〜畑健二郎劇場〜ハヤテ女装日和  
 
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
全力疾走で人気の無い所へ来たハヤテ。  
実は彼、今大問題に直面している。  
 
「パンツ履いて無かった・・・」  
スカートの中には、自分の硬直し始めた男性器以外、何も無かった。  
「硬いまま歩いたら・・・絶対ばれるって・・・」  
だからハヤテはメロスのように爆走しながらこんな所に来た。  
 
―いやらしいな、ハヤテは?―  
「えっ・・・?」  
ふいにナギの声がした。  
辺りを見回すがナギの姿は何処にも無い。  
 
―いや、女装してノーパンで歩き回るから、変態だな―  
「えっ、ええっ」  
また聞こえた。  
「ちょ、お嬢様?お嬢様ですか!?」  
―そんな変態、三千院家には置いて置けないな―  
「ちょ!ちょっと待ってください!」  
事実上のクビ宣告を告げるナギの声に慌てふためく。  
 
「いえ、これは不可抗力ですし、女装したって普通に仕事すれば・・  
 そうだ!メイドになりますから・・・」  
―ハヤテ、今からオナニーをしろ―  
「え・・・?」  
―そうすればメイドとして再雇用してやる―  
「は、はいっ!」  
このとき、ハヤテは知らなかった。  
人知を超えた恐るべき運命の声によって彼は正常な判断が出来なくなり始めた。  
その「運命の声」は雛人形の呪いよりも醜くも美しかった・・・  
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」  
とにかくハヤテは一心不乱に性器をこすり始めた。  
―ハヤテ、お前は本当いやらしいなぁ、そんなにコスって・・・―  
「はいぃ・・・お、おちん○ん、すっごく気持ちいいです・・・」  
―普段から、私の下着の臭いでも嗅いでオナニーでもしてたのか?―  
「はい・・・お嬢様やマリアさんの下着、すっごくいい臭いです・・・」  
―学校でも、覗きとか、そんな事してオナニーしてるんだろ?―  
「はい、毎日毎日、覗きとかしてます」  
―よしハヤテ、さっさと射精しろ、そうしたらお前の痴態を祭りの客に見せ付けろ―  
「はいっ!もう限界だから!もうすぐ!もうすぐびゅーってミルク出しますぅ」  
―さっさと行け、変態執事―  
「あああああああああっ!出る!出る!出るっ!  
出ちゃいますうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」  
 
ようやく、ナギの声は聞こえなくなったが・・・  
「は、ハヤテの・・・ハヤテのえっちな姿・・・見てくださいぃ・・・」  
スカートの裾を持ち、今だ硬直した性器を見せつけながら、ハヤテは歩いていた。  
「・・・・・・・・・」  
「・・・・・・」  
何かが聞こえるが、もう耳に入らない。  
 
ハヤテが聞いたナギの声・・・  
あれは雛人形の呪いが呼び寄せた別の呪いかも知れない。  
ただ1つわかることは、その呪いは麻薬のようなものである。  
甘い臭いで身も心も破滅させる。  
 
 
 
そしてハヤテはもう戻らない。  
あのナギの声はハヤテの快楽回路を刺激させすぎたからだ。  
 
END  
 

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