突然ですが、どうも僕です。ハヤテです。
僕は今、生徒会室でヒナギクさんのお手伝いをしています。現実は春でも、こっちは冬です。御都合主義です。
ヒナギクさんは山積みのプリントと1人奮闘。僕はお茶をいれたり、お菓子を出したりと主にバックアップを担当してます。
「ヒナギクさん、紅茶が入りましたよ」
「ん、ありがとうハヤテくん」
「それにしても凄いですね、このプリントの山は…」
「えぇ…あの子達が働いてくれたらもっと楽になるのに…」
ハハハと愛想笑いをしたものの、逃げ出した瀬川さん達の気持ちもわかります。
このプリント量は、例えるなら生徒会室のエベレスト。僕だって初め見た時は、回れ右して帰りたくなりましたし。
でもヒナギクさんを見捨てるわけもいかないので、現在にいたるんですが…
「これ、徹夜でやっても終わりませんよ、絶対…」
「文句言わないの。ほらハヤテも手伝って」
「は〜い…」
…今日、僕お屋敷に帰れるんでしょうか。
「ヒ、ヒナギクさん…あとどれくらいあるんですか?」
「ハヤテくん、まだ半分も終わってないわよ?」
僕はもう限界なんですが…。精神が臨界点を突破しそうな勢いです。ヒナギクさんも口ではそう言ってますけど少し顔色が悪いですよ。いや、ホント恨んでいいですか花菱さん。
「あの〜もう帰りません?」
「だめよ、最低でも半分は終わらせなくちゃ」
「でも、もう遅いですし…」
「…じゃあ1人で帰ったら?」
「ヒ、ヒナギクさ〜ん」
お願いです。不機嫌にならないでください。ヒナギクさんの背中から閉○空間とか、A.○フィールドとかが発動してます。いや、ホントお願いします!怒りと共鳴して大地が揺れてるーーーー。
「ん?」
何かホントに揺れてません?
グラグラグラー!!
「きゃあ!!」
「うわぁ!!」
ヒナギクさん!大地を砕く必殺技でも覚えたんですか!?
(こ、これはいかん…予想以上にご立腹だ…どうにかして誤らなないと…)
えぇ、揺れてるのに歩き回るのって危険ですよ?でも今はそんなこと言ってられません。『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』ってどこかの偉い人も行っていたような気もしますし。距離は目測5メートルくらいで結構近いですし。
大丈夫、僕ならできる!
パッ!!
「「あっ!!」」
…蛍光灯まで消えてしまいました。そんなに怒ってるんですか?平行感覚だけじゃなくて視覚まで奪って僕に何をする気なんですか?すいません。すいません。なんでもします。許してください。すいません。ホントすいませ…
「結構大きな地震だったわね〜」
………へ?
「今の地震だったんですか?」
「?それ以外に何があるのよ?」
「いえ、何もございません…」
言えません、こんなこと絶対に言えません。言ったら死亡ルート確定です。
苦笑いの僕を後目にヒナギクさんは何か考えだしました。というか何かそんなに考えることありますか?こんな時することって1つしかないと思うんですが…。
「あの…早く下に降りませんか?」
地震があったら非難する。これって万国共通で、赤ちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまでの常識ですよね?
ところで僕なんか変な事言いました?
ヒナギクさん、なんで僕をそんな不機嫌なジト目で睨むんですか?
「どうやってよ?」
怖いです。声がすわってますよ…。
「そりゃエレベーターで…」
「停電してるのに?」
「……は?」
……ええと、ちょっと待ってください。今の状況をまとめてみますから。
Q1.今どこにいる?
A1.生徒会室です
Q2.誰がいる?
A2.僕とヒナギクさんの2人だけ
Q3.今の状況は?
A3.エレベーターが動かないので、どこにも行けません。
さて、この条件で「A1×A2×A3=」の答えは?
………密室で2人っきり?
続く?