おさな-づま をさ― 【幼妻】<  
 
 年が若くて、まだ子供っぽい感じの妻。  
 
 
「ふぅ……」  
ワタルの手伝いを済ませたあと、私は書斎でパタン、と辞書を閉じた。  
知識は豊富に持っている私だが、こういう確認的な作業をたまにはしたくなる。  
改めて調べてみたが、載っていた情報はすでに知り得ていた。  
 
(幼な妻……か)  
心の中で反芻する。 ハヤテの口から漏れた言葉だ。  
正直あの読唇術は眉唾モノだったが、それでも意識してしまうのはなぜなんだろう……  
 
そんなの決まっている、自分を騙しているだけ。  
大好きな異性の口から「妻」なんて言葉が出たら誰だって意識してしまうというものだ。  
 
そんな、つい勢いで出た結論を自分で無理矢理納得させ、気付けば体温は上昇していた。  
 
「それにしても……」  
独り言つ。 そして思い出すのはあのちょろちょろと目障りな、げっ歯類のこと。  
あんなのでも流石は年上だった。 さらにあのワタルのメイドはもっと年上なだけになおさら。  
足りないのは――――なんだろう?  
年齢差はどうしようもない。 が、知識の量は私のほうが上だ。  
ならば、やはり経験の差がものをいうのだろうか――――  
 
「大人の会話とはああいうものなのか……」  
さきほどのハヤテが代弁していた言葉が頭をよぎる。  
幼な妻…可愛い…メチャクチャに…もっと…好きにして…  
ああもう妄想が止まらない。  
幼な妻…ハヤテのお嫁さん…テクニシャン…気持ちよく…気持ちがいい……  
(うぅ、胸がムズムズする)  
赤顔してくるのがわかる。 だが、いつまでもこうしているわけにもいかない。  
そして私は右手を強く握り締め、固く決意する。  
 
「マリア! エプロンはどこだ?」  
「ナギ…エプロンは台所に立つ人が使うものですよ?」  
マリアが気に障ることを言っているが、我慢する。  
 
「エ・プ・ロ・ン・は・ど・こ・だ・!」  
マリアには悪いと思ったが私の計画のためだ、強引に進めるとしよう。  
恥ずかしい事だが、私は家のことはあまり得意ではない。  
エプロンがないとこの計画は始まらないし、なんとかこの場を切り抜けないと……  
 
「もう、一体何に使うんですか?」  
「い、いやほら、最近買った『しゃべりまくる!○Sお料理ナビ』を試そうかと思ってな」  
もちろん嘘だ。 そんなもの買ってないし今は料理などは興味がない。  
気になってる事といえばF○のリメイク版が最近は多すぎる、という事だけだ。  
大体リメイクというモノ自体が気にくわん。 昔取ったきねづかでちょろちょろっとの追加要素。  
そんなモノでまた小金を稼ごうなんて、ユーザーを舐めているとしか思えん!!  
だったら最初からいさぎよく完全移植のみで勝負せんか!! ワン○゛ースワンカラーを見習え!!  
というかあやまれ! WSCにあやまれ!! いや、Vの移植を待ちわびていた私にあやまれぇ!!  
 
でも…Xは予言士のアビリティに脱帽したがな。  
 
「ああ、そういうことなんですね。 アレなら…まあ、大丈夫でしょう…か?」  
疑問符がいちいち癪に障るが気にしない、気にしない……  
なんとかマリアを説得してようやくエプロンをせしめた私は、計画を次の段階へと進めるべく行動を起こす。  
ますはハヤテと二人きりにならないとな…っと、その前に……  
 
「マリア、私はこれからちょっとDSL部屋に行くが、誰も近づけるなよ」  
釘を刺しておく。 これであの部屋に誰かが入ってくる事はないだろう。  
そこを私は計画の実行場所にする事にしたのだ。  
後はハヤテをそこに呼び出せば第一段階は終了する。  
 
「おーい、ハヤテー!」  
とりあえず呼んでみる。 だが返事はない。  
まったく、こんな時に限っていないなんて困ったヤツだ。  
「――――」  
しばらく思案した後に、私は部屋へと足を運んだ。  
 
 
僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。 いつもの声、いつものトーンで。  
中庭の掃除をしていた僕は屋敷へと急ぎ戻る。  
お嬢様は書斎だろうか? それともリビングかな?  
でも声が聞こえたから案外近くにいるのかも知れないし……  
だけど広すぎて見当もつかないのも事実だし……誰かに聞いてみようかな?  
いろいろと考えていたらホールでマリアさんに出会った。  
 
「あ、マリアさん、お嬢様見ませんでしたか?」  
「あらハヤテ君、ナギに何か御用なんですか?」  
お嬢様に呼ばれた気がしたから、と、僕はマリアさんに簡単に説明する。  
ちょっと考え込むかたちで難しい顔をしてからややあって、マリアさんは答えてくれた。  
 
「ナギならDSL部屋ですよ……でも」  
マリアさんの返答に少し戸惑う。 ―――DSL? ああ、最近になって作った新しい部屋だ。  
なんだろう……新作ゲームでも買ったのかな?  
と、そこで僕はハッと、思い出す。 ―――そう、ポ○モン……  
ついこの間、お嬢様のどうしても欲しいというポ○モンがいくら探しても出ない、ということがあった。  
なので、  
「じゃあ僕が探してあげますよ」  
なんて軽口を叩いた事があり……でも、なんだかんだで忙しくて、すっかり忘れてて……  
 
「あ、あ、ありがとうございます! マリアさん!」  
僕は開口一番、脱兎のごとく走り出した。 向かうはDSL部屋、通称『ジェットブラック』だ!  
きっとお嬢様は待っているに違いないんだ! 『ダークライ』を……でも、アレって捕獲できたっけ?  
 
「あ、ハヤテ君! ちょっと待っ……ああ」  
後ろでマリアさんが何か言っているけど今はそれどころじゃない。  
早く、早くお嬢様の所へ行かないと……そして謝らないと……  
息を弾ませながら部屋の前に到着した僕は、勢いそのままに思い切りドアを開けた。  
 
バンッ!!  
「お嬢様!! 『アルセウス』で我慢して下さ――――あ」  
部屋に入って最初に目に飛び込んできたものは肌の色。 それもうっすらと赤みを帯びていた。  
それからやっと網膜から脳へ映像が送られてくる。 少し小ぶりだけど、とても均整の取れたお尻だった。  
ここでようやく把握できてきた。 そう、これはお嬢様の後姿。 いつも見慣れているはずのお嬢様。  
でも今日のお嬢様は一つだけ決定的な矛盾があった。 というか、え!?  
お尻? 裸? でも靴下は履いてるっ!? それに、エ、プロンッ!?  
な、なななんでそんなモノお召しになってるんですか? しかもそんなに短くて……え、えぇーーーーっ?  
呆然としながらも僕は目が離せない。 そんな僕の様子に気付いたお嬢様は定石どおり……  
 
「へ!? ああぁ――――ば、バカァーーーー!!!!」  
「ひゃあぁああ!! す、すいません、お嬢様――って、わわっ!!」  
次々と飛んでくるDSのソフト。 それらを悉く受け止めながらテーブルに積み上げる僕。  
その高さがプレステくらいの高さになったころ、ようやくお嬢様は落ち着いてくれた。  
部屋のカーテンに包まって涙目になりながら、それでも気丈に僕に向かってくる。  
 
「な、なんでだ? なんで急に…それにノックもしないで……」  
「すいません、お嬢様…どうしてもお嬢様に早くお会いたくて(あやまりたいから)」  
伏目がちになんとか言葉を紡ぐ。 それから少し沈黙が続いた。  
僕はそっとお嬢様の様子をうかがった。 すると、お嬢様は顔を真っ赤にしてつぶやく。  
目を瞑り耳を澄まして聞き取ってみると……  
 
「また…見られた」  
あの時を思い出す。 そして僕は想像する。   
 
――再び運命の幕は上がる。 それは突然の3連休。  
 
前回は正面からの直視で3日。 なら今回は何日?  
でも、もうあんな日々を繰り返すのは嫌だなぁ……  
 
そんな事を考えていたら、お嬢様が僕に向かって毅然とした態度で言った。  
 
「こんな恥ずかしい目に遭わせてくれたのだから、しっかりと責任は取ってもらうぞ」  
約束を忘れていたこともあいまって、そのお嬢様の言葉に僕はただ頷く事しか出来なかった。  
 
 
どうしてこんな事になったのか、私にはわからなかった。  
でもほんの出来心だったのも事実。 ちょっとした好奇心だった。  
普段着ているものを脱いで、従来と異なる格好をする。  
本来の使用目的を無視して、通常ではありえない状況。  
そんな事になんとなく背徳感を感じつつも、少しドキドキした。  
それからすぐに正気に戻り、着替えようとしたときだった。  
 
バンッ!!  
 
突然ドアが開いた。 部屋に外気が入ってきたのを、まさに全身の肌で感じていた。  
何が起きたのか理解に苦しんだが、それがハヤテの仕業だと気づいた時には、もう叫んでいたあとだった。  
とっさに私は自分の身を隠す。 それにしても……ハヤテに裸を見られたのはこれで二回目だ。  
慣れ…と、言うわけでもないが、人間一度あった事には耐性ができる。  
今回も恥ずかしかったのだが、それよりもハヤテの「会いたい」という言葉で私は自分を保つ事ができた。  
それならば、と沸騰している頭をふるふると振り、なんとか思考を張り巡らす。  
そして私に一つの妙案が浮かんだ。  
 
――――そう。 これをきっかけにして計画の続行を決意する。 ちょっとした罰ゲームの感覚でもいい。  
そう考えてから私はハヤテに話しかけた。  
 
「こんな恥ずかしい目に遭わせてくれたのだから、しっかりと責任は取ってもらうぞ」  
「わかりました……」  
意外にもハヤテはすんなりと頷いてくれた。 しかし、このあとの状況には少しは抵抗するだろう。  
会話を続ける。  
 
「こ、こんな恥ずかしい格好を見られたのだから、ハヤテにも同じ目にあってもらわないとな」  
喉から振り絞るように言った。 言い終わるまではハヤテの顔を見る事はできなかった。  
互いに無言の時間が部屋を支配する。 そしてようやく観念したかのような声でハヤテは答えた。  
 
「お嬢様の頼みとあれば…でも、恥ずかしいので着替えてる所は見ないで下さいね」  
「う、うむ……もちろんだ! 私はそんなはしたない女ではないぞ」  
支離滅裂な話だ。 一体、私はどんな女だというのだ……  
私はすばやくエプロンを脱ぎ、カーテンに包まったままハヤテに手渡す。  
昼の騒動からここまで、妄想していた事が今、実現しようとしている。  
(ハヤテが私のお嫁さんになって裸エプロンで出迎えてくれる)  
なんて短絡的で滑稽なんだろう。 でも正直な気持ちだった。  
見てはいないがハヤテの着替える音がしっかりと聞こえてくる。  
シュル…パサッ…スッ…と、妙に耳に響く。  
 
「着替え……おわりましたけど……」  
「あ、あぁ――――――ぅゎぁ……」  
小さく声を漏らす。  
 
想像はしていたが、まさかこれほどとは……  
正面からの姿しか見ていないが、エプロンしか身につけていないハヤテはとてもキレイだった。  
端正な顔が伏し目がちになっている。 そして白いエプロンから左右に垂れる後ろ手に組んだ両腕。  
さらに普段使いのものより短いために、大事な所が見えるか見えないかの境界線ギリギリになってしまっていた。  
そんなあやうい部分から伸びたスラッとした足……に、なぜかニーソックス……  
 
「ハヤテ?」  
私の目線で気がついたハヤテは、羞恥心を懸命に抑えながら答える。  
 
「おんなじ格好でって言われましたので……」  
確かに言った。 だが、そこまでの意味を込めたつもりはなかったのだが……  
どこから持ってきたのかは不明だが、これは…まあ…よしとしよう。  
 
「そ、そうだな、うん、そのままのほうが私的にはオーケーだ」  
自分で何を言っているのか段々わからなくなってきた。 混乱気味。  
 
「えっと…で、お嬢様…僕は一体これからどうすれば……」  
「ふぁ? あ、えーっと……そうだな……」  
すでに思考は迷走をしている。 目をハヤテに向けたままで、まったく何も浮かばない。  
そしてようやく思いついて出てきた言葉がこれだった。  
 
「もっと…近くで見たいな……」  
これからどうすればいいか、の問いに答えてはいない。  
ただもう自分の欲望に負けてしまっていたのだ。  
止まらない。 堰が切れたかのように溢れ出す。  
私は自分が裸のままなんて現状はきれいさっぱりと忘れていて、スッと、ハヤテに近寄った。  
 
「お嬢…様……?」  
私がハヤテの答えを待たずに近寄ったためか、動揺しているのだろう、声が怯えている。  
さきほどまでは困惑気味だった頭も、いまでは透明感に包まれている。  
氷水の中に投げ込まれた焼けた鉄のように思惑が一点に収縮する。  
 
「いいから…そのままじっと立っていてくれ」  
やさしく語りかけたつもりだったが、ハヤテにはどう捉えられていたのだろうか……  
ビクッ と、身体をこわばらせて身じろぎ一つしなくなった。  
私は、怖がらせてしまったかな、と、思いながらも、すでにハヤテの近くに来ていた。  
 
ぐるりとハヤテの周りを回る。 両手で隠してはいるがお尻はほぼ丸見えだ。  
じろじろとハヤテの周りをゆっくりと回りながら視姦していく。  
きめ細かそうな肌の露出している部分を、余すところなくすみからすみまで目で嬲る。  
それも私の顔が触れるほどの距離で。 ときには息を吹きかけながら。  
ふと、いまハヤテはどんな表情をしているのか無性に知りたくなった。  
自分でも不思議に思う。 こんなにも加虐になれる自分がいた事を……  
 
「あ、あんまり見ないで下さい……」  
「んー? そうは言ってもな…それに、なんだかすこし熱っぽいんじゃないのか? ハヤテ」  
体温が感じられるほどの距離まで近付いていた私が、わざと意地悪っぽく言う。  
そんな台詞がハヤテの顔色をますます赤くしていく事も、簡単に理解できる。  
 
「もう…そろそろ、いいですか……」  
ハヤテが懇願してきた。 さすがにこれ以上は限界かもしれない。  
だが、一線を越えてしまった私に、そんな妥協は許されるはずはなかった。  
 
「駄目だ」  
冷たく言い放つ。 すぐさま私は、泣きそうな顔になっているハヤテの肌に触れた。  
 
「ぁ―――」  
聞き取れないほどの小さな声でハヤテが喘いだ。  
そこから先は、もう何も考えなくてよかった。 ただ無心になってハヤテの肌を楽しむだけ。  
 
まずは指で背中を這わせてから、腰辺りまでをさすさすと擦る。  
次に腰から下の足周りを手のひらでむにむに満遍なくまさぐる。  
行為の最中も私はずっとハヤテの顔を見続けていた。  
 
そのおびえた表情がますます私を淫靡な気分にさせてくれる。  
ぞくりぞくり、と背筋が凍えるが悪い気はしない。 むしろ恍惚とした気分だ。  
身体が熱い……私がこんなになっているのだからハヤテは一体どんな状況なんだろうか?  
多分、私と同じなのではないだろうか。  
 
「ハヤテ……どんな感じだ?」  
想像するに容易い感想をあえて聞いてみる。 するとハヤテは吐息を漏らしながら答えた。  
 
「少し…んはぁ…くすぐったい…です……けど」  
「けど?」  
「気持ち……ぃいかも……」  
それはそうだ、私がしているのはマッサージと同じ事だ。   
それならば、と今度はもう少し強く責めてみる。  
 
ハヤテの男のものとは思えないほどのきれいなお尻をぐいっとおもむろに掴む。  
 
「ひゃあぁ!」  
「ん、どうかしたか?」  
聞くだけ聞いてさらに続行。 再び背後に回りハヤテに寄り添う。  
ふわっ  
脇腹をやわらかい手つきのままに、全ての指の腹で触れていく。  
ぷにっ  
エプロンの脇から手を差し入れてお腹をつつく。  
すりっ  
両手をエプロンの中に入れたまま上へ移動させ、胸元を擦る。  
くりっ  
胸の突起をもったいぶりながら焦らしつつ、最後は大胆に摘む。  
ハヤテは腰を落し気味にガクガクと震えはじめていた。  
 
「ぅわぁ! うくっ…ひゃぅう…つぁっ……あぁぁ……」  
「結構いい声で鳴くんだな、ハヤテは」  
嘲笑を帯びた声で、耳元で囁く。 その間も責めるのを忘れない。  
そんな私を、ハヤテは愛玩動物のような眼差しで見つめてきた。  
 
「そ、そんなこと言わないで下さ―――ひぃゃうっ!」  
「なら、やめようか?」  
これは賭けだった。 いまここで終わりにすればなんとかまだ戻れる。  
だけど、もし…ハヤテが――――ならば、私はどこまで行ってしまうのだろうか。  
(ふっ、ふふふ……)  
意外と冷静でいる自分に、おもわず失笑してしまった。  
もうとっくに理性なんて失くしてしまったと思っていたのに……  
 
「続けて……欲しい……です」  
がらがらと、崩れる音がどこかで聞こえる。  
決壊。 もう止まらない。 身体の芯から燃え上がる感情。  
よく意味の分からない微妙なものが入り混じって私の中を駆け巡っている。  
そんな音を身体全体で聞きながら、私の行動は徐々に速度と激しさを増していった。  
 
「そうか…執事のハヤテが続けて欲しいというのなら、主としてはその望みを聞いてやらんといけないな」  
「は…い、あ…りが…と…ぅ……ござぃ…ます……」  
コリコリ、と乳首の感触が気に入った私は、執拗に繰り返し弄ぶ。  
すでに立っていられなくなったらしいハヤテは、床にペタンと座り込んでこちらを見上げていた。  
そんなハヤテの情けなくも可愛らしい表情を見ていたら、よりいっそう嗜虐的になってくる。  
私はゆったりとした動作でハヤテの正面に立ち、全裸のままで見下ろす。  
もう羞恥心なんてものは微塵もなくなっていた。 むしろその潤んだ目に見せつけてやりたい気持ち。  
 
良く見ると、ハヤテの付けているエプロンの一部が盛り上がっている。  
(あ…これって……)  
勃起していた。 私に気付かれたのを察したハヤテは慌てて手で押さえて隠したがもう遅い。  
(私に触られて感じてくれた? 私がハヤテを気持ちよくさせてあげたの?)  
私は高揚した感覚を楽しみながら、ただその一点をじぃーっと見続けていた。  
 
「ふーん、ハヤテも男なんだな」  
「――――」  
ぶっきらぼうに吐き捨てる。 ハヤテはぎゅっと目を瞑って耐えていた。  
あまりにも盛り上がりすぎて不自然になっているその部分を触ってみたい。  
と、思ったが、それだけではつまらない。  
 
「ハヤテ、手をどけてくれ」  
「ふえぇ? え…えええっと…はい……」  
私は足先でペロッとエプロンを捲り上げ、まだ一度も見たことのなかったハヤテの股間を剥き出しにした。  
 
「ぁああ―――」  
情けない声でハヤテは呻いている。 が、なんだか開放感に嬉しがっているようにも見えた。  
 
初めて見たけど……意外と普通だ。 資料(同人誌)では知っていたので案外こんなものなのかな……  
でも…ちょっとグロテスクかも……  
 
女の子みたいな座り方で股間を剥き出しているエプロン姿のハヤテ……  
コレだけでご飯が進みそうなシチュエーションだが私はさらなる探究心を忘れない。  
まっすぐに天上を向いているハヤテの股間を何も言わずに軽く――――踏んだ。  
 
「くぁ――――」  
妙な声を漏らすハヤテを尻目に、踏みつけた足でそのまま上下に擦ってみる。  
すりすり、と靴下越しにでもハヤテの股間の感触が足の指先に伝わってくる。  
手と一緒で足の指でも肉感がわかる。 固い。  
この心地いい固さを足の指で楽しむ。  
 
くりくり…くり…すりっ…  
つま先で亀頭の周りをなぞっていく。  
靴下を履いていても爪の感触が気持ちがいいと見える。 ハヤテは悶えていた。  
 
すっ…すすっ……すっー……  
「あっ、ああっ…あくっ……」  
竿の部分も上下にと繰り返し擦る。  
その感覚は私にも伝わってきてとても気持ちがいい。  
足の指にも性感帯があるみたいだ。 興奮が高まってくる。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ…ハヤテ…気持ちいいか?」  
「ふぁあ……ひゃうっ!!」  
ぐりっ!  
亀頭の先から裏筋までを少し強めに擦った。  
ちょっと刺激が強すぎたかもしれない。 ハヤテはビクン、と仰け反り、目に涙を溜めていた。  
背筋から快感が流れてくるのがわかる。 私はいつのまにか自分の身体を触っていた。  
 
「ふぅっ…ふぁ、はぁ、はぁっ、はぁっ……」  
「んんっ、くぅぁっ……」  
ハヤテを弄びながら、胸をまさぐる。  
ハヤテを弄りながら、あそこに触れる。  
 
堪えきれない、といった様子でハヤテは床に寝そべってしまう。  
そんな様子を冷ややかさと熱さの共生した眼差しで眺めながらも、手は自分を、足はハヤテに、と連動させていく。  
 
ちゅ…ちゅく……  
「あっ、あんっ……ふゎっ……」  
手の指に濡れる感触。 自分のあそこからいやらしいモノが漏れている。  
 
ずっ…じゅっ……  
「あああ、あぁ……くっ……」  
靴下に滲んでくる感触。 ハヤテの亀頭はもの欲しそうによだれを垂らしていた。  
 
ちゅくっ…ちゅくっ…じゅっ…ぢゅっ……  
「あっ、あっ、はうぅ……」  
「はぁ、っはぁっ……ん…」  
混じり合い混じり合う。  
私は膣の中に指を入れて、なおも激しく掻き混ぜる。  
ハヤテは仰向けのままで股間をお腹に押し付けられて足で扱かれている。  
 
二人の目は焦点も合わぬまま、ただ互いを見つめ続けていた。  
 
ちゅっ、ちゅくっ、ちゅっ  
じゅっ、づゅっ、ずっずずっ  
「「あぁっ…はぁっ、はぁっはぁっ」」  
小気味よく合わさるリズム。 でもこの空間を支配しているのは私。  
ハヤテを上手に扱えるのも私だけ。 そんな優越感に身体をあずけた。  
 
ハヤテの苦しそうな表情が目に映る。  
(もうそろそろかな?)  
男の生理はよくわからないが、なんとなくハヤテの顔を見たら理解できる気がする。  
そして同時に最後を迎えるために、あわせて私も手足の動きを早めていった。  
 
くちゅっ、ちゅっ、ぴちゃっ  
ずっずっずっずっず、じゅっ  
「「あっ! あぅっ! あぁあああああ!!」」  
ハヤテが射精している。 私のあそこからもどんどん溢れてくる。  
 
びゅくっ…びちゃっ…びゅくっ、びちゃっ…びゅちゃっ  
「はぁっ、はぁっ、はぁぁ、んっ…ハ、ハヤテぇ……」  
「はぁああ……ぅぁ、はぁ、お嬢様ぁ……」  
堪らなくなり、私はハヤテに覆いかぶさった。  
そんな私をハヤテは優しく抱きとめてくれた。  
ハヤテの胸の中で、まだ荒い息遣いそのままでキスをした。  
(あ……)  
おかしな話だ。  
 
「キスが……後になるなんてな」  
「そういえば……そうでしたね」  
 
(こんなのもまた一興かもな)  
そう思ってからもう一度キスをした。  
先ほどまでの加虐さはどこにいったのかと疑いたくなるが、今はただハヤテの胸で眠りたい。  
初めて味わう快感と心地よい疲労感の中、私の意識は薄れていった。  
そんな気持ちを汲み取ってくれたのか、ハヤテは言ってくれた。  
 
「ゆっくりおやすみください、お嬢様」  
 
 
 
―後日―  
 
「おーい、ハヤテー!」  
「はい、お呼びですか? お嬢様」  
「うん、あのな、また新しいソフトを手に入れたのだ!」  
「――――」  
「ん? どうかしたか?」  
「え? ……いいえ、なんでもありませんよ」  
「また……いっしょに、しような?」  
「はい、もちろんですよ」  
 
 
 
DSL部屋、通称『ジェットブラック』  
最近は頻繁に利用されているという  
そこに入っていく二人はなぜかとても幸せそう  
後にこの部屋が二人のコスプレ部屋になるのは  
 
また別のお話  
 
(了)  
 

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