアはハヤテにチョコをあげてないんだな。」
「ええ。」
「そのクッキーは?」
「ハヤテ君からいただきました。」
状況を把握したナギは可哀そうな人を見る目をマリアに向けた。
「……マリア。たった一月前のバレンタインの記憶も……」
「失礼ですね。ちゃんと覚えてます。ほら、ハヤテ君がナギと私にチョコを
作ってくれたでしょう?」
マリアは腰に両手を当ててナギを軽くにらんだ。
「あれ?マリアにも?」
「言ってませんでした?」
「言ってないと思うぞ?」
「そういえばそうかも……」
ナギとマリアは二人して記憶を辿り始めた。ほぼ同時にバレンタインの夜の
出来事を思い出し、思わず相手を見た。よって、互いの視線が衝突する。
「……そ、そうそう、単なる義理チョコだったから言わなかったんでしたわ。
それじゃ私、おやつの準備をしますね――」
「待て。」
マリアがくるりと後ろに向いて立ち去り始めたのを、ナギが立ち上がって制した。
「ハヤテにもらったというチョコは――」
ナギはマリアに歩み寄り問い質す。
「マリアがバレンタインの夜に私といっしょに食べようと持ってきた、腕前のいい
パティシエの作品で『上流階級の若い女性』にも大変評判が良かったという、
どこかでというか第67話・7巻67ページ2コマ目でかいだような匂いがした、あの
チョコレートか?」
「いえいえそれは仕事上の知人からもらったんですよ?」
マリアは歩き出しながら答えた。
「……」
「……」
「ハヤテだろそれはーー!!」
ナギが追いかけながら叫び、マリアは逃げるように歩を速めた。
「えーと、名前なんて便宜上の些細なものですよ?」
「よりによってハヤテのチョコをあんなことに使うなんて何を考えてるかーー!!」
「えーと、楽してズルしていただきかしら?」
「な・に・を・だーーー!!」
「えーと、チビ人間?」
「だれが引きこもりかーーーーっ!!!!」
「わかってるのかマリア?」
「はいはい。」
マリアは調理場に入った。追ってきて側でくどくどと小言を言うナギをあしらい
ながら、テキパキと作業を進める。
「義理チョコとはいえ、人に贈られた食べ物を、あんな破廉恥なことに使っては
いかんのだ。ましてハヤテの手作りチョコを用いるなど、乙女のデリカシーを
もてあそんで余りある行為だ。」
「はいはい。」
「それを怒られたくないからといって黙っておいたというのもまったくもって
けしからん。そういう悪い点のテストを見られたくない子供の思考は直すべきだ。」
「はいはい。」
「聞いてるのか?」
ナギは腕を組んでマリアに問うた。
「はいはい。反省してますよー。ナギ、そこで手を洗って、少し手伝って
くださいな。」
マリアは流しから離れてナギに頼む。
「真摯な反省態度が見えんぞまったく……」
ナギはブツブツ言いながら蛇口をひねり手を水に濡らした。
がし。
「うぉぉ!?」
背後から忍び寄ったマリアが突然ナギを捕まえる。
「ふふ、お手伝い感謝しますよ……」
「こら!!離せ!!」
全開で嫌な予感がするナギは逃げようとするが、マリアはしっかり抱きかかえて、
余裕の笑みで囁いた。
「おかげで、おいしいおやつが出来そうですよー。」
「な!?」
「バレンタインの『お嬢さまチョコレートコート』に続く最新作……名付けて、
『お嬢さまショートケーキ・クッキートッピング』――」
「全っ然反省してねえぇーー!!」
「まずケーキの土台となるお嬢さまを一人用意します……」
「どういうレシピだそれは!!」
マリアは蛇口の水を止めて、流しから半歩ナギを引き離す。そして手でナギの
体を撫で回し始めた。
「一番最初に、お嬢さまを剥きやすくする為に揉みほぐします。」
「あ!!」
身をよじり避けようとするナギに、マリアは次々触れ回っていく。
「おっぱいとか……」
「はんっ……」
マリアの手のひらが平らな胸で円を描く。
「おしりとか……」
「んやっ!!」
曲線を探るようにマリアの指が尻の上を往復する。
「内股とか……」
「ふっうっ……!!」
恥らって閉ざされた両脚の合間に遠慮なく手先が探りを入れる。
「撫でて……」
「マリアっ、やめ……っ……」
「いい触り心地ですよ……」
マリアは耳元で囁いて息を吹きかけた。
「んくぅっ!!」
ナギはマリアの愛撫に、段々と身を震わせることしか出来なくなっていく。
最初の抵抗を十分くじいたのを見計らって、マリアは本格的にナギの攻略に
乗り出した。
「手、入れますね……」
「や!?」
マリアは服の隙間から手を中へ差し入れる。
「乳首ちゃんを……」
指先が突起を探り当てた。
「あ、そんなっ……」
「くりくりー……」
「んんっ、んっ!!」
マリアが乳首をこね回すと、ナギは切なそうな声を喉で鳴らした。
「ここは……」
もう片手がナギのショーツの上を滑る。
「優しく……」
「だめ、ゃああぁっっ!!」
「じっくり、ね……」
マリアの指が秘裂の上をなぞった。
「んあっ、んふぁあぁっ!!」
「ほら、気持ちいいでしょう?」
「あっ、あっ、やぁぁっ、んぁっ、ぁあっ!」!
ナギの花弁は下着の上から往復の愛撫を受けて、快感を発信し始める。腰から
脳に信号が伝わり、ナギはたまらず可愛い声を何度もこぼす。マリアはそれに
聞き惚れながら、ゆっくりと指遣いの技巧と激しさを増していった。
「ああ!!ああんんっ、ああぁっ!!」
マリアの指がショーツの下に潜り込み、濡れた花弁を直接こする。乳首を摘む
指も、硬くなった突起を痛いくらいに強くしごいた。ナギは流しの縁につかまって、
快楽に足腰がふらつく体をなんとか支える。
「あ……?」
マリアは小休止してナギの服を緩めた。それが済むと、もどかしげに声を
詰まらせるナギを再び抱き締め、終着を見据えた愛撫で体を強く揺さぶる。
「そろそろ、一回、いかせちゃいます……!!」
「ああ!!ん!!だめぇ、そこ!!あんんんんっ!!」
マリアの指が絶えず愛液を供給されている秘唇の弱点を責める。ナギは喉を震わせ
泣き叫んだ。体の揺れが激しくなり、汗と涙が飛び散る。
「あ!!ああ!!」
「いくの、ナギ?」
「んああ!!いく、あ!!いっちゃうっ!!あんっ!!」
「ほら、いって、いって……!!」
マリアに追い込まれ、ついにナギの意識が高みへと飛び跳ねた。
「ああ!!ああぁ!!ぁ!!あああああぁあぁああぁあ!!!!」
ナギの背が反り返り、高い声を放つ。
「あう……」
そしてくたっと力が抜けた。
マリアはナギを支えつつ、用意していたものを取りに動く。
「さあ、体、拭きましょうね…」
「あ……んっ……」
服を脱がし、蒸しタオルでナギの肌を拭いていった。
「あ。」
綺麗に肌を拭き清められたナギの体がテーブルの上に横たえられる。
「ん……」
「んん……」
マリアはクリームを絞ってナギの肌に模様を描いていく。
「ひゃ、つめた……」
「動いちゃダメですよ。クッキー落ちちゃいますからね……」
クリームを付け終わると、クッキーの袋を開いた。そしてクリームの絵の上に
クッキーを並べた。
「はい、出来上がりです。」
「うー……」
「うーん、我ながら上手に出来ました……」
マリアは満足そうに頷く。
「ナギ、この美味しそうなケーキ、ホワイトデーのプレゼントにあげてみるのは
どうかしら?」
「え?や、馬鹿、無茶言うな!!」
「そうですか?」
マリアは嬉しそうに笑った。
「じゃあ仕方ないですね。予定通りおやつとして食べちゃいましょう……」
「あっ……」
クッキーを摘んでクリームを塗り、マリアは一口齧った。
「ん、おいし……」
「ていうかマリアぁ、私のおやつじゃなかったのかよ……」
「もちろんナギの分もありますよ。ん…」
残りのクッキーを口に挟んで、ナギの口元に寄せていく。ナギは唇を伸ばして
クッキーを捕らえ、少しずつかじる。二人の口の間ではクッキーが消えていき、
ついにはその距離がゼロになった。
「……食べにくい。」
「それは困りましたねぇ。クッキーが落ちちゃいますから、ナギが起きるわけには
いきませんし。」
マリアはそう言ってもう一つクッキーを取って、ナギの乳首を擦った。
「あ!!」
「しかたありません。このケーキは私が責任を持って全部食べますから、ナギは
その後で、今あのオーブンで焼いているクッキーを――」
「まともなおやつを作ってるならこんな余計なことをするな!!」
「はい。」
「んぐ!!」
ナギの口にクッキーを押し込んで黙らせると、マリアは手早くメイド服を脱ぎ、
ブラジャーも外してショーツと靴下、ヘッドドレスだけになった。そして
テーブルに乗り、ナギの腹を見下ろし、ナギの足先を跨いで四つ這いになる。
「いただきます……」
マリアはクッキーを口で拾って咥えると、ナギの肌をなぞってクリームを付けた。
「あっ……!!」
食べながらマリアは身を傾けてナギの脇に片肘を突く。そしてその肘の先の手で
ナギの乳首を弄る。
「あん……っ!!」
体を支える役目から解放された方の手は、ナギの股間に忍び込んだ。
「んん!!」
そしてそっと秘裂の愛撫を始める。
「あっあ!!」
ナギの体が、再び快感の炎に焼かれ出した。声も乳首も花弁も、さっきまでの
淫らな色を取り戻していく。
「ん、おいしいですわ…」
マリアはそう感嘆を告げて、ナギに身を寄せ、次のクッキーに舌を差し出した。
「ん、はい、最後だから、あげる……」
「あ……」
ナギの口に最後のクッキーがマリアの口で運ばれる。
「あんん!!」
「ん……」
ナギに食べさせている間も、マリアは秘裂を指で弄る。テーブルに愛液がしたたり
落ち、ぬかるんだ花弁の上の小さな突起は興奮に張り詰めている。すっかり
出来上がった肉体を、マリアの手が味わうようにまさぐった。
ナギはクッキーを飲み込んで、鼻にかかった声で問いかける。
「んっ、おわ、たっ?」
「んー……」
マリアは花弁を濡らし、乳首を扱き、肌を舐めた。
「んあ!!マリアっ、止め、てっ……!!」
ナギがあせりを帯びた声でマリアに頼む。
「まだ、クリームが残ってますから、舐めちゃいますよ……」
「あ、だからっ!!んあ!!あっだめだめっ、出ちゃいそうっ!!」
「え?」
マリアは顔を起こしてナギの顔を見た。性感に頬を赤く染めつつ、何かを堪える
ような表情を浮かべている。
「やめてぇ……!!」
「おしっこですか?」
「うんっうんっ……!!」
ナギはマリアの問い掛けに頷く。マリアは愛撫を続けながら、ナギの下腹部に
目をやって呟いた。
「……ドリンクにレモンティーかしら?」
「んんんんーーーーー!!」
「冗談ですよ、飲んだりしません。」
「早く、やめてっ!!」
ナギの切なげな声が響く。
「……飲んだりはしませんけど、こぼしちゃっても、いいんですよ……」
マリアは心をくすぐる声で囁き、ナギの尿道口を指でこすった。
「んんんんーーーーー!!」
「ほ、ら……」
「んぁ!!だ、ん!!はぁ!!あ!!あ!!」
飛び切り気持ち良くする愛撫で、ナギの体を震えさせ、緩めさせ、弾けさせる。
そして快楽の揺らめきが、ついにナギの我慢の限界を超えた。
「あああ、も、ダメ……!!」
「ナギ……」
「あああ、あ、あ、あんあああああぁぁあ……!!!!」
しゅあああ……
「あ……」
達して脱力したナギの内股から噴き出す熱い液体を、マリアの手は最後まで
浴び続けた。
『それでその… さきほどのクッキーなのですが…』
「ああ、あれですか?
とってもおいしかったのでお夕飯前なのに全部食べちゃいましたよ〜」
『あ… あはははは〜 そうですか〜(ToT)』
〜Fin〜