8巻表紙(ハヤテと咲夜が水着で海底洞窟に宝探しに来てるワンショット)見て思いついた話。当然ハヤテ×咲夜。  
 
タイトル「ほんとうのたからもの」  
 
 
 みなさんこんばんわ。綾崎ハヤテです。  
 僕は現在、咲夜さんと二人で洞窟探検に来ています。  
「借金執事! うちの蔵から宝の地図が見つかったんや! さっそく探しにいくさかい、分け前はやるから手伝ってや!!」  
 と、いきなりお嬢様のお屋敷におしかけた咲夜さんに半ば強引に連れて来られ、気が付いたら愛沢家所有の潜水艦で昔海賊がお宝を隠したという伝説の有るこの海底洞窟に宝探しにきたというわけです。  
 ……あれ? 今は三月でヒナ祭り祭りの時期だったはずですが……まぁ記憶違いでしょう。  
「ちょっとストップ。地図見せてな。……ふんふん、こっちの道やな」  
 咲夜さんが僕の持つ地図を覗き込みます。僕は思わず目を逸らしてしまいました。と言うのも、咲夜さんは年頃の女の子が着る様なものじゃない大胆な水着姿でして、その、  
 近くに来られると水着からこぼれる胸の谷間が見えてしまって、目のやり場に困るんです。とてもお嬢様と同じ13歳とは思えません。  
 こんな大胆な格好で、仮にも男の人と二人っきりで洞窟探検なんて……咲夜さんにはもう少し女の子としての自覚を持って欲しいものなんですが。  
 もっとも咲夜さんに言わせれば、水の中に入るんだから水着なのは当たり前やろ! だそうです。確かに正論なんですが、僕はやっぱりいつもの執事服のほうが気合が入りますし。  
 
 そしてなんだかんだで、僕たちはついにお宝を発見しました。  
 洞窟の最深部、頑丈そうな宝箱を開けると、中には金貨や宝石が山のように入っていました。  
「っしゃぁ! やったで借金執事! ラ○ュタは本当にあったんや!」  
 咲夜さん、それは海底じゃなく天空です。  
 僕も咲夜さんの隣から覗き込みます。咲夜さんの髪のいい匂いが……じゃなくて、そのお宝の凄さにはびっくりしました。金貨も宝石もたぶん全部本物です。  
 僕なりに低く見積もっても数億……いえ、税金やらなにやらで結局は国にたくさん取られるとは思いますけど、それでも普通の人なら一生遊んで暮らせるだけのお金です。  
 
「おめでとうございます。本物だったんですねこの地図。凄いですよ!」  
「ま、当然やな。ウチと借金執事が組めばどんなお宝も逃さへん」  
「けど、咲夜さんの家もお金持ちなんですから、このくらいのお宝なんか無くても十分なんじゃないですか?」  
 スパーン! いきなりハリセンでど突かれました。あれ? 咲夜さんは水着姿だったのにいったいどこに持ってたんでしょう。  
 
「アホゥ! ええか、たしかにウチはこんなお宝が無くても金にはこまっとらん。けど、このお宝はここにあっても何の意味もないんや。  
 分かるか? せっかくの日本国の財産なのに、数億っちゅう財産が誰にも使われずにここに眠ってるんやで。それがどんなに無駄なことか。  
 ウチはな、この財宝を世に出すことで、無駄に眠ってる金を少しでも日本経済に流通させて国が豊かになれればそれが一番なんや!」  
「そ……そうだったんですか!!」  
 さすがはお嬢様と同じく、小さな頃から経済学や帝王学を勉強してきた咲夜さんです。  
「それに、ウチはともかくあんたにとっては大金やろ? お宝の半分は分け前っちゅうことであんたにやるから、それで借金返せばええんちゃう?」  
「は、半分って!?」  
 このお宝の半分……これだけあれば一億五千万の借金もたしかに返せます。けど、地図を見つけたのも、潜水艦を手配したのも咲夜さんなんですから、  
 僕は五分の一…いえ十分の一くらいでも多すぎる気がするのですが。  
「なんやヒクツやなー自分。ウチがええっていっとるんやからもらっとき。途中のトラップとかその他いろいろ、自分がいなかったらここまで来れなかったんやで?」  
 バンバンと背中を叩いてくる咲夜さん。ううん……あまり断るのも申し訳ないですし、お嬢様とマリアさんと相談ですね。あと、帰る前に何かお土産も買っていきましょうか。  
 
「けど、どうやって持って帰ります? 金ってけっこう重いですよ」  
「んー。とりあえず箱持ち上げてみよか。考える前に行動あるのみや。借金執事。あんたはそっち持って」  
 二人がかりで宝箱ごと持ち上げる作戦ということで、両側を持って持ち上げ……うん。なんとか持ち上がりました。  
「よっしゃ。あとは来た道を戻るか……待てよ、借金執事。その地図に近道とかないんか?」  
「小さな通路が書かれてますけど……たぶんあそこの穴ですね。海から入ってくる水をそこからまた外に出しているようです。でも、狭そうですから宝箱抱えたまま通れそうに無いかも」  
「そか。難儀やな。ほなその穴どうにかならんか一度見て……」  
 
 地面が揺れたのはそのときでした。  
 
 立っていられないほどの揺れが僕らを襲います。転びそうになる咲夜さんをあわてて受け止めます。こうして抱いてみると、咲夜さんもやっぱり小さくて、  
 まだお嬢様と変わらない年の女の子なんだと実感します。  
「あ、ありがとな……って揺れが大きくなってへんか? 地震か!?」  
「いえ……違います!」  
 宝箱を置いてあった台の下に、なにやらスイッチのようなものがありました。  
 それに、揺れだけではありません。天井や、壁が音を立てて崩れ始めてきています。これは、この洞窟が崩れる危険があります。  
 
「――罠です! 宝箱を動かそうとすると、この洞窟が崩れる仕掛けがしてあったんでしょう!」  
 この財宝が海賊のものだということを忘れていました。他人に渡すくらいなら、宝ごと侵入者を閉じ込めようという海賊の罠があったようです!  
「……なぁ、これって、もしかして大ピンチってやつやないか?」  
「はい……! 申し訳ありません咲夜さん! トラップが仕掛けられていることくらい見抜くべきでした!」  
 宝よりも咲夜さんの命が大事です! 出口。やってきた出口は……!  
 
「あかん、もうふさがっとる!」  
 僕らが入ってきた入り口、つまり僕らにとっての出口は既に岩でふさがっていました。天井からはだいぶ大きな岩も落ちてきます。  
 このままここにいては二人とも生き埋めです。かといって出口の岩をどかす時間はありませんし、僕の必殺技もこんなとこで使ったら被害が広がるだけです。  
「あっちです! この抜け道から出ましょう!」  
「しゃあない! お宝は諦めるしかないか!」  
 出口とは逆方向、行き止まりに見える奥へと走ります。次々と岩が落ちてきて水面にいくつも波紋を作ります。  
「抜け道、抜け道……あれか!!」  
 膝まで溜まっていた海水が、向こうで下へと流れる音がします。そこに行って見ると……  
 
 そこは、底の見えない深い穴でした。  
「……うわ、冗談きついわ」  
 中は真っ暗で、どれだけ深いのか分かりません。地図を見る限りでは、真っ直ぐ落ちるのではなく、急斜面……  
 つまりウォータースライダーのような作りになっているようですからそれを信じるなら墜落死はしないでしょうが、  
 この地図が間違っていたら? あるいは滑り落ちた先が行き止まりだったら? あるいは、滑り落ちた先にとがった岩があったら?  
 この穴に飛び込んで死なない保障はどこにもありません。僕の帰りを待っていてくれるお嬢様やマリアさんの顔が頭に浮かんでくると、とたんに死ぬのが怖くなります。  
 ですが……このままここにいても、僕らを待っているのは確実な生き埋めです。  
「行きましょう、咲夜さん!」  
「っ……! しゃあない、一かバチかやな!」  
「僕のあとについてきてください。どんな危険があっても、咲夜さんだけは僕が命に代えても守りますから!」  
「……!! あ、アホ! そんな不吉なこと……言うなや」  
 すぐ後ろで轟音が聞こえます。本格的に崩れだしたのでしょう。もう行くしかありません。  
「咲夜さん! ちょっとの間我慢していてください!」  
「え? ひゃあっ!? 何すんねん自分!」  
 後ろから咲夜さんを抱きかかえて穴のふちに座ると、ちょうど僕が咲夜さんのゆりかごになるような体勢になります。  
 すっぽりと抱きかかえられたまま、咲夜さんは恥ずかしそうに抗議の声を上げます。  
「すみません。けど、この穴を滑るとなると咲夜さんのそのかっこうじゃあちこち傷ついてしまいますから」  
 僕は男ですし、服を着ているから岩とぶつかってもなんとかなります。けど肌を守るもののない咲夜さんがこんな天然の滑り台を滑ったら、傷だらけになってしまうでしょう。  
 僕は執事として、咲夜さんを守らなくてはいけません。幸い、咲夜さんは意外なほどにおとなしく僕に身をゆだねてくれたので、暴れられる心配はなさそうです。  
「行きます!!」  
 僕らは、向こうで転がっている宝箱を尻目に穴へと飛び込みました。  
 
 穴の中は、そこらの絶叫マシンなんて目じゃないほどに急な落下速度でした。  
 水が流れているおかげで止まらずに滑っていけますが、そのスピードが速すぎます。しかも道が狭いせいで岩に腕や背中がこすれてきついです。  
 カーブのたびに、耳や頬がこすれたり、ヒザをぶつけたり、肩に負担がかかります。流れる水がひんやりとつめたいのに、こすれる肌が火傷しそうに熱いです。  
「ぐ……」  
 ほとんど落下に近い速度で岩にぶつかるたびに体が悲鳴を上げます。胸元を必死に掴む咲夜さんの手の感触が、咲夜さんがまだ無事なことを教えてくれて、  
 守る人がいるからこんなところで負けてはいられない、と思い出させてくれます。  
   
 痛みが増してきました。執事服はたぶんあちこち擦り切れて、肌が直接岩と接触してるでしょう。体中にガタが来ているようです。だんだん、意識も朦朧としてきました。  
 けど、この腕の中にいる咲夜さんだけは何があっても守らなくてはいけません。最悪、出口に何があっても、僕の体がクッションになるようにしなければ。  
 だんだんと暗くなる視界の向こうにお嬢様やマリアさん、ヒナギクさん、伊澄さん、西沢さんたちの顔が浮かんでは消えていきます。  
 最後、フリーフォールのように角度の付いた道に落ちていく感覚を覚え、咲夜さんを抱く腕にぎゅっと力を込めながら、僕の意識は闇の中へと引きずり込まれていきました……。  
 
 
 
   
 ――光が差し込んできます。  
 まぶしくて、柔らかくて、そして……なんだか温かい。  
「……ん……あ……」  
 目を開けると、目の前にあったのは。  
 僕の唇に唇を合わせている咲夜さんの泣きそうな顔でした。  
「ハヤテ! 生き返ったんやな!!」  
 目から涙をこぼして、咲夜さんが横になった僕の胸に飛び込んできます。お嬢様すみません。僕はどうやら咲夜さんを泣かせてしまったようです。  
 
「僕は……? 僕たち、生きてるんですか?」  
「そや……ハヤテが気を失ってからすぐに終点になってな。流れるプールの出口みたいに、ちょっと深い水たまりがあって、けど近くにはちゃんと陸地があって、そこは崩れてなくて、助かったんや。  
 けど、あんた全身傷だらけで、全然目さまさへんから……ウチ、ウチもうハヤテが死んだかと……! このアホ、心配かけてからに……」  
 僕の胸の中で……見なくても分かります。咲夜さんが泣いてるのが。体はまだどこも痛くて動かせません。なら、気を失った僕を咲夜さんが助けてくれたんでしょう。  
 咲夜さんを心配させて、おまけに咲夜さんに人工呼吸までさせて助けてもらって……僕は本当、情けない男です。  
 ……ところで、何か違和感を二つほど感じるのですが、まだ頭が起きたばかりではっきりしません。  
 
「ところで、咲夜さんは、怪我はありませんか?」  
「ああ。おかげさまでなんともあらへん。……み、見てみぃ」  
 そう言って咲夜さんは僕に乗っけていた体を起こします。ちょうど僕の体に馬乗りになるように。そこにいたのは、見たところ腕にもお腹にも胸にも怪我は無く、元気そうな咲夜さんの姿でした。  
 ……って、胸?  
「さ、咲夜さん、その、む、む、胸がっ」  
 ななななな、なんで咲夜さんは上の水着をつけてないんですかっ。思いっきり見てしまいました。咲夜さんの、大きな二つの膨らみを。それと、水着で隠されていたはずの、まだ小さなピンクの先端を。  
 違和感その一はこれでした。お腹に当たる咲夜さんの胸の感触がやけに生々しいなと……は、早く隠してください!  
「それがなー。ハヤテが守ってくれたはええけど、やっぱりあのスピードやからウチも少しは壁にぶつかってな。そのときの衝撃でブラが脱げてもうたんや。  
 しかも探しても見つからんかったし、きっとどこかに引っかかったんやな」  
 あうあうあう……見てはいけないと思いながらも、胸を隠そうともしないトップレスの咲夜さんの体がどうしても視界に入ってしまいます。  
 
 ……そういえば。違和感その二にようやく気が付きました。  
「咲夜さん。どうして僕のこと名前で……?」  
 いつもの「借金執事」ではなく、ハヤテと呼んでます。僕が咲夜さんに名前で呼ばれたのは初めてじゃないでしょうか。  
 そう指摘すると、咲夜さんは顔を真っ赤にして、言葉に詰まったように視線をきょろきょろと動かします。  
「あー、その、な。目を覚まさないあんたの耳元で何度も呼びかけたんやけど、そん時つい名前で呼んでしまってな。『ハヤテ! 起きんかいハヤテ!』ってな。  
 そん時、あんまり強く何度も叫んでしまったから癖が抜けんのや。ま、ウチを体張って守ってくれたあんたを男と認めたから、別にウチとしてはこのままで構わんけどな」  
 微妙に声のトーンが下がる咲夜さん。凄く恥ずかしいのか、顔どころか胸までほんのりピンクに染まってます。……って、だから見るな僕!  
「それとも自分はイヤか? ウチに名前で呼ばれるの」  
「いいえ。なんだかちょっと嬉しいです」  
 そういうと、よほど嬉しかったのか咲夜さんの顔が明るく輝きます。もっとも、まだ頬はほんのりと赤いままですが。  
 
「あーそのな? ハヤテ、いちおうウチら助かったとはいえ、この落ちて来たとこから無事に脱出できるとは限らへん。へたすればここに一生閉じ込められるかもしれん」  
「そうですね……でも、最後まであきらめなもがもが」  
 言いかけた口を咲夜さんの手が塞ぎます。  
「だから、悔いが無いようウチのホントの気持ち言わせてもらうで。なんかもう、全部出してスッキリしたい気分なんや」  
 一度目を瞑り、コホンと咳払いをする咲夜さん。気合を入れるように、小さく「よっしゃ」とつぶやいた後、決意を秘めた目で僕の顔を覗き込んできます。  
 
「ウチかてこれでも女の子なんやで。だからやっぱ女の子らしく、白馬の王子様に憧れたりもする」  
 不意に、まだ自由には動かせない僕の右腕を持ち上げると、自分の胸に導く咲夜さん。右手のひらで触れる胸は、すごく柔らかくて気持ちがいいです。  
「その点、あんたは借金抱えとるし、いつもニコニコ笑って凛々しくないし、女装が似合いすぎるし、王子様っちゅう柄やないけど……んっ」  
 指先に当たる、乳首の硬い感触。触れてしまった瞬間咲夜さんがピクッと体を震わせます。  
「それでもな。ハヤテはウチのこと何度も体張って守ってくれたから」  
 胸を触らせていた僕の手を戻し、体を伸ばす咲夜さん。真っ赤になった顔がすぐ目の前に来ます。こうしてみると、咲夜さんも本当に可愛らしく思います。  
「いつの間にかウチはあんたに惚れてもうたんや。責任とってや、ウチの王子様」  
 ……全然気が付きませんでした。咲夜さんが僕なんかを……。そして、ほとんど妹のようなものだと思っていた咲夜さんが、こんなにも可愛い女性だったことにも。  
 そして、唇に当たる柔らかい感触。  
 さっきの人工呼吸ではなく、男と女としての初めてのキス……僕らはその味をかみ締めるように、しばらく唇を重ねていました。  
 
 それから、咲夜さんは僕の体から降りると、僕の足を開いてその間に割って入るように寝そべります。そして、下着ごと僕のズボンを下ろしました。  
「うわ……すご」  
 うう……見られてます。咲夜さんの胸やキスで既に大きくなってしまった僕のアレが。  
「さ、咲夜さん。そんなことまでしなくても……」  
「か、勘違いしたらあかん。ハヤテのためやない。ウチがしたいからするんや。せやからウチが勝手にやる以上、ナギに操立てんでもええから、黙って気持ちよくなっとき!」  
「あうっ」  
 熱くなった棒に触れる、柔らかい手の感触。それだけでものすごく気持ちがよくて、つい声が出てしまいます。  
「ゆうとくけど、ウチかて普段はこんなことせんからな。吊橋効果っちゅう奴かなー? これが最後かもと思うと、なんやウチもいつもより大胆になれるもんやなぁ」  
 咲夜さんが、手で、僕のを上下にしごいて……さらに咲夜さんは顔を近づけて頬ずりをしてきました。僕の、あんな汚いものに咲夜さんの可愛い顔が……!  
 
「にゃあぁっ!」  
 今度は手でも頬でもない、柔らかいけどぬめりのある感触……咲夜さんの下が、下から上へと僕のアレを嘗め上げ、さらに先のほうから、おしっこの出る穴まで嘗めていきます。  
「んっ……れろっ……ん、なんか出て来た……」  
 気持ちよすぎて、もう先走りの液がにじんできました。咲夜さんはそれを舌で掬い取ると、味わうように口の中に含み、唾液とからめて棒の全身にぬりたくってきます。  
 くすぐったくて、それ以上に気持ちよくて、全身がむずむずと震えます。  
 
「エッチな顔しとるな自分。分かるか? 今の自分、女の子みたいにとろけそうな可愛い顔しとるで」  
 一度僕の股間から顔を離し、いじわるそうな目で僕の顔と股間を交互に見比べる咲夜さん。恥ずかしさと申し訳なさで、まともに顔を見られません。  
「じゃ、次はこれやってみよかな」  
「ふぇ……? っはっんっ!!」  
 敏感になった僕のあれが、ぱふっ、と両側から柔らかいものに包まれました。  
 マシュマロのように弾力があり、柔らかく包みながら跳ね返そうとする二つの感触が一気に攻めてきて、下半身が大きく震えます。  
 胸が、咲夜さんの13歳とは思えない胸が、僕を全身余すとこ無く包んでいます。  
「どや? こんなんナギや伊澄にはできんやろ?」  
「あ、んっ……」  
 咲夜さんのパイズリは、僕のを挟んで上下に動かしたり、こねるように胸を動かすだけの簡単なものですが、その柔らかさと、  
 なにより年下の女の子に胸で自分のを責められている背徳感が肉体的にも精神的にも刺激して、一気に限界が近づきます。  
「ハヤテの、んっ……熱くて、なんやビクビクと震えて……なぁ、出そうなんか?」  
「は、はいっ! は、離れてください咲夜さん! 僕、もうっ!!」  
「ええよ。ウチの胸でイって!」  
「あ、あ、くああぁぁぁぁぁっ!!」  
 限界に達したかと思うと、僕は咲夜さんの胸の中で思いっきり射精してしまいました。全身痛んでまだ動かない体のどこにこんな力があったんだってくらい、激しく、大量に。  
 僕の精液を勢いよく咲夜さんの胸と顔に飛び散らせていきます。それを避けようともせず、全てを胸と顔で受け止めてくれた咲夜さんの上半身は、べとべとの白い液でいっぱいでした。  
「ご、ごめんなさい咲夜さん……汚してしまいました」  
「構へんわ。ん……精液ってこんな味なんか。さすがにこれ飲んで飢えや渇きをしのぐのはちょっと難儀やな」  
 なんかとんでもないことを言い始める咲夜さん。こんな状況で言われたら冗談なのか本気なのか分からないですよ。  
「でも凄いな。あんだけ出してなんでまだ元気やねん。綾崎ハヤテは元気やでっ! ってか?」  
 それはその……僕の精液まみれになった咲夜さんの顔や、精液が滴り落ちる胸がすごく興奮しますし、それに咲夜さんが僕なんかのを飲んでくれたのが…  
 
 立ち上がって僕の腰のあたりをまたぐように足を開いて立つ咲夜さん。下から見上げると、咲夜さんの胸の形のよさがよりはっきりわかります。  
「ほな、お願いや……一度でええから、ウチはハヤテと一つになりたい」  
 無事だった下のビキニを引っ張ると、右にずらします。ずらした所からは当然、今まで水着で隠されていた咲夜さんのあそこが外部へと晒しだされます。  
 うっすらと毛が生えている下には、まだ誰も侵入したことがない、ぴったりと閉じた女性の一番大切なところが濡れて光っています。  
「……綺麗です」  
 お嬢様の裸を見てしまったときは、毛の生えていない一本のスジしか見えませんでした。だから女の人の一番大事なところを見るのはこれが初めてです。  
 それは、あまりにも神秘的で、魅惑的で、口から出た言葉はそんな簡単な言葉だけでした。  
 でも咲夜さんはそれが嬉しかったのか、恥ずかしそうに笑うと狙いを定めて腰を下ろします。  
 
「咲夜さん、あの、痛かったら無理をしないでくださいね」  
 僕だって、咲夜さんが初めてなことくらい、緊張で震えている身体と微妙に怯えている口元から分かります。僕が優しくリードしてあげればいいのでしょうけど、まだ満足に僕の身体は動きません。  
「気にせんでええ。ウチは初めてをハヤテにあげたいからやっとるだけやから」   
 水着をもう少しひっぱり、あそこを完全にさらけ出すと、  
 咲夜さんはそのまま一気に腰を下ろしてきました。  
 
「っんん……!!」  
 加減を間違えてしまったのか、それとも足を滑らせてしまったのか、僕のは咲夜さんの中に一気に深くまで入ってしまいました。  
 目に涙を浮かべて咲夜さんは必死に声を出すのを我慢しています。胸は大きくても、身体はやっぱりお嬢様と同じ年の小さな女の子。  
 僕の方でさえ締め付けられるような痛みがあるのですから、初めて自分の体内を貫かれる咲夜さんはかなりの痛みがあるはずです。  
   
「さ、咲夜さん!」  
「だ……大丈夫やから。――はぁ、これくらい、本場大阪のどつき漫才の方がよっぽど痛いわ」  
 頑張って作った笑顔で答えてくれる咲夜さん。けど、繋がった部分からは痛々しくも赤い血が流れて、僕の身体に何本もの縞模様を刻みます。  
 僕は――腕に力を込めて、なんとか腕をゆっくりと動かします。上げるのは無理だけど、地面についたままの咲夜さんの手を握るくらいならば。  
 僕が手を握ってあげると、それに気付いたのか咲夜さんは少し安心したように微笑みます。  
「あ…あんがとな。おかげで少し身体の力も抜けたわ」  
 まだ辛いでしょうに、咲夜さんは腰を自分で上下に動かし始めます。少しずつ、少しずつ。痛みをこらえながら、一つになった僕の存在を確かめるように。  
「んっ……ふぁ……」  
「はぁ……あっ……」  
 両手を繋いだまま、僕らは誰もいない洞窟の中で二人っきりでお互いを確かめ合います。  
 繋いだ手の温もりと、繋がった性器から伝わってくる痛みと快感が、この世界にいる二人だけの人間が一つになっていることの証として感じられます。  
 少しずつ咲夜さんはペースを上げます。きつく締め付けるだけだった膣内の感触も、少しずつお互いの愛液が混じりあい、すべりをよくしていきます。  
「大丈夫、ですか」  
「ああ。まだ、やっぱ痛い、けどっ、だいぶ慣れてきたわ」  
 腰を振る動きも大きくなってきました。最初は恐る恐る動かすだけだったけれど、今では僕のアレの根元まで入れようと深く腰を下ろしてきます。  
 思い切って深く咲夜さんが腰を下ろすと、僕の先端が一番奥に当たりました。  
「ひゃんっ」  
 身体の奥を突かれた瞬間、咲夜さんはそれまで聞いたこともない可愛い悲鳴を上げて身体をのけぞらせます。  
 思わず腰を引いて、それからまた恐る恐る腰を深く下ろして、また奥を突かれては悲鳴を上げて腰を引き、それを気に入ったように何度も繰り返します。  
 腰を下ろすと、咲夜さんの狭くて暖かい膣内を僕の性器全体で感じられて、腰を引くと、性器全体が咲夜さんの中に引っかかりながら引っ張られる感触と、  
 ずらした水着の布地がこすれる感触が痛くて気持ちよくて、僕の下半身は本当にとろけそうな気持ちです。  
 
「咲夜さん……咲夜さんっ!」  
「んぅ……ハヤテ……」  
 お互い、未知の快感にこれ以上絶えられず、自分がもうすぐイってしまうのが分かります。  
 だから、一人で行ってしまわないよう、相手の名前を呼んでお互いの存在を確かめ合います。  
 繋がった部分から聞こえるいやらしい水音は、僕らが相手の名前を呼ぶ声にかきけされます。  
 狭い洞窟の中で、声が反響しあい、何度も何度も、僕らはお互いの名前を言い合い、聞きあいながら限界を迎えます。  
 
「あかん、ハヤテ、ウチ、もうっ!!」  
「ぼ、僕も、またイきます、咲夜さんっ!!」  
 ラストスパートとばかりに、手を強く繋いで、激しく腰を振る咲夜さん。  
   
「っあぁ――!!」  
「――――くうぅっ!!」  
 目の前が一瞬スパークしたかと思うと、視界が真っ白になりました。  
 それでも激しく収縮する咲夜さんの中で、僕の子種が激しく噴出しているのが感じられます。体中の力が咲夜さんの中に移っていくような感じでした。  
 繋いだ手と手は最後まで放れることは無く、僕らは一緒に達して、全ての力を使い果たして一緒に倒れこみました。  
 
 そのまま、僕は咲夜さんに乗られたまま、咲夜さんはピクリとも動かず僕の身体の上にうつぶせになったまま、  
 そして小さくなったぼくのアレも抜けることなく二人つながったまま。僕らは体力が回復するまでしばらく重なったままその場に横になりました。  
 
 
「なぁ、ハヤテ……」  
「なんです?」  
 僕の上にねそべったまま、咲夜さんがゆっくりと口を開きます。  
「もしここから出られなかったらどないする?」  
 咲夜さんが少し視線を上げ、洞窟内を見渡します。けど、その声に怯えはなく、出られなくても構わない。そう言っているようでした。  
「……僕も咲夜さんと同じですよ。出られるまでがんばって見ますけど、もし出られなくても、ここで死んでも、咲夜さんと一緒なら構いません」  
 そういうと、咲夜さんは満足そうに笑い、首を伸ばしてもう一度キスをしてきました。  
「せやな。サンキュやでハヤテ。けど、ウチらがいなくなったらナギが寂しがるから、やれるだけやってみよか」  
「そうですね。僕たちがいなくなってしまったら、お嬢様の漫画を正しく批評できる人がマリアさんだけになってしまいますからね」  
 お嬢様が聞いていたら目を吊り上げて怒りそうな会話に僕らは思わず二人して笑ってしまいます。  
 
 しばらくして、僕もどうにか身体が癒えたおかげで立ち上がることが出来ました。咲夜さんも、まだ下は痛むけど動くくらいはなんでもない、とばかりに僕に肩を貸してくれます。  
 僕の服はあちこちボロボロ。咲夜さんも上のブラは見つからず、お互いほとんど裸に近い状態でしたが、お互い隠すことも恥ずかしがることもせず、二人で協力しながら周囲を調べ始めました。  
 三十分ほど調べたところで隠し通路が見つかり、その先を進むとそこは最初にここに訪れた際に出た大広間のような空間でした。  
 おそらく外敵に攻められたとき、あるいは過って海賊自身たちがトラップを作動させてしまったときのためにあの避難通路は作ってあったんでしょう。  
 洞窟に来るのに使った咲夜さんの潜水艦も無事で、僕らは九死に一生を得て、戻ることが出来ました。  
 
「結局、お宝は手に入りませんでしたね」  
 潜水艦の艦内、服を着替えて二人でお茶を飲みながら僕は咲夜さんに話しかけます。  
「なんや、やっぱり借金が返せなくて残念か?」  
「いいえ。僕としてはこれでよかったと思います。やっぱり自分の力で借金を返すことに意味があると思いますから」  
「……ふふふ、ハヤテ。ちょっと胸ポケットの中探ってみ?」  
「?」  
 いたずらっぽく言う咲夜さん。言われたとおりに、唯一無事だった執事服のポケットを探ります。その中からは、金貨数枚と小さな宝石が出てきました。言うまでもなく、あの宝箱に入っていたものです。  
「これは……? 僕はこんなところに入れた覚えはないのですが」  
「もちろんウチや。何も手に入れないで帰るのはしゃくやったからな。揺れたとき自分に抱きとめられたどさくさに、あちこちのポケットにお宝を避難させといたんや。ほとんどは穴の中で零れ落ちてしもたけどな」  
 なんとまぁ……本当、咲夜さんはちゃっかりしているというか、抜け目がないと言いますか。  
 でも、このいくつかの金貨と、たった一つの宝石は、僕たちにとって数億円の宝箱よりもずっとずっと価値がある、あの大冒険の記念品となることでしょう。  
 
 
 
 そして、それからどうなったかと言いますと。  
   
 
 
「いやー、あん時はお宝は取り逃してしもたけど、まさかかわりに子宝に恵まれるなんてなぁ♪」  
 
 ……と、大きくなったお腹を抱えて冗談交じりに咲夜さんが僕の隣で嬉しそうに語るのは、それから8ヵ月後のことでした。咲夜さん……あの宝探しの日はどうやら危ない日だったようです。  
 けど、責任を取る証として僕が贈った、咲夜さんの指にはめてある指輪。  
 そこについている宝石は、あの時幸運にも最後まで残ったあの小さな宝石であることは言うまでもありません。  
 
 終わり   
 

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