「汝、新作ゲーム発売日も、アニメ新番シーズンも、これを愛すと誓いますか。」  
「む…?」  
「えーと、ナギ?」  
「は!はい!誓う誓う!」  
 
アウターストーリー in ハヤテのごとく!『HAPPY CHRISTMAS』  
 
「えーでは改めて、ナギの結婚と、マリアさんの御誕生日を祝いまして、  
 乾杯の音頭を取らせていただきます。おめでとさん!乾杯!」  
「「「「「乾杯!」」」」」  
 12月24日夜、マリアの部屋。6人の少女達がグラスを掲げた。  
 ナギとハヤテの友人達を招いた結婚式とパーティー、マリアの誕生日祝いを兼ねた  
二次会、混沌の三次会を経て、企画されていたパジャマパーティーが始まった。  
「今日は皆さん急な式に来て頂いてありがとうございました。」  
「いえそんな。善は急げと言いますし、みんな喜んで来てますから。」  
 マリアが頭を下げると、歩が手を振って応じた。  
「まあ、もっと来れない奴が多いかと思ったが、大体揃ったな。…暇なんだな、  
 クリスマスイブなのに。」  
「ああ?招待客にそないな減らず口叩くのはこの口か〜?この口か〜?」  
「いたたた!」  
 ナギの口を咲夜がぐにっと引っ張る。  
「初夜のくせして新郎にほっぽかれてこないなとこおるんは誰や。ん〜?」  
「…挙式離婚?」  
「縁起でもない!! ちょっとハヤテが酔っ払いどもに捕まってるだけだ!!」  
「ごめんなさい、うちのお姉ちゃんがまた迷惑を…」  
 伊澄がボケたり、ヒナギクが謝ったりしながら会話が弾んだ。  
 
「元借金執事は屋敷に引っ越して仕事通うんやったか。」  
「ああ、まだ少し今の所で働きたいというからな。私は配偶者の社会参加に  
 理解があるのだ。」  
「それ普通のサラリーマン家庭でしょ…」  
「ナギったらしつこく駄々をこねていたくせに…」  
「あ、こらマリアばらすな!!」  
「ではナギの執事がハヤテさまになるのはまだ先なの?」  
「いや休みの日はやってくれることになっている。いわば…日曜執事!!」  
「…ハヤテ君過労死するんじゃないかな…」  
「そういうことはハネムーン休暇を取らせてから言えハムスター!!」  
「わ、夫の勤める会社への不満を一社員に向けないでほしいな!!」  
「ナギ、結婚式の準備に走り回ったハヤテ君は仕事が溜まってるの。私も色々  
 調整してみたけど、今年は無理。聞いてるでしょ?」  
「ハヤテさまは課長さんに気に入られて色々仕事を任されていると聞きました。」  
「ある役員のプロジェクトに部署が参加しとって忙しいらしいで。」  
「聞いてるよ!!ハヤテの意思でなければ橘グループごと壊滅させているところだ!!」  
「ナギ、物騒なことを言うものじゃありません。」  
「ワタル君が聞いたら怒るよ…」  
「ふふん、甘いなハムスター。ハヤテは養子とはいえ一応ワタルの義兄だから…  
 今日この日から…私は奴の義姉なのだ!!お前も姉ならこの意味が分かるだろう!?」  
「はっ!! そうか!! 弟は姉に逆らえない…!!」  
「そう!! これからは私を『なぎねえ』と呼ばせ」バシィン!!  
「月刊姉弟愛の読みすぎや。」バシィン!!  
「うわ咲夜ちゃんなんで私まで叩くかな!? 叩くかな!?」  
「2回言うな。一樹君は歩に逆らえるじゃない…」  
「きょうだいが御有りなのはよいものですね。」  
「「え〜」」  
「ふふ…」  
「もう、マリアさんまで…」  
「まあ姉萌え話は昔やってもうたし、今日の肴は別のにしよや。」  
「何かネタがあるのか?」  
「よう聞いてくれたナギ。ときに人妻っちゅうのは萌えやと思わへんか?」  
「人妻か。こうハヤテあたりが『いけません、私にはナギという亭主が  
 
        ……人妻!? …!! な なにをする きさまらー!」  
 
「ヒナさんは人妻さんとお相手したことあります?」  
「さすがに無いわねぇ。お姉ちゃんの友達には結婚した人もいたけどなかなか  
 機会が無くて。マリアさんは?」  
「お誘いもあったんですが三千院家の使用人ですから、そう夫のある方と関係して  
 問題になるわけにもいきませんので。」  
「マリアさんウチら相手はええんかいな。」  
「未婚ですし、ナギに不利益なことにならないでしょうから。」  
「ええ、それは誓って…」  
「でっかい不利益だ!!」  
 ナギはマリアとヒナギクに押さえ込まれ、咲夜と歩にパジャマを脱がされている。  
「一体どういうつもりだこれはー!!」  
「せやから言うたやん、今日のパジャマパーティーの肴は人妻やて。」  
「図ったなシャア!!」  
「偶然ですよ。桂先生にちょっと秘蔵の銘酒を差し上げて、ナギがハヤテさまと  
 初夜を迎える前に、友人で語らい合いたいものですとこぼしてみたところ…」  
「まるっきり決定論だ!!ニュートン力学だ!!」  
「ごめんなさい、うちのお姉ちゃんがまた迷惑を…」  
「笑ってるんじゃないヒナギク!!」  
「ハヤテ君が解放されたらサキさんが連絡してくれることになってるからね。  
 多分…あと1時間くらいかな?」  
「1時間も何をする気だー!!」  
「貴女の情婦達が御奉仕するんですよ、ナギお嬢さま…いえ、お・く・さ・ま♪」  
「マリア…みんな…結婚を認めてくれてたんじゃなかったのかっ…?」  
「ナギ…私達はナギの幸せも、ハヤテ君の幸せも、心から願っていますよ。  
 二人が分かち難く結ばれたことも納得して、この結婚の日まで暖かく  
 見守ってきました。違いますか?」  
「そうだけど!応援してくれてたのに、なぜ…!?」  
「だって…  
      結婚が済まないとナギの2号さんが決められないじゃないですか。」  
「マ リ ア ー !!」  
「婚約中にちょっかい出して婚期が遅れたりしたらかわいそうだからね。」  
「まあさすがにここまで早いとは思わなかったけど。」  
「1号さんはハヤテさまに譲りましたが、離婚したつもりはありませんよ?」  
「せやから言うたやん、これはもうトリオを組むしかないて。」  
「ああぁこの色ボケどもがぁぁあっ!!」  
 
「いやぁ…」  
「いやよいやよと言いながら、乳首ビンビンにしとるやないか奥さん…?」  
「こっちもぐっしょりよ、ナギ…」  
「んぁああん!!」  
 仰向けに寝転がった咲夜が、ナギを体の上に乗せ、天に向いた乳首を弄っている。  
その上にはヒナギクが逆向きに覆いかぶさり、指と舌でナギの股間を愛撫していた。  
「奥さん相変わらずちっこい胸やなー。」  
「うるさいっ…胸と尻ばかり育ってるチビサクよりスマートだ!!」  
「チビがチビ言うな!!」  
「ほら二人とも人の下で喧嘩しない。」  
「そうですよ…ナギも咲夜もヒナギクさんとは違ってまだ成長期なのですから…」  
「……フフ…鷺ノ宮さん?」  
「ほ、ほらヒナさん、手を休めちゃだめですよ。後で沢山揉んであげますから!!」  
「歩も失礼ね…」  
「あああっ、ヒナギクっ、そこ駄目ぇ!!」  
 ヒナギクがナギのクリトリスへ攻撃を再開する。咲夜は指を動かし続けながら、  
ナギの背に自分の膨らみと突起を擦りつけてその存在を伝えた。胸と背中、そして  
敏感な秘所を責められて、ナギの息があがってきた。  
「ほらナギ…、ヒナギクさんに負けずにしてごらんなさい。」  
「ん、はん、あ?」  
「ん、マリアさん…」  
 ナギの前でマリアがヒナギクの花弁を指で開いてみせる。ヒナギクはゆっくりと  
腰を下ろし、ナギの口に近寄っていった。  
「ヒナさん、もちょっと奥…」  
「ん、こう?」  
 歩の指示に従って位置を合わせる。ナギの口が触れる距離に近づいたが、ナギは  
頭を反らして接触に抵抗した。  
「ね、ナギ、して…」  
「ヒナギク…」  
 ヒナギクはナギの秘所への愛撫をソフトなタッチに切り替える。  
「ナギがしてくれたら、私もいっぱいしてあげるんだけど…」  
「んぁ、ひきょうもの…っ」  
「ほら、ここもっとして欲しくない?」  
「うんんっ、んんっ、んん!!」  
「うりゃ、乳首も焦らしたるで…」  
「ふぁ、やぁ、んあっ…」  
 咲夜も呼応して責め方を変えた。  
「ナギにして欲しい…かわいいお口で、私を気持ちよくして…」  
「……」  
 ナギはおそるおそる顎を上げ、舌をヒナギクの襞に這わせた。ためらいつつも  
ヒナギクの花弁を愛撫していく。  
「ん、ナギの、うれしいわ…。じゃ、おかえし…」  
「んんむっっんん!!」  
 ナギとヒナギクは互いに股間に顔を埋めて潤滑音を鳴らし始めた。ヒナギクは  
巧みにナギのツボを突いて責め立てる。ナギは必死に意識を保ちながら、  
ヒナギクの感じる場所を思い出しつつ対抗していく。  
 
「あーウチちょっと蚊帳の外やないやろか…」  
 ナギの胸を揉みながら咲夜がぼやいた。  
「咲夜さん背後からそうやって胸を揉むの好きでしょう?」  
「そうやけどなマリアさん。もちっと反応ないとおもろないやん。  
 あれや自分ら胸ないからってウチをハブにしてうひゃぁぁっ!!」  
 咲夜のクリトリスをヒナギクの指が摘んだ。  
「んはぁんっ、あっあっ、んんっ!!」  
「良かったですね咲夜さん、ヒナギクさんが仲間に入れてくれるようですよ。」  
「んんっ、うわーいっ、うれしいわひゃああん!!」  
「ナギのこのへんとか、してあげてください。」  
「ん、んんあっ」  
 マリアがナギの髪をかき上げて耳裏やうなじをさらけ出す。咲夜はヒナギクに  
秘所を責められて喘ぎながら、ナギの耳にしゃぶり付いた。  
「ふぁっ!!うぷ、あん、ああっ!!」  
「んむん、んんっ…」  
「ひゃん、ふむっ、んっ」  
 責め手が増やされたナギはヒナギクの秘所への愛撫が途切れがちになる。  
ヒナギクはそれを許さないかのように花弁を押し付け、ナギの秘裂を一層刺激した。  
咲夜への攻撃も怠らない。休むまもなく翻弄されている咲夜は追われるように  
ナギへの愛撫に没頭し、それがナギをさらに追い詰める。  
「んん、んぁんんん、んはん!!」  
「むん、む、んっ、はぁぁ…」  
「んーっんーんーっ!!」  
 三人とも高まっていくが、やはりナギが最初に限界に近付いた。顎を大きく  
反らしてヒナギクの股間から口を離し、身を痙攣させて呻き声を上げる。  
「ひぁ、ああっ、あっあっあっ、ああっ」  
 ヒナギクはナギの跳ねる体を押さえ、最後の一撃となる激しい愛撫を加えた。  
咲夜も耳を噛み乳首を捻り上げる。  
「あっあっあっ、ああああっ!!」  
 ナギは一際高い声を上げて絶頂を迎え、力を失った。ヒナギクはゆるやかに  
ナギの秘所を慰めつつ、咲夜を責める指を激しくする。  
「んぁ、ああっ、あかん、ああっ、はぁっ!!」  
「愛沢さんも、いっちゃいなさい…ほらっ!!」  
「んあっぁあああああああっ!!」  
 咲夜はナギの体を抱きしめたまま気をやって脱力した。ヒナギクの指が減速し、  
二人の少女の秘裂を同じようにゆっくり撫でていく。  
「咲夜ぁ…ヒナギクぅ…」  
「…ナギ」  
 咲夜はナギの顔を横に向け、唇に口づけた。舌を伸ばし唇を舐める。ナギが  
おずおずと差し出した舌先に舌を絡め、目を閉じて互いに睦みあった。  
「歩、あなたの番よ…って、何してんのよ。」  
「……ヒナさーん…」  
 歩はぐったりとして抱きかかえられている。  
「手すきの間に遊んでいたのですが、ついつい力が入りすぎてしまって…」  
 伊澄が済まなそうに説明した。  
「小動物のような仕草がついつい嗜虐心を…」  
「歩もホント受けよね…」  
「ああっひどいこと言われてるかな?」  
「どうします?歩さんと伊澄さんの番ですけど…」  
 マリアが尋ねると、伊澄がナギ達の方に目をやって答えた。  
「ナギも一度達したばかりですから、まあ状態が揃っていいのでは。」  
「ナギちゃんを攻めるチャンスだったのに…」  
「まあ五分五分で頑張りなさい。愛沢さん、そろそろナギを借りるわね。」  
 ヒナギクがナギを抱き上げる。  
「んぁ…ナギ、気張りや〜」  
「ふぁ…ヒナギク、私、もう…」  
「大丈夫、鷺ノ宮さんが優しくしてくれるわ…」  
「そんなの信用できるか!!」  
「まあ頑張ってね…ん」  
 ヒナギクはナギの唇を封じ、彼女を少女達の元へ運んだ。  
 
「ん、んん、んあぅ、ああっ…」  
「ひゃん、ああぁんんっ、あっああんっ!!」  
 歩に対して正常位の形でナギが上になっている。互いに相手の胸に手を伸ばし、  
競い合うように愛撫を交わす。  
「歩さんの方が、少し責め込まれてますね…」  
「んぁ!! だ、だって、い、伊澄ちゃんが、激し、すぎるしっ…」  
「私はナギにも平等にしてあげていますよ…」  
 ナギと歩の秘所を伊澄の指がまさぐっている。  
「ハムスター、が、弱過ぎなっ、あんっ、だけだろっ… ほらっ、乳首だって…」  
「んああっ!!」  
「ん、こんなに、感じてるじゃないかっ…」  
「や、ナギちゃん、そんなにしちゃ、だめぇっ…!!」  
 歩の乳首をナギは強くつねりあげ続けた。歩も対抗してナギの乳首を摘むが、  
胸と股間を襲う衝撃に度々中断されてしまう。  
「こちらも摘んであげますね…」  
「ひぃぃぃっっ!!」  
「ひゃうぅぅんっ!!」  
 伊澄が二人の陰核を指で挟んだ。  
「う、伊澄、いすみぃ…」  
 ナギは歩の乳首を一層しごき上げる。  
「んあ、ひやぁ、んぁあああ!!」  
 歩は敏感な二ヶ所を痛いほど愛撫され、体が性感にさらわれかけた。  
「はっ、ああっ、んはっ!!」  
 歩が身を震わせながらナギの体にしがみつく。  
「んんぁっ、ハムスター、いっちゃう、のか?」  
「ふわ、んああ!! あ、ナギちゃん、伊澄ちゃん、私、もう、あああ!! もうっ!!」  
「ではギアを上げて…」  
「あああ!!」  
「ひあひゃあああっう!!」  
 伊澄が指の動きを絶頂に導くためのものに変えた。  
「んん、んっっ!!」  
「む、ふぁっ、んんっ!!」  
 ナギをぎゅっと抱き寄せ、口をその細い肩に押し付け、歩は必死に耐える。  
ナギも抱かれるままに、歩の乳首と乳房を捕らえた指をなんとか動かす。  
「あ、ああ、イク、だめ、あ」  
「んあっ、いけ、いけっ…!!」  
「あ、あああああっ!!」  
 歩が喉を仰け反らせて絶頂の声を上げた。  
「…勝ったッ! 第3部完!」  
 
「でももうちょっとだけ続くの。」  
「んあああんっ!!」  
 伊澄がナギの秘裂に舌を這わす。  
「言葉に余裕があるようだから、第4部はちょっと強めにしても大丈夫ね…」  
「ひ!! わ、よせ伊澄、離せハムスター!!」  
「ん〜〜?」  
 歩は寝ぼけた感じの声で答えると、むくりと起き上がり、ナギを引っ繰り返して  
押し倒した。そのままむちゅうとくちびるを奪う。  
「むぐ!!」  
「……ぷは。」  
 起き上がった歩はナギ達の側を離れる。  
「やられちゃったーくやしいなー今度こそ勝ちましょうーさようならーっ」  
「きゃっ!!」  
 そしてヒナギクに背後から抱きついた。  
「ヒナさーんなぐさめてー。」  
「んあっ、ちょっと歩、わ、私いま取り込み中だからっ…」  
「あああ歩さんどうぞどうぞ!! ウチにかまわずどうぞどうぞ!!」  
 ヒナギクに責められていた咲夜が抜け出す。  
「そうですね。咲夜さんは私に任せて彼女をいたわってあげてください。」  
「ちょっ、愛沢さん、マリアさん!!」  
「伊澄ちゃんいじわるなんですよー。ここをどんどん激しくするし…」  
「や、はあっ!! 歩、いきなり、あああっ!!」  
「淫乱幼妻のナギちゃんに乳首をこうえっちにつままれるし…」  
「ああんっ!!」  
「誰が淫乱幼妻だっ!!」  
「ナギ、余所見はいけないわ…」  
「うひゃああん!!」  
 ナギの体に覆い被さっている伊澄が強く秘裂をこすった。  
「歩さんも冗談で言っているだけ。ナギもわかっているでしょ?」  
「ぁうっ、だってぇ、伊澄ぃっ…」  
「ナギみたいに貞淑な女性を堕とすのが人妻物の醍醐味だってことを…」  
「いすみぃっ!!」  
「…ちょっと興奮してきました。これが”もえしちゅ”というものかしら。」  
「んんあああぁぁんんっ!!」  
 伊澄がナギの蜜壷に指を差し入れた。愛液で溢れた膣を苛めるように掻き回す。  
「先程の火照りが残ってるでしょうから、いかせてあげる…」  
 ナギの胸に舌を這わせ、なだらかな丘陵を登って突端に達した。伊澄は舌と唇で  
やさしく乳首を愛撫する。対照的に秘部に差し込まれた指は容赦ない激しさで  
奥まで蹂躙していった。  
「ん、あん、ああ、あん、んんん、ああ、んんっ!!」  
「むちゅ…んん…ちゅ…んむ…」  
「んぁああ、いく、いい、いすみっ、いっちゃう、あああ、んああ、ああ、あ、  
 あんっあっ、いく、あっ、ああ、ひゃ、あっ、あああああぁぁーっ!!」  
 ナギが登りつめ、絶頂の余韻に浸っている間も、伊澄は口と指を離さないでいた。  
そしてナギが落ち着く前に、二本目の指を膣口に差し入れる。  
「ひゃっ!! あぅっ、あっ、いすみ、や、だめぇ!!」  
「……ん、私もすぐ、いくから、もう少し、ね…」  
 伊澄はナギの上に身を投げ出し、空いていた手を自分の股間に合わせる。  
片手でナギを愛撫しながら、もう片手で濡れきった秘唇を自慰し始めた。  
「あぁっ、んぁ、あぁ、だめ、また、あぅ、へんに、なっちゃ、あああ!!」  
「ん、あ、んん、ナギ、ああ、ナギ、かわいい、あんっ、んんっ…」  
 再び性感を持ち上げられたナギを追うように伊澄も自分を高めていく。  
ナギを責める指と、自分を慰める指の動きが、同期して速くなって行った。  
「…!! ナギ!!」  
 伊澄は頂点の目前で自分のクリトリスを擦り上げ、ナギの陰核を圧迫する。  
「あああああああああぁぁぁっっっっ!!」  
 ナギは伊澄の指を締め付けながらまた絶頂に達した。  
 
「ナギ、えっちで可愛かった…む…ん」  
「ん…ふぁ…伊澄のいじわる……」  
「ふふ…はむ…んん…次はもっといじわるな…マリアさんの番ですよ…」  
 伊澄は唇をついばみながらナギの髪を撫でている。  
「あ、伊澄さんったらひどいですね。私はこんなに優しいお姉さんなのに…」  
「では…お手並み拝見といきましょう。ね、ナギ?」  
「マリア…」  
 ルルル…ルルル…  
「あら」  
 マリアは鳴り出した携帯電話を手に取った。  
「はい、マリアです。…はい、ハヤテ君にはナギの部屋に行ってもらってください。  
 ナギの支度を整えて送り届けますので。今日は色々ありがとうございました。  
 ……いえいえこちらこそ。ワタル君にもよろしくお伝えください。では…はい、  
 おやすみなさい、お気をつけて。」  
「サキさんですか?」  
 電話を切ったマリアに伊澄が問いかける。  
「ええ、状況が収まってハヤテ君が解放されたそうです。」  
「少し早いですね。読み違えたでしょうか。」  
「そうですね。まあ新郎を待たせても何なので、新婦の配達準備をしますか。」  
「…いいのですか?」  
「私は優しいお姉さんですから。」  
「ひゃううんんんっっ!!」  
 マリアの胸に顔を埋めていた咲夜が、陰核をとどめに擦り上げられて達した。  
「では、ナギ、立てますか?こちらに…」  
「…マリア……」  
 マリアは胸元を整えて立ち上がり、ナギをクローゼットの方へ案内する。  
「……飲み物でも配りましょうか。」  
 伊澄はぐったりしている他三名を眺めてつぶやいた。  
 
「あー、かわいいわー。」  
「昼も思たけど、馬子にも衣装やな。」  
 着替えたナギを見て友人達が口々に感想を述べる。  
「ちょっと大げさじゃないか?マリア…」  
 ナギは白いドレスに身を包んで、少し照れている。  
「ウェディングドレスコスで新婚プレイというのも乙なものですよ、ナギ。」  
「いや新婚だし!! 初夜だし!!」  
「えっちをしやすいように工夫された評判の一品を、ナギの体型に合わせて  
 私みずからカスタマイズしたんです。」  
「結婚式まで準備期間短かったのに変な所に手を掛けおって…」  
「はーいマリアさん。かじってもいいですか?」  
「かじるなハムスター!!」  
「美味しいですけど、ハヤテ君が先ですから。また今度にしてくださいね。」  
 そう言ってマリアはナギにベールを付けた。腰を下ろして着付けを確認する。  
「はい、綺麗ですよ、ナギ。」  
「そうか。じゃあ、マリア…」  
「はい?」  
 ナギは不意を打ってマリアの唇に口付けた。数秒の時が過ぎる。  
「…これの礼と、クリスマスと、誕生日のプレゼントだ。」  
「あ…ありがとう…ナギ……」  
 ヒューヒュードンドンパフパフー。  
「ええい!! マリア、そろそろ行くぞ!!」  
「あ、はいっ。」  
 
 チュンチュン…  
「お嬢さま、起きてください。」  
「むー、あと五分…」  
「……はむ。」  
「ふややあぁぁぁっっ!?」  
 ドガッ!!  
「いたた…、お嬢さま、寝相悪すぎるんじゃないかな?」  
「寝返りではない!! ていうかなんでお前がここにいるのだハムスター!!」  
「もちろん朝だから起こしに来たんだよ。」  
「だから何でお前がそんな格好で… ハヤテは?」  
 ナギはベッドの上を見回し、部屋の中を見渡す。メイド服の歩が答えた。  
「ヒナさんと一緒に会社に行ったよ。」  
「なんでヒナギクが一緒に行くのだー!!」  
「そりゃ自宅も職場も出勤時間も一緒だもの、ごく自然でしょ?」  
「自宅が一緒ってなんだそれは!!」  
「だから…ここ。」  
 歩は床を指差す。  
「ちょっとまて。お前達は二人で同棲してたろ。昨日泊まっていったというだけでは  
 ないのか?」  
「部屋を契約して引っ越してきたの。」  
「なんだそれはー!!」  
「私には任務があるから…橘メイド隊お側御用隊副リーダーとして、  
 ハヤテ君のお世話をするという重要な任務が…」  
「おい。」  
「ちなみにリーダー・次期御当主担当はサキさんで、構成員は以上二名…」  
「こら!! ハヤテのただの同僚じゃなかったのか!?」  
「ハヤテ君がメイドを付けるのを遠慮したから、コスプレ好きの社員という  
 設定にして送り込まれていたんだよ。もちろんハヤテ君にも内緒で。」  
「あああ気付けよハヤテ…」  
 ナギは両手をベッドに突いてうなだれた。  
「まあ、ナギちゃん…お嬢さまが心配するようなことは何もないけどね。  
 ハヤテ君は身持ちが堅いし、昨日も言ったように、結婚を応援してたんだから。」  
「だがハムスターが橘のメイドをやってたといっても、なんでハヤテが嫁ぐ先まで  
 付いてくるのだ!!」  
「トレードで移籍したんだよ。これからは三千院メイド隊お側御用隊副リーダー  
 として、ハヤテ君のお世話をするという重要な任務が…」  
「マリアだな!? マリアの企みだな!?」  
 ナギが歩に食ってかかる。  
「お嬢さまはリーダーにハヤテ君の受け入れ態勢を一任したんじゃなかったかな?」  
「ハムスターを飼っていいとは言ってない!!」  
「わ、ひどいんじゃないかな!? せっかくヒナさんと私でナギちゃんにも色々と  
 御奉仕しようとおもって来」  
「どこだマリア――!!」  
 ナギは部屋を飛び出した。  
 
「マリアどこだ――――あ、姫神、マリア知らないか?」  
 カンカンカン  
「あ、おはようございますお嬢さま。いえ、もう奥さまですか。ちっこいのに…」  
「ちっこい言うな!! それよりマリアは――何をしてる?」  
 部屋の扉の脇に釘を打ち付けている執事にナギは尋ねた。  
「看板の取り付けです。徹夜明けで寝ようとしたら頼まれまして。」  
 姫神は立て掛けた看板を指差した。  
「まったくメイドやお嬢さまという人種は執事使いが荒い…お嬢さま?」  
 
 バン!!  
「おや、おはようさん。」  
「おはよう、ナギ。」  
「これは何だ――!!」  
 ナギは部屋に駆け込み、中にいた咲夜と伊澄に抱えていた看板を突きつけた。  
「看板や。橘エンタープライズ・ジャパン企画七課の。」  
「企画七課ってハヤテの部署じゃないか!! なんでうちにこんな物ができるのだ!!」  
「そらウチが課長だからや。」  
 ナギは両手と膝を床に突いてうなだれた。  
「『課長を一度も見たことないんですけど』とかハヤテが言ってたのに、  
 『まあ、橘だから仕方ないな』と気にせず油断していた…」  
「ちゃんと結婚式に来とったろ?」  
「なんで愛沢が橘に噛んでるのだ…」  
「別に家同士の関係ではないのですよ。」  
「橘エンタープライズは今ではワタルの親の資産管理会社みたいなもんでな。  
 ワタルの握っとる事業本社に活動中の主力事業はほとんどいっとるんやが。  
 親やレイばーちゃんの道楽みたいな事業が残っとるんや。元借金執事は養子やし  
 橘を継ぐわけでもあらへんから、能力生かすよな仕事のできる小さな部署を  
 ここに作るのがえかろうっちゅうことになってん。」  
「それに咲夜が首をつっこんだんですよね。」  
「芸能プロダクションにしよかとも思ったんやが、オーディション落ちよったから、  
 悪とか犯人とか神とかと戦う執事の派遣事業にしたんや。おもしろそうやから。」  
「おもちゃの企画をしてたんじゃなかったのか…」  
「表向きはそうや。こういうのは秘密にするもんや。まあ借金執事は真面目やから、  
 婚約者にまで秘密にしとるらしかったな?」  
「で、これはなんだこれは!!」  
 ナギが床に転がった看板をバンバンと叩く。  
「実質、元借金執事の個人事業所やから、当人と秘書とお茶汲みがおれば回るんや。  
 結婚して広い家に引越しおったし、わざわざ通うのもなんやし、新婚の奥さんも  
 昼が寂しゅうなくて喜ぶかと思うてな?」  
「奥さんにも内緒で新婚家庭内に事務所を開くな!!」  
「マリアさんには許可とって契約したで?」  
 咲夜が書類をナギに見せる。  
「……この課長住居用と役員住居用というのはなんだ!!」  
「ウチもこれからは顔出そうと思うんやけど、わざわざ通うのもなんやし、  
 新婚の奥さんも夜が寂しゅうなくて喜ぶかと思うてな?」  
「初めからこれが目的だろ!!」  
「まあまあ。ナギ、ここはハヤテさまと過ごせる時間が増えることを、前向きに  
 捕らえた方がいいと思いますよ。」  
 伊澄がナギの肩に手を乗せて宥めた。  
「しかしな伊澄…」  
「さすがは極東マネージャー、ええこと言うやん。」  
「……極東マネージャー?」  
 ナギが咲夜を振り返り、書類に目を通し、伊澄を見上げる。  
 伊澄はつーっと目を逸らした。  
「…伊澄ぃー!!お前もかー!!」  
「伊澄さんはお得意さんなんや。どうせならっちゅうことで出資してもろてな、  
 役員にもなってもろて、今は共同作戦の途中や。」  
「ごめんね、ナギ。新婚のハヤテさまにたくさん仕事を頼んでしまって… でも…」  
 伊澄は目を伏せてすまなそうに話す。  
「キャンペーンシナリオの途中だから、止めるわけにはいかないの…」  
「打ち切れー!!」  
 
「ハヤテ君の居住と勤務の便宜の図り方については、二人から私に任せてもらって  
 いましたよね?」  
「しかしですねマリアさん。これは僕もお嬢さまも予想してなかったというか、  
 新婚家庭としては不都合なのでは…」  
「そーだそーだ!!」  
 事務所の移転を知って帰ってきたハヤテを交えて交渉が始まった。  
「ハヤテ君。」  
「…はい。」  
「ハヤテ君は今のお仕事も、ナギとの時間も、大事にしたいのでしょう?」  
「それはもちろんですが…」  
「だったら、この体制はきっと役に立ちます。お仕事もしやすくなりますし、  
 私だけでは手が回らない所を補ってもらって、ナギの夫にふさわしいお世話を  
 することが出来れば、二人の時間を充実させることができるはずです。  
 彼女達も自分の生活を変えてまで協力してくれています。そして、  
 これはナギと親しい彼女達でなければ、きっとうまくいきません。」  
「いや、それは確かに利点はわかりますし、マリアさんや皆さんのお気持ちは  
 嬉しいのですが、その、何と言うか…」  
「なるほど、ナギの目が光っていては浮気も出来ないと…」  
「だからしませんってばそんなことー!!」  
「まあこれは冗談ですが。むしろハヤテ君がしっかりした人だということで、  
 このプランにゴーサインを出したんです。彼女達もそれは理解しています。」  
 マリアがハヤテの目を見つめる。  
「…そう、ですか。」  
「ええ、『ハヤテ君は、』しっかりした人だと。」  
「う゛。」  
「…?…お嬢さま?」  
「い、いや、なんでもない。」  
「しかしマリアさん。お嬢さまが不安になるようであれば、やはり止めておいた方が  
 いいのではないでしょうか。どうにもならない感情というのもあるでしょうし…」  
「ナギが不安に、ですか?」  
「ええ、だって『よくお友達を泊めて一緒に寝たりしてらっしゃるのに、』  
 同居するのにこんなに反対しているのは、そういうことかと…」  
「う゛。」  
「…?…お嬢さま?」  
「い、いや、なんでもないぞ。」  
「まあハヤテ君の気遣いも分かりますが、彼女達の純粋な手助けであることと、  
 ハヤテ君が信用できることは、今の話でナギも分かったでしょうから、  
 『結婚直後に女性と浮気みたいなことをする』などという不安があったとしても、  
 心配要らないことなのは明白になったと思いますよ。」  
「う゛う゛。」  
「…?…お嬢さま?」  
「い、いや、なんでもないったら。」  
「マリアさんはああ言ってますが、仕事とかは以前のままでもなんとかなりますし、  
 お嬢さまはやはり気になるでしょう?」  
「わ! 私はハヤテを信用しているぞ!! 反対してたのはだな、その、ちょっと、  
 そう、マリアが勝手に色々決めたことについて、こう、家庭を預かるハヤテに  
 相談もなかったのはどうかと――」  
「お嬢さま混乱してますよ。」  
「混乱などしていない!!」  
「そうですね。ナギも結婚したのですから、私が先走って決めることはなかったかも  
 しれませんね。これからは、ナギとハヤテ君が二人、手を取り合って歩んで行くの  
 ですものね…」  
 マリアが目頭を押さえる。ナギが慌てて駆け寄る。  
「や! マリア! 元々私達が頼んでいたことなのだから、そんなに気にするな!」  
「ありがとう、ナギ…」  
 涙を拭きながらマリアが言う。  
「ハヤテ君、彼女達にナギも分かってくれたと伝えてください…」  
「分かりました、皆さんにこれからよろしくと、言ってきます。それから…  
 マリアさんも、これからも、よろしくお願いします。」  
「ええ、微力ながら…」  
 
「ということですから、みんなと仲良くするんですよ。」  
「騙したなマリアー!!」  
 ハヤテが部屋を出てしばらく経つと、マリアはけろりと泣き止んだ。  
「すでに勝負はついてましたから。」  
「ううー、ひきょうものー…」  
 ナギががくっと床に手を突く。  
「ほんとにあいつらハヤテのこと納得してるのか?」  
「別にあきらめてはいないでしょうねぇ。」  
「おいっ!!」  
「でもハヤテ君がナギを捨てて浮気に走るような人でないことは知ってるはずです。  
 そして彼女達はナギのことも大好きですから、今からナギを泣かせてまで  
 ハヤテ君を奪うつもりもないでしょう。そういう意味で、彼女達はハヤテ君の  
 側にいるという立場を理解していますよ。それでも…ナギとハヤテ君の近くに  
 いることは幸せなんです。」  
「……」  
 立ち上がったナギは、椅子に掛けなおして溜息をついた。  
「そんなわけですから、クリスマスプレゼントだと思って、1号さんだけでなく  
 2号さん以下もかわいがってあげてくださいね。」  
「だからハヤテにばれたらどうするんだ!!」  
「彼女達はハヤテ君のことも大好きですから、今からハヤテ君を泣かせてまで  
 ナギを奪うつもりもないでしょう。だから彼女達もばらす気はないですし、  
 ハヤテ君はこういうとこ鈍いですし、それにほら、ナイショにしちゃえば  
 気づかないよという諺が。」  
「諺じゃない!!」  
「小噺のオチでしたか?」  
「歌だろ歌!!」  
「まあなんとかしたいなら、来年の『できる必殺技三千院奥義書』を読んで、  
 夫にお妾さんを見つけられた時の奥義を習得するべく特訓を…」  
「見つかる前になんとかしてくれ!!」  
「見つかる前になんとかなったら、この奥義が開発できないじゃないですか。」  
「マ リ ア ー !!」  
 
〜Fin〜  
 

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