木刀・正宗。  
それは手にした者の潜在能力を極限まで引き上げる、鷺ノ宮家の宝具。  
だが、使い手が未熟であると―――或いは、その心が揺らいでいると―――  
感情は手にした力に引きずられ、膨れ上がり理性を覆い尽くし―――  
 
 
「ハァアアア!」  
「うわぁっ!?」  
 
ずばっ!  
 
深夜の生徒会室に裂帛の気合と風切りの音が響き、人影が舞う。  
 
「ひ、ヒナギクさん! ちょ、待っ―――」  
「問答―――」  
 
木刀を最上段に構えた少女は、  
 
「―――無用っ!」  
 
何の躊躇いもなく、それを眼前の少年へと振り下ろす。  
 
ざんっ!  
 
剣先は間一髪で後方へ飛びのいた彼のスカートを僅かにかすめ、それだけで縦に布地を切り裂いてしまう。  
そう、“彼”なのに“スカート”。  
 
「お、お、落ち着いてくださいヒナギクさん! と、とにかくまずは話を―――」  
「おちついて・・・ですって!?」  
 
そう言って一旦動きを止めたヒナギクは、  
口元には笑み、こめかみには青筋、目には殺気、背後には炎のようなオーラまで背負い・・・  
 
「ねぇ綾崎君・・・あなたがくれた果たし状、時間の指定はいつだったかしら?」  
「は、果たし・・・? え、あ、いえ! く・・・9時です・・・」  
「うん、そうだったわねぇ・・・それで綾崎君、今は何時かしら?」  
「えーと・・・11時半・・・過ぎ、ですね、あはは・・・お・・・遅れたことはホントスミマセン!」  
 
問答無用と言いつつ問答に乗ってくれているヒナギクではあるが、  
ハヤテには言葉を交わすたびにヒナギクの背後で燃え盛る炎が勢いを増している気がしてならない。  
 
「まぁそれはいいのよ・・・時間に敢えて遅れて相手を焦らすのは宮本武蔵なんかも使った手段だしね。  
 野試合だったら卑怯の謗りを受ける覚悟で使うのも・・・まぁ、ある意味潔いかもしれないわね」  
「い、いや! 決してそういうつもりではなく、と言いますか―――」  
「そんなことより!」  
 
びゅ!  
 
と、片手に握った正宗の剣先を一閃、ハヤテの眼前に突きつけて―――  
 
「その・・・」  
 
剣先をゆっくりと下ろしつつ、改めて彼の格好を頭からつま先まで睨むように見下ろして・・・  
 
「そのふざけた格好はなんなのよっ!」  
 
叫んだ拍子に我慢が限界に達したか、ずい、と踏み込むと同時に正宗を翻し、天をも裂かんばかりに斬り上げる。  
今度もハヤテは後ずさってかわしはするが、またしてもスカートは切り裂かれ、  
 
「だ、だから! これにはワケが―――」  
「どうせその格好も私を怒らせて油断させる為のモノなんでしょうけど―――」  
 
ハヤテの後退にあわせるようにヒナギクは一足飛びで距離を詰め、  
 
「いいわ・・・お望み通り怒り狂ってあげるわよっ!」  
「望んでませんっ!」  
 
剣道の型も基本も無視して、斬撃を嵐のように繰り出してハヤテに迫る。  
それらの一撃一撃は確かに粗雑になっているかもしれないが・・・  
正宗によって威力と速さを増幅された剣閃の乱舞は、  
もはや触れるもの全てを呑み込み跡形も無く粉砕する竜巻に等しく、反撃など出来ようハズもない。  
そして更に悪いことに・・・  
 
「う、わ・・・っあぁ!?」  
 
ヒナギクを怒り心頭させたハヤテの格好―――なんだか不健全な匂いのするメイド服に、加えてウサミミ、  
何よりやたら短くヒラヒラ揺れるスカートが気になって、ハヤテは実力の十分の一も出せないのだ。  
 
―――こんな時こそ必殺技じゃよ。 ○ーク・ス○カイ〇ォーカ・・・  
 
「―――って!! あなた誰!? っていうか! この格好であんな派手に動いたらスカートが!」  
 
―――ぽっ。  
 
「それが狙いかこのげっ歯類―――」  
「勝負の最中にブツブツと・・・余裕かましてるんじゃないわよ――――――っ!」  
「うぁ、待っ―――」  
 
ゴッ!  
 
「ぐぁあ!?」  
 
目の前に唐突に現れた謎のげっ歯類のビジョンもろとも、ハヤテはついにヒナギクの剣戟に捉えられ―――  
 
「・・・がはっ!」  
 
いつか誘拐犯の車にはねられたこともあった彼だが、その時さながらに弾かれた身体は、  
天井、そして床へと続けざまに激突する。  
 
「う・・・く・・・っ」  
 
如何に不死身を誇る執事とて、これだけのダメージを受けてはしばらくは立ち上がることも出来ない。  
床に転がって呻き声を上げるハヤテに対し、ヒナギクは微かに乱れた前髪を優雅にかき上げて、  
つかつかと女装少年に歩み寄る。  
 
「・・・無様ね」  
「ぅ・・・ぅく・・・」  
 
倒れたハヤテの傍まで来たヒナギクは、ぎろり、と足元の“敵”を見下ろす。  
対するハヤテは為す術も無く、痛みと怖れで涙目になりながら、そんな彼女を見上げることしか出来ない。  
 
(もはや・・・ここまでか・・・お嬢様、すみません・・・)  
 
 
3月3日も残り30分を残すのみとなった頃、ヒナギクとの約束をギリギリで思い出したハヤテは、  
彼女にプレゼントを渡すだけのつもりで屋敷を抜け出した。  
だが、生徒会室の扉を開く直前、解けたと思っていた呪いが唐突に復活し、  
どうしてもヒナギクを倒さなくてはならなかったのだが―――  
 
遅刻のせいでヒナギクはデフォルトでご機嫌ななめ・・・では済まされない怒り様、  
しかもこの格好が怒りの炎に油を注いでしまい―――結果、この構図である。  
 
勝負こそ未だ決してはいないが・・・自分を見下ろすヒナギクのサディスティックな視線は、  
間違いなく動けない自分にトドメの一撃を見舞うつもりだ―――と、ハヤテは確信していた。  
 
が・・・  
ヒナギクの視線は、ハヤテにこそ注がれてはいたが、その目が見つめているのは・・・  
 
「・・・それにしても綾崎君、随分女装がサマになってるのねぇ」  
「え・・・ひ、ヒナギクさん・・・?」  
「男の子なのにそんな短いスカート穿いちゃって、恥ずかしくないのかと思ったら・・・  
 下着までちゃんとしたモノをつけて・・・ソレを見て貰う為に敢えて短くしてたってワケね」  
「な・・・なぁ!?」  
 
ヒナギクの斬撃をかわす度にヒラヒラと揺れるスカートはビリビリに切り裂かれ、  
半端に足を開いたまま倒れているハヤテのソコは、彼の足元に立つヒナギクからは丸見えで・・・  
 
「ひ、ひ、ヒナギクさん!? な、何見てるんですかっ!」  
 
もともと涙目で怯えきっていたハヤテの表情が、羞恥で朱に染まる。  
そんな彼の余りに被虐的な表情に、ヒナギクは彼にトドメを刺すよりも・・・  
苛めたい、弄りたいという欲求が沸きあがる。  
そして、僅かに首をもたげたそれらの感情は、正宗によって増幅され―――  
 
ぐり。  
 
「っふぁあ!?」  
 
ダメージのせいで見られているとわかっていても足を閉じられないハヤテの、  
足の間・・・ビリビリに裂かれたスカートの間から覗く白い布地に、正宗の切っ先を突きつける。  
 
「な、ひ・・・ヒナギクさん!? な、何を・・・ぅあっ!」  
「あら・・・どうしたの綾崎君、そんな女の子みたいな声をあげちゃって」  
「だ、だって・・・あぅう! あく・・・や、やめ・・・っあぁ!?」  
 
ぐり、ぐり、と。  
フリフリの女物の下着をつけるようなヒトには普通ならあるハズのないモノを、  
ヒナギクは剣先で下着越しに弄り回す。  
怯えきった彼の顔や可愛らしい服装に比して、明らかにそぐわないソレを弄ってやると、  
ハヤテはソレがあるにも関わらず、まるで少女のように声をあげて・・・  
 
「ねぇ綾崎君・・・もしかしてあなた、木刀でこんなトコ弄られて・・・感じてるワケ?」  
「そ、そんなこと・・・ぁ、あ、あるワケ・・・ぁあう!?」  
 
初めは痛みに耐えかねて声を上げてしまっていたハヤテだったが、  
ヒナギクの操る剣先は徐々に粗暴さを抑え・・・  
変わりに絶妙なタッチで下着越しに剣先でソレを撫で上げ、突付き始める。  
 
「・・・そんな訳、なんなの? あなたのココ・・・ちょっとずつ、膨らんでるようだけど?」  
「な、なぁ・・・! あ、うぁ、やめ・・・! ヒナギクさんっ! 待って、や、やめ・・・ぁああ!」  
 
スカートを切り裂きハヤテを叩き伏せた凶器は、  
今や全く別の意味での責め具と化して彼の身体ばかりか、男としてのプライドまで砕こうとする。  
しかもヒナギクは木刀による愛撫のコツを掴んでしまったようで、  
歯を食いしばって耐えるハヤテを嘲笑うかのように彼の性器に絶妙な快感を伴う刺激を注ぎ込み・・・  
ハヤテ自身の意図を裏切って、彼女の思惑通りにソレはムクムクと勃ち上がり、  
女性向けの下着の小さな布地には当然納まりきることなく・・・やがて布地を押し退けて亀頭が顔を出す。  
 
「あらあら・・・こんなモノ、下着からはみ出させて・・・本当に無様・・・」  
「あぅ・・・や、やめ・・・もう、謝りますから・・・・・・おねが・・・許し・・・っ」  
 
ついに泣き出してしまったハヤテを、ヒナギクは冷たい目で見下ろす。  
冷たい・・・だが、同時に嗜虐的な悦びを湛えた目線に、ハヤテは絶望的な思いを抱く。  
 
―――この人は・・・僕を完全に・・・完膚なきまでに貶める気だ・・・  
 
「ふふ・・・こんな醜いモノを覗かせて・・・こうしてあげるわ・・・あなたにはぴったりでしょう?」  
「ぅあ、やめ・・・っあぁあ! っ! あぐ・・・ぅあ!」  
 
そう言ってヒナギクは片方の靴を脱ぎ、ストッキングで包まれた右足でハヤテのモノを踏みにじる。  
 
「あぅう! やめ・・・っあぁあ! あぅ、う・・・くぅ! ヒナギクさ・・・っ! やめ・・・ぇ!」  
「ふふ・・・足で踏まれてるのに、そんな声出して・・・  
 女装して、おちんちん踏まれて感じちゃうなんて、綾崎君って・・・本当にヘンタイ・・・」  
 
ハヤテはまさに少女のような泣き顔で、そんな彼に似つかわしくないモノを責められて、  
やはり少女のような鳴き声を上げる様子に・・・ヒナギクは嗜虐的な興奮を覚える。  
そして、その感情は正宗によって増幅され・・・  
 
「ねぇ、綾崎君のココ、なんかねちょねちょしてきたわよ? もう・・・汚いわね・・・」  
「っく、ぅあ・・・! じゃ、じゃあ、も・・・やめ・・・っひぅう!?」  
「ダメよ・・・あなたみたいなヘンタイは・・・こうしてあげるわ」  
「ふぁあ! あぅ、っく! ぐ・・・ぁあぁ! や、め・・・ぇ!」  
 
先走りでねっとりと湿り気を帯びた亀頭を時に荒く、時に繊細にストッキング越しの足指でねちょねちょと弄り、  
正宗の切っ先で裏筋や陰嚢、会陰といった敏感なところをつぃ、と撫で上げる。  
ハヤテはヒナギクの与える刺激に敏感に反応しびくびくと震え、  
荒くすれば痛みに顔を歪め、繊細な愛撫を与えてやれば情けない喘ぎ声を洩らし、  
その度にヒナギクの興奮も昂ぶってゆき・・・今や彼女の顔もすっかり紅潮し、息も荒くなりつつある。  
 
「は・・・ぐぅ! も、やめ・・・ひ、ヒナギクさんっ! も、うぁ・・・あぁあ! やめ、やめ・・・」  
「あは、もしかして綾崎君・・・足でグリグリされて、木刀で苛められて・・・イっちゃいそうなの?  
 ねぇ、どうなの? 綾崎君・・・ねぇ?」  
「ち、ちがっ! ちが・・・ぁああ! そんな、こと・・・っ! ない・・・ぃああ! あぐ・・・ぅ!」  
「そう? じゃあ止めてあげないわ♪ もっともっともっともっと、メチャクチャに弄ってあげる♪」  
「っふ、うぁあ!? あ、やめ、あぐ・・・ぅううう! や、あ、あが・・・っうぁああ!」  
 
ヒナギクの足がさらに激しくグリグリと動き、  
快感から痛みに変わる寸前のギリギリの強さでハヤテの亀頭を、裏筋を責め立てて、  
それに耐えようとするハヤテを嘲笑うかのように正宗の切っ先が会陰や尻穴まで滑り、撫で摩る。  
 
「っふぁあ! ひ、ヒナギクさっ! そこ、やめ・・・ぇあぁあ! やめ、やめぇえ! も、うぁ、あぁあ!」  
 
ぎゅっと目を瞑って望まぬ快楽に耐えるハヤテの身体はがくがくと震え、  
もはや限界は間近と見て取ると、ヒナギクはトドメとばかりに、  
ぬちゅっ! っとハヤテの膨れ上がったモノを彼自身の先走りでぬめる足裏で擦り上げ、  
同時に正宗の切っ先で尻穴をぐりっ! と抉り―――  
 
「―――――――――っうあぁあああ!」  
 
びゅくびゅくびゅるっ!  
 
おぞましさと快楽を同時に抉りこまれたハヤテはついに決壊し、  
 
「――――――っ!?」  
 
溜め込んでいた白濁液をヒナギクの足裏にどくどくと放ち―――黒いストッキングを白く染める。  
 
「うぁ・・・あ・・・っ、は・・・ぁ・・・っ」  
 
恥辱と自己嫌悪にまみれながらも射精の快楽はどうしようもなく強烈で、  
涙で汚れたハヤテの顔は呆けたように虚空を見つめ・・・ただ荒い息を吐く。  
対するヒナギクは、  
 
(あ・・・足の、裏に・・・射精・・・してる・・・)  
 
自分が仕向けたこととはいえ足の裏に思いっきり射精され、  
打ちつける粘液の勢いや精液の粘つく感触、熱さがストッキングから素肌に染みてきて―――  
これまでとは・・・一方的にハヤテを弄っていた時とは違う、  
ぞくぞくと下腹部が疼くような・・・妙な、心が蕩けてしまいそうな感覚に襲われる。  
 
「ぅ・・・くぅ・・・ひ・・・なぎく・・・さん・・・っ」  
「・・・っ!」  
 
だが、ハヤテの弱々しい声で我に返ると、  
 
「綾崎君・・・あなた、人の足に・・・こんな、汚いモノ・・・」  
「う、うぁ・・・す、スミマセン・・・で、でもヒナギクさんが・・・」  
「ねぇ・・・これ、ちゃんとキレイにしてよ・・・ね?」  
「へ、きれ・・・ぅ、うぁ! やめ・・・あぅ!」  
 
ヒナギクは倒れたハヤテの顔の傍まで歩くと、  
精子がべっとりとこびり付いたままの足を上げ、  
べちゃり、と。  
慌てて顔を背けたハヤテの頬を、生臭い白濁をなすりつけるように踏みにじる。  
 
「うぐ・・・や、やめ! ヒナギクさ・・・ぅう!」  
「ねぇ、わかるでしょう? これアナタが出したモノなのよ?  
 こんなぐしゅぐしゅにして・・・気持ち悪いのよ・・・綾崎君、舐めてキレイにして頂戴?」  
「ぅ、うぅう!」  
 
自分の出した精液を顔になすりつけられるおぞましい感触にハヤテは相変わらず半泣き状態ではあったが、  
このあんまりな仕打ちと、彼のモノやら何やらへの愛撫が止んだこと、  
それに何より出すものを出したことで、ハヤテは―――こんな状況ながらも―――為すべき事を思い出す。  
 
(そうだった・・・ここで、このままヒナギクさんにやりたい放題されてしまったら、僕の敗北・・・)  
 
ここでの敗北が意味することは―――  
 
(ずっと・・・一生この格好って・・・これじゃあ、ヒナギクさんだけじゃない・・・皆からヘンタイ扱いに!)  
 
改めて認識した危機的状況に、折れかけていた心が熱を取り戻す。  
何としても・・・彼女に勝たねばならない。  
 
(じ・・・時間! 今日中・・・って、あとどれくらい今日なんだ!?)  
 
相変わらずぐりぐりと頬を踏みにじられながらも、  
時計を探そうとしてヒナギクの足から背けていた顔を僅かに上に向けようとして―――  
 
「――――――っ!」  
 
ヒナギクは真横に立っている。  
そして片足を上げて、その足でハヤテの顔を踏みにじっているのだから当然、  
ハヤテが顔を上に向ければ、彼女のスカートの中は丸見えで・・・  
 
「っ・・・ヒナギク、さん・・・」  
「あら、なぁに? 舐めてくれる気に―――」  
「濡れてます・・・・・・ヒナギクさんの、スカートの中」  
「・・・・・・・・・ぇえ!?」  
 
最初ハヤテが何を言っているかわからず、それから自分の足と彼の顔の位置関係を改めて確認し・・・  
 
「きゃぁああ!?」  
 
慌てて足をどけて、そのまま勢いで手にした正宗を振り上げて―――  
 
「な、ななな何みてるのよっ!」  
 
ハヤテの顔面目がけて振り下ろすが、羞恥と動揺によって鈍った剣先には先程の勢いは見る影も無く、  
がし、と彼によって掴まれてしまう。  
 
「っく! は、放しなさい・・・って、ちょ、ちょっと!?」  
 
再び獲物を振り上げようと、ヒナギクは正宗を握る手に力を込めるが、  
ハヤテに掴まれたそれは、さながら万力で固定されてしまったかのようにピクリとも動いてくれない。  
それどころか―――  
 
「こ、この・・・! 綾崎君・・・って!? ちょ、や、な、なにを・・・・・・ぅああっ!?」  
 
ハヤテのもう一方の手が先程まで彼の顔を踏みにじっていたヒナギクの足首を掴むと、  
いつも温和な彼らしからぬ荒々しい動作でその足を思い切り引き寄せてバランスを崩し、  
自分と同じように仰向けに転ばせてしまう。  
 
「い・・・つぅ、あ、綾崎君! 何をす・・・る・・・え、ちょ、ちょっと・・・?」  
 
動転していたのと木刀を奪い返そうと必死だったせいもあり、  
ヒナギクは受け身すら取れずに背中と腰を強打してしまい、  
目をぎゅっと瞑って痛みに耐えている、その隙に―――  
 
「あ、綾・・・」  
「ふふ・・・ヒナギクさん・・・さっきと逆になっちゃいましたね♪」  
 
床に仰向けに倒れたヒナギクを見下ろすようにして、ハヤテが立っている。  
下から見上げると短いスカートは全く意味を為さず、ヒナギクが露出させた彼の性器はそのまんま、  
踏みにじった顔は一応袖か何かで拭ったようではあるが、精液の跡はいまだこびり付いたままである。  
だが、そんな・・・もし誰かがこの場に入ってきたら間違いなく“ヘンタイ”としか思われないような姿よりも、  
ヒナギクはハヤテの目に怖れを抱く。  
先程までの怯えは見る影も無く、そこには嗜虐的な光と、そして・・・劣情の色が見えたから。  
 
「・・・っ!?」  
 
はっとしたヒナギクは慌てて半端に開いたままだった足を閉じようとするが、  
膝と膝の間にハヤテが立っているため、そこを隠すことが出来ない。  
 
「さて、それじゃあ折角さっきと位置が逆転しましたし、今度は僕がさっきやられたコト、してあげますね♪」  
「ひ・・・な、なにを・・・やめ・・・あ、あれは、その―――」  
 
ひゅんっ!  
 
怯えきったヒナギクの必死の弁解を遮るようにハヤテの腕が翻り、  
 
びっ!  
 
「きゃああっ!?」  
 
彼女の制服のスカートが縦に裂ける。  
 
「な、な・・・お、女の子の服を破るなんて! 綾崎君あなた・・・ぅあ、や、やめ・・・ぁあ、ひぁあ!」  
「まずは木刀で僕のスカートをビリビリにして下さいましたよね・・・だから仕返しです♪  
 そして、露出した下着越しに僕のモノを木刀なんかでぐりぐりしてくれて・・・こんな風に・・・ねっ!」  
「やめ、やぁあ! そんな、そんなので弄っちゃ、あぅ、ひ、いぁああ!」  
 
ぐり、ぐり、と。  
 
ハヤテは自ら口にした通り、手にした得物でスパッツ越しに彼女の秘所を弄りはじめる。  
その感触に、恐怖と混乱とで麻痺しかけていた意識ははっきりとして、  
慌てて大切なところを木刀から守るべく、手で覆い隠そうとするが―――  
 
「や・・・あつっ!?」  
 
ぱしっ、と。  
 
軽く、ではあるが、ヒナギクの両手の甲を木刀の先端が叩く。  
 
「いた・・・ぁ! あ、綾崎君あなた・・・」  
「ふふ、ダメですよヒナギクさん、ちゃーんとさっき、僕にしたコトを受け入れなくちゃ不公平ですからね♪」  
「そんな、不公平って・・・ぇああぁ! あぅ、ひぁ・・・やぁんっ! ひぐ・・・ぅああ!」  
 
追い詰められているとはいえ、ハヤテが女性の服を引き裂いたり、  
あまつさえ女性に手を上げるなど本来はあり得ない。  
だが・・・今のハヤテの手にはヒナギクから奪い取った木刀―――正宗が握られているのだ。  
彼女から正宗を奪い取り柄を握り締めたその瞬間、  
ヒナギクに打ち据えられたことへの恨みや彼女の濡れた秘所を目にした時に抱いてしまった劣情、  
そして彼女に勝たねばならないという思いは宝具の作用によって一気に膨れ上がり、暴走して―――  
 
「ふふ・・・ヒナギクさんこそ、こんなモノで弄られてるのに随分いい声で鳴くじゃないですか、  
 やっぱり僕にあんなコトしながら感じてたんですね?  
 ヒナギクさんも十分ヘンタイじゃないですか、あはは」  
「ひぅ! ち、ちが、あぁあ! あぅ、やめ・・・てぇえ! あ、綾崎君っ! ちが、ちがうぅ!」  
 
正宗の先端でスパッツ越しに秘所を弄られヒナギクはびくんびくんと身体を震わせながらも、  
ハヤテの言葉を必死に否定する。  
 
「へぇ、そうですか・・・あ、じゃあヒナギクさん、足の裏に射精されて感じちゃったとか・・・」  
「うぁ、あふ・・・! ぇ・・・え、そ、それは・・・ぁあ!」  
 
即座に否定するべき問い掛けに、だがヒナギクはその瞬間を思い出す。  
熱い粘液がストッキング越しに足の裏にじんわりと染み込んで来る感触に、  
ゾクゾクと背筋に震えが走ったことを―――  
 
「射精されて感じちゃうなんて、ヒナギクさん・・・普段は強気ですが、何気にマゾっ気ありそうですね〜♪」  
「んくぅ・・・ひ、な、そ、そんなのないっ! な、いから・・・ぁあ!」  
「どうでしょう? 今もこんな木刀で大事なトコを弄られてるってのに、凄い色っぽい顔してますよ?」  
「な・・・! う、嘘よ! そんな、あぅう! そんなの、ちがぁあっ!?」  
 
もともと紅潮していた頬を更に真っ赤に染めて、ヒナギクは慌てて顔を背けてしまうが、  
そんな態度はハヤテのなかで膨れ上がる嗜虐欲をより一層掻き立てるだけである。  
ヒナギクの秘所を弄る正宗の先端の動きは激しさを増し、  
溢れる蜜をたっぷりと吸い込んだスパッツの表面は、木刀に撫でられてくち、くちゅ、と湿った音を立てる。  
 
「それにしても、足の裏でこんなに感じちゃうなんて・・・ヒナギクさんって足の裏も性感帯なんですかね〜」  
「あふ、ひぐ・・・ぅあ! し、しらな・・・あはぁあ!」  
「足の裏でこんなですと、中に思いっきり射精したらヒナギクさん、どんなになっちゃうんでしょうね〜♪」  
「あ、んぁあ! え、や・・・な、中って・・・! そんな、あぅ、やぁあ!」  
 
さり気無く聞き流すことの出来ないことを言われて、ヒナギクの紅潮した顔が引き攣る。  
正宗による愛撫で蕩けかけていた意識も冷や水を浴びせられたかのように一気に醒めて、  
思わずハヤテの顔を見上げて抵抗の視線をぶつけようとするが―――  
 
「あれ、もしかして木刀で弄られるだけで済むなんて思ってました?  
 ヒナギクさんともあろう方が、状況認識が甘いですね〜♪  
 こんな深夜、どれだけ叫んでも誰にも声なんて届かない塔の上の部屋。  
 アソコをびしょびしょに濡らしてえっちな声を上げる美人の生徒会長さんに、  
 そんな生徒会長さんを犯したくてたまらない僕。  
 どうです? わかりやすいでしょう♪」  
 
普段の彼からは想像もつかないような、露骨過ぎる言葉と劣情に満ちた視線。  
彼の顔を見上げたヒナギクの視界の端に、重力に逆らって天を衝く彼のモノ―――自分を犯すためのモノが映る。  
 
「お、おか・・・そん、な・・・ぁ・・・っあ、ひぃ! や、あぁあ・・・」  
 
一瞬だけ強い意志を取り戻したかに見えたヒナギクの目はもはや完全に怯えの色に染まり、  
身体はがくがくと震えだし、目尻には涙すら浮かぶ。  
そんな弱々しい獲物の様子に、正宗で増幅されたハヤテの劣情はもはや抑え難いところまで膨れ上がり―――  
 
「ではヒナギクさん、そろそろ始めましょうか・・・ね♪」  
 
そう言ってヒナギクの秘所から剣先を離すと、ぴくぴくと震える彼女の足の間に膝をつき・・・  
 
「まずはこのスパッツ・・・もうびしょびしょですね、  
 こんなの穿いていたら風邪を引いてしまいます、とっちゃいましょう♪」  
「ひ! い、いや! やめ・・・あ、綾崎君、や・・・やぁああ!」  
 
ハヤテはスパッツの縁を掴んでずり下ろそうと試みるが、  
ただでさえ密着していて脱がし難い生地が今はじっとりと湿り、ヒナギクの肌に張り付いてしまっている。  
 
「あー、ヒナギクさんが感じすぎちゃうから、もうびしょ濡れでへばりついちゃってますよコレ」  
「そ、それはあ、あなたが・・・! え? ちょ、ちょっと、綾崎く・・・ん?」  
 
あまり悠長にしていられないハヤテはすぐに脱がすことを諦めると、  
スパッツの縁を両手で掴み、左右に引っ張って・・・  
 
びりびりびりっ!  
 
「きゃああぁあ!?」  
 
力任せに引き裂いてしまう。  
 
「さあこれで・・・って、あら・・・スパッツの下はもう何もないかと思っていましたけど、  
 下にちゃんとショーツも穿いているんですね〜」  
「あ・・・あ、あ、当たり前でしょ!? そんな・・・ことより、あ、綾崎君・・・あなた・・・」  
「当たり前なんですか・・・まぁいいですが・・・でもヒナギクさん、こんなフリフリの可愛い下着だなんて、  
 ちょっと意外でしたね〜♪」  
「ど、どういう意味よっ!」  
 
ハヤテの言葉にヒナギクは食って掛かるが・・・  
スカートもスパッツも引き裂かれ、ぐっしょりと濡れたショーツ一枚を残して露わになった下半身を晒し、  
彼の口から宣言された“これからされるであろうコト”が頭に焼き付いて、  
今にも泣きそうな・・・怯えきった目をした彼女からは、  
普段の彼女らしい迫力はもはや微塵も感じられない。  
 
「ふふ・・・でも今のヒナギクさんなら、こういう可愛い下着もお似合いですね」  
「い、今のって、どういう・・・」  
「今にも犯されようとしている、涙ぐんでカタカタ震えてるヒナギクさんは、  
 ある意味とっても乙女チックですから・・・ま、そういうことです♪」  
 
びくん、とハヤテの言葉にヒナギクの身体が震え、強張る。  
 
「や、いや・・・お願い、綾崎君・・・もう、もうやめて・・・  
 今なら・・・まだ、許してあげるから、このことは忘れるから、だから・・・!」  
 
懇願する彼女に、ハヤテはクス、と小さく笑いかけ、  
 
「未だに状況が理解できていないようですね、ヒナギクさん。  
 普段の生徒会長らしい凛としたヒナギクさんなら、許して“あげる”なんて言い方も様になっていますが・・・  
 今は違いますよ?」  
「な・・・ひぅ!? や・・・やぁあ・・・!」  
 
ぐっしょりと濡れたショーツを指でずらし、ヒナギクの秘所を露出させる。  
 
「ね、ほら・・・今のヒナギクさんは僕にこんなことをされても何もできないんですから」  
「やだ、やだ! やめ・・・ひぁあ! あぅ、だめぇえ!」  
 
露わになったヒナギクの秘裂は僅かに綻び、とろとろと蜜を滴らせながらヒクヒクと震えている。  
ソコに指をあてがうと、くちゅっと濡れた音を立てて指先は秘裂の中へと沈み込み・・・  
 
「うぁ、ひぁあ! やめ、綾・・・崎、くんっ! やめ・・・てぇぇ・・・」  
「どうです? わかりましたか・・・ヒナギクさん、  
 許すか許さないか・・・それはヒナギクさんが僕を、ではないんです・・・」  
 
その指先をゆっくりと上下に動かし始める。  
 
「ひぁ! やぁああ! あぅ、やめ・・・ぅああああ! あんっ! あく・・・ふぁ、やめ・・・ひぁあ!」  
「ふふ・・・ほら、もうヒナギクさんは僕の指先だけでどうにでもなっちゃうんですからね・・・  
 許す許さないというのは、僕がヒナギクさんを、なんですよ」  
 
ハヤテはあくまでゆっくりと語りながら、  
指使いは優しく丁寧に、決して痛みを与えず・・・だが決して休ませず、  
溢れる蜜を掻き出すようにヒナギクのソコをじっくりと愛撫する。  
 
「ふぁあ! や、んぁああ! やめ・・・あぅ、ふぁあっ! ひぅ、んぅうう! だめ、だめぇえ!」  
 
自分でも身体を洗うときくらいしか触れることの無い、  
16歳になったばかりの少女にとっては何よりも大切なところを望まぬ状況で弄り回されて、  
泣きたいくらいに恥ずかしくて悔しいのに・・・ヒナギクの口から洩れる声には甘い響きが混じっている。  
それを自分でも理解していて、それが余計に恥ずかしく、情けなく・・・  
自分を狂わそうとするこの甘い感覚に必死で抵抗しようと思うのだが、  
ハヤテの指はヒナギクを蕩けさせようと容赦の無い愛撫を続けつつ、更に言葉でも―――  
 
「でもヒナギクさんって・・・こんな状況なのに、口では強がったりもしてるのに、  
 ココはこんなにとろとろで、声もすっかりいやらしい感じになってて・・・  
 普段はSっぽい感じに振舞ってますけど、実はかなりのMなんですね〜」  
「ひぅ・・・ぅああ! ちが、ちがぁ! そんな、こと・・・な、ぁあ! ないわよっ!」  
 
ハヤテの指から膣内へと注ぎ込まれる甘い疼きに身体を震わせながらも、  
彼に対する懇願が無駄とわかった以上、せめて己の矜持だけは失うまいと強気を装う。  
だがそれも、ハヤテからすれば俎板の鯉が僅かに跳ねた程度の些細な抵抗でしかなく―――  
 
「へぇ・・・ではヒナギクさん、一つ僕と勝負しませんか?」  
「しょ、勝負・・・って・・・」  
「午前零時まであと5分・・・  
 この間に、ヒナギクさんがイったら僕の勝ち、イかなければヒナギクさんの勝ち。  
 ヒナギクさんが勝ったら僕はもう何もしません、後は煮るなり焼くなり好きなように―――  
 ってことで、どうですか?」  
「い・・・イく、って・・・?」  
「あー、わかりませんか? まぁ、絶頂とか“達する”とかオルガスムスとか・・・  
 色々言いますけど、なんと言いますか、性的興奮が最高潮に達すると言うか・・・まぁ、イけばわかりますよ♪」  
「な・・・そ、そんなこと、なるワケが・・・!」  
「ではこの勝負、受けて頂けますか?」  
 
快楽で揺らぐ意識でも、それがヒナギクにとって破格の好条件だということはわかる。  
何せ今の自分は彼に組み敷かれ下半身を剥き出しにされ、  
両手は正宗で叩かれた痛みで物を掴むことも拳を握ることもしばらくは出来そうに無い。  
そんな自分を、彼はそれこそ思うままにどうとでも出来るハズなのだ。  
なのに・・・  
 
「どうして・・・そんなことするの・・・? そんなことして、あなたに何の得が・・・」  
「そうですねぇ、まぁこのままヒナギクさんを手篭めにするのは簡単なんですが・・・  
 こういう勝負でヒナギクさんを負かしたら、一体どんな顔をしてくれるのかなー、なんて、あはは」  
 
そんな風に笑うハヤテを見上げるヒナギクの顔が歪む。  
 
―――このヒトは・・・私を貶めることしか考えていない・・・  
―――何より、私が思い通りになると思ってる・・・!  
 
それは、負けず嫌いのヒナギクにとって耐え難い屈辱。  
もう、悩む必要は無い・・・勝って、イヤと言うほど後悔させてやる―――!  
 
「・・・いいわよ・・・受けて立つわ・・・」  
 
キッ、とハヤテを睨みつけるヒナギクの表情は、  
つい先程、木刀でハヤテを切り伏せようと迫ってきたときのそれを彷彿とさせる。  
が・・・  
 
「ふふ、いいですね、やはりヒナギクさんはその強気な表情がお似合いです。  
 では始めますが・・・ヒナギクさん、強気なのは結構ですけど、今の状況、忘れてはいませんよ・・・ね?」  
「―――っくぁ! あぅ! ぅうう! こ、こんなの・・・あぅう! なんでも、な・・・あぁあ! ないわよっ!」  
 
話している間、動きを止めていたハヤテの指は再び蠢き始め、  
ヒナギクの蕩けた秘裂をくち、くちゅ、と穿り、撫で、抉る。  
そんなハヤテの指使いに敏感に反応してヒナギクの身体はびくびくと震え、声は上擦り跳ねるが、  
ハヤテを睨みつける双眸だけは擦り込まれる快楽に必死に抗おうとするかのように強い光を宿している。  
 
「流石ですね〜、さっきまであんなに蕩けそうな顔をしていたのに、  
 今はそんなに僕のことを睨みつけて・・・その顔がどんな風に崩れてくれるか、楽しみで仕方ありませんね〜♪」  
「あぅ、ふぁあ! あ、く・・・ぅうう! そん・・・な! 崩れたり、しな・・・ぁあ!  
 い、いまの・・・うちにぃ! 言って、なさい・・・必ず・・・後悔させてあげるんだから・・・あぁああ!」  
 
勿論、ハヤテが自分にとって得にならないと思われるような勝負を持ちかけたのは、  
ひとえに呪いを解くために他ならない。  
ヒナギクを組み敷いた時点で勝ったも同然と思ったのだが、  
ハヤテの服装は未だウサミミにミニスカのままであり、どうやら勝ちとは認めてもらえていないらしい。  
ならば、“勝負”と“勝利条件”を定義して、それを満たすしかあるまい、と言うワケだ。  
そしてヒナギクが“勝負”を受けてくれたのだから、あとはハヤテの為すべきことはただ一つ・・・  
 
「ではあまり時間もありませんし・・・そろそろちゃんとしましょうかね」  
「ひぐ・・・っ、ちゃ、ちゃんと・・・って、あぅ! うぁ、ひぁあ! や、あぁああ! はぅう!」  
 
そう言うと、自分を睨みつけてくるヒナギクを嘲笑うかのように彼女の秘裂を弄る指の動きを速く、激しくする。  
くちゅくちゅくちゅっと蜜の飛沫を散らせながら、第一関節まで埋め込んだ指先を暴れさせると、  
それだけでヒナギクは―――  
 
「ふぁあっ! や、やめ・・・ぇあぁ! あぐ・・・っひ、ぅうう! あは・・・あぁあ、ひゃあ!」  
「あらら・・・ヒナギクさん、ちょっと指を激しくしただけでもうコレですか?  
 いくらなんでも・・・いや、そうですね、ヒナギクさんはやっぱり真性のMなんですね〜♪」  
「ひぅ! ち、ちが・・・ぁああっ! そんな、こと・・・な、なぁ・・・ぅうう! ひぁ、ゆび、やめぇええ!」  
 
ハヤテの指の動きに合わせて身体をびくんびくんと小刻みに跳ねさせて、涙声で喘ぎ、悶えてしまう。  
それでも目だけは未だにハヤテのことをじっと睨んでいるのだが、そこに宿っていた強い光は既に薄れ、  
今のヒナギクの視線はまるで早くも勝負を諦め、許しを乞うかのような弱々しさで・・・  
 
「そんな顔で僕を見つめて・・・ヒナギクさん、もう降参ですか?」  
「あぅ、ひぐ・・・ぅ! ちが、しな・・・ぁ! 降参、なんて・・・する、もんですか・・・ぁあ!」  
 
それでも負けを認めることだけはしないあたりが、やはりヒナギクなのである。  
 
「そうですか、残念ですね〜、じゃあ今度はこんなコトもしてみましょう♪」  
「な・・・にを・・・っひあ!? あ、や・・・! ひゃうっ!」  
 
ヒナギクの秘所を責める指はそのままに、  
もう一方の手を彼女の足の間に潜らせて、会陰から尻にかけてのラインを“つぃ”と指で撫でてやる。  
 
「ひゃうぅうっ! やめ、あひっ! ひぅ・・・はぅううう!」  
「あは、ここも気持いいんですね〜  
 ヒナギクさん、腰をそんな浮かせて、感じまくりで・・・これはもう僕の勝ちも同然ですかね?」  
「ひぅう・・・ちがぁ! 感じて・・・ひゃうっ! ない・・・っ!  
 感じて、なんかぁあ! いぁ、あひっ! ひゃあぁあ!」  
 
くちゅくちゅと膣の浅いところを掻き回される感触は、純潔の証のその奥まで響き、  
ソコを切ない疼きでジリジリと焼き焦がす。  
そんな甘美な感触に意識が引き寄せられたかと思うと、今度は不意打ちのように会陰のあたりを撫であげられ、  
ぞくりと背筋を震わせる感覚に腰が浮き上がるほど反応してしまう。  
 
「は・・・っ、あぅんっ! ひぐ・・・ぅうう! やめ・・・あ、あやさ・・・っ、くんぅ!」  
 
ハヤテに注がれる快楽はジワジワとヒナギクの身体を侵蝕し、  
身体は熱でもあるかのように火照り・・・疼く。  
同意もなく望んでもいない事なのに、  
ヒナギクの身体は彼女の心を裏切ってしまったかのように、ハヤテの行為を快楽として認識してしまう。  
 
「なんで・・・っ、こんな・・・ぁあ! やぁあ! ヤなのにっ! ひぁああっ! なんで、こんなのぉ!」  
 
ハヤテの指に翻弄されながら、ヒナギクは己の心と身体の乖離に混乱し、  
彼に抵抗しようとする心を強く保てない。  
身体はびくびくと快楽に震えるばかりでもはや思ったように動かせず、  
しかもその快楽はハヤテの指使いに合わせて際限無く膨れ上がってくるのだ。  
そうして為す術もなく嬌声を上げながら、自分を狂わす彼に涙で潤んだ目を向けた、その時・・・  
何の拍子か、丁度ハヤテもまたヒナギクの悦楽で蕩けかけた顔を見て、二人の目が合って、  
 
「――――――っ!」  
 
恥ずかしさで慌てて顔を背けようとしたヒナギクの目に、  
ハヤテの無邪気な―――今は本当に無邪気か怪しいものだが―――にぱっ、という笑顔が映る。  
その瞬間、思い出す。  
今日までのこの数日の間、夢の中で何度も彼が出てきたことを。  
今と同じく、望んでもいなかったのに・・・いなかった、ハズなのに。  
そして・・・思う。  
 
“本当に、望んでいなかったのか”  
“本当に、望んでいないのか”  
 
「ふ・・・ぅああ、や、なんで・・・っひぅんっ! や、ちが・・・うそ、うそよ! こんなの、あ、ふぁあ!  
 ちがぁ! そんなのっ! そんな、ワケ・・・ぇえ! なぁあっ! ひゃうぅう!」  
「?」  
 
ヒナギクの悶え方がやや変化した気がして、ハヤテは“次の手”に移る予定を少しだけ先にして様子を覗う。  
残り時間は2分半、悠長なことは言っていられないが、  
今のところ余裕の展開ではあれども、万が一失敗したら取り返しのつかないコトになる。  
表向きは余裕を装いつつも、慎重にならざるを得ない。  
 
―――もしハヤテが迷うことなく“次の手”に移っていても、勝負の結果には影響はなかったであろう。  
だが、今すぐにヒナギクを更に狂わせることなく、僅かな時間を彼女に与えたことで、  
ヒナギクは考え、迷い、悩むだけの時間を得て―――  
 
「ちが、ちがぁあっ! ひぅう! あふ・・・んくぅ! 望んで・・・ないっ! こんなの望んでなんかないぃ!  
 あ、ふ・・・うぁああ! ちが、ちがうんだからぁあ! や、ひ・・・ぅあああ! あぅ、ひぅう!」  
 
意識の片隅に湧き上がった思い・・・  
夢に見るほど彼を、こうして弄られても悦んでしまうほどに、彼を―――  
綾崎ハヤテという少年を、自分は望んで・・・求めているのではないか―――  
 
それが、消えてくれない。  
消えないどころか、膨れ上がる。  
 
「ひ・・・ぐぅ・・・! ちが・・・っ、違う違う違うっ! ちが、あぁあ! ちがうんだからぁ!」  
 
その思いを頭から追い出そうとヒナギクは首を振りたくり、  
未だ痛みの引かない手で、その痛みによって自分の目を醒まそうとするかのように近くにあるモノをぎゅっと掴む。  
 
「―――つぅ!」  
 
ぴり、と右手から痛みが走り、少しだけ意識がクリアになるかと思った、その瞬間―――  
 
「あ・・・・・・ひ・・・っ!?」  
 
ぞくん、と・・・ヒナギクの中で、何かが蠢動する。  
 
「や・・・やぁあああ! ちが・・・こんな、ちが、あぁあっ! 違うのに・・・違うのにぃ!  
 わた・・・ぅあ、ひゃああ! あやっ! あひ・・・ひぅう! 綾崎君っ!」  
「ヒナギク・・・さん?」  
 
ヒナギクの右手が何かを探るように動き、木刀を握った瞬間・・・ハヤテは様子見に回ったことを後悔した。  
彼女が手にした刀身が翻り、自分目がけて振り下ろされることを覚悟して、  
歯を食い縛り身を固くして備えたのだが・・・  
予想した斬撃が降り注ぐことはなく、代わりに・・・ヒナギクは先程以上の昂ぶりを見せ始めたのだ。  
何が起きたかはわからない・・・が、ハヤテにとっては歓迎すべき事態と判断し、  
彼は“次の手”にとりかかる。  
 
ヒナギクにも、何が起きたかなどわからない。  
無意識にそれ―――正宗を握った瞬間、身体には力が満ち感覚は鋭くなった気がした。  
が、同時に・・・心の一番底に押しとどめていた感情は、堰を切ったように溢れだし―――  
 
「ひぅう・・・っあぁあ! あやさ・・・っ、だめぇ! こんな、ふぁあ! やぁ! も・・・っあぁあ!  
 綾崎君つ! あ・・・っやぁああぁ! 綾崎く、ぅうっ! 綾崎くんっ!」  
 
今までに彼が向けてくれた笑顔や、  
彼の夢から目覚めた際の高鳴る鼓動や、身体の微かな火照り・・・  
ヒナギクの中にあった沢山のハヤテが膨れ上がり、溢れだす。  
 
「ひぁあああ! あやっ! あう、ぅううぅ! なんでっ!? なんなのぉ!?  
 あやさ・・・っ! ひあぁ! ひゃうぅっ! あやさきくんっ! あ、や・・・ぅあぁああ!」  
 
無意識に抑え込んでいた気持ち―――毎晩夢に見るほどの彼への想いは、  
その彼によって与えられる快楽と正宗の作用の相乗効果によって、少しずつ・・・  
ヒナギクの胸の奥で形を為してゆく。  
 
―――うそ・・・私・・・このヒトのこと・・・?  
―――違う! だって・・・こんな、酷いことされてるのに!  
 
恥ずかしかったハズなのに・・・イヤだったハズなのに・・・  
じくじくと身体を蝕む甘美な疼きがヒナギクの心にまで沁みてきて、  
ハヤテの存在を・・・必死に拒み続けていた彼の愛撫もろとも肯定してしまいそうになった、その瞬間―――  
 
「ひゃああぁああぁああっ!?」  
 
がくがくがくっとヒナギクの身体が痙攣する。  
 
「いひぃいいっ! いひゃあ! あや・・・ぁあああぁ! あやさきくんっ!  
 だめ・・・だめぇ! そこ、なめちゃ・・・ぁああ!」  
 
にゅく、にゅち・・・ちゅぱ、じゅるるっ、ぷちゅ・・・っ  
 
股間に顔を埋めるようにして、ハヤテはヒナギクの秘所を舌で弄り始める。  
指よりも柔らかく熱いモノで敏感なところを舐められ、溢れ出す蜜を啜り取られる感触は、  
指での愛撫とは比べ物にならないくらいの強烈な快感となって注ぎ込まれ―――  
 
「んぁああぁあ! 舌が、あぁああっ! なめちゃ、や・・・ぁああ! そんなとこぉ! だめ、だめぇえっ!  
 わた・・・も・・・ぅああぁっ! あひぃ! 舌、いれちゃぁああっ!」  
「ん・・・む・・・っ、ふふ、ヒナギクさん・・・もう限界が近そうですね  
 ・・・無理して我慢しなくてもいいですよ? んぷ・・・っ、ん・・・ん・・・」  
「ひぅ、いぁあああっ! あ、は・・・ぅうっ、そんな、だって・・・あやさきくんがぁ・・・こんな、コト・・・  
 っあぁあああ!? ひぁ、や・・・やめ、まって・・・ぇえええ! あぅ、ひぁああ! んぁあああ!」  
 
ハヤテは正宗の作用など知らないし、ヒナギクの心の中で何が起きたかわかるハズもない。  
わからないが、少なくとも彼女はもはや抵抗できず、このまま達してしまうのも時間の問題なのは明らか。  
そして、問題となる時間は残り一分半。  
それは、今のヒナギクには十分過ぎる持ち時間だが、  
念には念を―――とばかりに、ハヤテはより激しく、執拗に、徹底的にヒナギクの秘所を舐め、しゃぶり尽くす。  
 
ちゅぷ、ちゅぱっ、じゅるるるっ、ちゅ、ぴちゃ、ちゅくっ、じゅるる、ちゅっ、ちゅぅううっ・・・  
 
「ふぁああぁっ! そんなぁあっ! 舐めちゃ・・・すっちゃぁあ! わた、あ・・・あぁあ!」  
 
熱くぬめる舌先が秘唇を這い、秘裂を掻き回し、処女膜を突付き、溢れる愛液を音を立てて吸われ・・・  
ヒナギクの意識は切れかけの蛍光灯のようにチラチラと明滅し、揺れる身体も漏れ出す声も抑えが効かない。  
そこへ更に―――  
 
「きひゃあああぁあっ!?」  
 
ぷっくりと膨れた肉の豆を、指先で“ちょん”と触れると、  
ヒナギクの声と身体が跳ね上がる。  
 
「だめぇぇえ! そこっ! ひゃあぁああっ! やめ、きゃああっ! もうやめっ! やめぇぇえええ!」  
 
もはやその表情を確かめるまでもなく、彼女はその刺激の前に為す術もなく狂わされ―――  
 
「あぅううっ! そこだめ! だめ、いやぁああっ! わた・・・っ、ヘンになるっ!  
 おかしくなっちゃ・・・あぁあああ! あやっ! あやさきくんっ! やめ・・・もぉだめぇえええ!」  
 
ソコをつん、つん、と突付くたびに、ヒナギクは全身をガクガクと揺らし、髪を振り乱して泣き悶える。  
彼女のあられもない泣き声に攻めるハヤテもまた昂ぶらされ、股間のモノが疼いて堪らなくなってくるが、  
ソレを使って楽しむ為にも、今は舌でソコを舐め回し、指で膨らんだところをくにくにと弄り―――  
 
「ひゃあぁあっ! もお・・・もぉおっ! だめ、だめぇええっ! さわっちゃ・・・なめちゃぁああ!  
 ひぁ、なに・・・なにかくるっ! きちゃうっ! あやさ・・・くんっ! も、ぉ―――」  
 
最後に、トドメとばかりに舌を思い切り抉り込ませ、陰核をきゅっ、と摘み上げると、  
その瞬間、ヒナギク身体は腰が浮き上がる程に跳ね、背を仰け反らせ―――  
 
「い・・・っあぁああぁあぁああ――――――――――――!」  
 
 
甲高い声を上げて絶頂に達し―――  
 
 
彼女は、敗北した。  
 
 

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