とある日、ハヤテはいつものように屋敷の各部屋を掃除していました
「ん、これは何だろ?」
とある部屋の家具の隙間に何か挟まっているのに気づきます、ハヤテはそれを取りました
それは一冊のノートでした、黒くないので死神の落し物ではなさそうです
お嬢様の自称漫画かと思い、とりあえず中身を確認する事にしました
「これは!?」
これはその漫画の物語です
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『魔法少女マジカルハヤテ 第一話』
それはとあるお金持ちの屋敷のお庭、今ここに一人の幸の薄そうな少年がいます
「あ〜今日もいい天気だねタ…いやパトラッシュ!」
「ハハハ、そうだねハヤテくん」
人語を喋る小さな白い虎が掃除を勤しむ少年…ハヤテくんの傍でゴロ寝しながら返事します
ハヤテはとある事情でこの屋敷の主人に拾われ執事として頑張っているのでした
「キャァァーーーーーーーーー!!」
その時でした可愛らしい悲鳴が聞こえてきたのは
「はっ、この声は僕の命の恩人&ご主人たるナギお嬢様の悲鳴だ!」
「ハハハ、随分と説明調だね」
かけつけると一人の少女がいかにも893ぽい黒服に取り囲まれています
「何をする離せ!離さんか!!」
「そういうわけにはいかないな譲ちゃん、一緒に来てもらおうか」
893は自分達の車に屋敷の主人たる女の子…ナギを押し込もうとしてます
「わわわ〜っ、どうしようお嬢様が誘拐犯に誘拐されてしまう助けないと!」
「よし変身だハヤテくん!」
オロオロするハヤテにタマ…じゃなくてパトラッシュが彼に指差します
「えっ…アレですか…、普通に助けたほうが簡単じゃ…」
「はははは、馬鹿だな〜ハヤテくんは、それだとタイトルの意味が無いじゃないか」
「で、でも…」
「早くしないと…食うぞゴルァ!!」
「は、はいぃぃぃ〜〜〜っ!」
少年は胸元から石のついたペンダントを取り出して呪文を唱えます
「コチトラトキメモファンドノシャッキンデクビモマワラネェンダ〜」
そのある企業を敵にまわしそうな呪文を唱えると、ハヤテは光に包まれていきます
すると姿がみるみる変化し…猫耳つけた可憐な少女の姿へと変身したのでした
「魔法少女マジカルハヤテ登場!そこの893連中、お嬢様を放せ!」
「な、何だお前は!…うっ(キュン!)」
突然に奇妙な姿の少女?の登場に驚く893達…中にはときめいてる奴もいます
「ハ…え〜っとマジカルハヤテ助けにきてくれたか!」
「くらえ…マジカル〜〜〜〜〜アッパァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「っぎゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ハヤテはそのままアッパー、一撃で893連中を空の彼方へ殴り飛ばします
「助かったぞマジカルハヤテ」
礼を言うお嬢様に手を振って、少女姿のハヤテは人気のいない所まで走っていきます
「お嬢様が助かって良かったねハヤテくん」
タマ…じゃくてパトラッシュが変身を解いたハヤテに声をかけます
「そうだけど…やっぱり恥ずかしいよ…あの格好は…マジカルって言ったけど、魔法使ってないし」
「そこは愛嬌だハヤテくん」
『そうですよハヤテくん』
すると頭上から、メイド姿の天使が舞い降りてきたのでした
「マリア様!」
「マリアさん」
その女性の名はマリア、ハヤテにあの格好をさせる魔法を授けた女神様なのです
『ハヤテくん…あなたに魔法の力を与えたのは、あのいずれ莫大な富を受け継ぐ少女…ナギを悪しきもの達から守るためなのですよ』
「いや…それはわかっているのですけど…僕にとってもお嬢様は大切な方ですし…ただ」
『ただ?』
「なんで魔法少女でないといけないのか疑問で…僕、男ですよ?動きにくい格好であきらかにパワーダウンしてるのですけれども」
『それは…それにはわけがあります』
マリアはハヤテの疑問に表情を険しくします…何か深い事情があるのかとハヤテも次の女神の発言に心臓をドキドキさせますが
「わけ?」
『だって…ハヤテくんたら似合うんですもの〜』
頬を赤く染めてマリアは笑顔でそう言いました
「はいぃぃ〜〜!!?」
『魔法少年というのは少々ロゴが悪いですし、いいじゃないですか可愛いですよ』
「いや可愛いといわれましても嬉しくないし…魔法も変身能力以外に使えないし」
『では頑張って下さいね〜〜〜』
そう言い残して逃げるように天へ帰っていくマリアでした
「ああぁぁ〜〜そんなマリアさーーーん!!!」
涙目でそんなマリアを呼び止めようとするハヤテでしたが、彼女の姿はそのまま無常にも光となって消えました
その頃…とある場所にて
「やはり893連中じゃ頼りにならへんかったか…」
「サク様…では」
「よっしゃ、ウチが直接出るで!」
一人の少女が今まさに出陣しようとしていたのでした…
そして次の日
「はぁ〜今日も良いお天気ですね〜」
「ははは、昨日と同じ台詞だねハヤテくん」
今日も庭の掃除を勤しむハヤテでした…そこに
「キャアアァァ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「そして昨日と同じくお嬢様の悲鳴だ…」
「ははは、ワンパターン展開だねハヤテくん」
そして同じように、悲鳴のある方へ駆けて行くのでした
そして、その悲鳴が轟いた場所では、二人の黒服によってナギが捕らえられていたのです
両腕を強力な男の力で押さえつけられ、非力な少女は逃れなれないのです
「くっ…お前ら何者だ!私を早く離さないと私のハ…マジカルハヤテが許さないぞ!」
「ふふふ…残念やけど奴が来てもどうにもならへんで、ウチがここに居る以上はな!」
そこに一人の少女が現れます、そしてそれを見たナギは驚くのでした
「その喋り…まさかお前は!」
「そや、お前の愛する相方で親戚の少女愛沢咲夜…またの名を魔法少女マジカルサクや!!」
「!?」
ナギは驚愕の瞳を見開かせ、その見慣れてる姿でない…いかにも魔法使いぽいフリフリドレス姿の知人を見ます
「どや、驚いたか…ナギ」
「サクお前………、その格好とネーミング、恥ずかしくないのか?」
その冷静な意見に、こけてしまうマジカルサクであった
「うるさいわ!この世界観自体を否定するような、そんな冷める事を言わんといてや!」
「そう言ってもな…で、どうする気なんだ私を」
その言葉にニヤッと笑みを浮かべるマジカルサク
「決まってるやないか、相続権を頂く行為をするんや」
「言っとくが、何をされても泣いて謝るなんて真似はせんぞ」
その一言にサクはキョトンとする
「何を言っとるんや、それは原作の設定やないか」
「何!じゃぁ…こっちでは何になってるんだ?」
「それはやな…ナギ、あんたの処女を奪った相手が相続権を引き継ぐ事になってるんや!」
「なっ…なにぃぃぃぃ!!!!?なんだその超設定は!?」
驚愕の言葉に驚きを隠せないナギは、顔を真っ赤にさせ怒声をあげる
「いや〜この話の内容上であんまりエロ絡めないからな、でもここエロパロやし…せめて少しでもエロ出そうという配慮らしいで」
「いらんわ、そんな配慮!」
「そういうわけで…」
怪しい目つきとなったサクは、体の動きを封じられたナギのそばに近づく…そしておもむろにスカートの中に手を入れるのでした
「ひゃ…な、何を!」
そのままサクは股間を下着越しに触っていきます
「ほれほれ〜〜どないやナギ」
「やめっ…きゃっ…」
敏感な場所を触られ、感じてしまうナギ…恥ずかしい思いで耳まで真っ赤にさせていく
「あぁぁ…」
「では…そろそろ…」
そのまま下着をおろして次のステップへ進めようとするサク…だったが
「そこまでですよ悪人ども、お嬢様を離してください」
そのHな行為は後方からの声で止められたのでした
そこには猫耳姿の魔法少女姿のマジカルハヤテが立っていました
「ちっ…もうエロパートお終いかいな、やれ国崎!巻田!!」
ナギを捕らえていた二人の男がサクの命で日本刀を持ち、声の主…マジカルハヤテに斬りつけます
「わっ…わっ…危ない!?」
しかし紙一重でそれを次々かわしていく、そして
「いきますよ、マジカル…ナックル!!」
「うわぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
「なんやと!」
そのパンチ一発で二人の刺客を天に輝く星にさせるのでした
「さぁ、ここまでです観念して下さい!」
サクに向かって降伏を勧めるハヤテ、だがサクは笑い返す
「はははは、それはどうやろか…なかなか良い突っ込みやけどな…」
するとサクは呪文を唱えますすると…
「出でよマジカルハリセン!!うちの魔法突っ込みに勝てるかな?おりゃぁ!」
「なっ!」
ゴォォォォォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
そのハリセンの一振りで轟音と共に大気の塊が襲い掛かってきます、ハヤテは寸前でそれをかわしますが
ドカァァァァ〜〜〜〜〜〜〜ン!!
その衝撃をくらった大きな木が、跡形もなく粉砕されるのでした
「こんなの食らったら、一発で終わりだよ…パトラッシュ、僕にもあんな魔法武器は使えないの」
「ははは、あるよ…それはね愛と勇気さ!」
「…それは無いって事だねパトラッシュ…うわぁ!!」
続けて何発も衝撃破がハヤテに襲い掛かってきます、何とか避けていきますが
「いつまで持つやろかな…まだまだいくでぇ〜!!」
ハヤテの猫耳衣装が次々と破れ素肌が見えていく…
「ほれほれ、大切な場所が丸見えになってまうで〜!」
「くっ…うわぁ!!?」
避けた拍子に足がもつれて、ハヤテはこけてしまいます
その隙をサクが見逃すわけがありませんでした
「チャ〜〜〜ンス…とどめや!!」
さっきまでより遥かに強く力を溜めサクは一撃をくりだそうとします
「やられる!?」
身構えるハヤテ…しかし…
「うきゃ!!?」
サクの額に突然投げられたカードが刺さります
「カードが!カードが〜〜!!!」
額から流血し、転がりまくるサク…唖然とするハヤテの前に謎の人影が現れます
「大丈夫か…マジカルハヤテ!」
「は…はい…あ、あなたは!?」
それは仮面を付けた少女でした
「ふっ…私に名乗る名は…」
「何をしてるのです、お嬢様?」
するとビクっと動揺する仮面の少女…
「ば、馬鹿者!私はお嬢様という者では…名はナ…じゃなくて「マスク・ザ・マネー」だ!」
「いや、どう見てもその服装と髪型は先まで捕らえられてたお嬢様に…」
「ははは、マスク一丁で正体がばれないのはお約束だよ、ハヤテくん」
「そう、その通りだ!決してあの二人組が腕を解放したから簡単に逃げられたナギ様でなないぞ私は!」
「はぁ…」
何か釈然としないハヤテであった…
「さて、マジカルハヤテよ…この珍獣も先程言っていただろう、愛と勇気こそがお前の武器だと!」
「はぁ…でもそれが何か?」
「まだわからんか、お前の…お嬢さまへの愛が本気なら、このピンチを切り抜けられるはずだ!」
「えっ……でも具体的にどうやって?」
「知らん!だが成せばなる!!こういうピンチの時こそ眠ってる力が目覚めるのがお約束なのだぞ」
「それは行き当たりばったりでは…」
「許さへんでぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
そこにようやく復活したサクが怒りの表情で立ち上がる、まだ額から血が飛び出てるけど
「くっ…(僕のお嬢様への愛か…確かに彼女は怒りぽいし我侭だけど、でも優しい…
寒空の下で孤独に死のうとしてた僕を拾ってくれた恩もある…その恩を少しでも彼女に返す!)」
ゴゴゴゴ…
「なんやって!?」
サクは驚いた…ハヤテの身に強大な魔法の力が湧きあがってきてる事に
「(その為にこんな恥ずかしい格好にまでなったのだ)僕に力を!魔法よ僕にお嬢様を守る力を!!」
そしてその力が凝縮され形となっていく
「こ、これは!!?」
一同はその様子に驚いた…そして形となったのは…
チャリーーーン…
「…ママチャリ!?」
それは一台の自転車だった…唖然とする一同である
「はははは、笑わせてくれるで!マジカルハヤテ!!…でも笑わされたて事は芸人としては敗北なんか…まぁええ!」
「くっ…」
「ハヤテくん、自分の力を信じるんだ!…ボクは信じないけどね」
パトラッシュの最後の台詞が気になったものの、自分の力を信じる事にするハヤテ
その自転車に乗りこむが
「くらえゃ!」
だがいち早くサクの強力な一撃がハヤテを襲った!
ドカァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
強大な爆発があたりを包みこみ、その煙が辺りをつつむ…
「は…ハヤテ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「ハハハハ、木っ端微塵やな」
「ハ…ハヤテ…嘘っ…」
ガックリとしゃがみこむマスク・ザ・マネー…いや衝撃でマスクが外れてナギの姿と戻った少女であった
「ハヤテーーーーーーーーー!!!」
そして叫ぶ…愛する者の名を…
「呼びましたかお嬢様?」
「えっ!?」
「なんやって!!?」
その煙を突き破って一台の疾走する自転車が現れた!乗ってるのはもちろんマジカルハヤテ!!
「ば…そんなアホなぁ!!」
「マジカル…轢き逃げアターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーック!!!」
その疾走したままでマジカルサクに体当たりをかまそうとする
「なんの!」
意表をつかれたものの、それをなんとか避けるサクだった
ビリッ…
何かが破れる音をさせてだが…
「やるやないかお前…なんや敵にするのおしいで相方にほしいくらいや…な…?」
一同が顔を真っ赤にさせ自分に注目してるのを感じたサク、しかも下部の方にだ…おかしく思い下を見ると
「なっ…なにゃって〜〜〜!!!!!???」
先程に避けた時にスカートを引っかけたのか…ビリビリに無残に破れて下着丸出しになっていたのであった
「ななななな…っ!?」
可愛らしい純白のパンツが丸見えになっている…恥じらいで顔を真っ赤にさせていくサク
「今日の所は…見逃したるからな〜〜〜〜!!!」
そしてそのまま走って去っていくのであった…もちろん涙目で
「勝ったのか…僕…」
「ありがとうマジカルハヤテ、助かったよ」
「いえいえ…君を守るのが僕の役目ですから」
見つめあう二人…そしてナギは顔を真っ赤にさせる
「ななな…」
「お嬢様?」
ボロボロボロ…
そしてハヤテは自分の身のある事に気がついた、それはただでさえボロボロになってた衣服が
爆発の衝撃で吹き飛んでしまい、そして今かろうじて残こった部分も落ちた…つまりほぼ全裸なのでした
「うひゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ご…ごめんなさい〜〜〜!!」
「いやその別に私は心の準備ができてないだけでって、おーーーい!?」
泣きながら逃げるように走って去っていったハヤテでした…
「…ウブな奴め…これからも頼むぞ魔法少女マジカルハヤテ…」
その去っていった方を向いて、ナギは期待の目で彼?を見つめるのでした…そう全てはこれからなのでした
【次回につづく】
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「…」
ハヤテは読み終えたその漫画が描かれたノートを再びあった場所に戻します
「見なかった事にしよう…」
そして再び清掃に戻りました
しかし気になってしかたない事もありました…あれは誰が描いたのか…
「お嬢様…いや前見たのと全然作風違うし、クラウスさんは…想像したくない、じゃマリアさん…まさかね」
願うなら、次回作は発見したくないなと心に思うハヤテでした
【つづく…のか?】