「お嬢さま、起きてください。」  
「むー、あと五分…」  
「今日はとても大切な日ですよ。」  
「お城に行かずに旅に出るのだー…」  
「無茶をしないでくださいって。何の日か分かってるなら起きてください。」  
「あー、私の誕生日だったか…」  
 少女は伸びをして目を覚ます。  
「おはようございます、お嬢さま。」  
「おー、おはよう、姫神。」  
 
アウターストーリー in ハヤテのごとく!『HAPPY BIRTHDAY』  
 
 12月3日。今日は少女の誕生日だ。  
「各方面からお祝いの品とお手紙が届いております。」  
 新聞を読んでいるナギに執事は報告した。  
「部屋に回してくれ。サクや伊澄は夜来るんだったな。」  
「午後はお嬢さまに予定がございますし、午前中はどこかのヒキコモリと違って  
 皆さん平日の御用事がありますから。」  
「どこかのヒキコモリって誰だコラ!!」  
「あーナギ、姫神君の挑発に乗っちゃだめですよ。」  
 メイド服の女性がやってきて仲裁した。  
「まったく進歩のない…」  
「マリアよ私は日々成長している!!進歩がないのはこいつのバカさ加減だけだ!!」  
「あとお嬢さまの体型ですね。」  
 くいっ  
「うわっ!!」  
 ズシン!!  
「だからその失礼な口を修正しろ。」  
 ナギが紐を引くと天井から大きな重りが落ちてきて姫神を押しつぶした。  
「…なんだろう。執事の地位が低下している気がする…」  
「気のせいですよ。」  
「気のせいだ。」  
「そうですかね…」  
 姫神は重りを粉砕して立ち上がり、マリアに叱られた。  
「だから片付けのことも考えてください!!」  
「な?バカだろ?」  
 ………………  
「ナギ、これを持って行ってくださいね。」  
「なんだこれは?」  
「彼に頼まれていた書類です。」  
「ふーん。」  
 マリアに手渡された封筒をしばし振ってみてから、ナギはバッグにそれを入れた。  
「マリアは来ないのか?」  
「白皇に用事があるので。それに邪魔でしょう?」  
「婚約者がいるくせして、メイドを侍らせるにはあきたらず、婚約者の友人と  
 フラグを立ててる奴なんか気にすることないぞ。」  
「まああの子も色々大変なんですから、大目に見てあげてください。」  
「ふーんだ……」  
「待ち合わせに遅れないように出てくださいね。」  
 
「まったく、女を待たせおって…」  
「ね〜ね〜君、可愛いね〜」  
「え?」  
「平日に公園で一人なんて、」  
「へ?」  
「オレ達とどっか楽しい所に――――」ぐいっ  
「あっ!!」  
「人の獲物に手を出すなぁ!!」  
 ガッ!!  
 ………………  
 うう……なにすんだよ〜  
 ヨっちゃん行コ行コ!!  
「……」  
 ふしゅ〜  
「……誰が獲物だ。」げしっ!!  
「あぅ。」ぐりぐり  
「婚約者を待たせといて反省が見えんな…ハヤテ。」  
 
「すみませんお嬢さま。ちょっと昔の場面がフラッシュバックしたものですから…」  
「いいかげんお嬢さまはやめろって言ってるだろ。」  
「三千院さん?」  
「名前で呼べと言ってるの!!」  
「なかなかしっくりこなくてですねー。」  
 ホットのドリンクをハヤテに奢らせ、公園のベンチに二人は腰掛けた。  
「ナギさんとかナギちゃんは嫌なんですよね?僕としてはこの辺がいいのですが。」  
「他人行儀か子供っぽいじゃないか。呼び捨てでいいんだよ。」  
「親戚でもない三つ下の女の子を呼び捨てにしてると変じゃないですか?」  
「私達は親戚以上だからいいんだ。マリアだって私を呼び捨てだろ。」  
「わかりました。では親愛の情を込めて…ナギナギ。」  
「…ナギナギ?」  
「ええ、ナギナギです。」  
「……お嬢さまでいい。」  
 疲れた表情でナギは肩を落とした。  
「じゃあ、改めて……お嬢さま、お誕生日おめでとうございます。」  
「おお、ありがとう。」  
「お嬢さまも成長なさって…それ、あの時の僕のコートですよね?」  
「ん、あ、ああ、別に選んで着たのではないぞ。ローテーションがたまたまだな…」  
「あのときはブカブカだったコートが、今は……」  
「……」  
「……あまり変わらないですね。」  
「どいつもこいつも!!」  
「あはは、姫神さんとかにからかわれてたりするんでしょうか?」  
「あいつはバカだから女の機敏がわからんのだ!!」  
「それについては僕も自信がないですが…仲良くやっているようでよかったです。」  
「や! 仲良くなんかないぞ!! ハヤテがいない間仕方なく使ってやってるだけだ!!」  
「元々お嬢さまの執事をしていた有能な人が戻ってきてくれているので、  
 僕は安心してるんですけど…」  
「…それでも、私の専属執事はハヤテだ。姫神はハヤテが戻ってきたら、  
 クラウス付きになる。」  
「次期執事長候補でしたっけ。」  
「あのバカに務まるのかな。まあ私と年の近いのにやらせたいという、  
 クラウスの考えもわかるんだが。」  
 
「ああそうそう、マリアから言づてだ。ほら。」  
 ナギがバッグから取り出してハヤテに渡す。  
「封筒?」  
「書類だそうだ。何か頼んでたんだろ?」  
「いや確かに頼んでましたが…気が早いですよマリアさん…」  
「?」  
 首を傾げるナギに首を振って、ハヤテは封筒を鞄に仕舞い、鞄の中を探った。  
「あいや、こっちも思い出したというかこれが今日の本題なのですが。  
 お嬢さまの誕生日にプレゼントを用意したんですよ。」  
「プレゼント?」  
「ボーナスがこの冬から本格的にもらえるようになるので、ボーナス一括払いで。」  
「無茶しやがって…(AA略)」  
「いやいや一億五千万に比べたらおとなしいものです。」  
「よくこんなに早く返せたもんだよな。」  
「いろいろ波瀾万丈ありましたけどね。」  
「借金返し終わって連載終わるかと思ったら、綾崎ハヤテ争奪格闘大会なぞで  
 引き伸ばしおって…」  
「まあそれで今の縁があるわけですから。」  
「で?なんだ?キリンの消しゴムでも宝物にするぞ?」  
「どんなボーナスだと思ってるんですか。ええと、これです。」  
 ハヤテは鞄から取り出したものをナギの手に乗せた。  
「なんだ、小さな箱だな。ホントに消しゴムじゃな…いの…」  
 ナギは言葉を失った。  
「お嬢さま?」  
「…ハヤテ。」  
「はい?」  
 ベンチから立ち上がり、ナギは箱をハヤテに握らせると、くるりと回って言った。  
「ありがとう。お礼がしたいから…なんでもいいぞ。言ってみろ。」  
「なんでも…?」  
『うむ、なんでもいいぞ。言ってみろ』  
 ハヤテの脳裏にあの夜の映像が浮かぶ。  
「じゃ…」  
 立ち上がり、箱を開け、中のものを手に取り、もう片手でナギの手を取った。  
「僕と…結婚してくれないか? 僕は…君が欲しいんだ。」  
「…わかったよ……ハヤテ…」  
 ハヤテの贈り物がナギの指にそっとはめられた。  
「お嬢さま…」  
「ナギって呼んで…」  
「ナギ…」  
「ハヤテ…」  
 
 背を伸ばしたナギの体をハヤテが柔らかく抱き支えている。重ねられた唇が  
互いの温度を求めて絡み合っていた。何度も求め求められ、長くキスが続いた。  
「ハヤテ…ね、もっとしたい…?」  
「おじょ…ナギ、それは…」  
「今、何でもしてあげたい気分…」  
「昼間からそれはどうかと…」  
「私が欲しくないか?ハ・ヤ・テ…」  
ナギがハヤテの胴体に体を擦り付ける。  
「あ、お嬢さまここではまずいですそれ!!」  
「ほら、遠慮することないぞ…」  
「TPOというものがですね…」  
「どうせ夜でも明かり付けるから大して変わらないし、豪華なベッドルームなんぞ  
 見飽きてる。世の中には”あおかん”という流派が」  
「いやだからダメですってば、誰かに見られたらどうするんですか!!そもそも公園で  
 そんなことしちゃいけないんですよ、ほら看板とかに注意書きがあったり――」  
『    隠れると周りからは見つからないタイプの茂み  
 べ、別にえっちなことに使って欲しいんじゃないんだからね!』  
「……」  
「……」  
 ハヤテは看板を指差して固まった。ナギはハヤテを引きずって看板に歩み寄り、  
180度回して表示を隠して、茂みの奥に入り込んだ。  
「ああ!!何するんですかお嬢さま!!」  
「ふふ… 可愛がってあげるぞハヤテ!」  
 
「電子機器は存在しませんでした。」  
「うむ。御苦労。」  
 ハヤテが盗撮盗聴の類が仕掛けられていないことを確認して戻ると、  
ナギはハヤテに貰った指輪を眺めて嬉しそうにしていた。  
「喜んでもらえてよかったです。正直そんなに高い品物じゃないんですけれど…」  
 ハヤテはナギのコートを脱がせて鞄の上に畳む。  
「そんなことは気にするな。贈り物は気持ちだ気持ち。それにこれにはハヤテ、  
 お前という男のヴァリューが乗ってるんだ。もっと自信を持て。」  
「じゃあ値下がりしないように頑張らないといけませんね。」  
 ナギの横に立ったハヤテは、片手を首の後ろから右肩に回し、もう片手で  
あごに触れて自分の方に唇を向けさせる。  
「あ…」  
「ナギ…」  
 ハヤテが頭をかがめて唇を塞いだ。先のキスとは違い主導権を握って、  
愛撫するかのような強い刺激の口付けをする。肩に回していた手が対照的に  
ナギの後ろ頭を優しくゆっくりと撫でた。  
「ん…」  
 顎にあてがっていた手がナギの胸に置かれ、わずかにある膨らみを確かめる。  
ナギは一度手をその上に重ね、すぐに下ろした。ハヤテはもう片手でナギの頭部を  
支えるようにし、その指先で愛撫をする。  
「ぷはっ…んんっ」  
 口付けを終え、ナギの体を後ろから抱き寄せ、片足にナギの腰が位置するように  
引き付けた。両手を使って衣服の胸元を開き、胸に置いていた手をそこから入れて  
膨らみを本格的に揉み回す。  
「あ…や…」  
 ナギの下肢に手が這わされ、ハヤテの足とナギの尻の間に滑り込んだ。  
肉付きの薄い小さな尻も、触れれば女の感触と反応がする。  
「んっ…んんっ…もう、ハヤテのえっち…」  
 ナギは喉を鳴らしながら、ハヤテの股間に手を触れた。ズボンの上からハヤテの  
男性器を撫で付ける。  
「ハヤテのおちんちん、硬くなってるよ…」  
「ナギが可愛いから、エッチなことをしたくなってるんですよ…」  
「ひゃん!!」  
 ナギの耳たぶを一舐めする。足を股下に割り込ませ、股間の秘所に手を触れた。  
「あんっ、やあ、ああん!!」  
 ショーツの上から触れても、ナギの花弁が潤っているのがわかる。  
「ナギだって、もう体がエッチになってますよ。」  
「やん、あっ、恥ずかしいこと言わないでぇっ…!!」  
 ナギはハヤテの手を外そうとするが勿論そんな力はない。ハヤテがナギの乳首と  
花弁を指で弄り回す一方、ナギは必死にハヤテの股間を手揉みし続けた。  
「…ん!!」  
 ナギの愛液が噴き出して下着の染みが大きく広がる。ハヤテは手を引き抜いて、  
ナギに愛液で濡れた指先が見えるようにした。  
「ナギのここは、もうOKみたいですけど、いいですか?」  
「ハヤテのバカぁ…見せるなぁっ…そんなこと聞くなぁっ…」  
 
「下着を脱いで、そこの木に手をついて…」  
「うん……何してる?」  
「いえ、避妊具を。」モゾモゾ  
「…今日は大丈夫な」  
「危険日ですよね、ナギ。」シャッシャッ  
「な!! なぜそれを知っている!!」  
「マリアさんから毎月メールが…」ぺト  
「マリアー!!」  
「ええと結婚前は避妊したほうがいいと思うんですよ。」ピタ  
「私が良いと言ってるんだ!!」  
「妊娠なんてことになったら殺されてしまいますよ、僕が!!」クルクル  
「うー、いくじなしめ…」  
「僕もナギを大事にしたいので、聞き分けてください。」シュッシュッ  
「ふん、結婚したら覚悟しろ。チルドレンを揃えてやる。」  
「体力なしだから心配だなぁ…」クイクイ  
「何か言ったか!?」  
「いえいえ、準備できましたよ。」  
「あ、お、おお、そ、そーか。」  
「ってあんまりまじまじ見ないでください…」  
「あ、ああ、わかった。」  
 ナギが顔を赤くして木の幹に向く。愛液で濡れたショーツを膝上まで下ろし、  
腰を折って片手を木に付いた。残りの手でスカートをめくり、突き出した尻が  
見えるようにする。  
「ハヤテ、これでいい…?」  
「ええ、ナギの可愛い女の子も、ちゃんと見えますよ。」  
「ずるい!! ひとには見るなって言っといて!!」  
「ああ、隠しちゃダメです。」  
「あっ…」  
 スカートを下ろしたナギの手と一緒にもう一度スカートを掴んでめくり、  
ナギの尻にペニスを押し付けた。  
「ほら、ナギの女の子を見てこんなになってるの、分かりますか?」  
「う、うん…」  
「これをナギの中に、入れますよ…いいですか?」  
「いいよ…ハヤテのおちんちんで、私を…ナギを…犯して…」  
 
 ハヤテがペニスをナギの花弁に滑らす。ナギは離された手も木の幹に付けた。  
「ナギ、力抜いてくださいね…」  
「ふぅぅんっ、うん…」  
「いきます…」  
 高さを合わせるため、ハヤテは足を横に開く。ナギの細い腰を掴み、  
ペニスを膣口にあてがった。位置を定め、ゆっくりと先端が沈みこんでいく。  
「ん、んっ」  
 ナギは顎を引き侵入してくる異物の感覚を受け止めている。  
「んん、あ、んんっ」  
 場所ごとに押し広げられる時の感触は様々で、抵抗の強い所を進まれると、  
特に体の芯が揺さぶられたような感じになった。  
「入りましたよ、ナギ…」  
「ん、はあん、ハヤテ…」  
 ハヤテのペニスがナギの深いところまで到達した。  
「ハヤテのおちんちんで、私の女の子、いっぱいだよ…ハヤテは、気持ちいい?」  
「ナギのここ、気持ちいいですよ。苦しくはないですか?」  
「へいき、ハヤテのものになって、しあわせな感じ…」  
「じゃあ、もっと僕のものに、なってください…」  
「んあああっ!!」  
 ハヤテがペニスを動かし始める。小幅な前後運動からだんだんと拡大してゆき、  
ゆっくりとした膣口から子宮口までの往復運動になった。  
「あっ、あっ、あーっ、あっ!!」  
 膣口をくすぐられ、最奥に押し付けられ、ナギの体に快感が呼び起こされる。  
「ハヤテ、ハヤテ!!」  
「ナギ、ごめん、ちょっと乱暴にします…」  
 堰を切ったようにハヤテはストロークを加速した。大きく速くペニスが出入りして  
膣壁に打ち付けられる。挿入方向も散り分けられてあちこちに衝突する。  
「ひはん、ひゃん、ああぁっ、ひぃん!!」  
 ナギは打ち込まれるたびに、頭を打ってくらくらとする時のような気分を感じた。  
木に伸ばしている手から力が抜け、かろうじて触っている状態になる。  
「ナギッ」  
 取り付かれたように腰を動かしていたハヤテは、その中でコントロールの感覚を  
取り戻した。激しいままに一定のリズムとコースを持った動きに変わる。  
「あっ、あぅっ、ハヤテ、あん、ああぁんっ!!」  
 ハヤテのピストン運動がナギに快感と衝撃を同時に与える。ハヤテがパターンを  
変えると、新たな感覚が発生して、ナギはどんどん高まっていく。  
「んっ、いいよっ、ナギッ!!」  
「あんっ、すごいよ、ハヤテ、あはぁっ、あぁっ!!」  
「ナギ、感じてる?」  
「んああ!! ああぅ、ふん、ふん、ふん、んんんっ、はあぁんっ!!」  
 乱れていくナギをハヤテは一層突き犯す。ペニスの奥の方からだんだんと  
射精の欲求が広がっていく。  
「ハヤテ、んぁん、なんかぁ、きちゃうぅ」  
「イク?」  
「やぁ、ハヤテぇ、出してぇっ、せーえき出してっ」  
「うん、ナギ、ナギ、いっしょに、イクよっ」  
 終着点目掛けて、ナギの中をハヤテはあらん限り貪った。登ってきた精液でもって  
膣を犯しているような感覚に陥る。  
「あ、ハヤテ、ハヤテ、ハヤテ!!」  
「!! ナギ!!」  
 発射の導火線が着火された。ナギの奥にペニスを埋めて小刻みに揺さぶる。  
「あ、イク、イクッ!!」  
 ナギが顎を仰け反らして頂点に達した。ハヤテは駆け上ってきた精液を感じて  
二、三度ペニスを子宮口に叩きつける。  
「く、うっ…はぁっ」  
「あ、ハヤテ…」  
 恍惚の中でハヤテの絶頂を感じ、ナギは深く息をついた。  
 
 身繕いをしてもらって済んで、ナギはハヤテの膝の上に座っていた。  
「”あおかん”というのもなかなか刺激的だな。」  
「あまりお勧めしませんが…」  
「結局乗ってきたくせにー。」  
「いやそういうムードというか…」  
「ハヤテのえっちー。」  
「はいはい。どうせエッチですよ。」  
「ハヤテはえっちだから、ヤリたいときは正直に言うんだぞ。」  
「もう少し慎みのある言葉を使ってくださいよ…」  
「だから…浮気とかは絶対ダメだからな!!」  
「うん…わかってますよ。」  
「ほんとーかー?」  
「ああっ!? (天然だった)お嬢さまが疑いの目を!?」  
「ハムスターにメイド服着せて飼ってるそうじゃないか?」  
「西沢さんはただの同僚ですって!!サキさんの手伝いをしたりしてるだけです!!」  
「女秘書とオフィスラブをしてるという噂が…」  
「ヒナギクさんは僕より西沢さんと出来てるというもっぱらの噂です!!」  
「サクや伊澄を連れ回し…」  
「ろくでもない事件に付き合ってるだけです!!」  
「ワタルと怪しい関係に…」  
「何も怪しくありません!!」  
「ほんとーかー?」  
「ホントですって、みんなお嬢さまの友達じゃないですかそんなことしませんよ!!  
 それに今日出てこれたのも、ヒナギクさんや西沢さんが気を利かせてくれた  
 お陰ですし、この指輪も咲夜さんや伊澄さんが店を紹介してくれたんですよ。  
 お友達を信じましょうよ!!」  
「ハヤテはニブチンだな…」  
「お嬢さま?」  
「ちなみに私と結婚すると、もれなくマリアが付いてくるが…  
 マリアに手を出したら…」  
「出しません!! マリアさんだって応援してくれてるんです。  
 ほらこの書類見てください!!」  
「んー、婚姻届?」  
「お嬢さまと結婚する時はマリアさんに証人をお願いしますって頼んでたんですよ!!  
 ほら記入してあるでしょう?おまけに色々書類を調えてくれたんですね。  
 あと僕らが署名捺印すれば完成です。ちょっとマリアさんも気が早いですが、  
 このようにお嬢さまの幸せを願っているんですよ。」  
「離婚届も準備してそうな手際よさだな…」  
「お嬢さま?」  
「しかし婚姻は両性の合意のみに基づいて成り立つのだから…  
 書類があるなら善は急げだ。役所が閉まる前に出すぞ。」  
「え゛。お嬢さま?」  
 
「橘ハヤテさん、三千院ナギさん。」  
「「はい。」」  
「こちらの証人さん未成年ではないですか?」  
「「え゛。」」  
「この生年月日だと12月24日が20歳の誕生日なので、まだ19歳ということであれば、  
 今は証人として認められませんが…」  
「「……」」  
 
〜Fin〜  
 

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