「さて・・・そろそろ白状した方が楽になれるんじゃないのか?」
時計塔の最上階にある生徒会室にて、ハヤテは突然ながらピンチに陥っていた。
ハヤテの目の前には、彼と同じクラスメートでありながら、
副委員長“ブルー”である花菱美希が、相変わらずの無愛想な表情で、腰に手を当てて立っていた。
「いや、そんな事あるはず無いじゃないですか!僕がヒナギクさんの家に泊まってたなんて・・・!」
「私がそんな事を指摘してから、ずっと動揺しまくってるじゃない。ハヤ太君。それが何よりの証拠よ。
・・・て言うか、私は政治家の娘だからね。調べるのは勉強以上に得意なのよ。」
美希はそんな事を言いながら、顔をハヤテにずいっと近づいて、ふんと威張る。
ハヤテは彼女が言ってる事が図星なだけに、
もうこれ以上反論できるような知恵など持ち合わせておらずに、ただ床をじっと見て黙っているだけだった。
このまま黙っていても埒があかない。しかし、ここで白状して変に色々誤解されても困る。
「さあ、どう?そろそろ諦める気になった?」
色々考えた挙句、ハヤテは一つの結論に導かれた。
「・・・はい。すみません。僕・・・ヒナギクさんの家に泊まってました・・・一泊」
「やっと、白状する気になったのね。それでいいのよ、ハヤ太君。・・・で?」
「で?って・・・?」
「ヒナと寝たんでしょ?」
「えっ!?・・・いやいやいや!何でそういう・・・」
「とぼけちゃって」
「い、いや!本当に何も無かったですよ!これは本当です!
いくら泊まったからって、そんな結論に持ち込むには少し強引て言うか、無理があるんじゃ・・・
いや、本当に何もありません!信じてください!」
「ここまで来て、シラを切る気?あなたみたいな思春期男子が、
女の子の家にたった一泊とは言え、何も過ちは無かったなんて、誰が信用すると思ってるの?
一泊だからこそ、最初で最後の甘美な時間があってもおかしくないわ。
ハヤ太君って、淡白そうに見えて愛する時はもう、激しいんじゃないの?認めなさいな、ハヤ太君」
しかし、認めろとは言っても、実際にハヤテはヒナギクの家に普通に一泊しただけであった。
前の高校のクラスメートであった歩と、今はナギのペットである白野威が入ってきて、
甘美な時間に浸れる暇など無かった。
この少女は何かと話を淫靡な方向へと進めていくから恐ろしい。
しかし、ハヤテは何を思ったか、握り拳をギュッと握り締め、美希に睨み付けるように顔を上げた。
「・・・はい。もう全部認めます。僕・・・ヒナギクさんと、あんな事やこんな事も、もういっぱいしちゃいました!」
「・・・っ」
ハヤテのやけくそ気味で放った偽りの告白に、美希は意外にも驚いたようで、珍しく目を見開いていた。
しかも顔も赤らめていた。
しかし、その後の美希は何故だか寂しそうな顔をしていた。
全ての楽しみが突風で吹き飛んだかのように何も残らない虚無感みたいな・・・。
「そうなんだ・・・もう、しちゃったんだ・・・」
そんな様子を少なくともハヤテは察知して、どう言っていいやら分からないでいた。
「花菱さん・・・?」
「いや、いいよ・・・ごめんね。何か、ハヤ太君を追及するマネして、一人で盛り上がって・・・ははは・・・」
美希が空笑いをしながら、部屋を後にしようとしたその時だった。
「花菱さん、帰らないで下さい!まだ・・・」
ハヤテが徐に美希の腕を掴んで制したのだ。
これには美希も動揺を隠せない。
・・・それどころか、胸が一つ和太鼓を叩くような大きな音を打っていた気がした。
「な・・・何よ。ハヤ・・・太君。」
「他に・・・花菱さんは、何か僕に訊きたい事があるんじゃないんですか?」
ハヤテの稀に見る真剣な表情で言った言葉に、美希は頭が混乱し始めた。
「はっ!?・・・な、無いわよ。何でそう思えるのよ?」
「いえ、例えば、例えばの話ですよ。例えば、僕とヒナギクさんがどんな風に夜を過ごしてたかとか・・・」
「ええっ!?」
「興味、あるんじゃないんですか?知りたくはないんですか?」
今度は美希が顔を俯いて、もじもじと身体を少しくねらせて、ぼそぼそと呟いた。
「そ、そりゃあ・・・まあ。けど、知りた・・・」
「では・・・」
と、ハヤテは隙を突いて、素早く扉の鍵を閉めたのだ。
「えっ・・・?」
美希に突然、嫌な予感が襲ってきた。
その時に見たハヤテの顔はへらへらと微笑んでいた。
「教えてあげますよ。僕とヒナギクさんが、どんな事をしてたか・・・」
「そ、そんな・・・んんっ!」
ハヤテは美希に何も言わさせないように、彼女の毒舌な口を唇で塞ぎ込んだ。
「んんんんっ、んんんーー!」
背には固い木製扉。前には彼女の唇を味わっているハヤテ。
挟まれた美希にできるのは、手足で暴れる事と、ハヤテの口付けを感じる位しかなかった。
ハヤテは美希からやがて、吐息を感じる事ができた。
美希の目からヒナギクや泉達にしか見せた事の無い涙が溢れてきた。
そして、美希は暴れる体力が尽きて、あっさりへたりこんでしまった。
ハヤテは美希の口内に舌を入れ込んで、思う存分に犯し続けた。
「ふ、うううぅ・・・」
ようやく口を離すと、二人の間に細い繭糸が引いていた。
「それでですね。長いキスの後に、彼女をお姫様抱っこして、ベットに放り込んだんですよ。こうやって・・・」
と、ハヤテは淡々と話し続けながら、美希をお姫様抱っこして、
ベッドの代わりに黒く幅の広いソファの上に彼女を放り込んだのだ。
「きゃっ!はあ・・・はあ・・・」
美希の身体は意外にも小さい。
ナギほどではないが、
さっきまでの威勢も、ソファの上で風邪で寝込んでいるような無防備な格好で身を受けていると可愛いものである。
放り投げた拍子にはだけた髪の毛、スカートもはだけ膝上の太股が驚くほど白い。
紅潮して、空ろな目に、拭い忘れている涎。
ハヤテは自分が興奮している事に気づき、生唾を飲んで、口から出任せを続けた。
「そして・・・僕は、改めてヒナギクさんと口付けをして・・・口付けを味わっている時に、
ヒナギクさんのスカートの中に手を入れて、彼女のショーツの上から・・・そして中に入れて、
とても綺麗なクリトリスを弄んで、彼女の反応を楽しむんです」
ハヤテはソファの上に乗り、美希を騎乗位するように跨ぎ、彼女に唇を落とした。
そして、美希の口内に舌を入れ、美希の舌を絡み付けるように愛撫した。
「ひゅりゅりゅるる・・・ちゅばっ、ちゅふるる、ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぱっ」
そして、美希のカチューシャをさり気なく外し、広言通りにハヤテの左手は美希のスカートの中に入り込んだ。
ハヤテの視界では角度的に見えないが、左手は確実に美希のショーツに触れていた。
「ふぅああっ!い・・・いや・・・あっ、うぅん・・・」
そして、ハヤテの手は動き出したら止まらずに、ショーツの内側に潜り込んできた。
同時に、美希のまだ見ぬ陰唇を触れただけで、手に絡んだ潤滑液を感じていた。
「んんああっ!ああ、いやあっ!やああっ、あああ!」
美希の体力は有り余ってないながらも、とても下半身の敏感な局所を突いてくる快楽に、
否応なしに筋肉が伸縮し、体が震えてしまう。
美希は自分の弱い所を運動以外に見せた事はなかったはずだった。
それが今では、ハヤテの興奮する言葉に羞恥心が掻き乱され、
無理矢理に悦楽の世界に溺れそうな状況に遭っている。
ハヤテの行動一つ一つに隙がない。目の前にいる少女が抵抗できる隙を作らせないようにしている。
それは自分がこの少女を陵辱していると自覚している為である。
けれどこんな事をしているからには、中途半端なままには終わらせない。
後悔はしたくないと言う、人権を無視した最低野郎の詭弁的なプライドがハヤテを駆り立てるのだ。
「あ・・・そうそう、僕はヒナギクさんの服を捲り上げて、すでに隆起してる乳首を舐め回して・・・
そして、クリトリスの方は、指だけじゃ飽き足らず、舌も使って愛撫したんですよ・・・
すごく、女の子らしい味がして、美味しかったんでしたっけ・・・」
ハヤテの呆れ返るほどの妄想話は、
もはやネット小説にでも書いて、出した方がいいんじゃないかと思うくらいのものだった。
しかし、美希はその話を疑うような思考回路は上手く回っていなかった。
気付けば、ハヤテが美希の制服をありったけ捲り上げて、くしゃくしゃになった服が美希の顎に集中していた。
ハヤテは美希の肢体を眺める暇もなく、素早く美希の半隆起した乳首を口で捕らえた。
「いひああっ!やめ・・・うぅ〜ん、ふあっ、はああ・・・」
そして、美希の潤滑液で染みのできているショーツを左手で膝の先まで外して、ついに姿を現した美希の縦に直立した陰唇に向かって顔を埋めた。
「あぁっ、いやぁっ!やだ、らめ・・・ふんあああっ!やああっ、あああ・・・ああああぅっ!」
ハヤテが誰も見せた事のない禁断の唇と、
それを愛撫する度に分泌される潤滑液がハヤテの唾液と程よく混ざり合っていた。
美希の小動物みたいにひくひくと震えている陰唇を見て、ハヤテはずっと抑えられない興奮と共に
ずっと膨張している自分の雄根がもう滅多な事では鎮めそうにない事が分かった。
「僕はもう我慢できなくなって・・・ヒナギクさんの中に、このペニスを、挿入したんです・・・よ・・・こうやって!」
段々と言葉が弱々しくなってきたハヤテが美希の膣に雄根を一気に乱暴に入れ込んだのは、
勢いだったのかもしれない。
「あああああああっっっ!!」
さっきまで純潔だった美希の禁猟区は破られ、その激痛で少し裂かれた陰唇から血が滴り落ちていくのが
意識的に分からなくなっていた。
ハヤテは無意識の内に美希に繋がれたままの前後するピストン運動を行っていた。
「痛・・・痛いっ!痛・・・うううっ・・・ああああっ!痛いよお・・・」
もう美希の目にはぼろぼろと涙が川のように流れ出ている。考える事もままならなかった。
ハヤテは美希を汚していく罪悪感と、もう後戻りができない諦めのジレンマが、勢いとなって自分を動かしていく。
「あああっ、ああんっ!うああっ、ふあっ・・・はああ!」
続くと思っていた痛みも慣れてきて、美希は何度も膣内で突き出される雄根にやがて素直に反応を示していた。
ハヤテは最後のエピソードを荒々しい息遣いと共に美希に告げたのだ。
「僕が・・・限界に達した時に・・・膣に・・・出したんです!うああっ、花菱さんっ、出るっっ!」
「ああ、はああ・・・もう、ダメ・・・あ・・・ああああああ・・・!!」
二人は同時に繋がったまま達して、頭の中が刺激され眩暈が起きて、そのまま脱力した。
美希は自分の下半身から液体が荒々しく噴き出されたのを感じていて、また涙が溢れた。
ハヤテは捲り上げていた美希の制服の皺を伸ばして元に戻してあげ、カチューシャも美希の頭に戻した。
「知りたく・・・なかったのに・・・」
美希はハヤテに聴こえるようにボソッと呟いた。
「すみま・・・いえ、ごめんなさい、花菱さん・・・僕、今更ですけど、嘘ついてました・・・
僕、本当にヒナギクさんとはやってないんです・・・」
「・・・・・」
「ごめんなさい、花菱さん・・・本当にヒナギクさんとは何も無かったんですよ・・・
僕の精を膣に放ったのは今、花菱さんが最初なんです・・・」
「何で・・・?何で私と・・・」
「最初は、信じて貰えないなら、いっその事と、頭に血が上ってたんですが・・・
途中から、本当に何でか分からなくなってしまって・・・気付いたら、花菱さんの事・・・本当にごめんなさい」
「酷いよ、酷すぎるよ・・・ずっと・・・話し友達でいられると思ってたのに・・・」
「許してもらおうとか、そんなご都合主義じゃ許されないのは、分かってるんですが・・・
でも、やってしまったからにはお詫びをしなければと・・・ごめんなさい、花菱さん。ごめんなさい・・・失礼しました・・・」
そして、ハヤテは美希から逃げるように扉の先へと姿を消した。
終わり。