「ひ・・・ぃあぁあっ! ふぁ、んぁああっ! すご、ひゃあっ! はや、ハヤテくんっ!
こんな、のって! わたし、んぁああっ! や、ひぁあああ、すご、すごいですっ! いひっ、ひぁああ!」
「マリアさん、こそ・・・さっきと、全然、ちがって・・・! 絡み付いて、吸い取られそうですよっ!」
「だって、ハヤテくんの、きもち、い、いひぃっ! いいですっ! こんな、されたらぁ!
わたしっ! んく、ふぁああ! ハヤテくんっ! もっと、もっとしてくださいっ! ハヤテくんぅ!」
改めて動き出したハヤテの腰使いはそれまでよりも遥かに強く大きく、
それを感じるままに受け入れるマリアは快感に酔い痴れてガクガクと身体を揺らす。
もっと強く感じたい、もっと激しく突かれたい―――
マリアの欲求は身体の動きとなって現れ、
ハヤテに肉槍を突き入れられる度にその動きに合わせて自ら腰を跳ね上げて、
互いの交わりをより一層激しいものにする。
ばちゅんっ! ずちゅっ! ぐちゅぶっ!
抽送の度に膣内で蜜が掻き混ぜられ、泡立ちながら漏れ出す音と、
二人の腰と腰が衝突する音が混ざり合って、鈍く湿った音がハヤテの部屋に響き渡る。
その音にマリアのあられもない喘ぎ声と、ハヤテの荒い息遣いが重なり、
生々しい卑猥な音に包まれながら、二人の行為は際限無く激しさを増し、やがて―――
「ひんっ! あくぅう! はや・・・っ! ハヤテくんっ! わたし、もう、んぁ、うぁああっ!」
「はぁ、はぁっ! マリア、さんっ! もう、イきそう、なんですね、きゅうきゅう、中が締まって、
絡んで・・・っ! 僕も、もう、すぐ・・・!」
がくがくと震えながら絶頂へ上り詰めようとするマリアを導く為に、
ハヤテは身体をぐっと前傾させて、全力で強く、深く、マリアの中を抉り、掻き回す。
「んぁあああっ! はげしっ! はげしすぎますっ! こんな、すごっ、すごすぎてっ!
ハヤテくんっ! もう、わたし、わたしぃ!」
随喜の涙をぽろぽろと流しながらマリアは上擦った声で喘ぎ、
絶頂間近の不安定な心と身体を懸命にこの場にとどめようとするかのように、
前傾して近づいたハヤテの身体にすがりつく。
「うぁ・・・っ! マリアさん、こんな、マリアさんも、すごく・・・っ、もう、そんなされたら・・・っ!」
マリアが体勢を変えたせいか、ハヤテのモノを受け入れる彼女の中の感触が急に変わり、
ハヤテの中で滾り、燻りつづけていた欲望の塊がぞくん、と震え、危うく溢れかける。
ヒナギクともナギとも違う、絡みつくようなマリアの中の感触は余りにも気持ちよくて、
しかもその感触がいきなり変化を見せるものだから、
ハヤテは射精のタイミングを自分の意志で、腰使いの強弱だけで決められないことを悟る。
だが、彼はあくまで責め手である以上、マリアより先に達することは許されない。
故にハヤテは覚悟を決めて、下っ腹を全力で締めると―――
「マリアさんっ! これで―――全力ですっ!」
「ひ、あぁあああぁぁっ! やぁあっ! こんなぁ、はげしっ! んぁあああぁあ! や、ひぁあぅ!
もう、もうだめぇ! イっちゃう、イっちゃいますっ! こんなされたらぁ、もう、もうっ!」
ずちゅぐちゅぎちゅじゅぶぐちゅずぶじゅぶずちゅぐちゅっ――――――!
ギリギリと力を込めた腰を叩き付けるようにして、マリアの中を滅茶苦茶に突き回し、掻き抉る。
激しくすればするほど、自分のモノも擦れて限界が近づくのはわかっているが、
どの道、長くもたないことが自明なら、ギリギリまで全力で責め立てて、
先にマリアをイかせてしまうしかない・・・
それが、ハヤテの選んだ手段だった。
「マリアさんっ! マリアさんっ! マリアさぁんっ!」
既に限界までこみ上げて、いつ決壊するかもわからないくらいの強烈な射精感を気力で押しとどめ、
ハヤテはマリアを責め続ける。
「んぁあぁぁあっ! もうだめっ! もうイく、イっちゃうっ! イっちゃいますっ! ハヤテくんっ!
もう、もうわたしっ! もう! イく、イっちゃうっ! もう、もう! だめ、や、も、ぅあ――――――」
意識が、切れかけの電球のようにチカチカと明滅し、ふ、と真っ白く染まったその瞬間。
ハヤテに突かれる度に身体の一番奥のところで昂ぶり続けた悦楽の塊が弾け、
快楽の津波が下半身から背筋を遡り、脳髄を呑み込んで―――
「ハヤテ、く・・・も、イっ、ちゃ――――――んぁああぁぁぁあぁぁああ!」
びくんっと背骨から喉まで仰け反らせて、泣き叫ぶような鋭く高い声を上げて、
マリアは絶頂を迎える。
そしてマリアの中に埋め込まれた決壊寸前の肉茎は、
絶頂の反動できゅううううっ! っと締め付けながら、
独自の意思を持っているかのように絡みつく膣肉の感触に抗うことなど出来ようハズもなく―――
「僕も・・・もう・・・っ、出ます・・・出るっ! マリアさんっ、中に―――――っくぅううっ!」
「ふぁ、あぁあっ!? ひぁ、やぁああっ! でてる、でてるぅうっ! ハヤテくんのが、なか、にぃいっ!?」
びゅくびゅるびゅるびゅくぶびゅっ!
ハヤテの肉茎から噴出した精液がマリアの中に流れ込み、
肉茎と媚肉の隙間を無理矢理抉じ開けながらマリアの愛液と混じり合い、濁流となって迸る。
ハヤテはこれまで自慰でも、そして今晩の行為でも体験したことの無い激しい射精に、
目の眩むような快感と開放感を覚え――――――その感覚に酔い痴れる。
そしてマリアは、絶頂のさなかの敏感すぎる膣に注ぎ込まれた、熱く滾った粘液の感触によって、
絶頂から降りることを許されず―――
「ぁあぁあっ! まだ、出てるっ! ハヤテ、くんのがぁっ! なか、にぃい! 出て、あつ・・・ぅ・・・
こんな、いっぱ、ぅあぁっ! なかで、ふるえてぇ! や、まだ出て、こんな・・・ぁ、あふれ、ちゃうぅ・・・」
やがてハヤテが精を吐き尽くし、マリアを絶頂の高みに繋ぎとめていた濁液の奔流が治まると、
マリアは緊張の糸が切れてしまったかのように脱力し、
ハヤテの背中に回した腕は解け、どさりとベッドへ沈み込む。
「は・・・ぁ・・・、ハヤ・・・テ・・・くん・・・」
絶頂の余韻に浸っているのか、身体はふるふると震え、
蕩けきった表情は官能の喜悦に満ちている。
ハヤテ自身も激しすぎた射精の反動で疲労を感じているし、
このまま彼女の横に倒れ込んで、そのまま朝まで眠ってしまいたい衝動もある。
だが、それ以上に・・・
「ね、マリアさん・・・」
「は、い・・・ハヤテ、くん・・・?」
「次は、どうされたいですか?」
「つ・・・ぎ・・・?」
ぞくり、とマリアの中の何かが蠢く。
次・・・それはつまり、この行為の、続き。
これだけ激しくされて、今までに感じたことも無いような絶頂を迎えさせられて、
余韻に浸りながら、“自分は満足した”、“ハヤテくんに満足させてもらえた”とぼんやりと思っていた。
それなのに、次、と聞いた、それだけで・・・身体は、ぞくりと震えた。
怯えでも恐怖でもない・・・満足したハズの官能の期待に、身体は真っ先に反応したのだ。
「はい、次・・・です」
「そ、それは・・・ぅあぁあっ!?」
じゅぶっ、と。
精を吐き尽くして、そのままマリアの中に埋め込んだままだった肉槍を、
ハヤテは引き抜いてみせる。
「あ・・・ぁ・・・ぁ」
栓を失ったマリアの膣から、ごぽぽ・・・、と、白濁したハヤテの精液が溢れ出す。
生温かい粘液がとろとろと太腿や会陰に垂れて流れ落ちる感触が、
一度は落ち着いたはずだったマリアの淫らな欲望を、じりじりと炙り出し―――
「んー、質問が曖昧ですかね・・・じゃあ、今度はどんな格好で、犯されたいですか?」
「あ・・・は・・・はい・・・その・・・」
弱々しく返事をして、マリアはもぞもぞと動き出す。
そんな彼女を見ているハヤテの肉茎は、既に天を衝かんばかりに反り返っている。
正確には、マリアの中から引き抜いた時点で既に硬くなっていた。
今晩だけでもう何度射精したかわからないし、マリアの中に放ったときはその開放感と喪失感に近い感覚に、
気絶しそうな錯覚すら覚えるほどだった。
それだけ、自分でも消耗しているとわかっていながらも・・・マリアの中の、あの絡みつくような感触・・・
それを思うだけで身体はぞくりと震え、肉茎は硬くそそり立ち、
もっとあの感触を味わいたい、もっとマリアの中に自分を突き入れて、絡みつく膣を犯し尽くしたい、
としか考えられなくなってしまう。
そんなハヤテの目の前で、マリアはゆっくりと身体をうつ伏せにして、
膝を立てて腰を持ち上げて・・・
ハヤテの食い入るような視線を感じ、頬を真っ赤に染めながらも、
彼に向けて尻を突き出すような格好になる。
そして・・・
「あの・・・ハヤテくん・・・こんどは・・・後ろから、
さっきのナギみたいに・・・して、ください・・・」
恥ずかしさのためだろうか、ふるふると震える、細身ながら肉付きのよい尻と、
蜜と精液が垂れ落ちる秘所を目の前に突きつけられて、
ハヤテはごくり、と喉を鳴らす。
激しい射精の疲労など、欠片も残さず吹き飛ぶ程の淫靡な光景に、
ハヤテの肉茎はさっきよりも更に硬く、そそり立つ。
だが、それを使う前につぃ、と滑らかな尻肉を両手で撫で、その狭間にあるすぼまりを、
指先でつん、と突付いて見ると、
「ひぅんっ!?」
マリアは裏返ったような声を上げて、びくんっと背筋を仰け反らせる。
さらにつん、つんっ、と続けざまにそこを弄られて、
「ひぅっ! んぁ、うぁっ! ひゃぅう! んぅ! んんんっ!」
小刻みな悲鳴を上げながら、マリアはびくんびくんと痙攣するように震える。
「ひゃ、は、ハヤテくんっ! そ、そのっ! そこは、そこはぁあ!」
「ココはどうですか? やっぱり、お嬢様のように・・・ここも弄って欲しいですか?」
「そ、それは、あ、あの・・・その・・・!」
マリアの反応を見れば見るほど、そこも一緒に弄りたい欲求が膨らんでくる。
「でも、今日はココはお預けです♪ こちらはまた今度、たーっぷりと苛めてあげますから、ね〜♪」
「は、は・・・いっ、ふぁ・・・ぁ」
それよりも今は、マリアの中・・・あの纏わりつくような、絡みつくような・・・
名状しがたいくらいの、あの感触だけを、ただひたすらに貪りたかった。
そしてその欲求を満たすために、ハヤテはそそり立った肉槍の先端をとろとろに蕩けたマリアの秘裂にあてがい・・・
「では、お望みどおり・・・今度は四つん這いで犯してあげます・・・ねっ!」
「は・・・ひっ! ん・・・ぁあぁああっ!」
じゅぶぷぷぷぷっ!
我慢の限界とばかりに、ハヤテがガチガチに硬くそそり立った肉槍でマリアの秘所を貫くと、
マリアの中に溜まっていた精と蜜が押し出され、
衝突する二人の腰と尻に挟まれてぴちゃんっ、と音を立てて弾ける。
「ん・・・やっぱり、マリアさんのなか、凄い・・・ですよ・・・
体勢が変わったら、中の感触も全然、違います・・・」
ほぅ・・・と、ハヤテは思わず、満足げな溜め息を洩らしてしまう。
それほどにマリアの中は心地よく、ハヤテのモノを優しく包み込む生温かくぬめる感触に、
このままじっくりと浸ってしまいたい、とすら思えてくる。
だが、ハヤテはそれで良くとも・・・
「ハヤテくん・・・ハヤテくんん・・・」
マリアが泣きそうな顔で振り返り、甘えるような、ねだるような声を上げる。
疼いて仕方ない、突かれたくて、擦りあげられたくて堪らないところに、
その望みを叶えてくれるハズのモノが挿入されたというのに、
そのままぴくりとも動いてくれない・・・
これでは、マリアにとっては生殺し以外の何者でもない。
「ハヤテくん、早く・・・」
浅ましい言葉だけではなく、ハヤテのモノを求めるマリアの腰はモゾモゾと落ち着かなく揺れ動き、
咥え込んだハヤテのモノを締めつけて、愛撫するように絡み付いてくる。
「うぁ・・・! マリアさん、そんな・・・マリアさんのココ、いやらしすぎますよ・・・
僕のモノににゅるにゅるって絡みついて・・・そんなに我慢できないんですか・・・」
「だ、だって・・・ハヤテくん、動いてくれないんですから・・・わたし・・・このままじゃ・・・!」
切羽詰ったようにマリアは泣きそうな声を上げるが、
声や表情とは裏腹に、彼女の膣はひどく艶めかしく、淫靡に蠢いて、ハヤテのモノを貪っている。
その、予想を越える甘美さに、ハヤテの下腹部はぞくぞくと震え、
あれだけ出し尽くしたハズのモノが再び肉茎の元で滾り出すのを感じると、
もはや待つだけでは物足りなくなり・・・
「ふふ、そんなに心配しないで下さい、ちゃんと、こうして―――しっかりと、衝いてあげますから―――」
ずるるっ、とマリアを貫いていた肉槍を穂先を残して引き抜いて、
両手で彼女の尻をぎゅっと掴むと―――
「―――ねっ!」
ぱんっ! と、腰を彼女の尻肉に叩き付けるように強く、激しく、肉槍を根元まで一気に突き込む。
「ぃひぁああぁあっ!」
マリアの背中がびくんっ、としなり、媚肉がきゅっとハヤテのモノを締めつける。
肉茎を包み込む感触の心地よい刺激がハヤテの腰を加速させ、
ぱんっ! ぱちゅんっ! と、蜜の飛沫を舞わせながら、ハヤテはマリアの秘所を背後から突き回し、
ぐりぐりと膣壁を擦り、抉る。
「んぁ、うぁああっ! はげしっ! ハヤテくっ! これ、こんなぁあ! すご、ひ、いぁああっ!」
「この体位ですと、さっきより腰が自由に動かせますからね・・・っ!
もっと、もっと、速くしますよっ!」
「ひぁっ!? そんな、また、速くっ! うぁ、んぁああ! やぁ! こん、な、はげしすぎてぇ!
こわれ、ちゃぁあ! だめ、ひぁ、あぁあっ! んぁああ!」
言葉ではそう言いながらも、マリアの声に満ちている淫蕩な悦びの響きが翳ることはなく、
故にハヤテも腰使いを緩めることなく、一突き毎に激しさを増してゆく。
「っふふ、そんなこと言って・・・マリアさん、もっともっと、激しくして欲しいんですよね?
もっとめちゃくちゃに衝きまくられて、壊れるまで、犯してほしいんですよ・・・ねっ!?」
「は・・・ひぃっ! そ、そうですっ! もっと、もっとっ! はげしく、してくださいっ!
もっと、つよく・・・っ! んぁあっ! こわして・・・めちゃくちゃにしてぇっ!」
憧れていた女性を存分に犯し、彼女を虜にする嗜虐的な悦びと、
激しくすればするほど、絡みつき締め付けてくるマリアの膣の具合のよさに、
ハヤテの加速はとどまることを知らない。
マリアの望みどおりに、更なる、壊れるほどの快楽を与えるべく、突き入れる度に微妙に角度を変えて、
絡みつく襞をこそぎ落とす勢いで膣壁を擦り上げる。
「うぁあぁあ! また、つよくっ! これ、なかっ! えぐれちゃぁ! ハヤテくんっ! はげしすぎてぇ!
ほんとに、わたしっ! こわれちゃいますっ! んぁあっ! こわれてぇ・・・ヘンになっちゃいます!」
悲鳴じみた言葉をさも嬉しそうに叫びながら、マリアの声はひたすらにトーンを上げてゆく。
四ん這いになって背後から獣のように犯されて、あられもなく乱れ悶える様は、
ハヤテが憧れていた優秀で上品で優しく、まさに完璧だった彼女とは余りにもかけ離れている。
だがそれでも・・・どんなに淫らに乱れ、蕩けようとも、それでも彼女は美しく、
普段の姿とのギャップすら、マリアの魅力を引き立てる要因に思えるくらいだった。
だからこそ、ハヤテは更に更に、彼女を乱れ狂わせてやりたいと思うが・・・
「っく、ふ・・・っ、マリアさんっ、お嬢様のように、って言われましたけど・・・
マリアさんの奥っ、深くて・・・このままじゃっ、届きません・・・ね」
「あく・・・ぅ! でもっ! いまでもっ! おく、響いてぇ・・・!
ずんって・・・! びりびりっ、てぇ! このままでも、さっきより、すごくてぇ!
わたしっ! すぐ、ぅあぁあっ!」
言葉の通り、マリアの中の締まり具合からして限界は近そうではある。
だが、そんなマリアを更に悦ばそうと腰を捻り肉杭をえぐり込みながら、
ふと思い立ち・・・
「きゃっ!?」
ハヤテは腰の動きをを止めると、いきなりマリアの片足を担ぎ上げる。
もともとハヤテに向かって尻を突きだして、彼の目に秘部を晒していたマリアではあったが、
この体勢だと足が開いてしまう分、秘すべきところは更に露わになってしまうし、
大体これでは散歩中の犬が用を足すときの格好にそっくりで・・・
「ちょ、ちょっと、ハヤテくんっ!? 幾らなんでもこの格好は・・・」
「はい♪ この格好でしたら、ひょっとすると、と思いまして」
「ひょっとすると、って、い・・・一体、何を・・・」
「それは勿論―――」
言いながら、ずるずるっと肉茎をマリアの中からギリギリまで引き抜いておいて、
自分の足をずらして位置の微調整を行う。
そして、片足を持ち上げられてしまい、バランスを取るために自然と腰に力が入ってしまうのか、
より一層締め付けが強くなったマリアの中へ、
ずんっ! と、ハヤテは勢いをつけて思い切り肉杭を突き立てる。
「ひゃ・・・あ、あ・・・っんあぁぁあっ!」
締め付けが増した分、奥へと一気に突き進む肉杭が膣壁を擦る感触は更に強くなり、
それだけでもマリアのよがり声は一層激しくなるのだが、
ハヤテの腰、肉茎の付け根がマリアの尻ではなく、足を開かされたことで露わになった恥丘に衝突した、
その瞬間に―――
「―――っきゃあぁぁあぁああぁあっ!?」
マリアの嬌声が跳ね上がる。
ハヤテは狙い通りの感触と反応に気を良くしながら、
がくがく震えるマリアの身体からゆっくりと己自身をギリギリまで引きずり出しておいて・・・
「ひゃぅ―――んぁあぁぁぁあぁぁあっ!」
もう一度、ずんっ! と思い切り肉杭を秘裂の奥深くまで一気に突き入れる。
半ば無理矢理に開かせた足の間に、ハヤテ自身も足を開き気味にして思い切り腰を打ちつけることで、
互いの足もマリアの尻も妨げにならず、
ハヤテの肉槍は穂先から根元まで全て、余すところ無くマリアの中に突き刺される。
「ひ・・・ぁ・・・っ、ハヤ、テ、く・・・っ、これ・・・こんな・・・ぁ、おく、に・・・」
がくがく震えながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐマリアの声を遮るように、
さらにもう一度、ずるるっ、と引き抜いて、じゅぶんっ! と彼女の身体を肉槍で最奥まで刺し貫く。
蜜と媚肉を掻き分けて肉の穂先は突き進み、先程までより深く接合できるが故に、穂先は最奥に達し、
こつん、と、子宮の入り口を軽く叩く。
「――――――っぃあぁぁああ!」
身体の奥底の、女性のみが有する器官に直に刺激を送られて、
発生した官能の悦楽のパルスは、電流となってマリアの全身の神経を荒々しく駆け巡る。
突き込む勢いは激しくとも、ペース自体はゆっくりとしていた、たった3度の抽送で、
マリアの身体はいつ達してしまってもおかしくない程に昂ぶり、疼いてしまっていた。
「うん、成功みたいですね、この格好ですと僕のモノが一番深く入れられますから、
マリアさんの奥にもなんとか届いてくれるみたいですね〜♪」
「は・・・いっ、おく、届いて・・・ぇ、これ・・・ぇ、すごすぎ・・・ます・・・っ」
再びずるずるっとマリアの中からモノを引きずり出しながら、ハヤテは満足げに話し掛ける。
「でも、これでやっとマリアさんのお願いを叶えてあげられます」
「おねが・・・い?」
「はい♪ お嬢様のように犯して欲しい、と言ってたじゃないですか。
お嬢様は身体が小さな分、ココも奥が浅かったので普通にやっても簡単に届いちゃいましたので、
後ろからで普通に一番奥を叩いてあげることができましたけど・・・
これでマリアさんの奥も、お嬢様の様にいくらでも叩いてあげられますね♪」
「え、ちょ・・・ちょっと、まって・・・そ、それは、そういう意味じゃ・・・」
マリアとしては、見た目のとおり・・・ナギのように後ろからされたい、
という以上の意味を含ませたつもりもなく、
この身体の芯まで叩き付けられ、狂わされるような、想定外の、予想以上の刺激を何度も注がれてしまったら、
本当に壊れてしまうのではないかという恐れと・・・そして、それを無意識の期待に、
ぞくっと身体が震える。
そんなマリアの気持ち、あるいは無意識の欲求を知ってか知らずか・・・いや、どちらにせよ関係なく、
ハヤテはマリアを際限無く悶え喘がせ、乱し、狂わせたいとの欲求のままに・・・
「ではマリアさん、あとはもう、マリアさんが・・・いえ、僕が満足するまでノンストップですからね♪
いい声で泣いて、悦んでください・・・・・・ねっ!」
「ひ・・・やぁっ! ちょ、ま・・・あぁああぁぁあっ! まって、まって、これ、あ、んあぁあぁあぁっ!
だめ、ほんとに、おくに、おくっ! うぅううぅっ! んく、い・・・ひ、い、っうぁああぁっ!」
じゅぶぶっ! ずちゅっ! ぐぷぷっ! ぎちゅちゅっ!
―――と、抽送のペースを3段飛ばしで一気に上げてマリアの膣をしごき上げ、
突き入れる度に必ず、
こつ、こつっ、こつん!
と先端で子宮口をノックしてゆく。
単発でも意識が何処かへ持っていかれかねない強烈な刺激に息をつく間も無く繰り返し襲われて、
マリアの身体中を快楽が電流、いや電撃の如く駆け巡る。
身体は感電したようにびくびくと痙攣し、過電流で飛び散った火花が彼女の意識を焼き焦がす。
「ひぁあ! んぁああっ! ハヤテくんっ! これぇ、おく、当たって! 届いてぇ!
こんな、だめですっ! こんな、されたらっ! わたし、すぐっ! イっ! イっちゃ・・・あぁあ!」
「ふふ・・・っ、でも、頑張ってますよ、マリアさんは・・・っ!
お嬢様はもう、コツコツされる度に・・・抜き差しする度にイっちゃってましたから・・・ねっ!」
こらえ性のないお嬢様と違い、しっかり者のメイドは無意識に正気を保とうとしてしまうのか、
意識が一瞬でも飛んでしまうことが恐いのか・・・
マリアはシーツをぎゅっと掴み、はしたない声を上げながらも身体中を駆け巡る快感の波に必死で耐えている。
「んぅ、うぁ! は、ひぁ! ハヤテ、くんっ! も、だめ、だめですっ! もう、もうすぐっ!
わたし、あ、ふぁああっ! や、だめぇ! だめにっ! ヘンに、なっちゃいますうっ!」
「はっ、はぁ・・・っ、でも、そんなこと言いながら、まだ頑張れそうですね・・・
折角ですから、マリアさん・・・僕が、イくまで・・・イくの、我慢してください・・・ね?」
「や、むり、ムリですっ! そんなの、ムリですわっ! 我慢なんて、できなっ! あぅううっ! 出来ませんっ!
もう、わたし、すぐっ! イっちゃ、い、ひぁああっ! イっちゃいそうですっ!」
ハヤテに一突きされる度に確実に絶頂の高みに向かって突き上げられながら、
マリアは恥も外聞もなく、ハヤテによって与えられる悦楽に逆らえない、抗えないことを声高に訴える。
その答にハヤテは充分に満足して、
「ふふ、嘘ですよっ♪ マリアさん、我慢なんてしなくて・・・いいですから・・・っ、
思い切り感じまくって、イきたいときに、イっちゃってください!
そしたら僕も、マリアさんのなかっ、思い切り・・・出してあげますからねっ!」
「は・・・あ、は、はいっ! す、すぐっ、あ、ふぁああっ! あ、んぅ、んんんっ!
すぐ、イっちゃ、あぁあっ! イきますから、イっちゃいますからぁ! だから、なかっ!
ハヤテくんの、あついのぉ! たくさん、くださいっ! いっぱい、だして、くださいぃ!」
片足を担ぎ上げてからのマリアの中は更にキツく、
コツ、コツ、と奥を叩く度にそれがさらにきゅ、きゅっ、と締まり、ハヤテの射精欲を加速させる。
絡みつく襞もハヤテのモノを溶かしてしまいそうな勢いで溢れる蜜を刷り込んできて、
気を抜けば今すぐにでも、いくらでも射精できそうな甘美すぎる感触でハヤテのモノを包み込んでいる。
だから間違いなく、マリアが達したその瞬間にハヤテ自身も達してしまうだろう、という確信がある。
正直なところでは、ナギの様にイった後も容赦なく責め立てて、
イきっぱなしになって泣き悶えるマリアも見てみたくはあった。
だが、彼女の蜜壷の感触はそれを許してはくれそうにないし、何よりハヤテ自身、
マリアの溶けるように甘い感触の中で果てて、存分に放出したいという欲求には勝てそうもなかった。
だから・・・
「んぁああぁぁぁっ! はや・・・っ! そんなっ、また、激しくっ!? こんなぁ! は、ハヤテくんっ!
おくが、ごつごつ、されてぇ! も、もうっ! わたし、もう! イく、ほんとにっ! ほんとにぃいっ!」
ぐじゅっ! ぐじゅぷっ! じゅぶぶっ! ずちゅっ! ぬぶぶっ!
ハヤテは全力で、膨張しきった肉の杭をマリアの秘所へと抉り込む。
雁首と膣壁が擦れ合い、先端が子宮口を小突く度に二人は互いにどうしようもなく昂ぶり続け、
「くぁっ! ま、マリアさんっ! もう、イってくださいっ! 僕も、僕ももうっ! イく、出しますからっ!」
「イく、イきますっ! すぐに、もうっ! ハヤテくんので、わたしっ! うしろから、されてぇっ!
もうイく! イっちゃぁあっ! ハヤテくんっ! イきっ、イっちゃいますっ! もう――――――」
きゅうぅっ、と、マリアの膣が一気に収縮し、
合わせてハヤテも最後の一突きを思いきり突き入れて―――
「はっ! ハヤテくんっ! も、イく! わたっ! イきっ、イっちゃ! あ、あぁあっ! ハヤテくんっ!
もう、もうっ! イっちゃ、あ! あぁあっ! んあぁああ―――――――――!」
「マリアさんっ! 僕も・・・もうっ、イ・・・っ! 出ますっ! 出しま・・・っくぅううう――――――っ!」
どぷぷっ! びゅるるっ! びゅくっ! びゅぷっ! びゅるるっ――――――
ハヤテに貫かれた腰から頭の先まで、身体を弓のように仰け反らせながらマリアは絶頂を迎える。
ハヤテは彼女の細い腰を抱え込むように自分の腰を思い切り押し付けて、奥の奥まで楔の様に肉杭を押し込んで、
びくびく震えるマリアの中に限界まで滾った精液を思い切り注ぎこむ。
「―――――――――っ!」
「――――――ぁあっ、いっぱ・・・っ! でて・・・ぇ! ハヤテくん、の・・・おく、に・・・ぃあぁああ!」
既に今晩だけで何度出したかもわからぬ程でありながら、射精の激しさは先程から全く衰えを見せず、
しかもさっきよりずっと深いところから、触れられるだけで狂いそうな敏感な行き止まり―――子宮口に、
どくどくと浴びせ掛けるように、叩きつけられるように注がれて―――
「――――――っ! ぁあぁぁぁっ! うぁ、あ・・・あぁあ・・・っ! あ・・・・・・・・・っ!」
マリアは上擦りすぎてかすれそうな声で喘ぎ、叫びながら、折れそうなくらいに反った身体をガクガクと震わせ、
身体の中でハヤテの肉茎がびゅくびゅくと脈動する度、熱い粘液が膣の最奥で爆ぜる度に・・・イき続けた。
「――――――っ、はぁっ! はぁっ、は・・・・・・っ、は・・・はぁ・・・は・・・ぁ・・・っ、はぁ・・・」
だが、マリアにとっては永遠に思えた官能の悦楽の極致のような時間も、
ハヤテが射精を終え、荒く息をつきながらマリアの中から硬さを失ったモノを引き抜いたことで、終わりを告げる。
じゅぼっ、と、蜜壷に捻じ込まれていた肉栓が外れたところで、
マリアの身体は糸の切れた人形のように脱力し、そのままシーツの上に突っ伏してごろり、と横になる。
「・・・・・・ぁ・・・はぁ・・・ぁ・・・っ、あ・・・ふ・・・ぁ、ぁぅ・・・・・・ぅ・・・」
達しつづけている間の緊張の反動で疲労感が全身を覆い、それ故に柔らかなベッドが心地よい。
栓を失った秘所からは、ごぼ、ぼぽぽ・・・と、大量に放たれたハヤテの精液が逆流して溢れ出し、
その熱い粘液がジリジリと太腿や尻を伝い流れ落ちる感触が激しい絶頂の残滓のように微かにマリアを喘がせる。
そんな感触に包まれながら、マリアはハヤテとの激しすぎる行為の余韻に浸っていると、
どさ、とベッドを軋ませて、ハヤテの身体がベッドに倒れ込んでくる。
「はぁ・・・は・・・ぁ、はぁっ、はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・っ、は・・・あ・・・っ」
ハヤテは何も言わず、仰向けになって荒い息を吐き、
マリアは彼の横顔や上下する胸をぼんやりと見つめながら、同じように何も言わず、余韻に浸っていた・・・
しばらくして・・・
やがて、ハヤテの呼吸が落ち着いてきたところで―――
「うふふ・・・流石のハヤテくんも、ちょっとお疲れになりましたか?」
「は、はは・・・はい、流石に・・・マリアさんの中、あんまり気持ちよすぎて・・・つい・・・」
「あら、それは・・・ハヤテくんのも、すごく、その・・・激しくて・・・すごかった、ですよ・・・?」
「はは、そ、それはどうも・・・」
互いに疲れきったせいか、事が終わった以上、気を張る必要も無いせいか、
今更ながらに微妙な恥ずかしさを感じながら、言葉を交わす。
「あの・・・ところでマリアさん」
「はい? なんでしょう、ハヤテくん?」
「今夜の僕は、三千院の執事として・・・ちゃんと働けていましたでしょうか?」
そう言えば、そんな風に彼をけしかけたのでしたっけ―――
―――“一流の執事たるもの、お客様を満足させられなくてどうするんですか?”―――と。
それは今晩の、つい先程のことであるハズなのに、妙にあれから時間が経ってしまっている気がする。
「ん〜、そうですわね〜」
さっきまであれだけ好き放題、散々に自分のことを嬲り尽くしていた彼が、
今になって妙に神妙な顔つきで自分を見つめていると思うと、
なんだか可笑しくなってしまい・・・
「ヒナギクさんは・・・うふふ、そうですね、どうやらハヤテくんに完全に篭絡されてしまったようで・・・」
悪戯っぽく笑いかけて、
「これから毎日、学校で“なさる”のでしょう?
そんなお約束を取り付けられた時点で、もはや私が言うまでもありませんわね〜?」
「あ、は・・・はぁ」
それがマリアに知られているとは思わなかったのだろう、ハヤテは本当にさっきまでと打って変わって、
隠し事がばれてしまったかのように照れてしまっている。
「ナギについては、ん〜・・・やはり言うべきことはありませんわね〜
すっかりハヤテくんの子猫ちゃんになってしまいましたから、
これからは毎日、ミルクをおねだりされちゃうと思いますけどね〜♪」
「あ、あはは・・・」
照れたような、引き攣ったような、微妙な笑顔を浮かべるハヤテに、
マリアもクスクスと笑い、そして不意に―――
「で・す・が」
「―――!?」
ずい、と顔を寄せてきたマリアに、ハヤテは反射的に身体を引いてしまう。
それは勿論、突然に距離を詰められた、というのもあるのだが、
彼女の顔に張り付いたままの笑顔が、なんとなく、なんというか・・・
「あ、あの・・・マリア、さん・・・?」
いつの間にか、決して気を許してはいけない種類の笑顔に変わっている気がするのは、
きっと疲労のせいだろう、とハヤテは思う。
思うことにした、というか。
「―――ひとつだけ、言わせて頂きたいことがあります」
「は、はぁ・・・」
「先程、ハヤテくん、確か・・・“熟れた”なんて表現をお使いになりました・・・よね?」
びくっ、とハヤテの顔が、一気に引き攣る。
対してマリアの顔には相変わらず笑顔と・・・明らかに怒気が混じっている。
「い、い、いやそれは! あ、あの時もちゃんと言ったように!
じゅ、熟した果実みたいにおいしそうっていう、誉めるための表現でして!
け、け、決して、その! 熟年とか、熟女とか、そういう意味では―――」
「熟年? 熟女?」
「い、い、いやですから―――って、ま、マリアさん!? ちょ! ま―――」
先程のマリアのように、じりじりとベッドを這って逃げようともがくハヤテの上に、
マリアが容赦なく覆い被さってくる。
「うふふ、いいですか〜、ハヤテくん?
執事はお客様や主に気を使うのは当然ですが・・・それ以前に紳士でなければいけませんからね〜
言葉遣い・・・特に、ぴちぴちの17歳くらいの女性への言葉遣いは、特に注意して頂きませんとね♪」
「わ・・・は、はいっ! き、気をつけます! これからしっかり気をつけますっ!」
「うふふふふ、いいお返事ですよ、ハヤテくん♪」
そう言いながらもマリアがハヤテの上からどく気配は無いし、
何より彼女から滲み出る怒気は、その笑顔と一緒で欠片ほども翳る気配は無い。
「で・す・が♪
同じ失敗を繰り返さないためにも、三千院の使用人の先輩として、
今回はハヤテくんの身体に、そのことをた〜っぷりと、刻み込んで差し上げますわね〜♪」
「な、そ、それは! うわ、ま、マリアさん!? ちょ! まっ!」
ただでさえ出し尽くしている上に、一連の悪夢のような急展開にすっかり萎えきったハヤテのモノを、
マリアはその滲み出る怒気とは裏腹に優しい手つきで撫で、陰嚢をきゅ、きゅっ、と絶妙なタッチで愛撫する。
それだけで、ハヤテのモノは信じられないくらいに呆気なくムクムクと勃ち上がり、
天を衝いて硬くそびえ立ってしまう。
「う・・・わ! こ、これ! マリアさんっ!? ちょっと、なんかヤバいですってこれ!」
「あらあら、素敵ですわよ〜? 本当に硬くて、熱くて、なんとなく若々しくて・・・」
そこで若々しいなんて出てしまうあたりに、マリアが如何にこのことを気にしているのかが判ってしまうのが、
そのせいで危機に瀕しているハヤテを複雑な気分にさせる。
これじゃあ、まるで若さを吸い取ろうとしているかのようだ・・・等と思ったところへ・・・
「・・・ハヤテくん? ひょっとして、私がハヤテくんから若さを吸い取ろうだなんて、
まさかそんなこと、思ってなんて、いませんわよね〜?」
「な、なんでそれ・・・あ! い、いや! 別になんでも全く何も!
そ、そ、そんなこと欠片も、思ってないですからそんな顔でこっちを見ないでください!」
「ハヤテくん・・・」
怒気が、殺気に変わる。
「ゆ・る・し・ま・せ・ん・よ・・・?」
「わ、ま、マリアさん!? ちょ、ちょっと、いや! 誤解ですから、だから、ま、まってくださ、
ちょ、ホントに・・・う、わ・・・か、絡み付いてっ!? す、吸い取られ・・・うぁああぁぁぁあぁぁぁぁ!?」
執事の魂切るような悲鳴も、広大な三千院の屋敷にあっては誰の耳に届くことも無い。
こうして、使用人たちの夜は更けてゆく―――
終.
そんな夜から二日が経ち、ハヤテが白皇へ初登校する朝のこと・・・
「では・・・行ってくるぞ、マリア」
「はい、行ってらっしゃい、ナギ♪」
「うむ、では、ハヤテ・・・その・・・」
「はい、行きましょうお嬢様♪ ではマリアさん、行って参りますので、お屋敷のこと、宜しくお願いしますね」
あの夜を経て、三人の関係が変化した様子は無い。
・・・少なくとも、表面上は、であるが。
「はい、わかりました♪
あ、その前にハヤテくん、お渡ししたいものが有りますので、ナギは先に外へ行っていて貰えますか?」
「え、あ・・・でも」
敢えて言うなら、ナギの様子が少しだけ・・・オドオドした様に振舞っている。
だが、それは関係が変化したから、等という要因によるものではなく、もっと直接的な原因の故である。
「あらあら、大丈夫ですよ、こんな時間にハヤテくんと楽しんだりはしませんから、安心してくださいね♪」
「な、なら! 別に、私がここにいたっ―――っあぁああぅ!」
不意にナギが悲鳴を上げて、身体をガクガクと揺らす。
「ま、マリアっ! わかっ、わかった、からぁ! やめ、それ・・・とめてぇ!」
「うふふ、分かってくだされば結構ですわ〜、では表で待っていてくださいな♪」
「は・・・はぁっ! あは・・・ぁ・・・う、うむ・・・ぅ、で、では・・・先に、行って、いるぞ・・・」
「はい、ちょっとだけお待ち下さいね、お嬢様」
よれよれとふらつきながら、それでもやはり背後が気になるのか振り返り振り返りしつつ、
ナギは玄関を出て行く。
「マリアさん・・・お嬢様の尻尾、入れっぱなしでいいんですか?」
「あら、その方が学院でナギに言うことを聞かせやすいですし、
ハヤテくんにも便利かなと思ったのですが・・・余計なお世話でしたか?」
「いえ、それならありがたく有効活用させて頂きます♪
・・・では、渡したい物、というのはそのリモコンですか?」
「はい、それもありますが・・・あとこれを」
そう言って差し出されたのは、小型のビンに詰められた薬のように見える液体。
ラベル等が無いことから、マリアのお手製と思われるが・・・
「・・・コレは一体?」
「はい、三千院湖で取れたスッポンと、庭で取れたマムシから作った特製の精力剤ですわ♪」
楽しそうに朝っぱらからとんでもないモノを渡してくるマリアだが、
この二日間で、ハヤテにとってその行動はもはやそれほど常軌を逸したものとは思えなくなっている。
「精力剤、ですか・・・」
「はい、何せハヤテくんは学院でヒナギクさんの、お帰りになってからはナギのお相手をせねばなりませんから、
こういうモノも必要かな、と思いまして♪」
それはその通りなのだが・・・
マリアがそれだけの為にこれを渡してくるのでは無い事は、ハヤテにもわかっている。
「それに、その後はちゃーんと、私のことも・・・忘れないで苛めて欲しいですから・・・ね?」
つぃ、といつの間にか歩み寄り、下から上目遣いに見上げられると、
それだけでハヤテの身体はぞくり、と甘い疼きに震えてしまう。
一昨日の晩は地獄に一歩足を踏み入れたような気もするが、地雷さえ踏まなければ・・・
彼女と身体を重ねることは、どうしようも無いくらいに甘美な快楽なのだ。
「ふふ、大丈夫ですよ♪
マリアさんをないがしろにするような真似は、決して致しませんから!」
ハヤテに力強く言われて、マリアもまた嬉しそうににこっと微笑み・・・
「ですが、どうしてもお疲れの時は言って下さいね?」
「え? あ、は、はぁ・・・」
「その時は、ちゃんと私がハヤテくんを苛めて差し上げますから・・・コレで♪」
「ぶっ!?」
そう言ってマリアが取り出したのは、ナギが今付けたままにしているモノとお揃いの、“尻尾”。
「ほら、以前ハヤテくんに女装して頂いた時にも思ってたんですよ〜♪
ナギと同じくらい・・・もしかするとナギ以上にお似合いじゃないかしら、って♪」
マリアは心底楽しそうに、洒落にならないことを口にする。
「ですから、あまりムリはなさらないで下さいね?」
「わ・・・わかりました・・・ですが・・・」
ハヤテは引き攣らせていた顔を、ふっと一瞬だけ薄ら笑いに変えて・・・
「僕があまりムリをしないで帰ってきてしまったら・・・
それ、僕じゃなくてマリアさんのモノになってしまうかも、しれませんよ?」
さらり、とそう言うと、マリアから受け取ったばかりの精力剤を一息に飲み干して・・・
「では、行ってきますねっ♪」
「はぁい、お気をつけて、行ってらっしゃい〜♪」
だだだっとハヤテは駆け出して行った。
「あらあら、朝から飲んでしまっては・・・ん〜、ヒナギクさんが大変そうですわねぇ、うふふ・・・」
かなり効き目を強く調合してあるので、きっとヒナギクは猛り狂ったモノで滅茶苦茶に犯されることになるだろう。
どれだけ叫ぼうが決して地上には声の届かぬ天球の間で、
彼女が整った顔を歪めて泣き叫び、快楽に溺れゆく様を想像すると、
羨ましいと思わずにいられない。
そして、帰ってきた彼は自分のことをどうするのだろうかと思うと・・・
それだけで身体はゾクゾクと震え、疼く。
“される”のか、“する”のか・・・
どちらも、悪くない。
マリアとしての希望は苛められる方なのだが、
たまには逆もまた良いかもしれないな・・・等と思い、一人、笑う。
「うふふ・・・ハヤテくん、ちゃんと私のこと、苛めてくださるかしら? それとも・・・うふふ・・・」
久々に静かな三千院家のさわやかな朝に、メイドの楽しげな、そして妖しげな独り言が響いていた。
(了)