マリアさんは、この僕の愛を・・・受け入れてくれるでしょうか。  
家族とかではなく、一人の女性としてマリアさんが、執事とかではない、男として僕を・・・。  
正直に言うと、自信がありませんでした。  
マリアさんは時折弱い自分の姿を見せた事はあるが、それは一瞬の出来事で、すぐに大人の体裁に戻して終わる。  
それと、今まで大人のダーティな世界の中で生きてきた僕にとって、色恋沙汰など無縁な関係でありました。  
だから僕の女性に対するデリカシーの無さが目立ち、悩んでばかりの日々を送っているのです。  
ならば、恋愛経験豊富そうなマリアさんと、付き合うとなれば僕に考えられる事は、もうこれしかなかったのです。  
 
多くの女の子達の事を知る経験を積むこと。そんな事は初めてですが、背に腹は変えられませんでした。  
 
だが、僕の中に、ある戦慄な事が浮かび上がりました。今は想像したくもない、あの事を・・・。  
 
 
「でも良かった。ハヤテ君とあんな事を逃げ出さずに話し合えて・・・やっぱり、それが進歩って言うやつなのかな?」  
 
ファミレスでの帰り道。僕は西沢さんと隣でそれぞれの帰り道へと歩みを進めて行きました。  
 
「ははは、そうですね。あ、そう言えば、僕からも西沢さんに言いたい事があるんですよ」  
 
「えー、何かなー?」  
 
西沢さんは動揺しない。ファミレスにて緊張が解けたに違いありません。  
 
「西沢さんは今でも、僕の事が好きですか?」  
 
「うん、好きだよ。・・・え?」  
 
そこで、西沢さんは立ち止まりました。  
 
「いや、マリアさんだって分かったら、何だか諦めたかのようにスッキリとした表情でいるから、  
どうなのかなと思いまして・・・」  
 
「も、もう!ハヤテ君そんな事だから、不器用だって言われるの!私はもうそんな事位で動じない大人になったの!」  
 
お金持ちではない普通の女の子なのに、僕の中にある何かが掻き立てて来るのです。  
 
西沢さん・・・。  
 
僕に対する恋心によって、磨かれた彼女の顔。髪。中肉中背なボディライン。さして大きくはない胸。四肢。  
そして、表情。仕草。声色。  
その全てが僕を、魅了していく。  
 
「はいはい。分かりましたよ」  
 
「・・・っ、私だって・・・っ」  
 
西沢さんは俯いて小刻みに震えていました。  
 
「・・・え?」  
 
「私だってっ・・・恋人みたいに・・・キス、して欲しいかな、みたいな・・・」  
 
顔を見ると、西沢さんの目から次々と涙粒が零れ落ちていくのです。  
 
「あっ!ちょっと・・・西沢さん、公園行きましょう!ここでは人も見てますし・・・あわわ・・・」  
 
僕は慌てて、俯いて泣きべそをかいている西沢さんの背中を軽く叩き、「大丈夫ですか?」と  
言い聞かせながら、周りの人の目を気にしながら、僕と西沢さんはあの公園に向かいました。  
 
お嬢様と出会ったあの誰もいない公園に。  
 
誰もいない公園と言うのは、今の僕と西沢さんにとっては、少なくとも安心できるシチュエイションでした。  
念には念を押して、人の目には触れない叢の中に西沢さんを誘導しました。  
しかし、安心できるとは言っても、西沢さんはとめどなく涙を自分の手や、地面に濡らしていきます。  
 
やっぱり両思いにならなかった事が、西沢さんの中で溢れ出てしまったに違いありません。  
 
「・・・すみません、西沢さん・・・僕、西沢さんの思いを分かっていながら・・・本当に・・・」  
 
本当に情けない思いでいっぱいで、僕は泣きそうになりながらも西沢さんに謝る途中に、西沢さんが言ったのです。  
 
「ハヤテ君っ・・・私、未練がましいかな・・・?キスって、お互いが好きだからするものだと思っているのに・・・  
何か、違う理由で私・・・ハヤテ君にキスしてもらいたい感じに、なっちゃってる・・・かな」  
 
・・・切なかった。  
僕が言った言葉が、僕に対する恋心が、こんなにも西沢さんの心を揺れ動かしてゆく事が。  
 
・・・・僕はマリアさんの事が、好きです。  
僕が抱いたこの恋は、西沢さんと同じように心がどうしようもなく揺れ動いて、みっともなく泣いてしまうのでしょうか。  
もし、マリアさんが他の好きな人を選んでしまったら・・・。  
 
今、僕は西沢さんの事が分かる気がします。  
・・・やっぱり、僕は西沢さんと同じくらい弱い人間です。  
だとしたら、俯いて泣いている西沢さんに、僕がしてあげることは、  
 
 
ふわり・・・。  
 
一瞬、西沢さんの体が浮いたような風に、僕は西沢さんを受け止めるように抱きしめました。  
 
「っ!!」  
 
同時に、西沢さんの気持ちさえも抱きしめたような気がしました。  
 
「西沢さん・・・僕だって、それでも、まだ西沢さんの事が、好きなんです。  
僕だって・・・割り切れないんです。未練がましいんです。僕はまだ・・・西沢さんと、離れたくないんです」  
 
「ハヤテ君・・・」  
 
西沢さんのか細い声は、また泣き出しそうな声でした。  
 
「・・・抱きしめられるのって、こんな感じなんだ・・・。バレンタインの時と同じくらい・・・  
ハヤテ君の胸って、すごく優しい・・・。あったかくて、安心するの・・・」  
 
「そうですか・・・」  
 
「やっぱり・・・ハヤテ君は、昔のままの優しいハヤテ君だ・・・」  
 
その言葉を聞いて、僕は安心しました。僕の精一杯の言葉が西沢さんに届いた事を。  
 
「ハヤテ君、大好き・・・」  
 
西沢さんはそのまま優しい母親の揺りかごのように、僕の腕の中で眠りそうな雰囲気でした。  
 
二人の間で少しずつ生まれる熱。  
僕のうなじに少しずつ当たる西沢さんの吐息。  
僕の胸元に触れる西沢さんの胸のふくらみ。そして、感じ取れる西沢さんの波打つ鼓動。  
 
僕が西沢さんの腕の中で意識的に分かる、西沢さんだけの感覚。  
失いたくない。正直に言えば、もっと欲しいと、自分の中で何かが無意識的に溢れ出そうな気がしました。  
 
そして、西沢さんは目じりにまだ残る涙と共に、笑顔で僕の顔と向かい合いました。  
 
「でも・・・こんなに、幸せな私達には絶対誰か邪魔が入るわよね。  
そうよね、こんなに幸せな時がそんなに長く続く訳がないわ!」  
 
あくまでも、話の流れ的なお約束に少し期待する西沢さんに、僕は笑顔でこう返しました。  
 
「じゃあ・・・その時まで、このまま・・・」  
 
僕は赤めている西沢さんの頬に残る涙を指で拭い、反射的に西沢さんは目を閉じました。  
そして・・・その隙に僕は自分も目を閉じながら、西沢さんの少し開いた唇に、自分の唇を触れさせました。  
 
自分のした事は、間違いとか偽りとかではないと信じている。  
真っ暗で何も見えない光景で、瞼の向こうに西沢さんがいると、彼女の柔らかい唇を感じて、確かめられる。  
自分なりに優しく、でも放したくはない。自分の事を思ってくれている西沢さんに応えるように。  
 
・・・・・キスという儀式は、一体誰が始めたのだろう?  
そんな事を、ふと思い浮かんだのです。  
キスは唇同士が触れ合い放して、二人の愛を確かめ合えるものだと、僕もそう、思っていました。  
けれど今、キスだけでは西沢さんがあまりにも愛しくて、二人の間で生まれた熱がすぐに冷めてしまうような。  
 
僕は、キス以上の事を、西沢さんと共に求めたい。  
お恥ずかしながら、  
僕はそんなリビドーと言った方が正しいのか分かりませんが、とにかく自制できるものではありませんでした。  
僕は自分の舌を、まだ少し開いている西沢さんの唇の向こうまで伸ばし、  
届いた先にありました西沢さんの舌を愛撫しました。流れ込んでくる西沢さんの唾液と絡ませながら。  
 
「あふっ・・・・・ううう、ふぅぅ・・・むうぅんん・・・」  
 
西沢さんは、僕の聴いた限りでは甘い嗚咽を漏らしていました。  
ぴちゃぴちゃと、唾液の弾く音が、僕の中で恥ずかしく刺激されていきました。  
 
そして、僕の左手はゆっくりと西沢さんの右胸を掴んでいました。  
掌ですっぽり覆えるほど、僕にとっては丁度いい大きさで、重さはさほど感じられませんでした。  
西沢さんは、右胸を触られたからか、さっきよりも言葉にならない声が弾いて聴こえました。  
 
「んんぅっ!ううぅ、ああ・・・はあ・・・」  
 
そして、僕が西沢さんの唇から離すと、二人の間に無色の繭糸が伸びていた。  
 
「や・・・ダメ、ハヤテ君・・・」  
 
普通じゃないキスの後に見た西沢さんは紅潮した顔で、涙で潤った瞳と半開きの瞼で、困った表情をしていて、  
いつの間にか口元から零れ出た涎が、顎を伝って、襟の中まで這っていました。  
 
僕の顔は熱を帯びている事を感じる位に紅潮して、心臓も尋常じゃないほど頭の中で鳴っているのではと思うほど、  
波打つ鼓動が大きく聞こえました。  
・・・僕は今、興奮している。西沢さんの魅力に、とりつかれている。  
それでも、恥ずかしい・・・キスなんて、思えばこれが初めてだという事実が。  
そしてここが、誰かが見てるかもしれない、この誰もいない公園であるという事が。  
僕は、西沢さんの左耳に、自分の唇と近づかせて、誰もいないにも関わらずに、  
 
「・・・大丈夫です。僕も、こんな事して、すごく恥ずかしいんです・・・」  
 
そう囁くと、僕はそのまま西沢さんの左耳をペロッと舐めました。  
 
「ひゃああっ!!」  
 
西沢さんは自分でもビックリするほどの悲鳴を上げて、反射的に僕の顔から自分の顔を避けました。  
そんな事を続けると、次第に僕と西沢さんの足はもつれて、落ち葉のベッドに二人して腰を崩す形になりました。  
 
僕は、自分でも驚くぐらい積極的でした。  
西沢さんの左耳のザラザラした舌による愛撫と右胸に掴まれた左手と言う二つの攻めに、  
西沢さんは、囁いた言葉を受け入れたのか、抵抗と言う抵抗も見せずに、悩ましい声を僕に聴かせてくれました。  
 
「うう〜〜〜んん・・・あうっ!あああ、あっ!はああ・・・」  
 
このまま、続けると西沢さんは脱力して、僕の重みに耐えられず、落ち葉のベッドだけでは西沢さんを安全に  
横にできない事を予想して、僕は右胸を弄んでいた左手を西沢さんの背に回して、西沢さんの上肢を支えて、  
右腕を軸にして、ゆっくりと西沢さんを横にしました。そして、西沢さんの状態を確認します。  
 
「大丈夫ですか?西沢さん・・・」  
 
「う、うん・・・」  
 
いやはや、ここにきてまさか執事の能力が活かされるとは思いもよりませんでした。  
 
 
「では、失礼しますね・・・」  
 
そう言って、僕は西沢さんの上着のリボンを外して、黒いインナーを肌着ごと鎖骨の所まで捲り上げて、  
背中も肩甲骨の所まで、捲り上げる時に、ブラジャーのホックをさりげなく外しました。  
 
ブラジャーが目の前にあるだけでも興奮すると言うのに、拘束の解けたブラジャーを包んでいた、  
掌で受けた感触通りの、丁度いい大きさの二つの乳房とその頂には淡い色をした乳首が飾られていました。  
 
「・・・可愛いです。西沢さん」  
 
「ううう・・・」  
 
そう西沢さんは呻いて、あまりの恥ずかしさに言葉にできない様子でした。  
・・・僕も西沢さんと同じ立場のように恥ずかしい。けど、それを言い訳にする気なんてありません。  
西沢さんの事を知りたい。ただ単純に昔のクラスメートだとか、友達以上恋人未満だとかの関係にはもう戻れません。  
僕は不器用に乳首を何度も舐めるように愛撫して、母乳を求めるように、乳首を口に含みました。  
 
「ああはぁっ!んんああっ、ひゃああうぅっ・・・あああ・・・」  
 
「素直に感じてくれるなんて、こういう事、嫌いじゃないんですね」  
 
「・・・もおお」  
 
西沢さんの可愛らしい少しばかりの精一杯の抵抗でした。  
やがて僕の愛撫域は西沢さんの上肢のほとんどを占めていた。  
胸だけに限らず、乳間やくびれ、へそなどを愛撫して、  
西沢さんは小さく、時に激しく体を震わせながら、嗚咽を漏らしていました。  
 
僕は下肢部分に目をやりました。  
スカートから伸びているジーンズと言うのはオシャレな着こなしですが、  
僕達が今行っている事をスムーズに進めるとなると、少し手間取ります。  
まあ、最初からこんな事する予定はなかったんですけどね・・・。  
 
「西沢さん、下の方少し寒く感じるかもしれませんけど、我慢して下さい」  
 
「ちょ、ちょっとそれは・・・!」  
 
慌てる西沢さんに僕はなだめます。  
 
「僕は信じてますから。西沢さんがこんな事で嫌いにならないって・・・だから、西沢さんも信じてください。僕の事を」  
 
「う・・・うん、信じる・・・」  
 
西沢さんは少し僕から顔を逸らしたまま、何とか同意してくれました。  
恥じらいは消えたと言うより、恥じらいを超越して慣れてしまったと言うべきなんでしょうか。  
 
僕は西沢さんのヒールを脱がせた後に、ジーンズのベルトとホックを外し、完全にジーンズを足から抜きました。  
残るはスカートとその中にあるショーツのみとなりました。ここまで来れば、後はスムーズに事が進められます。  
ジーンズで紫外線を遮断したからか、焼けていない真っ白な脚。そして、その脚と同じ色をしたショーツが現れました。  
僕は西沢さんの膝から、足の付け根までの太股を舌でゆっくりと這わせました。  
 
「ひああっ!くすぐったい・・・うう〜〜ん・・・」  
 
そして、自然と僕の両手は両足の付け根を包んでいるショーツに手をかけまして、  
 
「・・・脱がしますけど、失礼します」  
 
そう言って、膝下までショーツを外したわけですが、ここで僕らしくもない、いい事を思い浮かんだのです。  
 
「西沢さん、片足だけ畳んでくれませんか?」  
 
西沢さんは戸惑いながらも、とりあえず左足だけ畳んで、自然に左足だけショーツを外せました。  
そして、右足だけショーツが外れていない形になりました。  
 
「ハヤテ君、これって・・・」  
「はい。後ですぐ履けるようにです」  
「そうなの・・・かな?」  
少し納得してくれた西沢さんでしたが、その後は軽く頭をひねっていました。  
 
「西沢さん、気持ち良くなってください・・・」  
 
僕は西沢さんの垂直に向いた陰唇を舌の先で一舐めしました。  
 
「あぅああっ!」  
 
さっきよりも敏感に感じてくれました。声も、身体も跳ねるほどに震えていました。  
 
「ああうっ、ううっ・・・んんん・・・はあう、うぅん・・・」  
 
西沢さんは、乳首とか陰唇に弱いんだ・・・と、納得しながら愛撫していると、西沢さんの陰唇から粘液が、  
少しずつ零れ出てきました。  
西沢さんが失禁したようで、僕は気が付いたらこの上ない恍惚の笑みを浮かべていました。  
 
ああ・・・さっきから、自分の下半身が痛むほど苦しい・・・。  
僕は左手をズボンのベルトの下に伸ばすと、そこはもう突き破れそうなほどに山の形に膨れ上がっていました。  
しかも、僕の下半身も西沢さんと同じように何か濡れているみたいなのです。  
 
僕はとりあえず膝立ちのままズボンのファスナーを下ろし、下半身の状態を確認しました。  
・・・案の定、僕の雄根は強張して、しかも西沢さんと同じく雄根の先の鈴口に粘液が表面張力を作っていました。  
しかも、困った事に仕舞うのも困難な状況になっていたのです。  
 
「すご・・・」  
 
に、西沢さん!  
 
西沢さんに見つかる前にと慌てる間もなく、西沢さんは僕の視線より下の方を目を丸くして眺めていました。  
 
「あ、あの・・・」  
 
「すごいよ、ハヤテ君・・・」  
 
西沢さんは上体を起こしながら、顔を雄根の近くまで寄せて、改めて眺めていました。  
西沢さんもまた、僕の雄根を見て、興奮しているのか。  
 
「ハヤテ君・・・触っても、いいかな?」  
 
僕はちょっと戸惑いましたが、西沢さんが積極的になってくれた事の方が嬉しくなりました。  
 
「わ・・・熱いよ、ハヤテ君・・・」  
 
雄根を通して西沢さんの掌の体温を感じると言うのは、言葉では言い表せない複雑な気分でした。  
随分と眺めてられた雄根を、西沢さんは今度はキスをしてくれました。んふああ・・・。  
そして、付け根や先をキスと共に舌の先だけで愛撫してくれました。  
 
西沢さん。そんな大胆な・・・・・ああっ!すごくビクビクしてる・・・。  
そんな、とろけた恍惚な表情で僕を見つめないで・・・。僕、もう・・・!  
 
「西沢さん、僕・・・入れたいんですけど、いいですか?」  
 
「・・・怖い」  
 
「・・・ちゃんとほぐしておきましたから、ある程度は大丈夫だと思いますよ。  
それでも痛かったら、そうだ、僕の背中に掴まっていてください」  
 
「・・・・・うん」  
 
西沢さんはすでに、僕の背中に腕を回して、自らを放さないようにしていました。  
 
ついに、この時が来ました。西沢さんと、ひとつになる時が。  
この時が、西沢さんの乙女の純潔が失う時。  
そして、僕が最愛なる人である、マリアさんに近づく為の、第一歩を踏み込む時でもありました。  
 
「西沢さん・・・いきますよ」  
 
西沢さんの更に奥の感覚を、今度は自分の雄根で味わいます。  
膣内が捲れる程度までで一瞬躊躇しましたものの、もうその場の勢いで、西沢さんの中に飛び込むような形で、  
雄根が陰唇を埋め込みました。  
 
「うんあああああっ!!痛いっ!」  
 
僕の雄根の感覚から分かる西沢さんの膣内への挿入は、陰唇が裂けかかりそうなほど窮屈でした。  
・・・ごめんなさい、西沢さん。できる限り痛い思いはさせない位ほぐしたつもりだったのですが・・・。  
 
「痛っ、痛、んんあぁっ!痛い・・・いっ、痛、あああ、いいぃっ、ううぅん・・・」  
 
西沢さんが懸命に痛みに耐えている姿に僕も応えるように、西沢さんの上体を起こさせて、抱きしめました。  
僕の腰の動きによる前後運動で奥に突くとそこに壁があるのか、壁に押されて西沢さんの腰が一瞬浮き上がります。  
 
「ひやあっ、あああ・・・ああん!あっ、あああ、あふっ・・・」  
 
西沢さんは僕にしがみついたまま、全ての身を僕の胸に預ける形で、  
僕の雄根の刺激を悩ましい声と共に味わっていました。  
 
一体、どの位の時間を西沢さんのみに捧げてきましたか分かりませんが、  
あ・・・そろそろ限界です。このまま中に出すと言うのは、さすがに偲びません。  
 
「ちょっと、西沢さん・・・もう、出ます!外に出してください!」  
 
「やああっ!!ハヤテ君・・・っ!!」  
 
しかし、西沢さんはさらに強く僕にしがみついたまま、離してくれません。  
 
「ああぅっ、あああっ、ああ!ハヤテ君、んんうぅっ、ああ、私、私っ、ダメっ・・・!!」  
 
もしや、このまま・・・?それは、何か多分色々マズイのではないだろうか・・・?  
そんな事さえこれ以上考えられないほど・・・んうああっ!もう、ダメ・・・です!んあああ・・・イ・・・・・  
 
〜〜〜うあああっ!!  
「ふあああああ・・・ぁぁ!!」  
 
僕達は絶頂というものに達して、頭の中で襲ってきた刺激で意識が朦朧として、体力が奪われていきました。  
その時に西沢さんの膣内に繋がったままの僕の雄根が震え始め、精液が射出されている事を感じました。  
それでも、西沢さんは僕にしがみついたままで、僕はどうにも動く事ができずにいました。  
僕の精が止まる事を知らずに、西沢さんの膣内に何度も何度も雄根が脈打つたびに注ぎ込まれるのを感じました。  
 
「うううんんっ・・・ふあああ・・・」  
 
やがて、雄根の震えが治まると、僕は精巣が空になってしまったかと思うほどの精量を西沢さんに注ぎ込みました。  
 
「すごく、嬉しい・・・かな」  
 
その時僕は、今日初めて西沢さんの素直な笑顔をちゃんと見れた気がしました。  
 
西沢さん・・・。  
 
「・・・今日は、本当に色々ありがとう。ハヤテ君」  
 
「いえいえ、僕の方こそ、本当に色々ありがとうございます。西沢さん」  
 
「でも、私は諦めないからね!  
ハヤテ君を絶対、マリアさんより、他の誰よりも私の事をもっともっと、好きにさせてみせるから!」  
 
ビシっと僕の方に指を差す西沢さんに僕は笑顔で応えました。  
 
「・・・分かりました。では、これで失礼しました」  
 
「うん、じゃあね。ハヤテ君」  
 
僕は笑顔で西沢さんに手を振り、西沢さんも笑顔で手を振ってくれました。  
 
「・・・あら、綾崎君じゃない」  
 
不意に、後ろから声がしました。  
 
「うあ!??あ、ヒナギクさん」  
 
僕は心臓が止まりそうなぐらい動揺しました。今みたいに西沢さんと別れた後だったから良かったものの、  
さっきの公園で出会っていたら、頭が真っ白になり、そのまま意識不明になっていたところでした。  
 
・・・・・やっぱり、ヒナさんは凄いな〜って。ハヤテ君も、そんなヒナさんに惚れてると思うんだけど、どうかな?  
不意に、西沢さんの言葉が蘇ります。  
 
「さっきの、歩さんじゃない?」  
 
「あ・・・はい、ちょっとばったり会いまして、色々話したりしてました。ヒナギクさんは?」  
「私は、いつも通り生徒会の仕事がやっと終わった所よ。・・・それよりハヤテ君、試験の方はどうだったの?」  
「・・・まあ、赤点は免れた感じですかね」  
「そう、良かったわ。私、心配してたのよ?私へのプレゼントとかのせいで、綾崎君が試験で影響しないか」  
「はい・・・色々とご心配かけてすみませんでした」  
 
あの時は未確定だったヒナギクさんへの想い。  
けど、西沢さんと愛し合った、今ならまだ、ヒナギクさんに伝わると思います。  
この、想いを。  
 
「あの・・・ヒナギクさん、ぶしつけこんな事言ってなんですが・・・」  
 
「・・・何?」  
 
僕の回りくどい言葉に、困惑しているヒナギクさんですが・・・僕は、伝えました。  
 
「僕は、ヒナギクさんの事が・・・好きです」  
 
「え!?」  
 
「・・・すみません。これが言いたかったんです。では、失礼致しました!」  
 
と、僕はヒナギクさんの返事も聞かずに、そそくさとヒナギクさんから離れました。  
 
伝えるべき言葉としては、足りなかった。でも、何も伝えない事に比べれば、これでもいい。  
ヒナギクさんの返事やその他諸々については、これからじっくり話し合おう。そう思いました。  
 
「・・・ただいま、戻りました」  
 
扉を開けるとその向こうには、僕にとってかけがえのない、愛する人が玄関の掃除をしていました。  
 
「あっ、お帰りなさい。遅かったですよ、ハヤテ君」  
 
そして僕はそう、今日はマリアさんに特別何をすると言う訳でもなく、いつも通りに接しました。  
 
「ええ。今日、西沢さんとばったり出会っちゃいまして、まあ色々話をしまして、  
別れた後、ちょっとヒナギクさんと、出会っただけです」  
 
「そうですか。あ、ハヤテ君はお疲れのところ申し訳ありませんが、お風呂の用意をしてくれませんか?」  
 
「いいですよ。別に疲れたって訳ではありませんから・・・では、用意してきますね!」  
 
僕はいつも通りの笑顔をマリアさんに浮かべました。そして、マリアさんは一瞬顔を赤らめながらも、  
 
「お任せします」  
 
いつも通りのにこやかな笑顔を見せました。  
 
「ハヤテ!遅かったじゃないか!どうしてたんだ!?」  
 
リビングから現れたのは、お嬢様でした。僕の方へと走っていきます。  
廊下は走っちゃいけないと教えた筈なんですがね・・・。  
 
「ええ、ちょっと西沢さんとばったり・・・(以下略)」  
 
「・・・話って?ハムスターと一体何、話してたんだ?」  
 
お嬢様が少し細目になって、僕を睨みつけます。それにしても、ハムスターって・・・西沢さんのことですか?  
 
「何って、別に大したことじゃありません。何を話したかなんて忘れるほどの、他愛もない話ですよ」  
 
 
・・・・・まるで、ハヤテ君の事を縛るみたいな、そんな、なんて言うか、不器用な愛に感じ取れちゃったの。  
今まで、いや今でもお嬢様は恋愛対象外な為か、お嬢様の心境が不覚にも今更になって理解するとは・・・。  
 
「・・・そうか?まあいい、それよりハヤテ。スマブ●を一緒に・・・」  
 
「ああ、すみません。マリアさんからお風呂の用意をするよう言われてるんですよ。それは食後でやりましょう」  
 
「・・・そうか。邪魔して悪かった。じゃ食後でな」  
 
「すみません。ではお嬢様、失礼します!」  
 
 
僕は、その時のお嬢様の背中を見ていると、今日、マリアさんへの想いと、西沢さんと過ごした甘美な時間、  
ヒナギクさんに伝えた想いとかが蘇り、  
自分の中で芽生えたリビドーと言うべきか、そんなものが自分にとって戦慄な事を忠告してくるのです。  
 
僕はいずれ、お嬢様を抱いてしまうかもしれない。と・・・  
 
 
 終わり。  
 

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