「な、なあハヤテ……?」
ナギが紅茶をすすりながら怪訝そうに訊いてくる。だが言葉には自信がない。
「何ですか、お嬢さま?」
ハヤテは特に気にせず普通に答える。並の物とは比べ物にならない香りと味の紅茶を口に含み、
「アダルトビデオって、どんな感じなんだ……?」
ナギの言葉に思い切り吹いた。
テーブルクロスに染み込む赤い斑点唾液入り。
気管に入った紅茶をむせながら追い出して、完全に慌てた顔でナギを問詰める。
「何なんですかいきなり!? お嬢さまには早すぎますよ!」
慌てて微妙に論点がずれている。
それに気付いて、ハヤテはもう一度、落ち着いて、言った。
「……どこで知ったんですかそんなこと。教えてくださいよ」
ナギはやや気恥ずかしそうに視線をそらした。やや考え込む素振りを見せ、出てきた言葉は、
「実は120年ほど前にな……」
「お嬢さまいくつだと思ってるんですか? 軽く10倍ほど超えてますよ?」
的確なツッコミに消される。
ナギは仕方ない、と溜め息をつくと、ワタルのビデオ屋のことを話した。
「実は……いいビデオはないかとワタルのところを漁っていたらな、ちょうどその系統の場所に入ってしまってな」
入れるものなんですか?
疑問は飲み込む。
「それで……まあ、見つけて、気になったのだ」
「そ、そうですか……」
顔に張り付く引きつった笑み。おまけに冷や汗。
「で、どうなんだ?」
「どうと言われても……」
ハヤテは心底困った様子で唸った。
ナギは大人びているし、一応高校一年のため、『そういう行為』は知っていてもおかしくはない。保険体育でも習う。だが、年齢は……
ハヤテはちらりとナギを見た。
イスに座っているためよくわからないが、身長は低いし、『女の部分』も未発達だ。
そのため、
「早すぎます」
と言ってみた。
「アダルトビデオってのは18歳以上からみる物ですし、お嬢さまはまだ○歳じゃないですか。ダメです。早すぎます」
それなりな熱弁を振るったハヤテだが、ナギはそんなことなど気にせず、テーブルの下から何かを引っ張り出した。「まあもうあるんだけどな」タイトルは『魅惑の女教師』。
ハヤテは唖然とそれを見つめ、ハッとして叫んだ。
「何で持ってるんですかー!?」
ナギはさも当然のように答える。
「ワタルのところから拝借したのだ。どうせすぐ返す」
ナギはイスから降りると、つかつかと扉の方へ向かった。「じゃあ、またあとで」
ナギはそう言って、廊下へと出ていった。
そして夜。
ハヤテの頭の中はどうしようどうしようどうしようと無限にループしていた。
何がどうしようなのかというと、今の状況が、だ。
ハヤテのベッドの中、横になっている隣りに、ナギがいる。裸で。正確にはショーツのみつけて。
「どうした? 襲ってこないのか?」
襲えるわけがない。まがりなりにも主従関係。アンド年の差相手は子供。
ハヤテは理性を保ちつつ、ナギと反対方向を向いて、口を開く。
「ダメですってお嬢さま。早すぎますって……」
「…………」
返答はなかった。しかし、ナギの嗚咽は聞こえた。「お嬢、さま……?」
ナギは向こう側を向いて、涙を堪えるように肩を震わせていた。
「私じゃ、ダメか?」
震えた声で。
「え?」
「私は、ハヤテが好きだ。だから、したい。当然の欲求だ」
強がっていても、そこに潜むのは拒絶の悲しみだ。
「……もういい。戻る」
ナギはじぶの服を取ると、部屋を出ていこうとした。
だが、
「待ってください」
ハヤテは呼び止めた。
やや間が開いてから、ゆっくりとナギに言う。
「責任は、取れませんよ」
ナギの顔がパッと明るくなる。服を投げ捨てて、ベッドへダイブした。
「……頼むぞ」
信頼された目付きで、そう言われた。
ハヤテは意を決して、顔を近付けた。
「んっ……」
唇を重ね、互いにむさぼり合う。空いた隙間に舌を差し入れ、なお相手を求める。
「ぁん、は……ぅん……んぁ……っ」
唇を離すと、間に銀の糸が引いた。
「ハヤテ……、んっ」
ハヤテの指が、まだ未成熟の胸に伸びる。乳首や胸をいじり、摘んで、もみほぐす。
「あぅ……んっ、あっ」
感じているのか、乳首が勃ってきている。
ハヤテはそれを甘噛みし、思い切り吸った。
「ひぁっ! ダメぇ……おっぱい吸わないでぇ……」
言葉だけの拒絶。
ハヤテはそろそろと秘部に手を伸ばした。
触れると、ショーツはもうびしょ濡れだった。
「お嬢さま……もう、こんなに」
言いながら、秘部を指で押す。
「ぁっ、んっ」
ショーツをずらすと、秘部に直接触れ、指を入れた。
「っ、あぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ビクビクと痙攣し、秘部から潮が吹き出る。イッたらしい。
「指を入れただけでイクなんて……淫乱なんですね……お嬢さまは」
まだ余韻の残るナギを一瞥し、ハヤテは入れた指を動かした。
「ひんっ! 動いて……る、ぅん、あぁっ」
執拗に出し入れし、クリトリスもいじる。その度にナギは反応し、嬌声をあげた。
ハヤテは指を抜くと、ズボンのファスナーを降ろして、いきり立つモノを取り出した。「……ぁ、大きいんだ、な……」
「いきますよ、お嬢さま……」
モノを秘部にあてがう。
「うん、頼む……」
ハヤテは力を込め、ゆっくりとナギの膣内へ入れようとする。
ズブズブと入り、一気に貫いた。
「――っ!」
ナギに強烈な痛みが走る。膜を突き破った痛みが。初めての痛みが。
「大丈夫ですか……?」
ナギはうなずくと、ハヤテの首に手を伸ばした。
「続けてくれ……」
「……はい」
ハヤテは返事をすると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「くっ、ぅん、あぅ、ぁん……」
始めあった抵抗感も徐々になくなり、スムーズに動くようになった。
「ひゃっ、いいよぉ、んくっ、ハヤテぇ……。もっと……もっとぉ……」
ハヤテはスピードを上げる。ナギの嬌声も大きくなった。「ハヤテぇ……んっ」
どちらともなく唇を触れ合わせ、お互いを求め合う。
唇を離し、なおスピードを上げた。
「ハ、ぁうっ、ヤテ……私、イキそうだよぉ……」
「お嬢さま……ぼくも、もう……」
迫りくる物を堪えられない。「膣内に、出してっ! ハヤテェェっ!」
ドクッ。
ハヤテはナギを抱え込み、思い切り膣内へ射精した。
射精が終わり引き抜くと、秘部からは白い液体が溢れ出した。
ズブズブと入り、一気に貫いた。
「――っ!」
ナギに強烈な痛みが走る。膜を突き破った痛みが。初めての痛みが。
「大丈夫ですか……?」
ナギはうなずくと、ハヤテの首に手を伸ばした。
「続けてくれ……」
「……はい」
ハヤテは返事をすると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「くっ、ぅん、あぅ、ぁん……」
始めあった抵抗感も徐々になくなり、スムーズに動くようになった。
「ひゃっ、いいよぉ、んくっ、ハヤテぇ……。もっと……もっとぉ……」
ハヤテはスピードを上げる。ナギの嬌声も大きくなった。
「ハヤテぇ……んっ」
どちらともなく唇を触れ合わせ、お互いを求め合う。
唇を離し、なおスピードを上げた。
「ハ、ぁうっ、ヤテ……私、イキそうだよぉ……」
「お嬢さま……ぼくも、もう……」
迫りくる物を堪えられない。「膣内に、出してっ! ハヤテェェっ!」
ドクッ。
ハヤテはナギを抱え込み、思い切り膣内へ射精した。
射精が終わり引き抜くと、秘部からは白い液体が溢れ出した。
「お嬢さまー、時間ですよー!」
「んー」
あれ以来、二人は行為をしていない。
するタイミングがないというのもあるし、お互いに若干気まずいのもある。
でも、
「ハヤテ」
「何ですか?」
「……何でもない」
「えー、何なんですか?」
二人の距離は、確実に縮まっていた。
〜完〜