花菱美希に泉との行為を見られてしまった。  
そんなことはどうでもいい、  
それよりも美希も落とせる可能性があるという事の方が重要だ。  
 
「(残りのおよそ3滴…使うか…)」  
(+)の薬、掌に残りの全てを出し、体にすりこませる。  
「(では…まずはヒナギクさんに見つからないように生徒会へ…)」  
そう計画し、屋敷を出て行った。  
 
――――――――――――美希編  
 
「ふぅ…」  
ため息をつく、自分の友達のあんな乱れた姿を初めて見た。  
「ハヤ太君の…バカ者…!!」  
一晩眠れなかった、だから気を紛らわすために生徒会室に来た、  
いや、ヒナギクに相談しようとも思ったが言って何になる  
事態を混乱させるだけではないだろうか。  
そんな事が頭のなかでぐるぐる回転しどうしようもない。  
 
ガチャ  
 
生徒会室のドアが開いた。  
「ヒナっ…………!!」  
美希の顔に少し笑顔が戻る、しかしその笑顔は急転する。  
 
「あっ…花菱さん…、えぇっと…おはようございます」  
「あぇ…えっと…あぁ、おはよう…」  
予想外の美希それに対して予想外の『フリ』をするハヤテ。  
「で…ハヤ太君は何しに来たんだ?」  
美希が悪態をつくようにハヤテに質問する、しかしその言葉とは裏腹に顔は少なからず紅潮している。  
ハヤテはその様子を見逃さない。  
 
「ええ、昨日の事なんですが…」  
「私は泉が学校にいられなくなったら困るから口外するつもりはない」  
美希はハヤテと顔を合わせる事も無く違う方向を向いて話している。  
 
「それは…ありがたいです、お嬢様にバレたらどうなるか…  
で…それでなんですが…」  
ハヤテがその無邪気な笑顔のまま話を続ける。  
 
「保健室の前に付いていた染みの件なんですが…」  
「……!……………」  
少しの動揺、ほんの一瞬だが美希はほとんど動じなかった。  
 
だが、そのほんの少し動揺、それで十分あの染みは美希のもの、  
その事実はもう間違いない。  
 
「僕は瀬川さんとの件を黙って頂ける事に本当に感謝してるんですよ…だから」  
ハヤテが美希に近づいていく。  
 
美希の顔のすぐ横にハヤテの顔が置かれる。  
「昨日の保健室の前で花菱さんがしてた事…」  
 
バッ  
 
美希がハヤテから距離をとる。  
「保健室の前でしてた事なんか知らない…それに私は泉より甘くない!!」  
顔を紅潮させ少し額が汗ばんでる、そんな人にそんなセリフを言われても説得力がない。  
 
「(使った(+)の薬は3滴…効き目は良好…多少強引でも構わない…」)  
 
ゆっくりと美希をの距離を詰める、  
その顔にはいやらしさも冷徹さもない。ただ優しさだけが宿っていた。  
薬の効果もプラスされ逃げるという行動に移せない。  
 
 
「…………………」  
優しく抱き締められた。  
その瞬間、体が軽くなり自分で支えられなくなっていく感覚。  
 
キュ  
 
美希が倒れそうになる前にしっかりと抱き締める。  
 
「こんなの…ダメだから、んっ!!?」  
 
全て言い終わる前にハヤテの唇が美希の口を塞ぐ。  
 
「ん、んっ…んっ…っ、ふぁ……」  
いつものマイペースな様子は崩され甘えた表情になる、  
そのように変化することぐらいハヤテにはわかっているが。  
 
「花菱さん可愛いですよ…」  
ハヤテはそう言ってもう一度キスをする。  
 
「クチュ…チュ……チュル……」  
 
舌を美希の口にねじ込む、それに最初は動揺していた美希だが  
すでに体は火照っていた、体は嘘をつけない。  
 
「んっ…んんっ〜!」  
 
美希の体が小刻みに震える、軽くイったようだ。  
 
「花菱さん…キスだけで気持ちよくなっていただけたようですね…」  
「ハ…ハヤ太君…いい加減に……」  
 
その言葉を無視し、ハヤテは美希の胸を服の上から優しく撫でる。  
 
「ん…っ、ふぁっ…!あっ…!」  
 
たったそれだけなのに美希は期待以上の反応を見せてくれる。  
 
「(では…早いですが…そろそろ…)」  
ハヤテの手が美希の秘所へと伸びる。  
 
「きゃんっ…んっ!や、んぁっ!あああっっ…!」  
美希のより甲高く生徒会室に響く、先ほどよりも強い刺激  
腰を仰け反らせハヤテにしがみつく。  
 
震える体を拘束するようにハヤテは美希をより強く抱き締め、  
秘所を弄る手をより敏感な部分へと移動させる。  
 
「はぁ…ひ、んぁ…ひぃ…、あぁぁ…ん!!!」  
何度も押し寄せてくる快感の波に身を震わそうとする、  
しかしハヤテに強く抱き締められてるためそれすらもできない。  
 
「あぁぁあ…んゃぁ!!ふぁ……ひぃ…んん!?」  
口さえも塞がれ体全身でハヤテの愛撫を感じている。  
 
「はぁっ…ん…はっ…んぁ…っ」  
何度も絶頂を迎えたせいか美希の声が弱弱しくなっていく。  
 
「花菱さん、僕のものをいれますよ?」  
そういうとハヤテは下半身の服を少しずらしていく。  
 
思考回路が働かない、ハヤテの言葉の意味をいまいち理解できなかった、  
自分の下着類が下ろされていく。  
 
グチュ  
 
ハヤテのものが一気に美希の中に突き刺さった。  
「んっぁあっ!やっ…んっ!あぁぁ…っ!」  
奥まで挿入したと同時に美希はまたイったようだ、しかし美希はもちろん処女である。  
 
「あんっ…!!あぁぁ…、痛い?…のにぃ、あぁぁあ…!!!」  
美希の目には涙が浮かんでいる、しかしそれ以上に顔は快感で綻んでいる。  
 
「花菱さん…初めてなのに、大丈夫そうで良かったです…」  
「だいじょ…あぁぁ!!…ぶなんかじゃ…なぃ…んあぁぁ!!!」  
否定の言葉を続けようとするが否定できない、もうそんな余裕などない。  
 
「んぁっ…、あぁんっ、…やっ、ああぅっ…!!!!」  
もう意識は半ば薄れただ、いままで味わった事の無い感覚が自分を支配していく。  
 
「(さすがに中はまずいなぁ…)」  
そう思ったハヤテはペースを速め、余った手で美希の豆はぎゅっと摘む。  
 
「だめぇ…!!そこはぁぁ…やぁ…、んぁぁ…ふぁああ〜〜っっ!」  
ここで美希の意識はブラックアウト。  
 
ハヤテも限界になった自分のもの抜き出す、  
そして自分の分身を一気に解き放つ。  
 
 
―――――――……  
 
「…さん、花菱さん…起きてください」  
さっきまで聞いていた声、自分の体がまだ暑い。  
 
ガツン  
 
美希の鉄拳がハヤテに飛ぶ。  
「痛いですよ〜、いきなり殴るなんて〜」  
いつものハヤテの顔、あんな事をされたのだから怒りで一杯かと思ったがそうではない。  
 
「大バカ者…」  
 
ただそう言って美希は微笑む、見ると時計は午前10時をさしていた。  
「(2時間目が始まってるなぁ…)」  
 
 
そう思ったが、生徒会に誰も来なかったのは奇跡だと美希は思った。  
しかし実際生徒会に誰も来てない訳ではなかった。  
 
ハヤテはヒナギクが来る気配を察知しエレベーターの前で待ち伏せ、  
そしてそのまま教室で………………―――――――  
 
と、まぁ一日に、しかも朝っぱらから『それなんてエロゲ?』のような事をしていた。  
なので美希が生徒会室にいたこともヒナギクは知らない、誰も知らない。  
 
「今からでも授業は出ないといけませんよ?」  
朝とはまるで違う発言をする。  
「授業に出る気力は吸い取ったのはハヤ太君だろ?」  
ハヤテはそれに反論する事もできずただ苦笑いしている。  
 
「でも授業でないと怪しまれるんで…生徒会の仕事をしてたって言えば…」  
「私が生徒会の仕事をすると思うか?」  
「思いません」  
 
返答を返したのも美希だが、それに対するハヤテの反応は失礼だ。  
「でも、このまま生徒会室に居てもヒナギクさんも来てしまいますし…」  
朝来なかったので休み時間にでもヒナギクが生徒会室に来る可能性は高い、  
背に腹は変えられないので、言い訳を考えつつ生徒会室を出る二人。  
 
「なぁ、ハヤ太君?」  
「なんですか?」  
「今日の…その、これで終わりじゃないよな?」  
美希が頬を赤らめハヤテに聞く。  
「ええ、もちろん」  
その言葉を聞き、さらに顔が紅潮したが不快感はなくハヤテに対する  
疑いも嫉妬心も無かった。  
「(泉ともしてたが…まぁ、よしとしよう…)」  
泉だけでは無い、しかしそれに気付く余地も無く美希も渦の中に巻き込まれていく……  
 
 
一方、ここは三千院家(‐)と書かれた(+)の薬を持った  
メイドさんがナギの元で座っていた。  
 
「手遅れ…だったみたいですね…」  
力なく呟く、しかしこうも落ち込んでいられない。  
 
「学校から帰って来たら数滴…頭上に罠でも張っておきましょう…」  
そう計画するマリア、ここでこの薬が本物かどうか試しておくべきだったと  
後悔することはできない…  
 
 
 

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