気力が尽きて横たわるマリアから、ハヤテはペニスを引き抜く。ハヤテの男根と  
マリアの秘唇には、破瓜の血が付いていた。  
「あ、どうも…」  
 ハヤテは横から差し出されたティッシュを手に取り、マリアの股間を拭おうとし  
「…え?」  
 ティッシュを差し出していたのは、マリアがコントロールしていたはずのアーム  
だった。  
「うぁああ!!」  
「お嬢さまっ!?」  
 ナギの悲鳴に振り向くと、二本のアームに足を取られ、逆さまに吊り上げられて  
いる。片手は股間を隠し、もう片手はマリアの手を握ったままだった。  
「それでもお嬢さまはマリアさんの手を離しませんでした、とさ。」  
「咲夜さん!?」  
 ハヤテは部屋の入り口を振り返る。咲夜が何やらコントローラーを持ち、扉に格好  
付けてもたれていた。開いた扉の影から、歩、ヒナギク、伊澄の顔が覗いている。  
「ぬおっ、馬鹿サク!?」  
「み、皆さん覗いてたんですか!?」  
 ハヤテがティッシュの箱で股間を隠す。  
「え、えーと…」  
 ヒナギクが顔を赤くして俯く。  
「覗いてないよー。『え、マリアさん初めてなんですか』なんて聞いてないよー。」  
 歩が真面目くさった顔で手を横に振る。  
「『ハヤテ君のなら、赤ちゃん、出来たって…』とか、その、俯き合った場面など、  
 覗いていたわけではないんですよ?」  
 伊澄がつられて変な弁解になる。  
「うむ、えろナギが二人がやっとる横で、枕に口を埋めてオナっとった一部始終を  
 覗いとったりなんぞは――」  
「この出歯亀どもめー!!」  
「露出狂の奥さんに言われてもなー?」  
 咲夜の切り返しに、ナギは言葉に詰まる。  
「え、ええと咲夜さん。…お嬢さまを解放して、引き揚げていただくわけには……」  
「どこまでや?」  
 咲夜がハヤテに問い返す。  
 
「…咲夜さん……」  
「わかっとるんやろ、自分?状況は変わってしもうとる。そのセリフの意味も…。  
 ここで帰れっちゅうんが、意味を増やしとることに気付いとるやろ?」  
「でも、咲夜さん!!」  
「ウチらを巻き込みとうないか?だから、そういうとこが……嫌いや、ない……  
 ちゅうねん。」  
 咲夜がそっぽを向く。  
「ハヤテ君。ナギちゃん。マリアさん。まずは…よかったね。おめでとう。」  
 歩が部屋に入って、三人を祝福する。  
「ハムスター…」  
「ナギちゃん、かっこよかったよ。負けられないと思った。だから…もう少しだけ、  
 勝負させてね。」  
「西沢さん、でも西沢さんは…」  
「ハヤテ君、どうかな?もれなくヒナさんがついてくるから……」  
「ちょっと歩!!」  
 ヒナギクがつっこむ。  
「えー。ついてきてくれないんですか?」  
 歩がねだるような視線でヒナギクを振り返る。  
「い、いやそうじゃなくて!!私は自分でなんとかするからいいって……」  
「「「ほう。」」」  
 咲夜、伊澄、ナギが一斉につぶやく。  
「あ!だ、だからね歩、ハヤテ君、私のことは気にしないでって意味なのよ、そりゃ  
 嫌じゃないけど、っていうのはああ深い意味はなくて…」  
「ヒナギクさん。あとで歩さんに無茶をされる前に、素直になった方がいいと私は  
 思いますよ。」  
 マリアが起き上がって忠告した。ナギの体を吊り下げていたアームが、マリアの  
上にナギを運んで降ろす。  
「それに、桂先生の私への作戦は成功したわけですから、次は本命のヒナギクさん  
 への作戦が…」  
「マ、マリアさん!! さっき三千院が守ってくれるって言ってたじゃないですか!!」  
「被害が出ずに済めば、ノーベル平和賞ものですね。」  
「まったくだな。」  
 ナギとマリアの主従の見解に、ヒナギクは反論できずハヤテを涙目で睨む。  
「だから八つ当たりは止めてくださいってヒナギクさん!!」  
「マリアさん。」  
 伊澄がマリアに語り掛ける。  
「…はやっ。」  
「伊澄さん、もうっ…」  
 マリアが苦笑する。  
「勝算はありますか?」  
「どうでしょう…結局私は弱い女でしたから。どこまで力が及ぶか…」  
「マリアさんの一番の力は、その腕の中に…」  
 伊澄はマリアの胸で抱かれているナギを示唆して言う。  
「そこに、あります。だから、絶対大丈夫ですよ。」  
「…そうですね。」  
 マリアがナギの髪に触れて整える。  
「なんだ伊澄、なんかマリアと話をしてたのかよ。」  
「ナギが望むなら、もっと隠し事のない関係になってもいいんですよ?」  
 にこっと伊澄が微笑む。  
「微笑ましいですねー。」  
「いやハヤテ!他人事のように言うな!逃避するな!」  
「そうですね。ハヤテさま、私達の気持ちも、今の状況も、これ以上重ねて語るのは  
 蛇足というもの… あとは、御三人のお気持ちを待つだけです。」  
「ナギ、ハヤテ君。私は拒否権なしということでかまいません。」  
「ハヤテ…私も、どんな時もハヤテを愛しているぞ。」  
「なら、スキームは私の時と同じということですね。」  
 とっとと進む話にハヤテが焦る。  
「ちょ、お嬢さま!!」  
「では、ハヤテ。三千院ナギの執事として嘘偽り無く答えよ!!」  
 
「では、年上からということにしてはどうでしょう。」  
「え、もしかして私からかな?」  
「まあええんやないか。弾数は心配要らんらしいし。」  
「最後になる鷺ノ宮さんが、それでいいなら…」  
「ええと。もう法も倫理もどうでもよくなってきましたが。」  
 ハヤテが迎え入れた少女達に問いかける。  
「御家族とかには分かってもらえるんですか?最後に残る家族愛くらいは大事に  
 しましょうよ。」  
「鷺ノ宮家は、問題ありません。血脈を繋ぐ事は継承者の義務であると同時に、  
 その手段は専権事項であるから、納得した人を選べと、母にも言われています。」  
「うわ、産む気まんまんや。」  
 咲夜があきれた。  
「うちはまあ普通の家で、私も普通の女の子だから、両親は普通に結婚して欲しいと  
 思ってるようだけど…」  
「どこが普通の女の子だハムスター!!」  
「期待に沿えてないのは今に始まったことじゃないし、孫の顔を見れるんだから、  
 わかってもらえるんじゃないかな。ヒナさんの子どもも欲しいんだけど…」  
「女同士で子どもは出来ないでしょ!!」  
「というわけだから、しばらくは難しいんだよ。ヒナさんのおうちは?」  
「う、うち?えーその…」  
 ヒナギクの視線が宙を舞う。  
「あ、桂先生はあれですけど、お義母さまや、お義父さまは…」  
「…お姉ちゃんだけならまだいいんだけど。恥ずかしながら、お義母さんもどうも  
 ハヤテ君を諦めてないみたいなのよ。まったくもう……。格闘大会で手に入れ  
 損ねたのがよほど心残りなのかしら。」  
「わんだふるなお義母さんだよねぇ。」  
「そ、そういうわけだから、わ、私にハヤテ君の子どもが出来たりしたら、  
 そ、その、愛し合って出来たのなら、喜んでくれると…ぉ…ぅ」  
 ヒナギクの声が小さくなっていった。  
「なんだか家族は家族でも家族計画の話みたいになってきましたねぇ。」  
 マリアが感想を述べる。咲夜はハヤテに尋ねた。  
「…なあ。自分も、子ども、産んで欲しいか?」  
「え?それはまあ、好きな女の人に、自分の子どもを生んで育ててもらえるなら  
 嬉しいですから、無理にとは言いませんが、そうしたくもあります。というか、  
 覚悟の上というか…」  
「良かったですね、咲夜。」  
「うんうん。」  
「いや、そやなくて!! あ、別に嫌なんやないんよ。ただ、ちょっと子どもは、  
 待って欲しいんよ。」  
「それは、かまいませんが…」  
「話を戻すとな、ウチの家族っちゅうかとーちゃんなんやけどな。ウチがここに  
 住むにあたってな、ちょっと揉めてきてん。ウチはこんなんなるのも覚悟の上  
 なんやけど、とーちゃんは反対してきてな。」  
「え、それは大変じゃないですか。」  
 ハヤテは驚くが、咲夜は何でもないという風に手を振った。  
「で、最終的に、子ども作るまで行くんは若すぎるから、それは18まで待てと。  
 そういうことで手打ちして来たんや。」  
「それはまた、ツッコミ所のある条件だな…」  
「まあ他の反対理由はあまり理由になっとらんかったからな。うちでもよそでも  
 ぽこぽこ子どもこしらえたとーちゃんが言うても話にならんし、借金執事の  
 争奪戦の時は許可出しとったんやから、相手の男が気に入らんというわけにも  
 いかん。しかも三千院は本家や。後は娘惜しさみたいなもんやから、ちょっとだけ  
 譲歩して、娘の立場でいておくことにしたんよ。」  
「咲夜は家族想いね…」  
「鷺ノ宮さん、それ本気?」  
 咲夜は少し俯き加減で顔を赤くしながら、ハヤテに頼む。  
「そういうわけやから、ウチを、その、抱いてもええけど、あと一年ちょっとは、  
 子どもは、待ってくれる?」  
「すぐでなくても、咲夜さんの欲しい時でいいんですよ、もちろん。」  
「うるわしい話だな。だが、避妊具はないぞ。」  
 
「…なんやて?」  
「コンドームとかは、今この屋敷にはないと言ったのだ。」  
 聞き返してきた咲夜にナギがもう少し明確な表現で答えた。  
「あ、そうでした…」  
「おいコラ元借金執事!!」  
「いやすみません、でもこれはお嬢さまが…」  
「結婚後、ナギが避妊禁止令を出して、コンドームを全て処分してしまったんです。  
 それはもう、念には念を入れて。」  
 咲夜に押されるハヤテの弁明を、マリアが引き取る。  
「だってこの屋敷には避妊具の必要が今ある男はいなかったじゃんか。」  
「夫婦になってもふつう持っとるもんやろ!!」  
「ええと、クラウスさんとか姫神さんとかは、じゃあ……」  
 ヒナギクが疑問を示す。  
「ええ、私とナギが強制捜索を行いました。結果についてはプライバシー保護の為、  
 明らかに出来ませんが、それ以降、屋敷に避妊具はないはずです。」  
「執事って大変なお仕事だねぇ…」  
「『こんなこともあろうかと』とか言って持ってたりせんのかアホ執事!!」  
「ごめんなさい、持ってません…」  
「ハヤテを責めるのはお門違いだぞ。だいたい覚悟して来たならそれくらい持って  
 来ておけ。」  
「うぬぬ…コンドーム処分して生でサルのようにヤリまくっとる奴に、こんな説教  
 されるとは、なんたる不覚や…」  
「誰がサルだ!!」  
「ええと、大変失礼ですが、持ってたりは…」  
 ハヤテに問いかけられたヒナギクたちは首を振った。  
「…買ってきます。」  
「…ええよ。これからっちゅう時に、自分にもみんなにも悪いやん。すまん、ウチの  
 ミスや。ナギがこんな早よに暴走すると見抜けんかった、ウチが甘かったんや…」  
「だからせっかく人がいろいろ許してやってるのにちょっとは口を慎め!!」  
「まあまあ、ナギ。」  
「ウチが街ん出て…」  
「女性に行かせるわけにはいきませんよ。」  
「でも…」  
「あの、ハヤテさま、咲夜…」  
 伊澄がハヤテと咲夜の言い合いを遮る。  
「今夜だけなら、なんとかできます。」  
 
「ほ、ほんまに効くんやろな、それ…」  
 咲夜が伊澄に念を押す。札を準備する伊澄の前に咲夜が立ち、咲夜の肩を支えて  
ハヤテが背後に寄り添って立っていた。  
「効きますよ。使えるのが生娘に対してのみで、日光が体に当たるまでしか持続  
 しないので、常用の避妊法にはならないけど、その分、確実。」  
「そりゃいくら確実でもあまり使い道はないな。」  
「古い時代にはそれなりに意味があったのよ、ナギ。…ハヤテさま、咲夜の  
 スカートの前を、めくって下さい。」  
「ちょいまち伊澄さん!!」  
「…咲夜、避妊術をどこに掛けると思ってたの?」  
「そんなんこいつにやらせんでもええやんか!!」  
「ちゃんと咲夜が避妊するところを、見てもらった方がいいでしょう?」  
「えと、僕なら何も心配してませんから、代わってもらいましょうか?」  
「…わかったわい。ぱーっといってくれ、ぱーっと。」  
「そう、素直な方が可愛いですよ。」  
 ハヤテが咲夜のスカートの裾をめくって持ち上げ、下着を晒し出す。伊澄は片手に  
札を持ち、発動させた。青い光が札を包む。もう片手の人差し指と中指を揃え、札に  
触れると、光がその指先に集まった。  
「んっ!!」  
 伊澄の指が咲夜の下着の上から、秘所の辺りに触れる。そのまま光る指を腹へと  
滑らせ、下腹に光の筋を引いた。  
「ハヤテさま。」  
 伊澄は光の衰える札をハヤテに手渡し、その手を咲夜の股間に導く。  
「え!?」  
「この札でここを、ほぐしてあげてください。」  
「んあっ!!」  
 ハヤテの手を咲夜の下着の股布の上に触れさせ、伊澄は手を戻して新しい札を  
取り出した。  
「…咲夜さん。」  
「あかんっ、あっあんぁぁあっ!!」  
 咲夜の股間で、ハヤテの指が蠢く。札を下着に押し付け、秘唇の存在を確認する。  
「…咲夜さん、柔らかい……」  
「んっ、んあ、ああ、あんっ!!」  
 ハヤテは隠れた秘唇のこすれ方から、内部の様子を想像し、咲夜に問いかけた。  
「咲夜さん、もしかして、もう、濡れてます?」  
「いやぁ、そんな、いわん、でぇ…」  
 強気な咲夜が弱々しく首を振る様子に、ハヤテは調子に乗って言葉責めを続ける。  
「触っただけで、濡れたんですか?」  
「ちゃう、ちゃうんや…」  
「じゃあ、覗いてるときから、ここを濡らしてたんでしょうか?」  
「これは、そんなちゃうんやっ…」  
「ハヤテ君、咲夜さんマジ泣きしちゃいますよー。」  
 マリアが声を掛けて制止する。ハヤテは指を止めてぐずり始めた咲夜に謝った。  
「ごめんなさい咲夜さん。可愛かったから、つい…」  
「もうっ、あほっ…」  
「いいぞハヤテ、もっとやれー。」  
「ええとそういうわけにも… 伊澄さん、いつまでやればいいんですか?」  
 ハヤテは抱えた咲夜の向こうで札を繰っている伊澄に尋ねる。  
「ハヤテさまの、お好きなだけ続けてください。」  
 
「…え?いや、効果が出るまでとか、次の手順が準備できるまでとか…」  
「最初の結界術で完成しています。」  
「……その札は?」  
 伊澄は札を青く光らせる。  
「私の分です。よく考えると、18未満は条例上問題なので、急いで子どもを作って、  
 お世話になっている警察関係の方々との付き合いを難しくすることはないかと、  
 考え直しまして……」  
 バシィィン!! バシィィン!!  
「痛っ!!」  
「いたい…」  
 咲夜がハヤテと伊澄をハリセンでしばいた。  
「何のつもりや伊澄さん…」  
「咲夜がハヤテさまに可愛がっていただく、ん、良い機会だと…」  
「なに自分だけ和服の上から術かけとんのや!!」  
「自分の力は通しやすいようにしてあるの。」  
 バシィィン!!  
「いたい…」  
「ええと咲夜さん、それくらいで…」  
「ハヤテ君ハヤテ君。」  
「はい?」  
「きゃっ!!」  
 振り向いたハヤテの向かいで、歩がヒナギクのスカートをめくっていた。  
「ほらこっちもほぐしてあげてー。」  
「やめなさい歩ーー!!」  
「…ぐだぐだだな。」  
「えーとみなさん、コンドームでなくピルが使いたい方は、正月明け以降に用意  
 しますので、後で言ってくださいねー。」  
 
「ふえーん、いたいよー。ヒナさんのばかー。」  
 脳天をグーで殴られた歩が大げさに泣く。  
「ったくもう、油断も隙もないったら…」  
「ぐすっ、ハヤテくーん…」  
 歩は小走りにハヤテに駆け寄って腕に抱き付いた。  
「痛かったよー、まだ頭がジンジンするよー。」  
「あー、西沢さん、あまりヒナギクさんを怒らせちゃいけませんよ。」  
 ハヤテは歩の頭に手を置いてさすった。  
「ん、ん…」  
 歩はハヤテの腕をより強く抱き締める。  
「西沢さん?」  
「ん…」  
 歩の表情と身構えに緊張を見て取ったハヤテは、頭に乗せた手を離したが、歩に  
熱い目で顔を見上げられて、宙に手を止めた。歩はすがり付くように、腕を抱く手に  
さらに力を込める。  
「西沢さん…」  
「ハヤテ君…」  
 ハヤテは歩の後頭部を抱いて、少し引き寄せて、耳元でささやいた。  
「…いいんですか?」  
「ちょっと、怖いけど、ハヤテ君になら…」  
 潤んだ瞳で歩が答える。  
「…あ、もう始まってますか。」  
「わりと積極的だな、ハムスター。」  
 ベッドの中央でマリアとナギがヒソヒソと話す。  
「…もう。」  
 ヒナギクはベッドの長い縁の枕近くに腰掛け、腕を組んだ。  
「ハヤテさま、私も叩かれた所が…」  
「あんさんはこっちや。」  
 ハヤテの方にふらふらと行きかけた伊澄を、咲夜が襟を掴んで、ヒナギクとは  
反対側のベッドの長辺へ引きずっていく。  
 ハヤテは歩を片手で抱いたまま、抱かれていた腕を巻き変えて腰を引き寄せる。  
歩はハヤテの左胸と自分の胸の間に折った腕を挟み、胸元で手を握った。  
「顔を、上げて…」  
「あ、ハヤテ君…」  
 歩がハヤテを仰ぎ見て、そっと目を閉じ、僅かに顎を持ち上げる。  
「西沢さん、あなたが、好きです。」  
「あ…んっ……」  
 歩の唇を、ハヤテが優しくふさいだ。舞い上がって弛緩した歩の体を腕で支え、  
長く食べ尽くすように口付ける。  
「…はぅーっ……」  
 ハヤテに口を味わい尽くされ、ようやく休息を許された歩が、深い息をついた。  
「大丈夫ですか?」  
「……すごく、ぽーっとしちゃった、かな…」  
「素敵でしたよ…」  
 ハヤテはそう囁いて抱き直す。歩はハヤテの胸板に手を這わせた。  
「…あ。ハヤテ君、ドキドキしてる…」  
「僕も結構、興奮してます…」  
「ん、じゃあ…もう、服脱がせちゃっても、いいよ…」  
「一応聞きますが、ここでいいんですか?」  
「うん、ここで、安心して、…ハヤテ君と、繋がれるとおもうから…」  
 
 ぽすっ…  
「あ…」  
 ハヤテに服を全て剥ぎ取られ、歩は手を引かれてベッドに腰を下ろした。そのまま  
ハヤテは歩の胸に手と口を寄せ、女性の膨らみに触れていく。  
「あぅ、はぁっ、ん、あ、ああ…」  
「ん、綺麗な胸ですね…」  
「ああっ、んぁ、んん…」  
 しゃがみ込んで両手で乳房を揉みしだき、舌で胸の間の辺りを舐める。歩は片手で  
ハヤテの頭を抱え、もう片手でベッドのシーツを握り締め、喉を見せながら吐息を  
漏らした。  
「ん、ふー……」  
「ん、は、ふひゃあぅ!?」  
「む、ちゅ…」  
「あ、ナギってば、よしなさい!!」  
 歩の背後に忍び寄ったナギが、耳に息を吹きかけ耳たぶを噛んだ。歩が大きな  
声を上げ、ヒナギクがナギに近寄って手を掴む。  
「れろっ、でも、ちゅ、して欲しがってる…」  
「あふっ!! ん!! んはぁ、あぁっ…」  
「悪さは止めなさいってば。」  
「…ん。こんなに。ヒナギクにも。してもらえ。」  
「あっ、あぅ、は、ひゃん!!」  
「ああもう離しなさい…」  
「ヒナ、さぁん…」  
 引き離そうとするヒナギクに、ナギが抵抗する。歩の耳を質に取られているので、  
無理に剥がすことが出来ない。そこに歩の悩ましい声が響いた。  
「んあっ、ヒナ、さん、んぁっ…」  
「ヒナギクさんは、後ろ、すぐ側にいますよ、西沢さん?」  
「んぁ、ハヤテ君、ホント?」  
「ちょ、ハヤテ君!!」  
「いい子にしてたら、ヒナギクさんも気持ちいいことしてくれますからね…」  
「ハヤテ君まで!!」  
「んー、いい子っ、するよぉっ…。んぁあ!!」  
 ハヤテが歩の乳首を舌先で襲った。  
「んぁあ、はう、ハヤテ君っ、ナギちゃん、ヒナさんっ、ああああぁぁぁっ!!」  
 ハヤテに乳首を吸われ、ナギに耳を責められて、歩が手足を激しくバタつかせる。  
後ろで彷徨う手を、ヒナギクが握る。  
「歩…」  
「あぁあ、ヒナさん、ヒナさん?」  
「ヒナギクさん、西沢さん、いい子ですよね?」  
「ひ!!あ!!はぁっ!!」  
 ハヤテはヒナギクに話す間、口の離れた乳首を指先で強めに摘んだ。  
「……もう、ナギも、ハヤテ君も…えっちなんだから……」  
 ヒナギクはそう独り言を呟いて、歩の耳に舌を這わせた。  
「あふっ、あ!!」  
「歩、ほら、しっかりしなさい。そんなに、ハヤテ君のえっち、気持ちいい?」  
「あ、ふ、あん、ヒナさん、だってぇ…」  
 ヒナギクは歩の耳や首筋を責めながら、喘ぐ歩に淫語を囁く。  
「歩の、おっぱい、きゅっきゅっ、って、こね回して……ビンビンに、なった、  
 先っぽを、パクっ、て、して……ん、ハヤテ君が、歩に、えっちなこと……  
 たくさん、してる……」  
「んはっ、あっあぅっ!! ああ、あ、あんんっ!!」  
「ハヤテ君の、手も、お口も、おっきくて、歩の、胸くらい、簡単に、ぜーんぶ、  
 触って、しゃぶって、まるごと、しちゃうのね……」  
「んあ、はう!!あ、うんっ、うんっ…!!」  
「乳首を、舐めて、吸って……歩を、いっぱい、欲しがって、いっぱい、悦ばせて、  
 ……それでももっと、ハヤテ君、歩が欲しそうよ……」  
「あ、あ、あっあぅああっ!!」  
 ヒナギクが歩の耳の弱点を責める。歩は乳首を口で転がすハヤテの頭を、腕で  
揺すった。それが気になったのか、頃合と思ったのか、ハヤテは身を寄せて、  
歩をベッドに押し倒した。  
 
「ん、あっ…」  
「お…」  
「きゃっ…」  
 歩の上半身がベッドの上に倒れたので、ナギとヒナギクの、歩の耳への責めが  
打ち切られる。ハヤテも一度胸の責めを止め、頭を抱く歩の腕を退かしてから  
身を起こした。歩はベッドの横手に足を投げ出した格好で仰向けにされ、ハヤテが  
足の間に割り込むのを許してしまった。  
「西沢さん…」  
「あっ、ハヤテく…んっ…んひゅんんんっ!!」  
 歩の空いた手を押さえ、唇を奪う。そしてもう片手で、歩の秘裂に指を沿わせた。  
「あっ、歩っ…」  
 ヒナギクは歩のもう片手を握ったまま、歩がハヤテに組み伏せられる様子を、  
目に焼き付けていた。ハヤテは腕の力と、熱い口付けと、逞しい体躯の位置取りと、  
そして誠実な指使いで、秘所に触れられることを歩に受け入れさせていく。  
「ヒナギクさん、夢中で見てますね…」  
「あっ、マリア、さんっ…」  
 ヒナギクの背にマリアがしなだれかかった。  
「そうですよね。大好きな二人が、とても幸せに求め合っているんですもの。  
 そして、それを見て、抱く全ての気持ちが許されているんですもの。」  
「マリアさん…」  
「幸せなことですから、それでいいんですよ…」  
「要するにえろすに目覚めたマリアさんは、ハヤテ×ナギのやり直しを要求しとる  
 らしいで、そこの奥さんや?」  
 咲夜が伊澄をいじりながら茶々を入れる。  
「いやマリアさっきは悪かったってば。」  
「もう、咲夜さん。人のセリフを変な風に取らないでくださいな。」  
 マリアがふくれてみせた。ヒナギクは少し頷いてハヤテと歩を見詰め続ける。  
「あ、ひん、あうん!!んんぅ、ああぁ!!あぅぅんっ!!」  
「ん、西沢、さんっ…」  
 ハヤテが体を起こして、歩の足を抱えて股を開き、秘唇に触れる指の動きをより  
熱心な激しいものにする。もうそこは濡れそぼっていて、愛液が指に絡み、動きを  
助けた。歩は解放された腕と口で、すでに限界に近付く快楽を訴える。  
「うぁ、ん、あ、ふ、あぁ、あんっっ、あんっっっ!!」  
「西沢さん、先に、気持ちよくなって、しまってください…!!」  
「あ!! あぁああぁ!! ひ!! あんんんぁああああっっっ!!」  
 ハヤテの指が陰核と膣口に触れ、擦り上げて歩を絶頂へと飛ばした。歩は体を  
幾度も痙攣させ、体の奥で弾けたものの余韻に浸る。  
「はっ、はぁーっ……あ、ん……」  
 落ち着くのを待って、ハヤテは歩の手を引く。  
「西沢さん、これ、分かりますか…?」  
「ん、あ…」  
 ハヤテの股間に反り返るものに、歩の手が触れた。  
「これ、が…」  
「そう、これが、西沢さんの、ここに…」  
 秘唇を指で開き、膣口を晒す。  
「ん、んんっ…!!」  
「…入ります。心の準備ができたら、手を離してください。」  
 ハヤテはペニスに触れる歩の手をそのままに、息を整えて答えを待つ。  
「あ、ん…」  
 歩は手を揺り動かしたり、目を何度もつむってみたりして、自分の手の中にある  
熱い男性の象徴を確かめた。そして、軽く握ってから、ついに手を離す。  
「私の初めて、もらって、ハヤテ君…」  
 
「西沢さん…」  
「う、うんっ…」  
 ハヤテのペニスが歩の膣口に押し当てられる。歩の足を抱え上げて開いた女体の  
秘部に、張り詰めた男性器の先端が沈んだ。  
「う、ぁあ…!!」  
「ん…西沢さん…っ」  
 少し進んで、狭い膣にさらに男を阻むものと出くわした。ハヤテは静止してから  
ゆっくりと力を加えていく。  
「う、あ、あぅ、あ、ひぃーーっっ!!」  
「んぁっ!! に、西沢さんっ!!」  
 破った勢いで、一気に関所が突破される。激しい喪失の痛みが一度に駆け巡り、  
歩は高い悲鳴を上げた。  
「ご、ごめんなさい西沢さん。大丈夫…じゃないですよね…」  
「ひ、は、はっ、ふ、うっ、はぁっ、ふ…」  
 歩は涙をポロポロこぼして首を振る。  
「息を整えられますか?」  
「ふー、はー、ふぅ、は、ふー、…や、つづけ、ひ、て…!!」  
 少し落ち着いて来た所で、一度引き抜こうとしたハヤテを、歩が止めた。  
「でも、西沢さん…」  
「たぶん、今が、一番痛いの、だから、だいじょうぶっ… 痛いのは、ぐすっ、  
 承知だもんっ…!!」  
「…優しくは、上手く出来そうにないんですが……」  
 マリアに続けて処女を相手にして、処女の扱いという点での技量不足を感じる  
ハヤテが、悩み顔で言う。  
「いいからっ!! 全部、つながりたいっ…!! ハヤテ君の、全部、受け止めたいっ!!」  
「わかりました。とりあえず、奥まで… 初めては貰ったんですから、無理は  
 しなくていいんですよ。」  
「うんっ、うん…!!」  
 ハヤテは挿入を再開した。引っかかるようなものはもう無いものの、処女の膣は  
狭く、きつい。押し広げながら進むたび、歩が苦しげな声を上げる。  
「あうっ、んぁあ、ああっ、んんーっっ…」  
 ハヤテは慎重に進んで、最奥に到達した。脂汗を流す歩に声を掛ける。  
「西沢さん、全部、入りましたよ…」  
「あ、ほん、と…?」  
「ええ。西沢さんの中に、いっぱいに入って…とても、嬉しいです。」  
 歩は大きく胸を呼吸させる。  
「ハヤテ君、ハヤテ君…」  
「西沢さん…」  
 
「ね、ゆっくりなら、動いていい、よ…」  
「だからもう十分です、無理しないでください。」  
 歩の気丈さに感心しつつも、ハヤテは言い聞かせた。だが歩は頑固に主張する。  
「入ったんだからっ、引いて、また、入って、でしょ?ハヤテ君、あまり、  
 気持ちよく、なれないかも、しれないけど、わたしの、がまんできるくらいで、  
 なら、何回でも、動かして…」  
「でも…」  
「だいじょうぶっ、とまってれば、ほら、そんなに、苦しくないから、やすみ、  
 やすみ、で、ね?」  
 歩は自分が苦しいのにもかかわらず、手を伸ばしてハヤテの頬を撫でた。  
「ああ、もう、男にそんな甘いこと言って、どうなっても知りませんよ!!」  
「あっあっ!!あっあっあっあっあっ!!」  
 ハヤテはずるずるとペニスを半分ほど引き抜く。そして先の挿入時と同じくらい  
ゆっくりと、また奥を目指して突いていった。  
「あう、はん、ああ、んっ、はっ、ん、ふくっ…」  
 当然、歩はまた苦しげな声になる。それでも耐え切って、膣の奥にペニスを  
迎え入れた。  
「は、は、ふ、はっ…あっあっあっ!!」  
 またハヤテがペニスを引き抜く。  
 そしてハヤテが繰り返し歩の中を動くうち、だんだんと動きが変わっていった。  
短く、速く引き抜いて、ゆっくりと戻し入れる。どれだけそれに効果があったかは  
わからないが、歩はこの動きについて来れており、ハヤテもペニスに性交の刺激を  
得ることが出来ていた。  
「西沢さんっ、少し、我慢して…!!」  
「あっあっ!!はぁっ、んああぁっ!!」  
 ペニスの性感の波が高まる時をとらえ、出し入れを加速して快感を蓄える。  
「ん、気持ちいい、は、んん…!!」  
「く、あっああっ!!はぅくんっ、んんぁっ…!!」  
 幸い、ハヤテの限界が先に訪れた。高まる衝動を、速度に変えてぶつけていく。  
「にし、ざわ、さんっ、僕、そろそろっ、出るよ…!!」  
「ああはぅ、くああっ、あっんんっ、んんんんっ…!!」  
 処女の狭穴を今まで以上の切羽詰った動きで突かれ、歩はもうその瞬間がハヤテに  
訪れるのを待ちわびて耐えるしかなくなった。  
「あふ、ん、んんっ、ふ、んぁ、う、あ…!!」  
「う、出る、西沢さんっ、出るっ…」  
 ペニスが奥で止まり、ハヤテが呻きを上げる。多量の白濁が、精を待つ体内に  
続々と注がれていった。  
 
「う、はむ、んっ…」  
「んん、んっ」  
 事の後、ハヤテは歩と口付けを繰り返し、感謝と愛情を表現した。  
「ごめんなさい、痛かったでしょう?」  
「ううん、いいの、ハヤテ君。女は結構丈夫なんだよ。それに、最後までして  
 もらえたことの方が、今は嬉しいよ…」  
「西沢さん…」  
「まあ、最初の痛いのは、びっくりしたけど。あれ凄い悲鳴出ちゃって、自分が一番  
 驚いたよ…終わってみたら血がいっぱい出てるし…ハヤテ君もみんなもあれには  
 引いたかもしれないけど、ねぇヒナさん…ヒナさん?」  
 歩が脇を見て、掴んでいた手を引く。  
「は、はいなんでしょう?」  
「…なんでマリアさんに抱かれてるの?」  
 ヒナギクはマリアの胸元に抱きついていた。言われてぱっと身を離す。コホンと  
咳をして答える。  
「あ、あのね。マリアさんと、愛する人たちが結ばれるのを見守る喜びについて  
 語り合っていた所なのよ、歩。」  
「ヒナさん…」  
「つまりホラー映画で犠牲者が上げるよな悲鳴は、ちびりそなほどエンターテイン  
 メントやったと…」  
「だから愛沢さん人のセリフを変な風に取らないでー!!」  
「いやさっきまで怯えてたろヒナギク。まったくしょうがないなあ…」  
「お嬢さま、伊澄さんのうしろに隠れて言っても、様になりませんよ。」  
 ハヤテは軽く歩に口付けて、彼女の横に座った。  
「えと、ヒナギクさんの番の筈ですので…」  
 ぽんぽんと自分の横のスペースを叩く。  
「う、うん…」  
 ヒナギクは返事をしたものの動かず、きゅっと歩の手を握った。  
「ハヤテ君、そういうときはお姫様だっこだよ。」  
「歩ー!!」  
 ヒナギクが歩を睨む。  
「…それもいいかもしれませんね。」  
 ハヤテは立ち上がってヒナギクに歩み寄った。  
「ちょ、ちょっとハヤテ君、心の準備が…きゃっ!!」  
 ハヤテは軽々とヒナギクを抱き上げる。  
「ヒナギクさん…」  
「…ハ、ハヤテ君…」  
 ヒナギクは身をすくめてハヤテを見上げた。  
「好きです、ヒナギクさん…」  
「あ、んっ…」  
 ハヤテはヒナギクの頭部を持ち上げて、その口先へ唇を屈めた。きゅっと身を  
よじり目を閉じるヒナギクを、柔らかく両手と唇で包み込む。  
「は、あんっ…」  
 唇を離されたヒナギクは、大人しくハヤテを見詰める。ハヤテはベッドの空いた  
縁にヒナギクを抱えてゆっくりと移動し、向き直って内向きにあぐらを組んだ。  
 
「は、む、あむっ…」  
「ん、は、んんっ…」  
 ヒナギクを横抱きにして肩を捕まえているハヤテが、情熱的にキスを交わす。  
ヒナギクも持てるテクニックを最大限発揮してそれに応えようとする。  
「どうですかー解説の伊澄さん。」  
「精神的に余裕のあるハヤテさまが一歩優位でしょうか。ヒナギクさんも技術では  
 一枚上手だと思うのですが、余裕を欠いた中で男性に適応した攻撃を組み立てる  
 必要があるのは、かなりのハンデだと思います。」  
「なるほどー。おーっと挑戦者チャンピオンのスカートん中へ手を伸ばした!!  
 奇襲攻撃だー!!ゲストのマリアさん!!」  
「さっきちらと見せられたショーツが気になっていたのかもしれませんね。あるいは  
 羞恥責めでいくんでしょうか。いずれにしても、逆上させるか屈服させるか、  
 ギャンブルですね。」  
「はい、大晦日バトル、ペタンコ級タイトルマッチ、実況は愛沢咲夜で三千院ナギ  
 寝室からお送りして――」  
「そこあとでひどいからねーーっ!!」  
 ヒナギクが自分達の向かいで寝そべって好き勝手言っている連中に吼えた。  
「ヒナギクさん…」  
「んんぁっ!!だめ、あんっ、ハヤテ君…!!」  
 ハヤテの手がヒナギクのスカートに潜り込み、指が股間を捕らえる。口付けを  
止めた口から可愛い声が抗議と共に漏れ出した。  
「あったかくて、柔らかいですよ…」  
「あああっ、や、そんな、んあっ、あっあ…」  
「気持ち、良くないですか?」  
 ハヤテは指を秘裂のありそうな所へ回し、縦にこすってみる。  
「んはぁ、ぅんっっ!! あ、ん、あぁ、ふんんっ…!!」  
 ヒナギクは侵入してくる腕を手で拒もうとするが、力ではかなわない。  
「ヒナギクさんのここ、こうやって、ほぐして、おかないと…」  
「あぅ、やぁ、んあっ、あんっあっああんっ、あああっ!!」  
 指先で丹念に愛撫を繰り返す。ヒナギクの喘ぎが段々と甲高くなっていった。  
「ふ、あっ?」  
 急にハヤテの手がスカートから抜かれる。急いで手を股間に被せ、視線をそこから  
戻したヒナギクの目に、ハヤテの手の次の狙いが映った。  
「だ、駄目っ!!」  
 スカートを脱がそうと伸ばした手を、ハヤテはヒナギクに間一髪阻まれる。  
「ヒナギクさん、ほら、手を放して…」  
「ハヤテ君のえっち!! すけべ!!」  
「そう言われても、僕らはえっちをしてるんですから…」  
 二人は手を宙で押し合い、力の均衡が生まれる。  
「ハヤテ君、ちょっとつかまえててね。」  
「え、あはい?」  
「な、きゃ、ちょ…!!」  
 二人とも不意を打たれた。  
「おーっとチャンピオンのセコンドが乱入だー!! スカートをてきぱきと脱がして  
 いくぞー!? これはどうしたことでしょマリアさん?」  
「脱げば脱ぐほど強くなるのかもしれませんね。」  
「はい!ええボケありがとうございます!! チャンピオンは挑戦者に腕つかまれて  
 抵抗不能!! チャンピオン、挑戦者のセコンドを挑発する!! しかーし、ペタンコ級  
 ランキング一位でもあるナギ・サンゼンインは笑い流してそれに乗らなあこら  
 実況席に物投げんな!!」  
「いけませんね……」  
「なんやなんかまずいか伊澄さん?」  
「この設定だと、レフェリーがいません。」  
「……」  
「……」  
「……」  
「歩のばかーっ!!」  
 
「あんっ!!あんん!!はんんっ!!ああんっ!!」  
 歩にスカートを脱がされ、ショーツをずり下げられて、あらわになったヒナギクの  
花園に、ハヤテの指が隅々まで這い回る。  
「ヒナギクさん、ここは、素直ですよ。もうこんなに、びっしょりと濡れてます…」  
「あああっ!!はあぁああんあん!!」  
「もういけそうですか?」  
「ふんっ、ふああっ、あああ!!」  
「いかせてあげてもいいんですけど…」  
「ああぁっ、はぅっ!!」  
 ハヤテは指を秘所から外して、ヒナギクの心臓の上に手を置いた。  
「ヒナギクさんの、胸を、見たいから。」  
「んはっ…」  
「上の服を、脱がせていいですか?」  
「やぅ、恥ずかしい…」  
「ヒナギクさんのおっぱい、見せてください…」  
「わ、わたしのなんか、見てもおもしろくないわよっ…」  
 ヒナギクが横を向く。  
「きっと可愛いと、思ってるんです。それにヒナギクさんのだから、見て、触れて、  
 愛してあげたいんです。だから綺麗な体を、どうか今、僕から隠してしまわないで  
 ください。」  
 熱を込めてハヤテが囁く。ヒナギクは横を向いたまま、心臓の上のハヤテの手に  
手を乗せた。  
「ハヤテ君の手、やっぱり、大きいわね…」  
「ヒナギクさんの手も、綺麗ですよ…」  
「ちっちゃくて悪いけど…歩にしたみたいに、してくれる?」  
「…じゃあ、いいんですね?脱がせても…」  
 ヒナギクはこくんと頷いた。  
「ありがとう、ヒナギクさん…」  
「んっ、ん…」  
 ハヤテはヒナギクの背を起こし、そっと口付けた。  
 
 まずショーツを引き抜き、ヒナギクを対面座位で座らせる。それから上半身の  
衣服を、一枚一枚はがしていった。最後のブラジャーを取り去って、ヒナギクは  
生まれたままの姿になる。  
「靴下だけ残すなんて、ハヤテ君のヘンタイ。」  
 ヒナギクは胸を両手で隠しながら意地悪く微笑んだ。  
「いや、流れとして特に脱がす必要を感じなかっただけなんですってば…」  
 ハヤテは苦笑してヒナギクの靴下も脱がせてしまった。ヒナギクは一般的な設定の  
生まれたままの姿になる。  
「ヒナギクさん、見せて…」  
「……うん……」  
 ヒナギクは胸を隠す手を片方ずつ外して、ハヤテの背と後頭部に伸ばした。  
「綺麗ですよ、ヒナギクさん。ここが、ヒナギクさんのおっぱい…」  
「あっ!!」  
 ハヤテが手を薄い乳房の円に沿ってなぞらせる。ヒナギクは軽くハヤテの体に  
触れていた手を強くすがり付かせた。  
「ヒナギクさん…」  
「あ、ひぅっ、いきなりっ、ふぁっ!!」  
 ヒナギクの体を動かし、引き付けて両乳首に軽くキスをする。ヒナギクがハヤテの  
体にしがみ付いたところで、再び手で乳房の愛撫を始めた。  
「はぅ、ふうん、んん…」  
「ヒナギクさん、乳首も乳房も、敏感ですね。乳首なんか、こすったら痛そうな  
 くらい、張り詰めてます。ヒナギクさんの胸も、気持ちよさに素直ですよ…」  
「や、はんっ、そんなこと、んんぁっ、言わないでっ…!!」  
「外から、舐めてあげますね…」  
「んはぁああっ!!」  
 ハヤテの舌が、胸の丘のふもとを舐める。丹念に肌をこすり上げて、ゆっくりと  
乳房の愛撫を進めていく。ヒナギクはハヤテの頭を抱え、自分の胸を愛する男の  
愛撫に押し付けた。  
「んんんんんーーーーっ!!」  
「んっ…」  
 ハヤテがいよいよ胸の突起に唇と舌を絡ませた。狭い空間で乳首に移動した  
ハヤテの口は、ヒナギクに予定以上の刺激を与えてしまう。  
「んっ!!んっ!!ふぅんっ!!」  
 ヒナギクはさらに胸を押し、敏感な突起に優しく触れる粘膜が与えてくれる快感を  
もっともっと引き出そうとする。  
「んんっ、ハヤテ、んん、君っ、乳首、いいのっ!! じゅりじゅり、してっ、あっ!!  
 二つとも、してぇっ!!」  
「ん、んん…っ」  
 ヒナギクがして欲しいのは舌での愛撫であろうと思ったが、ちょっと動きの難しく  
なったハヤテは、もう一方の乳首をそっと指で摘む。  
「ああぁああっ!!いいっ!!ちくび、いいの、きもちいいのっ!!う、ひぁあああっ!!」  
 もはやヒナギクは快楽の虜になって、叫びと律動を繰り返す。ハヤテはこれで  
絶頂まで行けるなら行かせてやった方が良いと考え、やりたい愛撫を次々に乳首と  
乳房に浴びせてヒナギクを追い込んでいった。  
「あふぅ、んぁ!!あぅああっ!!あ、だめぁああ!!いいのがだめっ!!」  
 ヒナギクはハヤテの肩を掴んでふるふると震え出す。乳首をハヤテの指で捻られ、  
歯で軽く押し潰されて、ついにヒナギクは胸で達してしまった。  
「だめっ、あああんんんんっっ、ああああああぁぁあぁっぁぁあ!!」  
 
「ん…んん」  
「ヒナギクさん、大丈夫ですか?」  
 ヒナギクは気をやった後、ハヤテの頭に突き伏して荒い息を吐いていた。その息が  
治まって来た所で、ハヤテが声を掛ける。  
「ヒナギクさ」ぐわし。「んんんんーーー!!」  
 ハヤテの固くなったペニスがヒナギクの手で握り締められた。  
「ふふっ…ありがとうハヤテ君。とっても気持ちよくしてもらったわ…」  
「あ、握らないでヒナギクさん!!」  
「胸でいかせてくれたお礼に、この三回も出したのに、またすぐこんなパンパンに  
 してるハヤテ君を、私の女の子で、いかせてあげる…」  
「あうぅ、何か怒ってます、ヒナギクさん?」  
「なーんにも、怒ってないわよ。ただね、私も、私のここで…」  
 ヒナギクは身を起こし、もう片手で自分の花園を開く。  
「ハヤテ君が気持ちよくなって、えっちなことが止められなくなって、えっちな  
 声が止まらなくなるのを見ないと、不公平だなーと、思っただけよ…」  
「いやヒナギクさん、それは言う通りにしますけど、もうちょっと落ち着いて。  
 あわてて初体験に突入したら――」  
「だーめ。ハヤテ君は堪らなくなって、すぐに私を犯すの。処女を欲望に任せて  
 突き破って、泣き叫ばれても快楽に負けて、激しく腰を振るの。そして、すぐに  
 自分だけ気持ちよくなって、どくどくって、止めようもなく中に放つの…」  
「いやだから落ち着いて!! もうちょっとロマンチックな話をしましょうよ!!」  
「いくじなしは手が掛かるわね。じゃあ、私が入れてあげるわ。上に跨られて、  
 いってしまいなさい…!!」  
 ヒナギクは握ったペニスを自分の花芯へと導く。  
「ちょ、ヒナギクさん!!」  
 カカーン  
「ここで第五ラウンド終了!! 挑戦者ゴングに救われました!! 一分間の休憩です!!」  
 ゴングと咲夜の声と共に、ロボットアームがヒナギクをハヤテから引き離す。  
「こらーっ!!」  
「ハヤテ君、こっち…」  
 歩がハヤテを振り向かせる。ナギも寄って来ていた。  
「いい、ハヤテ君。ヒナさんちょっと負けず嫌いが暴走しちゃったみたいだけど、  
 要するにハヤテ君に最後まで愛して欲しいってことだから。」  
 歩が小さな声で囁く。  
「うまく丸め込め、ハヤテ。それかやり終えてから弁解するかだ。」  
「落ち着くまで待って話し合いましょうよ!!」  
「お前なら出来ると信じてるぞ。ほら考えろ、あと30秒だ。」  
「あ、ちょっとお嬢さま、西沢さん!!」  
 ナギはマリアの方へ避難した。歩はヒナギクをなだめている。  
「ええと…」  
「さあ解説の伊澄さん、次のラウンドが勝負です!!」  
「そうですね、優勢に進めていたハヤテさまですが、ヒナギクさんはノーガード  
 戦法で勝負に来ました。ハヤテさまに打開策はあるのでしょうか。」  
 ガシュガシュ  
「ふぇ?」  
 ハヤテの上腕がアームに捕まる。  
 カーン  
「さあ、試合再開です!!」  
 ヒューン「うぁああ!!」ぽいっ  
 ハヤテはヒナギクの前に放り出された。  
 
「ふふ、ほら、まだ固いわ…」  
「あう。」  
 ハヤテは隙を突かれあっさりとまたペニスを握られた。  
「ナギや歩におあずけされて、処女が目の前に転がってるから、こんなに…期待に  
 満ちているのね。」  
「ひ、ヒナギクさん…」  
 ヒナギクがペニスを強くこする。  
「ふふふ、入れる意気地がないなら、このまま…」  
「ヒナギクさん!!」  
「きゃん!!」  
 ハヤテはヒナギクを押し倒した。そのまま言葉を畳み掛ける。  
「確かに我慢できません。でも、ヒナギクさん、その次は僕の番ですよ。つまり、  
 ヒナギクさんがいく番です。ヒナギクさんが気持ちよくなって、えっちなことが  
 止められなくなって、えっちな声が止まらなくなるのを、見せてくれますか?」  
「い、いいわよ。」  
「じゃあ、僕がいやだって言っても、苦しいって言っても、自分だけでいっちゃって  
 くださいね。」  
「……い、いいわよ。」  
 ヒナギクは虚勢を張る。そこにすかさずハヤテの評が飛ぶ。  
「えっちですね…ヒナギクさん。」  
「見たいって言うから…!!」  
「ヒナギクさんを気持ちよくさせたいんですよ。その為なら苦しくても構いません。  
 ヒナギクさん一人だけがいってしまっても、気持ちよくなって貰えたら嬉しい。」  
 ハヤテは反発するヒナギクの頬を撫でながら告げた。  
「……でも、えっちだって…」  
 すがるようにヒナギクが言う。  
「えっちですけど、大好きです。愛してますよ。だから何でも出来る…」  
「ハヤテ君…」  
 ハヤテはヒナギクの足を開き、ペニスをヒナギクの股に押し当てた。  
「ヒナギクさん、ヒナギクさんの初めてを、もらいます…いいですか。」  
「…うん。」  
「苦しくても、構いませんか?」  
「……もう。変なこと言って、ごめん…」  
 ヒナギクは苦笑して、ハヤテを見詰め直した。  
「愛してるから、最初から最後まで、思いっきり、して…」  
 
「んんぁあ!!」  
 ハヤテの、再び欲望をみなぎらせたものが、ヒナギクの処女に突き刺さる。  
「ん、ヒナギクさん…!!」  
「は、う、ぁあああ!!」  
 ハヤテはヒナギクの襞を切り裂きながら、膣を広げ、亀頭を埋め込んだ。  
「はう、あ、んっんぁっ!!」  
 ヒナギクはシーツを握り締めて痛みに耐えている。  
「もう少し、ですから、しっかり…!!」  
「んんっ、う、あう、ぃひんっ!!」  
 狭い道を拡張しながら、ハヤテはペニスを押し込んでいった。  
「はう、ふう、あ、んっ…」  
「ヒナギクさん、届きました、奥まで…」  
「あふ、ああぁ、ハヤテ、くんっ…!!」  
「これが、ヒナギクさんの中なんだって、感じてますよ…」  
「あ、ひ、や、うごか、んんっ…」  
 奥でペニスを壁に当たるようにずらしたり、微細な前後動を試してみたりする。  
「まだ、こんなもんじゃありませんよ…」  
「あぅっ!!はっ!!んっああっ!!」  
 ハヤテは奥部での短い静かな往復運動を始め、段々と力強く動いていく。きつい  
トンネルを掘っていく要領は身についたが、それと初体験の痛みはまた別の話で、  
ヒナギクも苦しげな声を高めていった。  
「これが……」  
「あひぃっ!!ひんんっ!!」  
「思いっきりです!!」  
 ハヤテは数回、大きな動きの強烈なストロークを打ち込んで、ヒナギクを悶絶  
させる。そして休息し、ヒナギクの様子を観察すると共に、激しく突き込んだ感触を  
反芻して、攻撃的な気分を高めた。  
「こんなふうに、ヒナギクさんを、泣かしてしまいますよ。」  
「はう、うんっ、ああっ…」  
「とても、気持ちいいです。ヒナギクさんが好きだから、もっとしたくなる…」  
「ハヤテくん、ああ、あ…」  
「ヒナギクさん、覚悟は…いいですか?」  
「う……あぁあ、あ……」  
 ヒナギクはカクンカクンと頷いて、衝撃に備えて目を瞑る。  
「ああぁあっ!!んああ!!っはぁ!!」  
 ハヤテが再び動き出した。ヒナギクの慣れていない膣道を、興奮した男根が  
前後する。ヒナギクの忍耐力の限度を超えないと考える範囲で、性感を求めて  
一心不乱に責め立てた。  
「ひぃく、ひ!!あ、う、ひんっ、んあ!!」  
 ヒナギクは涙を流しながら堪える。強烈な痛みを一度経験したため、続けざまでも  
それを超えない苦痛ならば、かえって耐える気持ちを強固にした。愛しいから  
耐えるのか、耐えるから愛しいのか、感情と行動が作用し合って、決心は揺るがぬ  
ものになっていく。  
「いいですよ、ヒナギク、さん、気持ちよく、なる…」  
「あふ、ん!!あああ、はっ!!あぐ、んんっ!!」  
「ほんとに、すぐ、いっちゃいそう…」  
 ハヤテはヒナギクの泣き顔を見ながら、狭く締まる膣の中で、射精に至る快感を  
一刻も早く得ようと、ペニスを深く叩きつける。圧迫と熱でじわじわとリミッターが  
溶かされていく感じがした。  
「ハヤテ、くん…っ!!」  
「う、ふっ…」  
 ハヤテは張り詰めた自分自身に綻びを感じた。全身の喜びと共に最後の瞬間に  
駆け上がる。  
「ヒナギクさん、イク、イクよ!!」  
「あ!!あ!!ん!!はっ!!」  
「出る、もう出る、んんっ、イクよっ!!」  
「っああっ!!」  
 ハヤテはヒナギクの中で精を放ち、無垢な肉襞に男の白をまぶし付けた。  
 
「ハヤテくんっ、すきぃ…」  
「ん、ヒナギクさん…」  
 ハヤテは破瓜の血に濡れたペニスを引き抜いて、ヒナギクを休ませる。  
「ヒナギクさんがイクのを見るんじゃないんですか、ハヤテ君?」  
 マリアがロボットアームをワキワキさせながら聞いた。  
「いやマリアさん、おかしな方向にいった話を引っ張らないでください。」  
「残念です。『いやぁ、くるしいっ』とか言うハヤテ君も見たかったですけど。」  
 ロボットアームを引っ込めつつ、マリアががっかりしたふりをして言った。  
「そやな。ここまで自分、女責めまくりやから、ええアクセントになるんやがな。」  
「そんなアクセントはお断りさせてください。」  
「まあ、次は咲夜の番ですから、やってみては?」  
 伊澄が咲夜に水を向ける。  
「お?いやウチはその、えっちやあらへんから、そこの執事と違うて嫌や言うたら  
 やめたるさかい…」  
「僕だってホントに嫌がるなら続けませんよ…」  
「やめてくださいと言ったのに…」  
「嫌や言うたのに…」  
 マリアと咲夜が恨めしそうに言った。  
「ハヤテはえっちだからな。好きな子には意地悪するんだ。」  
「……そういうことでいいです。否定しきれないところがありますし。」  
「ほなら、ウチにも、みんなみたいにしたいんや…」  
「だからそれはまた別です!! なるべく初体験の望みを叶えたいんですってば!!  
 ていうかみなさんいじらしいうえに頑固だから…」  
 ヒナギクをいたわりながら、歩が応じる。  
「まあ今日はナギちゃんから始まって、そういう流れがあるんじゃないかな。」  
「かもな。ちょい展開が単調なるけど…」  
 咲夜がハヤテに寄り添って、座ったハヤテの顔を手で振り向かせた。  
「咲夜さ…」  
「ウチも、あんたの、好きなようにして、ええよ…」  
 
「とりゃ。」  
「おっとと…」  
 咲夜はハヤテの足を跨いで正面に回り、すとんとあぐらを組んだ足の上に尻を  
突いた。足をハヤテの胴の両横に投げ出し、手をハヤテの背に回して組む。  
「うりゃ、どや、これが、わかるか?」  
「さ、咲夜さん…」  
 ハヤテの胸に、咲夜は自分の胸を押し付ける。年齢に対しても身長に対しても  
突出して成長した自慢の膨らみが、二人の胸の間で存在を主張する。  
「気持ちええか?ほら、言うてみ、あんた…」  
「んっ、はい、気持ちいいです…」  
 潰れた胸の弾力が、丸みが、咲夜の服の中からでも伝わってくる。  
「…きゅってして、もっと、気持ちええように、してええよ…」  
「咲夜さん…」  
「あ…」  
 ハヤテは咲夜の背を腕で抱いて、自分の胸に咲夜の体を抱き締めた。  
「上、向いて…」  
「あ、うん…」  
 咲夜が顔を上げ、そっと目を閉じる。  
「好きです…」  
「ん…」  
 ハヤテの唇が咲夜の口を塞いだ。  
「…ずっと塞げられれば静かなのにな。」  
「…ハヤテさまをもってしても、それは無理よ。」  
「んーーーー……」  
 怒りにわななく咲夜を、ハヤテが髪を撫でて落ち着かせる。  
「んっ、ん…」  
 背を抱き寄せて、咲夜の胸を胸板で愛撫するように、その感触をもっと味わった。  
「んっ、はっ、うっうぅんん…」  
 口を離された咲夜が悩ましい声を上げる。  
「咲夜さん、ここ、可愛いですよ…」  
「ん、あんっ…」  
「それから、ここも…」  
「あ…?や!!そこはだめやっ…あんんっ!!」  
 ハヤテは片手を咲夜の豊かな尻に沿わせて撫でた。  
「どうしてですか?丸くて柔らかくて、気持ちいいのに…」  
「やぁ!!そこは、恥ずかしいや、あん、ないかぁっ…!!」  
「咲夜さんの体に、恥ずかしいところなんてないですよ…」  
「あんっ、こんな初手から、そんなん言うんが、恥ずかしいやろが!!」  
 身をよじって避けようとするが、ハヤテの腕にしっかりと抱き止められて、尻に  
触れる手から逃れることはできない。  
「気持ちよくないですか、咲夜さん?」  
「だって、こんなん、あっ、えっちやん…」  
「僕は気持ちいいですよ。胸もお尻も、可愛くて素敵です。咲夜さんが、こうやって  
 胸をこすられたり…」  
「んぁんっ!!」  
「お尻をさすられたりして…」  
「んんんっ…!!」  
「気持ちよければ、いっぱい、してあげます…僕に、許してくれませんか?」  
「んっ…んっ…」  
 咲夜は胸と尻を愛撫されて、ぎゅっとハヤテにしがみ付いた。  
「咲夜さん…」  
「……わるはないから…特別に、許したる…」  
 
「あ…」  
「はい、手で抱きついて…」  
 咲夜の服の前がはだけられ、形の良い豊穣な膨らみが溢れ出す。ハヤテは片手を  
背に回し、もう片手を捲り上げたスカートの内に潜り込ませて、咲夜を待つ。  
「あほ、すけべ…」  
 咲夜はそう呟いて、幼い子のように抱き付いた。  
「ん、すべすべで、気持ちいい…」  
「あっ!!熱っ!!んあっ!!」  
 生肌を胸に受け止めたハヤテは、思わず身じろぐ。乳をこすられた咲夜が声を  
漏らした。  
「咲夜さん、おっぱい、揉みますね…」  
「んぁあっ、ああ、ああ、ああっ!!」  
 ハヤテは背に回した腕と胸板を揺らして、咲夜の乳房を潰し、捏ね、伸ばし、  
乳首を擦り、押さえ、弾いた。弾力のある膨らみと、すでに固くなった突起が、  
ハヤテを興奮させる。  
「んあ、ひやんっ、あああ、んんっ…!!」  
 咲夜も敏感な胸を苛められて、性感がどんどん高まっていった。ぎゅっとハヤテの  
背を抱いて、もっと胸が押し潰され、擦り立てられるようにする。  
「咲夜さん、こっちも…」  
「はんんっっ…!!」  
 ハヤテはスカートの中で今か今かと待っていた手を、ショーツの上から咲夜の尻に  
撫で付けた。丸みにそって、いやらしく動かす。  
「んっ、あんっ…!!」  
 僅かな恐怖心をスパイスに、咲夜の体ではぞくぞくするような性の昂りが腰の辺り  
から広がっていった。同時に心では、恥ずかしい所を責めているのはハヤテなのに、  
しがみ付いているハヤテの体に、頼り付きたい気持ちが膨らんでいく。  
「ああぅ、んあ、あんっ!!あん!!」  
「咲夜さん、お尻触るの、愉しくて気持ちいいです。震えて、感じてる…」  
「や、ああんんっ、ヘンタ、ィイィ…!!」  
 言葉で辱められ、腰から頭の先まで、ぞわぞわと全身が感じる。  
「指と、手のひらと、どっちが気持ちいいですか?」  
「あほっ、聞くなっ、あああんっ、そん、なっ!!」  
 
「咲夜さんだけ恥ずかしいのはかわいそうだから、僕のも感じてみてください…」  
「ん、あ?」  
 そう言ってハヤテは背を抱いていた腕を降ろし、腰に回して、咲夜の下腹をずいと  
引き寄せた。  
「あ!!固っ…」  
「おっきくなってるでしょう?咲夜さんの胸やお尻が気持ちいいって、こんなに  
 しちゃったんですよ…」  
「あ…や、あ、熱うて、びくびくしとる…」  
 下腹の開いた肌に男のものを押し当てられ、咲夜は熱に浮かされたような言葉を  
呟いた。  
「僕の手、腰に降りちゃいましたから……胸は咲夜さん、自分でやってみて  
 くれますか?」  
「ん……こ、こうか?んっ…」  
 咲夜は素直に胸の乳輪を含む範囲を、ハヤテの胸にこすりつけた。  
「ん、そうです。気持ちいいように、自由にしていいですからね。」  
「あんっ、やけど、動くと、ああっ、サオ、擦れてまう…!!」  
「咲夜さんのお腹、気持ちいいから平気です。気にしないで…」  
「んぁああん!!」  
 ハヤテは咲夜の腰をきゅっと掴んで、逃れられないようにしてから、尻の愛撫を  
再開した。  
「はぅ、あんん、んんっ、んあっ…」  
 咲夜はゆっくりと胸をハヤテに擦り付ける。それは愛撫でもあり、自慰でもあり、  
奉仕でもあった。腹と尻を辱められながら、その上体の動きを段々激しくしていく。  
「んんぁ、ああ、あっあんっ、ああっ!!」  
「咲夜さん、気持ちいいですか?」  
「あん、うんっ、いいっ、あああっ…」  
「どれどれ…」  
「あ、あああっんあんっんああああ!!」  
 ハヤテの手が尻穴の上を通り過ぎて、ショーツの上から秘唇に触れた。  
「ほんとだ、咲夜さん、すっかり濡れてますね…」  
「いやぁ、あんっあぅん、やぁっ…!!」  
 胸にすがり付いて、咲夜は顔をハヤテの肩に隠す。  
「ほら、イクまで触って、すぐいかせてあげますから、胸も、続けて…」  
 ハヤテは咲夜の耳を舐め、囁き、湿った下着の上から秘裂の溝をなぞった。  
「ああぁあ!!んあんん!!ああ、んんあっ!!」  
 咲夜は腰が抜けそうになりながら、敏感になりすぎている乳首を千切るように  
擦り続けた。それで何かを許してもらいたいかのように、必死になって動く。  
「ん、咲夜さん、胸も、僕のも、この咲夜さんのも、気持ちいいです!!」  
「ああぅああっ!!んああぁぁぁ!!んんんんぁっあんぁぁんっ!!」  
 ハヤテも咲夜に触れる全ての箇所で快感を味わう。  
「咲夜さん…!!」  
 熱い呼吸で語りかけながら、ハヤテはショーツの下に指を滑り込ませ、直に  
咲夜の女性の部分を触った。潤んだ粘膜を優しく擦る。それだけで、咲夜には  
最後のとどめになった。  
「あひぁあんんんんぁんんんんんっっっっ………!!」  
 
「あほぅっ、へんたいっ、ちかんっ…」  
 咲夜の口から罵倒の言葉が次々出てくる。それを口付けと囁きで受け流しながら、  
ハヤテは咲夜の衣服を脱がせ、ショーツ一枚でベッドに横たえた。  
「可愛くてすごく興奮しましたよ、咲夜さん…」  
「んっ…はっ、意地悪っ、すけべっ、三千院ナギっ…!!」  
「なんだとコラ!!」  
「ええと、咲夜さんも、ネタが尽きてきたようなので…」  
 ハヤテはショーツを両手で摘み、ゆっくりと引き抜く。咲夜は抵抗しない。  
「…咲夜さん。いいですか?」  
「…最初から、ええって言うたやろ。あんたはえっちでやらしいんやから、  
 ウチが好きなようにさしたらなあかん……」  
「咲夜さんのそんなお姉さんらしいところも、大好きですよ。そのうち、えっちに  
 慣れたら、咲夜さんの好きなように、してくださいね…」  
「ん、あほっ…でも、ウチも…あんたのそんな小さいようで大きなとこ、好きや…」  
「咲夜さん…」  
「ん…」  
 ハヤテは咲夜の唇に口付け、そのまま胸、腹、太ももとキスをしながら体を引く。  
足の間に入り、固いペニスを手で膣口に添えた。  
「いきますよ、咲夜さん…!!」  
「あああっ…!!」  
「ん…」  
「んんっ!!んぁ、んんんっ…!!」  
 ハヤテの逞しいものが、咲夜の花を開いて進んでいく。  
「っ、ああっ、ん…」  
「ん、咲夜さんっ…!!」  
「はっ、ふぅーーーっっっ…!!」  
 男を初めて受け入れる咲夜の肉体に、愛の傷を付けながら、ハヤテは深く分身を  
貫き通していった。  
 
「咲夜さん、きつっ…!!」  
「あんんっ、痛いでっ!!」  
 奥まで挿入しようとしたが、途中から一層きつくなる。力を込めて押し込んで、  
ようやく僅かに進むのを繰り返す。  
「う、うん、入りました、多分。」  
「多分て、なんや…」  
 ぐったりした感じで咲夜が聞き返した。  
「いやちゃんと奥まで…苦しくないですか、咲夜さん?」  
「入り口、へんは、ヒリヒリ、する、けどな。まあ、我慢、出来へん、ことも、  
 ない、で……」  
 咲夜は涙を浮かべながらもちゃんと答えた。  
「ええと、きつくて、これはこれで、気持ちいいんですけど…」  
「うご、け。」  
「……奥にしましょうか、真ん中にしましょうか、それとも入り口にしましょうか?  
 正直きつすぎて、全部動かすのはしんどいです……」  
「…入り口は、痛いから、奥や。ぎりぎり、締め上げたるから、しゃきしゃき、  
 うご、け…」  
「……はい。」  
「あ、んっ…!!」  
 ハヤテは咲夜の腰を持ち上げて、ペニスを動かしやすい角度にする。  
「咲夜さん、いきます…」  
「ん、あ、むぅんんっ…!!」  
 ペニスが狭すぎる処女膣をこすれながら戻っていく。出口のほうへ戻すだけでも  
大変なのに、さらに押し込んで広げるのは短い距離とはいえ大仕事だった。幸い、  
これだけ狭い所を大きなペニスで肉襞を引き摺りながら動いていることを思えば、  
咲夜の苦しみは、表面上は酷すぎることはないように、ハヤテには見えた。  
「んんっ、あぅ、んはぁっっ…!!」  
「…………咲夜さん、しっかり…!!」  
 その苦しみの度合いについてのドツキ漫才が脳内で繰り広げられたあと、ハヤテは  
咲夜の忍耐を励ました。慎重に前後に動き、咲夜の反応を注意深く観察する。  
「はう、あ、んんぁ!!」  
「ん、んっ…」  
 ペニスが押し込まれる度、咲夜の胸がぷるぷると震える。逆に、抱えた尻は、  
引き抜かれるペニスに応じて左右に動こうとする。  
「ああぅ、はんんっ、ああっ!!」  
 みっちりとペニスを締め付ける膣は、僅かな動きでも相当の快楽を肉茎に与えた。  
それでいてその僅かな動きに多大な時間が掛かったので、おそらくその総回数を  
容易に数えられる往復運動の果てに、ハヤテの肉欲は発火点へと突き進む。  
「んぁ、咲夜さん、気持ちいいっ…これだけで、いっちゃいそう…」  
「あ、んんぁ、ああ…!!」  
「咲夜さんっ、いいよ、もう出て、かけちゃう、中に、奥に、精子、かけるよっ!!」  
 ハヤテは力を溜めずに腰を前後にゆすり、駆け上っていく射精欲に身を任せた。  
咲夜がハヤテの言葉に反応し、腰を揺すって何かを誘う。  
「あー、ああっ!!うんっっ、ハヤ、テ、あんたのっ、うううっ、きてっ…」  
「咲夜さん、咲夜さん、咲夜さんっ…!!」  
「あうーっ、う、んんあっ、ああっ…!!」  
 咲夜に締め付けられたペニスをよじ登って、たくさんの樹液が、男を阻み続けた  
処女地に勢い良く注がれた。  
 
「うー、気持ちよう、なってくれた?」  
「ええ、咲夜さんが頑張ってくれたおかげで、ほら、こんなに…」  
 ハヤテは精液と血の溢れた咲夜の秘所を見る。  
「あほ!! …あーでも、こんなに出してホントに妊娠せえへんのかな。伊澄さん?」  
「大丈夫よ。…せっかくだから、咲夜と私の子、学年合わせて産みます?」  
「あー、それもええな。それやとウチが少し子作り遅らせなあかんか?」  
 咲夜が指折り数えて計算する。  
「ふむ。なら私も第三子あたりを投入――」  
「お嬢さま。その辺の家族計画はまた後でゆっくりと話し合いましょう。」  
 ハヤテが遮る。  
「最後は伊澄さんですね。伊澄さん、ハヤテ君に何かリクエストありますか?」  
 マリアが尋ねた。  
「そうですね……何をして欲しい、というのは特にないのですが……」  
 伊澄はハヤテを見詰めて言う。  
「ハヤテさまというヒーローに、普通の女の子として、愛されることが…ずっと、  
 夢でした。」  
「伊澄さん…いいんですか?こんな節操のないヒーローで…」  
「ハヤテさま…ご存知ですか?100パーセントのヒーローなんて、いないのです。」  
 伊澄は立ち上がり、微笑んで言った。  
「だって、ヒーローは皆、120パーセントですから。その愛と正義の全部を受け取れ  
 なくても、ヒロインにとって、ヒーローはヒーローです。」  
 ハヤテに歩み寄り、そっとその手を取る。  
「そうやって、アニメ化されてもファンはついていくんですよ……」  
「伊澄さん…」  
「うう、伊澄ちゃん、伊澄ちゃんは可愛いヒロインだよ。頑張ってね、私の普通の  
 女の子ポジションが危うくなるけど!!」  
「そんなポジションは当の昔に無いから、安心しなさい。」  
 咲夜も立ち上がり、ポンと伊澄の帯を叩く。  
「うむ。ウチも協力したるで。まずは普通の女の子んなる為に…」しゅる  
「え?」  
「武装解除からやーー!!」くるくるくるくる……  
「あ〜れ〜〜〜……」  
「うはは、よいではないか、よいではないか!!」  
 ……  
「お許しください、ハヤテさま…」  
「いや僕は何もしてませんって!!」  
「なりませぬ、なりませぬ…」  
 襦袢だけにされた伊澄が涙目で品を作った。  
「いや、ぎょうさん札とかアイテム隠し持っとるなあ。歩く霊術兵器や。」  
 咲夜が脱がした和服の中を確かめる。  
「ええとなんか伊澄さんが変なんですが…」  
 ハヤテはナギに相談した。二人は伊澄に背を向けて屈み込み、作戦タイムを取る。  
「ちょっと混乱してるんだ。ふつうに扱いながらショックを与えてやれば戻る。」  
「ふつうとショックって矛盾してませんか?」  
「つまり、えっちなことをして、いかせてしまえば良い。」  
「もっと他に方法はないんですか!?」  
「それが手っ取り早いんだ。ハヤテの犠牲は無駄にはしないぞ。」  
「いや正気でない時にえっちするのは……」  
「……うっさい!! つべこべ言わずに行け!!」  
 ガシュガシュ  
「あ、ちょちょっとマリアさん!!」  
 ヒューン「うぁああ!!」ぽいっ  
「ああっ、御戯れを…」  
 ハヤテは伊澄の前に放り出された。  
 
「あんっ…」  
「ん…」  
 ハヤテはひとまず伊澄を抱き締めて、優しく口付ける。  
「伊澄さん…ほら、僕は悪代官じゃありませんから。」  
「…ん、あ…ハヤテさま…。…それでは、私が御奉公すれば、咲夜につける薬代を、  
 確かに肩代わりしていただけるのですね……?」  
「こら待てや伊澄さん。」  
「だから伊澄さん、悪いようにはしないって意味じゃなくてですね…」  
「お願いいたします、ハヤテさま…」  
 伊澄はそっとハヤテの手を取り、自分の胸に押し当てた。  
「ええと、伊澄さん…ほら、思い出してください。伊澄さんは借金の形に連れて  
 来られたんじゃなくて、僕のヒロインになりに来てくれたんでしょう?」  
 ハヤテは伊澄に問いかける。  
「ハヤテさまの、ヒロイン…」  
「そうです。僕が大事に守りたい、可愛いヒロインです。だから、こうやって  
 僕らが抱き合っているのは、ただ愛し合っているから、それだけなんです。」  
「ハヤテさま…愛して、くださいますか?」  
「ええ。僕こそ、伊澄さんに何の義務でもなく、僕を愛して欲しい。だから、  
 ヒロインを縛るものは、何も無いんです…」  
「……はい。ハヤテさま…」  
 もう一度、ハヤテが伊澄を抱き締め、二人は求め合う口付けを交わした。  
「……心の準備は、いいですか。」  
「……はい。ただ…」  
「ただ?」  
「咲夜につける薬代をどうするか…」  
「……それは僕のヒロインになってからまた考えましょう。」  
 ハヤテは後ろをちらりと覗いて言った。暴れる咲夜をマリアが抱き止め、ナギが  
口を塞いでいる。そんな後方の風景をとりあえず無視して、ハヤテは伊澄の胸元を  
開いた。  
「あっ、ハヤテさま…」  
「んっ…」  
「んぁっ…」  
 伊澄の柔らかい胸の谷間に、ハヤテの唇が押し付けられる。ちゅっ、ちゅっと  
音を立てて、白い肌にキスを降らせていく。  
「ああ、っ…!!」  
 ハヤテはぐいと伊澄の体を抱えて、ベッドに押し倒した。胸元に口付けながら、  
襦袢を完全にはだけてしまう。あらわになった体の正面に被さって、両手で胸の  
膨らみを揉みしだいた。  
「んん、あ、ん…」  
「伊澄さんの胸、綺麗で、柔らかいですよ…」  
「んっ、あっ、あんっ…」  
「いっぱい、揉んであげます…」  
「ああ、あ、あ、んっ!!」  
 唇と舌をあちこちに付けながら、伊澄の乳房をじっくりと揉み込む。段々と伊澄の  
肌の温度が上がり、汗をかいてくる。白い胸にも吐息にも、女の艶やかさが現れた。  
「あんっ、ああ、あんんっ…」  
「伊澄さん…」  
「んんんっ!! あ、ハヤテ、さまっ!!」  
 ハヤテの指が起きた乳首を摘む。リズミカルで優しい指遣いに、伊澄の声も素直に  
反応した。伊澄は両手をハヤテの頭に乗せて、愛撫の衝撃に備える。  
「んんっ、んっあ、あっぁんんっ、あんっ!!」  
 伊澄の乳首を楽器を演奏するように愛撫しながら、ハヤテは目を閉じて視覚以外の  
感覚を楽しむ。伊澄の声、体温、触れる肌、ほのかな匂い。喉を鳴らしながら、  
女の反応を味わい、自分の興奮を高めていった。  
 
「伊澄さん…」  
 ハヤテは目を開けて、再びその目に伊澄の裸体を焼き付ける。快感に悩ましく  
揺れる胸、喘ぐ喉元、恍惚とした表情が映った。  
「ハヤテ、んんんっ、ハヤテ、さま…あんんっ!!」  
 美しい女体の絵を受け取って、ハヤテの手に力が入る。小さな乳首だけ摘んで  
いられず、胸全体を絞り始めた。  
「あああっ、んあああっんあっ、ああんっ!!」  
「ん、伊澄さん…む…」  
「ふあんっ、んんぁ、ああ!!」  
 さらにハヤテの口が片方の乳首を咥え吸う。温もりと湿りで包み、指の愛撫が  
舌と交代する。手のひらで乳房をしごき上げた後、その手を伊澄の下半身に回した。  
まず腰の横に手を当て、脇の下近くから太ももまでゆっくりと撫でさする。  
「はんんっ、んぁ、あんっ、ふあんっ、んっんんぁっ…!!」  
 こそばゆいような性感が広がり、伊澄は足をよじった。  
「ん、んむ、んっ…」  
「ああっ、んあ、はあぁっ、はふっ、あああっ、あんんっ!!」  
 伊澄の片手がハヤテの頭から落ち、体の横をこする男の手に触れる。  
「んぁ、ハヤテさまっ、ハヤテさまっ、あああっ!!」  
「む、んん…」  
「あ、んんぁ、いい、ハヤテさ、まぁっ!!」  
 伊澄が媚びた呼び声を立て始めた。体の揺れねじりも何かを伝えたいかのように  
繰り替えされる。  
「んはっ、伊澄さん…!!」  
「んん、あ!! ハヤテ、さまぁ!!」  
 ハヤテは口を逆の乳首に移し、体を乳房を責めている手のほうにずらした。  
前に乗り出して乳房をすっぽりと覆って愛撫し、もう片手は伊澄の腰の辺りを  
集中して刺激する。  
「んあぁ、ああっ!!」  
「ん、ん!!」  
「んっ、ふ、ひぁああっっっ!!」  
 ハヤテの親指が秘裂の横を擦り上げ、伊澄が切なそうな悲鳴を上げる。さらに  
連続して撫でられ、手を内股に回されて、呻くような声で鳴いた。  
「うんんんぁ、んぅううっっっ!! ひふんっっ、んんぁんっ!!」  
 ハヤテの指が淫裂の湿りを掬い取りながら、その敏感な花びらを愛撫していく。  
次々溢れる愛液を指にからめ、その出口を探っていく。伊澄の淫花は、おずおずと  
ハヤテの手で開花させられていった。  
「あぅあっ!!あんっ!!ああ!!んううっ!!あっ!!ああっ!!」  
 伊澄の声が快楽の色を濃くし、甲高くなる。片手でハヤテの頭を抱え、もう片手で  
秘所を責めているハヤテの腕を掴み、足をベッドに何度も叩きつける。  
「んっ、ん…」  
「あはっ、あああ、あ、はああぁっ!!」  
 ほころんだ伊澄の秘唇の奥、淫水を噴き出す膣口に、ハヤテの指が触れた。穴を  
探り、指の腹で圧力をかけ解していく。たちまちその指は愛液のぬかるみに溺れた。  
「あっく、あ、んんぁんっ、ああんんぁっあっ、ああ!!」  
 指が膣口の周囲を円を描いて撫で、指と手のひらは撫で回した秘唇の湿りで  
どろどろになる。ハヤテは一瞬、その愛撫を止め、乳首を舐める口を離した。  
「あっ!?」  
「伊澄さん!!」  
「ひ、ああああああぁぁぁ!!」  
 ハヤテの指が陰核に触れる。興奮した意識で必死に優しくその性感帯を愛撫した。  
愛液に濡れた指で敏感すぎる状態の豆を刺激され、伊澄は声と意識が跳ね上がる。  
「あああぁぁ!!ああぁぁあぁ!!あ あ ああああ!!」  
「伊澄さんっ!!」  
「ああああ………!!!!」  
 伊澄は陰唇から潮を噴き出し、声の枯れる絶頂に達した。  
 
「…伊澄さん、大丈夫ですか。」  
「……はぁっ、はぁっ……ハヤテ…さま…」  
 伊澄が荒い息の中でうなずく。  
「伊澄…スイッチ戻ったか?」  
 ナギが問いかける。伊澄はしばらく息を整えた後、ハヤテにしがみ付いて答えた。  
「……とりあえず咲夜は減給。」  
「あ!!ひど!!」  
「ええと、こういうプライベートを賞罰するのは、職権乱用ですよ。」  
 ハヤテは上司の暴走を阻止した。  
「ふむ…伊澄、気持ちよかった?」  
 伊澄がこくんとうなずく。  
「そう…ハヤテも、ほら…」  
「あ、お嬢さま?」  
 ナギはハヤテの反り返ったペニスを握り、伊澄に教える。  
「伊澄に興奮して、こんなにかたくしちゃってるんだよ… 五回も出した後なのに、  
 まだまだ出したいって、ぜんぜん元気なんだ。」  
「う、お嬢さま…」  
 夫の男根をこすって、ナギがうっとりとした声で続ける。  
「これを、伊澄の中に入れたいって。」  
「ハヤテさま、の、殿方の、もの…」  
「あの、お嬢さま。それくらいで…」  
「あん…」  
 ハヤテは妻を引き剥がして、脇に置いた。  
「お嬢さまもあとでしてあげますから、ちょっと待ってて下さい。」  
「…七回目宣言かな!?」  
「…ほんとにやってるのを見ると、すごいわよね…」  
「はいナギ、ちゃんと伊澄さんのを見てましょうね。」  
 マリアがナギを抱えて、ぽんぽんと叩いてあやす。  
「じゃあ、伊澄さん…」  
「はいっ…」  
 ハヤテは伊澄をベッドに横たえ、足を開かせ、股間をまさぐった。  
「んんんっ……あっ……」  
「ん…」  
「んっ…」  
「ん…伊澄さん、いいですか?」  
 ペニスの先で伊澄の秘唇をさぐり、膣口に位置を合わせ、ハヤテは聞く。  
「っ、はい…」  
 伊澄は上気した顔で答える。  
「伊澄さんの、初めて、貰います…」  
 ハヤテは膣口に圧力をかける。手を添えられたペニスが、ゆっくりと伊澄の処女を  
犯していった。  
「ん…」  
「あうっ、あああ、くぁぁっ、あっんんあっ!!」  
「んん…」  
「あふ、あんんんっ、んんっ、ふううぅんんんん…!!」  
「んん…んっ!!」  
「あ、ふぁああぁぁあぁぁぁああっっ!!」  
 
「は、ふあ、ふ…」  
 ハヤテに破瓜を捧げ、伊澄は涙を流す。  
「伊澄さん…」  
 指先でハヤテが涙に触れた。  
「ハヤテ、さまっ!! はぅっ、あっ、だい、じょうぶ、です、からっ…」  
「伊澄さん、ありがとう。もう少し、頑張って。奥まで、行きますから…」  
「う、あ、ああぁっ、ああっんんっ!!」  
 ハヤテが流血させた場所を越えて、固い男根が奥へ奥へと挿入される。伊澄は  
痛みと苦しみに耐えながら、その愛する侵入者を深く受け入れた。  
「あう、ふ、んんんっ、ああっ…!!」  
「ん、伊澄さんっ、入りました、伊澄さんに、入りましたよ…」  
「んんんっ……!!」  
 伊澄はこくこくとうなずき、腹の上で手を握り締めた。  
「伊澄さん、ほら…」  
「んんぁっ、あっ、んんっ…!!」  
 ハヤテはその握った手をそっと掴む。  
「伊澄さんの中、きついけど、すごく、体液が、とろとろ…」  
「んんんっやっ……!!」  
「ん、気持ちいい…」  
「はーっ、はーっ……」  
「伊澄さん、ほんとに気持ちいいから、ちょっとこのままで、大丈夫ですか?」  
「はっ、ふ、わたしは、へいきっ、です、けど、動いてっ、いいの、ですよっ…?」  
 伊澄はハヤテの手に指を絡ませて言った。  
「最後には、動きます、ちょっと、動くと、短すぎそうだから、時間稼ぎ、です…」  
「は、はいっ…」  
「ん、こうやって…」  
「んんっ…」  
 ハヤテは伊澄の唇に口付け、涙を舐める。  
「いろいろ…」  
「んあっ、ふ、ん、んっ…」  
 唇と手で伊澄をあやす。  
「ハヤテさまっ、あっ…」  
「ん…伊澄さん…」  
 名を呼び合って相手を求め合う。  
「…あっ……」  
「…伊澄さん。動きます。中で、終わりまで動きますから、最後、あと少しだけ、  
 頑張ってください…」  
「はいっ…!!」  
 伊澄の返事を合図に、ハヤテは溜め込んでいた欲望を、ペニスの動きに乗せて  
解き放った。絡みつく膣襞と溢れる愛液を、狭い通路にみちみちと押し込んだ肉棒で  
練りこそぐ。そして、掻き出し、詰め込み、塗り直した。  
「うぁっ、ああっ、あぅ、あぁあっ…」  
「んあ、伊澄さんっ、気持ちいいっ…!!」  
 さすがに傷が付き、押し開かれ、内壁を引きずられる伊澄は、苦痛の声を免れ  
なかったが、ハヤテを信頼して、自分の中で成し遂げようとすることを見守った。  
ハヤテは予想どおり、動くごとに快楽が膨らんでいき、制御不能の時に近付いた。  
「ん、あっ、出そう、いきそう、伊澄さん、気持ちいいの、出そう…!!」  
「う、はっ、ハヤテさまっ…!!」  
「出るよ、伊澄さん、出るから、伊澄さんっ……!!」  
「あうっ、あ、は、ふぁっっ、んぁっ、ぁああ…!!」  
 欲望を満たす男根から発射された精液が、伊澄の愛液と混ざり合い、処女を失った  
蜜壷に性愛のスープを生み出した。  
 
「伊澄さん、とても気持ちよかったですよ…」  
「ふ、あ、ハヤテさま…」  
「ほんと気持ちよさそうだったな、ハヤテ… 伊澄がそんなによかったのか?」  
 ペニスを抜いたハヤテに、ナギが這い寄って尋ねる。  
「えーと、処女としては体の準備が出来てたというか…」  
「ふーん。ハヤテにやるのは勿体なかったかな…」  
「はは、お嬢さま…」  
「まあ、次は私の番だぞ…」  
「あ、お嬢さま!!」  
 ナギはハヤテの股間に屈み込んだ。血と愛液と精液のついた、萎えかけたペニスに  
舌を這わせる。  
「はむ、ぺろ、む、ちゅ…」  
「ナギったら、おあずけされてたから、もう夢中ね。そんなにハヤテ君の、好き?」  
 ナギがいとおしそうにペニスを口で愛撫しているのを見て、ヒナギクが言う。  
「ナギちゃん色っぽい…」  
「しかし伊澄さんで気持ちようなったから、ナギの分は残っとらへんかもな。」  
「ハヤテ君、そのナギのお口と、さっきの伊澄さんの女の子の中、どっちが  
 きもちいいですか?」  
「ええと、どっちも気持ちいいですよ。」  
 ハヤテはマリアの意地悪な質問に、まどろむ伊澄と睨み上げるナギの、両方の  
頭を撫でて答えた。  
「はっははははふはへほ」  
「男はインターバルが要るんですから、気持ちよくてもすぐには立ちません!!」  
「わ、ハヤテ君よく分かるね。」  
「は・へ・ほ」  
「あ、これは分かるよ、多分『立てろ』だね。」  
「ですからお嬢さま…」  
 ピピピ・ピピピ…  
「おっと」  
 咲夜が服から携帯電話を探し出し、アラームを止めた。  
「ナギ、ちょいやめ。もうすぐ、新年や――」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「クラウス、聞きたいか?ワシの眼力が見通す、あ奴らの未来を…」  
「ナギお嬢さまにお伝えせよという命令であれば、お聞きいたします。」  
「ほ。なら止めじゃ。」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「オレは紅も白もどうでもいいから……映ったかどうかなんて分かるかよ!?  
 ……変な気回すな!!家空けても何も起こらねーから、早く帰って来い!!  
 ……だからそういうぶっとんだ家族観をなんとかしろってんだよ母さん!!」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「おらおら私の酒が飲めねーってのか!!」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「あー、来年はそろそろ恋人とかほしーなー。おさいせんふんぱつしちゃおうか?」  
「……そんなのめんどいだけよ。」  
「そんなこと言ってる奴が、けっこう先に作ったりする…睨むな、睨むな。」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「ナギさん、来年も、その先も、きっと幸せに……」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「時空震収束。観測データ比較…」  
「もうすぐ新年なのに、熱心ですねー。何の観測ですか?」  
「んー?ちょっと迷子が家に帰るのを、見送っていただけよー、エイト。」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「すごい人込みだねー。」  
「しっかり肩にのっててくださいよ、坊ちゃん。」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「三千院家女性当主、大晦日の熱愛…」  
「わわ!!お、おかえりなさい。ミケも一緒ですか?」  
「お、おかえり。どこにいってたんだ?」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「19年ほど、迷子に…」  
「いや16歳だろお前。それに日暮れ前にはいたじゃんか。ハヤテは、多分心配  
 いりませんとかいってたが…」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「父さまは、私たちが危なくなれば、助けに来てくれますから。私に危険が起こる  
 予感がなかったのでしょうね。」  
「ふむ。まあもうすぐ新年だ。母さんにお年玉貰いに行こう。」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
 金髪ツインテールの少女が言った。黒髪和服の少女が頷いて、執事服の青年に  
向かって微笑む。  
「では、行きましょうか、兄さま…」  
 
 ごーーーーーーーーん……  
「3・2・1・」  
「「「「「「「あけましておめでとう!!!!!!!」」」」」」」  
 
               〜30 Seconds Later〜  
 
「ことしもよろしく。」ぱく。  
「あう。」  
「ちゅ、む、ふ…」  
「お嬢さまっ!! もう少し余韻とかムードとかいうものをですね!!」  
「はむ、ちょっと、ちゅ、見ない間に、こんな、む、大きく、したのは、だーれ?」  
「あうう〜」  
「ふふふ……えっちなハヤテに……おしおきだ〜」  
 
「それじゃ、お嬢さま、マリアさん、皆さんを部屋まで送ってきます。」  
「はい、ゆっくりでいいですからね。」  
 ハヤテが扉を閉めた。  
「あうう〜ハヤテ〜……」  
「あ、起きました?」  
「う〜マリア〜あれ〜みんなは〜?」  
 枕に倒れていたナギが、けだるげに声を出す。  
「今夜は部屋に戻るそうです。七人寝るとなると、このベッドでも小さいですから。  
 今度大きいベッドを注文しておきますね。」  
 マリアがその横に添い寝しながら言った。  
「あー……って、どんなサイズだよ、それ。」  
「直径5メートルくらいでどうでしょう?」  
「丸いのかよ!!」  
「当然いつもより余計に……」  
「回すのかよ!!」  
「それだけ突っ込めれば、大丈夫ですね。ハヤテ君が戻ってきたら、十回目を…」  
「や!! ほらマリア、もう遅いから寝ようよ!!」  
「えー。ハヤテ君が『お嬢さまのやり残した分を責任とってくれよヘッヘッヘッ』  
 とか襲ってきたら、責任とってもらえますか、奥さま?」  
 慌てるナギに、マリアが意地悪く微笑む。  
「どこのチンピラだよ!!っていうか心配してないって言ってたじゃんかというか、  
 責任も何ももうありゃしないだろ!!」  
「まあ、それはそれとして。ハヤテ君、相当な数出来るんですから、みんなで応えて  
 あげたいですよね。」  
「でもマリア。今日みたいなのはともかく、ハヤテはあれでシャイボーイだから、  
 こっちから迫ってやらないと…」  
「まあ、任せてくださいな。まずナギがみんなと一日四回するとして、その内、  
 毎晩二回をハヤテ君に優先的に割り当て…」  
「毎日四回で計算を立てるな!!」  
「それで、私達の方はですね…」  
 
 チュンチュン…  
「ん、朝…」  
 ハヤテは目を覚ました。昨夜は確か部屋に戻ってきたあと、三人でたわいない話を  
するうちにナギが眠り、マリアに明朝の寝坊を許されて自分も眠りに付いた。そんな  
記憶をたどり、外界の現実と照らし合わせる。ナギとマリアと歩が、ベッドの上に  
確かにいるのが目に映った。ナギとマリアは安らかな寝息を立てて  
「って西沢さん!?」  
「んむ、おはよう、ハヤテ君。」  
 メイド服に身を包み、ハヤテの股間に顔を埋めていた歩が朝の挨拶をした。  
「ななななにやってるんですか西沢さん!!」  
「何って、ん、私、朝の、む、メニュー、だから…」  
 歩は説明しつつ、口唇でのハヤテへのたどたどしい奉仕を続ける。  
「メニューって何ですかメニューって!!」  
「あへ?聞いてないかな?」  
「ん…起きてるんですか?」  
 マリアが目を覚まして起き上がった。  
「あ、マリアさん、いえこれはですね…」  
「あー、あさごはんですか、いいですねー。」  
「…はい?」  
 弁解しようとしたハヤテだが、マリアが奇妙なことを言うので思わず聞き返す。  
「ですからー、ハヤテ君の、今日の朝ごはんは…ふあ。歩さんです。」  
「なんですかそれはー!!」  
「一昨日、決まったでしょう?日曜執事のハヤテ君の待遇は、三食昼寝付きと…」  
「それは無給でいいって意味です!!」  
 ハヤテはあからさまな曲解につっこみを入れたが、マリアたちは聞き入れない。  
「なにを言ってるんですか。賄いや休憩時間の有無は労働条件の一部です。約束した  
 以上、きちんと守りますとも。ねえ、歩さん?」  
「ほーだよ、ひゃんと、のこはふはへてへ。」  
「ああっ、西沢さんそんなとこっ…」  
「とりあえず、朝ごはんは歩さん。昼がヒナギクさんで、おやつと昼寝が咲夜さんと  
伊澄さん――」  
 マリアは眠っているナギの髪を撫でながら、少女達の名前を並べ上げた。  
「それで、夕ごはんが、私ということになりましたので。」  
「ちょ、マリアさん!!」  
 身をよじってマリアに向き直ったハヤテが、顔を乗り出して叫ぶ。マリアは、  
くすりと微笑んで、ハヤテの唇をそっと奪った。  
「頑張ってくださいね。素敵な執事さん…」  
 
〜Fin〜  
 
 

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