「男とトラの入浴シーンで人気が取れると思うな!!」  
 
そうなの? ………よし、やり直そう。  
 
「………はい?」  
 
 
  ピュアなぼくらのお約束。  
  第26話異聞 『中の人などいない!』  
 
 
「フロはいいねー。フロはリリンの生み出した文化の極みだよ」  
なぜか一日で酷使されまくった体を湯船に沈め。  
「この大きなおフロを一人じめできるだけでも、ここの仕事は、ほんといい仕事だよなぁ」  
白くけむるバスルームを軽く見渡して、ハヤテはのびのびと息を吐いた。  
「まぁマリアさんと一緒に入れたらもっといいけど…それはさすがに…」  
緊張がほぐれ、年頃の少年らしいそんな冗談が飛び出したちょうどその時、  
 
カララララ……  
 
(!? え!?)  
ハヤテの耳は、扉の開く音をはっきりと拾い上げた。  
「え? え? まさか…マリアさん?」  
ありえないと思いつつ、ほんのわずかな期待を込めて湯気の向こうを見やる。  
そこにいたのは……  
「うお!? 借金執事じゃん!?」  
ハヤテには見覚えのない美女だった。  
 
「………わあっ!? だ、誰ですか!?」  
深くシャギーの入った、鋭く跳ねたようなショートヘアに、挑みかかるような強い瞳。  
長身だが贅肉の欠片もなく引き締まった手足は体重を感じさせず、  
体に巻いたバスタオル越しにもわかる日本人離れしたプロポーションは生命力と色香に満ち溢れていた。  
「わかんねーならいいんだ、気にすんな。  
 でよぉ、実際どうなのよ最近。なぁ!?」  
戸惑うハヤテにも無頓着に、その女性は水音を立てて勢いよく腰を降ろす。  
妙に男らしい振る舞いが、ハスキーな声の印象にぴったりと合っていた。  
(でもこの声、最近どこかで聞いたような気がするんだけど…)  
引っかかるものを覚え、ハヤテは脳内を検索する。  
かつてのクラスメイトやアルバイト先、借金の取立人にこんな姐御肌の美人の心当たりはない。  
数少ない残りのうち、こんな喋り方をする知り合いといえば…………まさか。  
「タ、タマあああぁぁぁっ!?」  
思わずその女性を見返したハヤテは、  
「やっぱバレたか、しゃーねえな……」  
いつのまにかバスタオルを外してくつろぐ姿を真正面から見てしまい、  
首が取れそうな速度で真後ろに向き直った。  
 
 
 
「おーい、こっちむけってばよぉ。話しにくいじゃん」  
「………遠慮します………」  
畳んだ手拭いを頭に載せ、大きく伸ばした両腕を浴槽の縁に預けて全身を弛緩させる女性に対し、  
湯の注ぎ口でもある大岩にぴったりとくっついて岩肌とにらめっこするハヤテ。  
普通は配役が逆のはずだが……なぜかちっとも違和感がない。  
 
「それで、一体どうなってるんですか……この屋敷にこれ以上人がいるなんて始めて知りましたよ」  
とりあえず、ハヤテは疑問をぶつけてみることにした。  
「まー、一応トップシークレットだからな。」  
…そのわりには口調が軽い。  
「どっかの海産物っぽいファミリーアニメでもそうだろ?  
 『タマをダレがやってるか』なんてことは教えちゃいけねーんだよ」  
「あー……確かに『?』マークでしたね……」  
「そもそもアフリカにトラはいないって知ってるか?  
 どうも密猟者が別の場所で捕まえたのを捨てたらしくてよー、大分弱ってた本物は拾われてすぐに……」  
「そんな……じゃあ……」  
「お嬢を泣かせたくなかったんだろうな。あの手この手で誤魔化し続けて、今じゃー着ぐるみも随分精巧に……」  
「さすがは三千院家というか…何というか」  
さすがに反応に困るハヤテ。  
「で、よぉ」  
気がつけば、随分と声が近くなって。  
「そういうトップシークレットを知っちまったやつが今ここに一人いるんだが……」  
ハヤテの背筋を遡る気配。肩には濡れた手がかけられて。  
「とりあえずあれだ。殺るか」  
「早いよ!! 早すぎだよ!! 死ぬ前に何か手はないのかよ!!」  
つい、いつものタマに対する調子でつっこみつつ振り返れば、ハヤテの目の前には桜色に火照る二つの山。  
「すすすいません! ついタマがいるみたいな…ってタマは貴方で…ああそういえば貴方のことはなんてお呼びすれば」  
真っ赤になって力いっぱい目を瞑るハヤテを、その女性は含みのある目で見つめて、  
「タマでかまわねーよ、一応同一人物だしな。お前もいつもの話し方でいいんだぜ?」  
そう言われても、トラと美人のお姉さんではどうしても接し方に違いが出てくるわけで。  
 
そんなハヤテの様子を楽しむように眺めながら、お姉さん改めタマはその耳元に顔を近づけ、  
「そんじゃ、こーいうのはどーよ?」  
「へ? わぁっ!」  
ひょいとハヤテを抱えると、苦もなく浴槽から引き上げた。  
濡れたタイルの上にバスタオルを敷き、ハヤテを降ろす。  
「喋れなくなるように二人の秘密を作っとけばいーんだよな」  
ハヤテを床に押し付けて、猛獣の笑みを浮かべたタマが覆いかぶさる。  
「ちょ、ちょっとそれって!」  
「ついでに口止め料も払ってやるよ…ラッキーだろー?」  
「そこまでしなくても喋りま…うぐっ」  
どん、と一気にのしかかられ、一瞬ハヤテの息が詰まる。  
「今日は毛皮なしだから重くねーよな。首投げは勘弁しろよ?」  
「あ……うう、ごめんなさい……」  
確かに、ハヤテが全力で振りほどけば勝てる。  
勝てるが……何の防御もない裸の女性をぶん投げるのは抵抗がありすぎた。  
「大人しくしてな。気持ち良くしてやるからよー」  
言いながらタマは顔を下げ、ハヤテの唇を貪るようにキスをする。  
「んんっ……ぐっ……んっ…っんん……」  
手足をじたばたさせるハヤテの吐息を、唾液を吸い上げ、口内に舌を這わせるいきなりのディープキス。  
ちゅぽんと湿った音を立てて二人の口が離れる頃には、  
ハヤテは気力も体力も全て吸い取られたようにぐったりとしていた。  
「っはあぁっっ……」  
「じゃーそろそろ、本命をぱくっといこうか」  
「ぱくっと…って…えええ!?」  
 
ぱくっ。  
 
本当にあっさりと、ハヤテの性器はタマの口に飲み込まれた。  
 
「あああっ! やっ! やぁあっ!!」  
今までの人生では縁のなかった性的な快感に、ハヤテの口からは拒絶の言葉が自然と漏れ出す。  
「何だよ、痛いとかそーいうんじゃないだろ? 傷つくなぁ」  
「そっ……だっ…汚いっ……」  
「馬鹿、ここをどこだと思ってんだよ。風呂だろ」  
話す言葉はそのままに、ちょっと口をすぼめて中のモノを締め付ければ、  
「あぁううぅっ……ひぃ……だめ、それぇ……」  
すぐに屈服して音を上げる様子など、タマの心の琴線に触れて止まない。  
「うだうだ言うなら本当に喰っちまうぞー」  
唇だけで噛む真似をすると、ハヤテの体が一瞬硬直する。  
ストローのように強く吸うと、つられて腰が浮き上がる。  
まるでハヤテの全身を口の中で弄んでいるような錯覚……  
「お願……だめ、ほんとにだめぇ……」  
弱々しい声に気づけば、タマの口内でハヤテのモノが細かく震えている。  
「おっと、あぶねー」  
息を荒げるハヤテが暴発する前にタマは口を離すと、  
「どうせチェリーだろ、お前…初めてはきちんとしないとなー」  
ハヤテが呼吸を整えるより早く姿勢を変え、10代特有の急角度で反り返った性器の角度を確かめて、  
いつのまにかお湯とは違う濡れ方をしている自分の秘所に、ひくひくと跳ねる性器を躊躇なく埋めていった。  
 
「…くふっ…」  
噛み殺した声は、ハヤテのもの。  
「ああ……熱い……よぉ……」  
獣の笑みを浮かべたタマにのしかかられたハヤテは、反撃のしようもなく貪られるタマの獲物でしかなかった。  
煮詰まったジャムのように熱くどろどろの肉に包まれ、腰が砕けるほどの快楽を流し込まれて、  
あっという間にそのことしか考えられなくなる。  
「やっぱ、こうして見るとかわいーわ、お前……」  
ハヤテを仕留めた雌トラは余裕たっぷりに腰をこね回し、獲物の翻弄されるさまを楽しんでいる。  
「……んはぁ……ふぅっ……あぁぁ…助けてぇ……」  
「この前女装してたろ? あれ見てからさー、喰っちまいてーってずっと思ってたんだよなー」  
「あうん…それはぁっ! あっあっ…締まる…締めちゃやだぁ……」  
「なー、いっそ俺とつがいになんねぇ? おそろいの耳と尻尾つけてよー」  
「え、や…やぁぁ……僕はぁ…お嬢様の…執事ぃなん……」  
「どーせ今でも、お嬢のペットみたいなもんじゃねー?  
 借金抱えて40年働くより、きままにゴロゴロしてられるペットの方がいいんじゃねーか?」  
「も、あ、動かな……出し入れはぁ…あああっ!!!」  
「ほらほら、うんって言ったらイカせてやるぞ? イキてーだろ? もう限界だろ?」  
タマはスクワットのように腰を上下させ、全身でハヤテの性器をしごき立てる。  
しかも時折わざと動きを止め、腰の力を緩めて疾風に臨界点を超えさせない。  
胸の前の何かにしがみつくようにして堪えるハヤテは、とっくに精神力の限界を迎えていた。  
「も……むり……出させ……」  
「お前が決心したらな。ゆっくり考えろよ」  
「…考えなんて……何でも…い……もう…なりま……」  
 
「ハヤテ君? さっき、何かスゴく大きな声が聞こえましたけど、大丈夫ですか?」  
 
「へ? あ…マリアさ…!」  
「!!」  
 
次の瞬間。  
 
マリアがバスルームの戸をあけるカラカラという音が聞こえ、  
タマがはじかれたように湯船に飛び込んで大岩の陰に隠れ、  
その拍子にハヤテの性器が拷問のように強く擦り付けられ、  
きゅっと性器が引き締まって射精の準備に入り、  
湯気をかき分けてマリアが湯船に近づき、  
 
…  
……  
………ビュ、ビュクビュクビビュッ!  
 
「………ゃだあああああぁぁぁっ!!」  
「ハヤテく……!?!?」  
 
マリアの目に映ったのは、白い湯気に包まれて白い精液を噴水のように吹き上げるハヤテの艶姿………  
 
 

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