5.  
 
ハヤテはマリアを誘って自分の部屋へと辿り付くと、  
彼女を椅子に座らせておいてヒナギクとの行為で乱れきったままのベッドを手早く整える。  
マリア程の手際ではないが、それでも逸る心をしっかり抑えてテキパキと作業をこなすと、  
新しい清潔なシーツに彼女を誘う。  
お互いに、ここへ来た目的は同じ。  
だからそこには今更ながらの口実など無く、敢えて恥じる素振を見せるような遠慮も無い。  
マリアがハヤテに笑顔で応えてベッドの端に腰かけると、  
ハヤテも彼女の隣に座る。  
 
そこで、さて―――  
と、ハヤテはしばし思案する。  
どう行動しようか、考えは・・・というか、欲求は明確なモノがあるのだが、  
どうやってそこまで漕ぎつけようか、その過程について何も考えていなかったのだ。  
 
―――ううん・・・そういえばヒナギクさんもお嬢様も、身体の準備が出来てる状態だったんだよなぁ・・・  
 
そう思うと、まるで自分が抵抗できない相手を狙って襲うという最低な人間のような気がしてきて、  
今更ながらに多少の罪悪感に苛まれてみたりする。  
 
「ハヤテくん・・・やっぱりお疲れかしら?」  
 
ひょい、とマリアが顔を覗き込む。  
ナギほどでは無いにせよハヤテよりだいぶ小柄なマリアは自然とハヤテを見上げる形になり、  
彼の知る限りで最も綺麗な女性に上目使いで見つめられたハヤテは、  
つい先程あれだけ好き放題にヒナギクやナギを抱いた彼と同じ人物とは思えないくらいにドギマギしてしまう。  
そんな彼の緊張を呆気なくに見抜き、マリアはクスっと微笑むと・・・  
 
「あら、ハヤテくん、襟が汚れてますわよ?」  
「え・・・」  
 
つん、と胸を突付かれて、そこに視線を落とそうと首を曲げたそのタイミングを狙われて―――  
 
「――――――っ!」  
 
ちゅ、と。  
下から、柔らかいものが唇に触れる。  
その柔らかな感触に一瞬だけ気を取られ、それから状況を認識して、  
かなりズレたタイミングで驚きの余りに思わず首をのけぞらせてしまう。  
それで触れ合った唇は別れてしまい、  
 
―――ん〜〜〜、純情なハヤテくんも可愛いですが・・・  
 
マリアは少しだけ残念そうに頬を膨らませると、  
 
―――折角ヒナギクさんとナギの初めてを譲って差し上げたのですから、  
もう少し頑張って頂きたいですわね〜?  
 
意味ありげに笑顔を浮かべ、再びハヤテを上目使いに見つめてくる。  
マリアの不意打ちに動揺を隠せないでいたハヤテだったが、  
マリアの笑顔に、試すような、挑むような・・・  
そんな色が滲んでいるのを見て、  
彼の中でスイッチが切り変わる。  
別にマリアの心が読めた訳ではないが、ただ単純に・・・  
彼が最も魅力的だと思っている女性から挑発されて、  
それでも呆けているほど彼は鈍くもなければ、我慢強くもなく、  
そして・・・女性に対して消極的では、なくなっていた。  
 
「あ・・・」  
 
口より先に身体が動き、自分を見つめるマリアの肩を抱き寄せると、  
何か言いかけたその唇を、唇で塞ぐ。  
 
「ん・・・ふ・・・っ」  
 
先程の仕返とばかりに唇を奪うと、そのまま舌を伸ばし彼女の中に侵入する。  
マリアの身体がぴくんと小さく揺れるが、抵抗は無く・・・逆に、彼女の舌に歓迎される。  
 
「んく・・・っ」  
 
待ち構えていたマリアの舌は侵入してきたハヤテの舌を絡めとり、  
柔らかく生温かい感触でハヤテをねっとりと包み込んでしまう。  
 
「――――――っ!」  
 
その、あまりに生々しく、肉感的な感触に、ハヤテの背筋がぞくりと粟立ち、  
マリアの舌戯の前に呆気なく圧倒されそうになるが・・・  
だが、敢えてハヤテはマリアの肩を抱き寄せて唇を強く吸い、  
マリアに負けじと舌を絡め返す。  
 
「ん・・・んん? ・・・っ、む・・・んぷ・・・っぷぁ・・・」  
 
しばし互いに挑みあうように舌を絡め合わせ、貪り合い、  
そして申し合わせたように同時に唇を離す。  
 
「ん・・・んふ、ハヤテくん、さっきよりずっと積極的で・・・」  
 
それ以上マリアは何も言わないが、  
微かに乱れた息、朱に染まった頬、うっとりとした表情が・・・言葉以上にその心情を物語っている。  
 
「マリアさんの唇も・・・すごく気持ちよくて、蕩けそうですよ・・・」  
 
ハヤテも陶然としたようにそれだけ言うと、  
マリアと視線を絡め、どちらとも無く顔を寄せ・・・再び唇を交わす。  
 
ちゅ・・・ぷ、ちゅぷっ、ちゅく・・・ぴちゅ、ちゅっ、くちゅ・・・・・・  
 
先程よりも更に激しく、貪るようで・・・だが決して挑みあうのではなく、求め合うような、  
深く―――淫らなキス。  
 
「ふむ・・・んぅうっ、んぷ・・・・・・っ、ん、く・・・うぅ・・・っ、ん、んん・・・ぅ」  
 
唇の裏から歯の一本一本、そしてその付け根もその裏側も・・・相手の口腔の隅々まで、  
届く範囲全てに余すところ無く舌を這わせ、そして舌同士を絡め合わせる。  
お互いの唾液を送り合い、二人の舌で混ぜ合わせ、それを嚥下する。  
溶けて一つになってしまいそうなくらいに執拗なキスに、二人の心は蕩けてゆく。  
蕩ければ蕩ける程、更に相手を感じたくて・・・全身で触れ合いたくて・・・もっと、深く繋がりたくて―――  
どちらともなく、相手の身体を抱き締めたまま二人はベッドに倒れ込む。  
 
「んぅ・・・ぅ、んむ・・・んっ、ん・・・ふ、んぷ・・・んむぅ・・・ん、んん・・・」  
 
二人の手は互いの身体を這い回り、少しずつ着衣を乱しながら、  
それでも唇を離そうとはせず、ぴちゃぴちゃと生々しい水音を響かせ続ける。  
マリアの指がハヤテの執事服のボタンを外し、ネクタイをするすると解き、  
ハヤテの手もマリアの身体をまさぐり、手当たり次第にパジャマのボタンを外してゆく。  
だが、半分ほどボタンを外したところでハヤテは作業を中断し、  
肌蹴た胸元からパジャマの中に手を潜り込ませ・・・  
 
「んっ、んむ・・・んんっ!?」  
 
女性らしい豊かな胸のふくらみを探りあてると、  
そこを彼らしくない、やや乱暴な手つきで揉みしだき始める。  
 
「ん、んむぅ! ん、んん・・・んっ! むぅ、う、む・・・ぅ!」  
 
マリアはもぞもぞと切なげに身体を捩じらせ、声は徐々に上擦ってゆく。  
期待通りの反応を見せてくれる彼女にハヤテは昂ぶり、乳房を弄る手に一層の力が篭ってしまう。  
ヒナギクやナギのそれとは違い、マリアの胸には女性の象徴としての存在感が充分に備わっていて、  
ふにふにと柔らかく、それでいてぎゅっと掴むと心地よい弾力を感じさせ、  
その感触はハヤテを夢中にさせる。  
 
「ん、んぁ・・・あ、ふ・・・っ、んく・・・! あ、んん・・・っ! ふぁあっ!」  
 
パンの生地でも扱うかのように双丘を揉み捏ねられて、マリアは悩ましげにもがき、  
首を捩った拍子に離れた唇から上擦った喘ぎ声が洩れてしまう。  
甘く蕩けるような響きを孕んだマリアの嬌声をもっと聞きたくて、  
ハヤテは手中の膨らみの先端にある小さな突起を優しく指で挟んでおいて、  
きゅっ! と摘み―――  
 
「んあぁっ!?」  
 
くり、くりっと、左右交互に指先で転がしてみて―――  
 
「うぁ! あ、あぅうっ! や、ハヤテく、んぁあ! ひぁ、や、そこ、びんか―――うぁあっ!」  
 
ハヤテの指使いに合わせて、マリアの身体と声が跳ねる。  
 
「マリアさん・・・可愛い声ですね、そんな声で喘がれると、もっと・・・弄りたくなっちゃいます・・・」  
「そ、そんな・・・あんっ! は、ぅう・・・っ、んく・・・ぅ! あぅ、んぁあっ! あ、ひぅっ!」  
 
マリアを思うがままに喘がせておいて、  
片手でパジャマの残りのボタンを一気に外し邪魔な布地を左右に押し退けると、  
ブラをつけていなかったマリアの胸がこぼれ出し、ハヤテの目に露わになる。  
 
「きゃ・・・!」  
 
最初にハヤテの唇を奪ったときの挑戦的だった態度はすっかり消え失せて、  
年相応の少女らしく悲鳴を上げて両手で胸を隠そうとする。  
ハヤテからすれば年上の、しっかり者で美しい憧れの女性がまるで女の子そのもののような素振をするのを見て、  
彼の興奮はますます昂ぶり、彼女の腕を両手で掴んで引き剥がすと、改めて胸を露わにして―――  
 
「マリアさん、どうして隠そうとするんですか・・・?  
 こんな綺麗で、形のいいおっぱいを隠すなんて、もったいないですよ」  
「で、でも・・・恥ずかしい・・・です・・・」  
 
かすれたような小声で呟くように答えるマリアの頬は、かぁ、と耳まで真っ赤に染まっている。  
 
「恥ずかしがることはありませんよ・・・大きくて、魅力的で・・・」  
「そ、そういう意味で恥ずかしい訳じゃありませんっ!  
 それに・・・大きくも・・・ふ、普通、ですよ・・・」  
 
先程・・・と言っても色々ありすぎて随分前の様に感じてしまうが、  
ヒナギクを組み敷いていたナギを諌めていた時の様子から、  
マリアはナギに対して常に“攻め”だったのがハヤテにもよく分かる。  
・・・そう、常に“攻め”だったからこそ、逆に“受け”に不馴れなのだろう。  
今のマリアはすっかり羞恥と悦楽に翻弄されてしまい、ハヤテの為すがままになりつつあった。  
 
無論、ハヤテとしてはそれに何の不満もなく、  
むしろ事の発端である庭での出来事・・・  
その際に見せた妖艶で積極的な姿のマリアと今の彼女とのギャップが、  
ハヤテに目覚めてしまった嗜虐欲を掻き立てる。  
 
「マリアさん・・・本当に恥ずかしそうですね・・・  
 さっきは外で僕のモノを自分から口にして、あんな美味しそうにおしゃぶりまでしてくれたのに・・・  
 とてもさっきのマリアさんと同一人物だとは思えないくらいですよ?」  
「そ、それは、その・・・」  
 
その訳は、ハヤテにも、そしてマリアにも分かっている。  
要は、ごく単純に主導権があるかどうか―――という、それだけの話。  
次に何をされるかわからない怖さと、そして微かな期待。  
期待するから抵抗も出来ず、ただただ、相手の為すがまま。  
 
「マリアさんの胸、触るとふかふかに柔らかくて、だけどきゅっと掴むともちもちと弾力があって・・・  
 なんていうか・・・すごく、おいしそうです・・・」  
「な・・・ええ!? は、ハヤテくん!? ちょ、ちょっと?」  
 
自分を組み敷いたハヤテの顔が、徐々に胸に向かって近づいて来るのを見て、  
マリアは思わず身体を揺すって逃れようとするが、ベッドに押し付けられたままの腕では、  
ハヤテを押し退けることも、胸を隠すこともままならず、  
彼の舌がマリアの胸の先端、すっかり尖ってしまった乳首に、ぴちゃ、と触れて―――  
 
「ひぅんっ!」  
 
びくん、とマリアの身体が弾む。  
そして更に、そのまま唇で薄紅色の突起を咥えて・・・  
 
「ひ、ぅあぁっ! や、は、ハヤテっ、くんっ!? や、だめ、だめですっ! あ、ふぁんっ! あふ、んぅうう!」  
 
ちゅうううっ! っと乳首を吸い上げられる。  
ハヤテの予想外の行為と、自分が胸を弄られてここまで感じるとは思っていなかったことで、  
マリアは二重の不意打ちを受けて我を忘れて喘いでしまう。  
 
「ふぁあああっ! ハヤテくんっ! ダメ、いけませんっ! そこ、あ、んっ! 吸っちゃ、ひゃ! んぁああっ!」  
「ちゅ・・・ん、マリアさん、おっぱい弱いんですね・・・  
 マリアさんの喘ぎ声、色っぽいですけど、なんだか・・・女の子の泣き声みたいで・・・  
 いつもの大人っぽいマリアさんとギャップがあって・・・可愛いですよ♪」  
「は・・・ハヤテくんっ!? お、大人って・・・  
 わ、わたしは、まだ17歳の、ピチピチの女の子ですよっ!?」  
 
普段なら決して触れてはならない禁句の類、三千院の影の主の逆鱗に触れてしまう言葉だが、  
今の完全に受け身なマリアなら、その怒り方もまた可愛いもので、  
なんの脅威も感じられない。  
 
「そ、それに! 子供っぽいのだって、ハヤテくんの方こそ・・・!  
 胸をそんな、吸って・・・まるで、赤ちゃんみたい・・・ですよ・・・」  
 
組み敷かれ腕を押さえられ、それでもせめて言葉で抗おうとするマリアを、  
ハヤテは心底楽しそうにあしらう。  
 
「う〜ん、赤ちゃん、ですか・・・でもマリアさん、赤ちゃんはこんなこと、しますかね〜?」  
「え・・・ひゃ!? あ! んあぁああっ!」  
 
再びマリアの乳首を口に含むと、  
ちゅっ! ちゅぅうっ! ちゅぅううっ! と・・・  
今度は断続的に、変則的なリズムと強さで吸いあげてマリアを責め立てる。  
 
「ひゃうっ! あぅ、んんん! や、やめっ! ハヤテくん、これ、ひぁ! だめ、あ・・・ぅあ? あぅう!」  
 
いつ訪れるか判らない、どれくらいの強さかも予想のつかない不規則な快楽の波に、  
マリアは為す術も無く翻弄され、ハヤテの意のままに喘ぎ、悶えさせられる。  
だが、ハヤテの責めは更に執拗さを増し―――  
 
「んぅうっ! あ、ひ・・・いぅうっ! そんな、吸っちゃ・・・ひぅ!? や、だめ、舐めちゃ・・・  
 っあぅう!? 歯が、あたってぇ! や、んぁあっ! だめ、も・・・やぁあっ! ぅあ!? あ、ひぁあっ!」  
 
乳首を吸いながら、舌先でその突起を突付き、飴玉のように転がし、  
歯で軽く触れ、擦り、甘く噛み、マリアの乳首を徹底的に弄り倒す。  
びくびくと震え蕩けた喘ぎ声を洩らす様子に、もはや抵抗は出来ないと判断すると、  
マリアの両腕を離し、再び両の乳房を掴み、むにゅむにゅと揉みしだく。  
 
「ふわぁあ、はや、ハヤテくんっ! うぁ、だめ! 胸、そんな、ぐにぐにしちゃ、あぁあっ!? だめですっ!  
 や、ひぁあ! んぅう、ふぁああっ! ひぅ、だめ、吸っちゃ、噛んじゃ・・・ぁあっ! や、ひぁああっ!」  
「ちゅ・・・ぷぁ、ふふ・・・、マリアさんのおっぱい、いい匂いがして・・・すごく美味しいですよ?  
 じゃあ、今度はこっちも・・・」  
「ひぅう・・・や、あ、だめ、そんな! あ! あぅうっ! やめ、あ、いけませんっ! あ、んぁああっ!?」  
 
一旦マリアの乳房から口を離すと隣の乳首を口に含み、同じように舐め、吸い、噛み、しゃぶる。  
痛みを感じさせないギリギリの強さで、マリアの乳房と乳首を口中で味わいながら、  
両手の平と指先ではその柔らかさと芯に隠れた弾力、そして尖った乳首の固さを、やはり堪能する。  
 
「んぅう! だめ、だめです! ハヤテくんっ! そんな、あ、ひぁああっ! やめ、そんな、あぁあ!  
 むね、ダメぇ! とけちゃうっ! とけて、ハヤテくんに、ひぁあっ! たべられちゃうう!」  
 
解放された手はもはや抵抗しようともせずにシーツをぎゅっと掴み、  
為す術も無く左右の乳房を弄られて、注ぎ込まれる快楽に目を瞑って堪える。  
だが、どれだけ強くシーツを握ろうが、目を瞑ろうが、  
胸をほぐされ、溶かされてしまいそうな快感は強くなるばかりで、  
その刺激が身体の芯まで伝わって来て・・・  
 
―――あ、や・・・だめ・・・これ・・・  
 
ぞくり、と身体の芯、奥の奥が、何かの期待に、震える。  
何か―――今更考えるまでもない、淫らな・・・官能の悦びへの、期待。  
他人に身体を預け、受けに回ること、責められることに驚きうろたえ、身を固くしてしまっていたが、  
それはマリア自身が自ら望んだことだったと、その疼きが彼女に思い出させる。  
彼なら・・・ハヤテなら、自分の知らない悦びを教えてくれるのではないかと、  
そう思ったハズだと・・・  
 
身体の奥が疼く度にその思いは強くなり、その思いがじわじわとマリアの意識を蝕み―――  
 
「ひぅ・・・あぅう・・・っ、ぅん・・・んん! あ、ふ・・・ぅ、んく・・・!」  
「ん・・・む、ぷぁ・・・、マリアさん、何だか声が・・・エッチっぽくなってきましたよ・・・?」  
「そんな・・・は、うんん・・・ハヤテくんが、ふぁ・・・、いやらしいこと・・・するから、ですわ・・・」  
 
鋭く、跳ねるようだった喘ぎ声は、少しずつハヤテの言うとおり蕩けるような甘い泣き声に変わり、  
きつく閉じていた目は薄らと開き、潤んだ瞳で自分を弄る少年を見つめる。  
 
「んぁ・・・ひぁあ・・・そん、な・・・むね、ばっかり、されたら・・・ぁ、ぞくぞく、しちゃいます・・・」  
 
そうして、注ぎ込まれる悦楽に対してマリアはいつの間にか抵抗することを放棄してしまい、  
あとはただ与えられるままに・・・淫蕩な悦びに溺れてゆく。  
 
「ひぁ、あぅう・・・! んく・・・ハヤテ、くぅ・・・んっ、ひ、あ・・・! すご、い・・・いひ・・・ぃ」  
 
憧れの女性を、頼りになる年上の美人さんを、自分の指が、舌が堕としてゆく・・・  
そう思うとハヤテの欲は際限無く膨張し、すぐに彼女の胸を弄るだけでは収まりがつかなくなる。  
彼の中心にあるモノはマリアの痴態を見ているだけで、既に硬くいきりたっていて、  
スラックスの拘束が痛いくらいにキツい。  
 
―――ソレで、マリアを泣かせ、悶えさせ、よがらせたい。  
―――マリアの身体で、自分自身も気持ちよくなりたい。  
 
そう思ってしまったら、もう他には何も考えられなくなって・・・  
 
「ちゅ・・・ぱ、は・・・ぁ、ふふ・・・マリアさん、凄くえっちな顔ですよ・・・それに、声も・・・  
 おっぱい苛められて、悦んでるのが丸分かりですよ・・・?」  
「ふ、ぁ・・・ん、あ、はぁ・・・だ、だって、ハヤテくんが・・・こんなに、お上手・・・だから、です・・・」  
「マリアさんに誉めて頂けると嬉しいですね♪ では、どれくらい気持ちよかったのか、  
 声だけじゃなくて・・・マリアさんの身体にも聞いて見ましょうか」  
「え、からだ・・・って? あ――――――」  
 
マリアがそれ以上何も言えないうちに、ハヤテの手が彼女のパジャマと、その下のショーツの中に潜り込み・・・  
 
「―――っひゃううっ!?」  
 
がくんっ! とマリアの身体が、跳ねる。  
着衣の奥に侵入した指がマリアの秘所に触れ、潤みきった秘裂を直に撫でたのだ。  
くちゅ、にちゅ、と湿った音を立ててマリアの秘所を弄りながら、  
 
「マリアさん、こっちの方も・・・すっかり濡れて・・・もう、おっぱいよりもココに欲しくて・・・  
 我慢できないんじゃないんですか?」  
 
そう言いながら、びくんびくんと震え嬌声を上げるマリアの顔を覗き込む。  
だがマリアもマリアで・・・  
 
「ふぁ、あふぅっ! んぁ! は、ハヤテくんこそ・・・あ、ふぁあ!  
 うふふ、我慢できないって、お顔、してますよ・・・?」  
 
蕩けきった顔で、嬌声を上げる合間に、それでもクス、と小さく笑いながら言い返す。  
それに対してハヤテは一瞬、ピク、と眉を動かし、そして不敵に笑い、  
 
「ふふ、マリアさん、まだ余裕があるみたいですね・・・では、こうしてあげましょう♪」  
「っひぅうっ!? あ、や、つよ・・・っあぁああっ! あひ、や、やめ・・・んぁああっ!?」  
 
ぐちゅぐちゅぐちゅっ!  
と、ハヤテの指使いがいきなり乱暴になり、マリアの秘裂を抉り、陰核を押し捏ねる。  
年上の、憧れの彼女を堕とす悦びを知ってしまったハヤテは、  
マリアを完全に支配したい欲求に駆られていた。  
 
―――ハヤテくん・・・こんな、口答えも許してくれないなんて・・・わたし・・・本当に、ハヤテくんに・・・  
 
屈服させられて、犯される。  
そう思うと・・・マリアの身体はより一層、ゾクゾクと疼き・・・心が、焦れる。  
 
「いい声ですよ、マリアさん・・・普段と全然違うけど、今のいやらしいお顔には、  
 今みたいないやらしい、泣きそうな喘ぎ声が、すごく・・・お似合いです」  
「ひぁ・・・そん、な・・・あ、ふぁあっ! あく・・・んぅうっ!」  
 
胸を弄られ始めた時のような鋭い声も、拒絶や羞恥から上げているのではない。  
単に、刺激が強すぎる・・・気持ちよすぎて、抑えが効かないだけ。  
そうやって、“口答えの罰”にマリアを泣かせ、よがらせてから、  
ハヤテは手を引き抜くと・・・  
 
「ではマリアさん、そろそろマリアさんのいやらしいところ・・・見せて頂きますね・・・」  
「あ・・・は、はい・・・」  
 
ハヤテの手がパジャマとショーツにかかり、いっぺんにするする、と引き下ろしてゆくのを、  
マリアは心持ち腰を浮かせ、自ら脱がされやすい体勢をとって受け入れ、  
すぐに彼女の下半身は一糸纏わぬ姿となってハヤテの目に晒される。  
しとどに濡れた秘すべき裂目は恥丘の名の通りに僅かに膨らんでいて、  
溢れんばかりに果汁の詰まった、熟れた果実を連想させ、  
ハヤテは思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。  
 
「あ、あんまりじっくりと見ないで下さい・・・す、凄く、恥ずかしいんですからね・・・?」  
「・・・マリアさんのここ、とろとろで・・・それに柔らかそうで・・・、  
 ヒナギクさんやお嬢様とは、全然違って、すごく熟れてる感じです・・・」  
「な・・・う、熟れてるって・・・!? ど、どういう意味ですかっ!?」  
 
こんな時でもその手の言葉には敏感なんだなぁ・・・等と半ば感心しながら、  
ハヤテは見るからに柔らかそうな恥丘に触れて・・・  
 
「ふわぁっ! は、ハヤテくんっ!? 質問、にぃっ! ひぁあ! こた、や、ふぁあ!」  
 
恥丘を軽く揉んでやると、マリアの嬌声に合わせてぷちゅっ、ぴゅるっ、と蜜が溢れ、滴ってくる。  
 
「ほら、マリアさんのここ、柔らかくて、触るとこんなに蜜がたっぷりと溢れてきて・・・  
 まるで熟した果物みたいで、甘くて・・・美味しそうだからですよ・・・」  
 
そう答えるハヤテの顔は、いつの間にか露わになったマリアの秘所へと近づいていて、  
気付いたマリアが慌てて何かを言おうとした時には―――、  
 
「じゃあ、いただきますね♪」  
「え、ちょ、ハ、や――――――っふぁああぁっ!?」  
 
はむっ、と。  
果実を丸齧りするかのように、歯の代わりに唇でマリアのソコにかぶりつき、  
溢れる果汁をじゅるるるるっ、と音を立てて啜りあげる。  
 
「ひぁあ! や、やめ! ハヤテくんっ、だめぇっ! や、ひぁあああっ!」  
 
唇を秘所に強く押し当てられて、膣の一番奥まで響くくらいに強く吸われ、  
マリアは激しく乱れ、悶える。  
刺激的過ぎる快感で身体は抑えようも無くガクガクと震え、自分がどんな声を上げているのかもわからなくなり、  
やがて視界がチカチカと白く明滅し始めて、そして――――――  
 
「ひぁああっ! やめ、ひゃあっ! あぅ! ハヤテくんっ! はや、や、あ、あぁああぁあっ!」  
 
一瞬だけ意識が真っ白に染まり、快感が電流のように身体を駆け上るのを、感じる。  
 
刹那の意識の空白の後に、マリアの身体は弛緩して微かに震え、息も絶え絶えになっていた。  
 
―――軽く、イっちゃいました・・・  
 
余韻でぼんやりする頭で、なんとなく現状を認識する。  
秘所を吸いあげられる感触は消えていて、  
マリアは初めての“一方的に責められて”迎えた絶頂の余韻に陶然と浸りかけて・・・  
ふ、と、自分を一方的に絶頂に追いやった当人の存在を思い出す。  
うっすらと開いているだけだった目を開けて、彼の姿を探そうとしたところで、  
ひょこ、とハヤテの顔が視界の下から現れる。  
 
「あ・・・ハヤテ・・・くん」  
 
自分はこの少女のような顔をした少年にイかされてしまったのだと思うと、  
今更ながらに気恥ずかしくなってしまい、マリアは思わず妙に顔をしかめてしまう。  
対してハヤテは“ニパー”っと、  
見ているだけで気恥ずかしくなるような無邪気な笑みを浮かべながら無言でマリアに迫り、  
その距離の近さに彼女がハッとした表情になって何かを言おうとする前に・・・開きかけた唇を、唇で塞ぐ。  
だが、今度はすぐに舌を差し込んだりはしない。  
・・・舌は入れないが、代わりに―――  
 
「・・・っ、んぅ・・・んん!? んんんっ! んむ、んむむ〜〜〜!?」  
 
たった今マリアの“下の口”から啜ったばかりの、搾り立ての彼女の果汁を“上の口”へと口移しで流し込む。  
唇越しに流し込まれる、いやに生温かく僅かに酸味のあるとろとろの液体が何なのか、  
マリアにはすぐに理解できる。  
つい先程、ヒナギクの“それ”を口にしたばかりだし、  
今まさに自分がハヤテにされている行為を、これまでに何度もナギにしたことだってあるのだ。  
自分の秘所から漏れ出したいやらしい蜜を口移しで無理矢理に飲まされたときのナギは、  
恥ずかしさの余りに耳まで真っ赤にして、いつ涙がこぼれてもおかしくないくらいに目を潤ませて、  
一生懸命にイヤイヤと首まで振ってくれて、  
本人にその意思がなかろうともマリアの嗜虐欲を存分に満たしてくれていた。  
 
・・・それを今、自分がされているのだ。  
ハヤテの愛撫によって溢れ出した愛蜜を秘所から直に啜り取られ、それを口の中に流し込まれた。  
続いて入ってきた彼の舌はその蜜を口中の粘膜に擦り付けるかのように蠢いて、  
口の中はもはや自分の蜜の味しかしない。  
 
―――わたしの味・・・こんなの、やだ・・・恥ずかしすぎます・・・  
 
自分が好んで行っていた相手を辱めるための行為で、今まさに自分自身が辱められ、  
恥ずかしさの余りにマリアは目に涙を溜めて、必死で逃れようと首を振ってもがく。  
その仕草が自分を悦ばせたナギの仕草とそっくりであることなど気付く余裕がある訳も無く、  
故にその仕草がハヤテの嗜虐欲をくすぐり、更なる恥辱を与えようと思わせてしまっている事など、  
気付き様も無い。  
 
ハヤテはマリアを逃さないようにぎゅっと唇を押し付けると、顎に手を添えて喉を反らせてやる。  
そうすることでマリアの口に溜まっていた彼女の蜜と唾液、そしてハヤテの唾液が混ざり合った液体は、  
自然と喉に向かってとろとろと流れ出し・・・  
 
「ん、んんんっ! んっ! んく、んく・・・っ、んふっ! ん、んむ―――っ! んく、ん・・・くっ」  
 
例えマリア自身が望まなくとも、身体の反射行動によって彼女は喉に流れてくる生温かい液体を、  
こく、こく、と、喉を鳴らして少しずつ嚥下させられる。  
 
―――やだ・・・こんな・・・私の、恥ずかしい・・・愛液・・・ハヤテくんに・・・飲まされてる・・・!  
 
まるで喉を犯すかのように、無理矢理に流れ込んでくる恥ずかしい、いやらしい味のカクテルは、  
こくん、こくん、と飲み込むたびにハヤテに対する屈服感が心を占めてゆく。  
恥ずかしさは未だ消えはしないが、マリアにはハヤテの行為に抵抗する手立ては無く、  
彼女は彼の為すがままに行為を受け入れ、少しずつ心は蕩け・・・  
被虐という喜悦が、マリアを蝕んでいった。  
 
「・・・ぷぁ・・・っふぅ・・・」  
 
やがてマリアが口移しで与えられた自身の蜜を全て飲み下したところで、ハヤテは顔を上げる。  
マリアの頬や額には汗で幾条もの髪が貼り付いていて、  
薄く開いた目からは涙がこぼれ、だらしなく開いた唇の端は涎で穢れている。  
潤んだ瞳、喘ぐような吐息・・・淫らに蕩けきった表情を浮かべるマリアはそれでも尚美しく、  
ハヤテのいきり立った欲望を欠片ほども損なわせることは無い。  
 
「マリアさん、如何でした? 自分のえっちな蜜のお味は♪」  
「そ・・・! そんな・・・あ、味なんて・・・・・・わかりません・・・」  
 
羞恥で顔を真っ赤に染めながら、マリアは弱々しく答える。  
その、嗜虐欲を掻き立てずにはおかない彼女の態度に、ハヤテは発端の出来事を思い出す。  
 
「ふふ・・・マリアさん、覚えていますか? 今夜、僕が庭で落ち込んでいたときに、  
 マリアさんが慰めてくれて・・・そのあと、僕のことを一方的に弄ってくれたこと」  
「そ、それは・・・その・・・」  
 
今宵の淫らな宴の発端となったマリアの一方的な愛撫と、彼女が浮かべていた艶笑・・・  
今の彼女と間違いなく同一人物でありながら、  
それゆえに余計に際立つ、今のマリアの儚さと・・・被虐的な美しさ。  
 
「あのときのマリアさん、すごくえっちで・・・でも、本当に・・・ゾクゾクするくらい、綺麗でした・・・」  
 
為す術も無く唇を奪われ、服を脱がされ、射精させられたこと・・・  
思い出すだけで下腹部がぞくり、と震えるくらいに生々しい、圧倒的な快感だった。  
 
「でも今のマリアさんは泣きそうな顔で、息も乱れてて、汗と涙と涎で汚れてしまって・・・」  
 
じっと顔を覗き込まれながらそう言われると、本当に泣きたくなるくらいに恥ずかしい。  
こうして自分は彼に貶められてしまうのか、と悲痛な思いすら抱きかける。  
だが、ハヤテの言葉はマリアの予想と違い・・・  
 
「それなのに、いや、だからこそ・・・凄く、可愛いですよ・・・」  
「かわ、いい・・・・・・?」  
 
どきん、と鼓動が跳ねる。  
ハヤテの一言で不安に苛まれたかと思えば、意外な言葉にドキリとさせられる・・・  
マリアの感情は、既にハヤテの掌の上だった。  
そして、それをハヤテ自身が理解しているからこそ、そうやって持ち上げておいて・・・  
 
「はい、もう、なんて言いますか・・・滅茶苦茶に犯して、泣き喚かせてしまいたいくらいに可愛いですよ♪」  
「な・・・・・・・・・」  
 
決定的なハヤテの一言に、今度こそマリアは絶句する。  
目を見開いて怯え引き攣った表情を見せるマリアの姿はこれまでに見たことも無いほどに弱々しく、  
ハヤテは・・・これ以上、自らの欲求を抑えることを放棄する。  
 
「は・・・ハヤテ・・・く、ん・・・?」  
 
おもむろにジャケットを脱ぎ捨て解けたネクタイを外し、  
カチャカチャと音を立ててベルトを外すハヤテの行動が何を意味するか・・・  
充分過ぎるくらいに判っていても、マリアは一縷の望みを込めて哀れみを請うような視線を彼に送る。  
ハヤテはその視線に気付いて、そして当然のようにそれを無視してジッパーを下ろし、  
敢えてマリアの目に映るように、硬くいきり立った、肉の凶器を取り出す。  
 
「―――っ!」  
 
マリアが声にならない悲鳴を上げて、もがくようにベッドの上をあとずさる。  
その様子をさも楽しそうに眺めながら、  
 
「おやどうされましたかマリアさん?  
 さっきマリアさんが庭であんなに美味しそうにおしゃぶりしてくれたモノですよ?」  
「そ、そ・・・それは・・・っ」  
 
それは分かっている。  
あの時は、全く逆の立場だった。  
初めて体験した・・・させられた性的な行為にハヤテはすっかり萎縮してしまい、  
マリアは思うがままに彼の性器を愛撫して、強制的に射精まで導いた。  
だが、今は彼女に主導権は無い。  
責めることしか知らなかったマリアは、  
これから初めて味わうことになるであろう被虐的な性行為に完全に怯えきっていて、  
その責め具となる彼の肉槍は、もはや恐怖の対象以外の何者でもない。  
 
カタカタと小刻みに震える身体を少しでもハヤテから離そうと情けなく足掻く今のマリアは、  
今のハヤテにとってはこの上なく性欲を掻き立てる獲物以外の何者でもなく、  
ずい、と身体を乗り出すと彼女の足の間に身体を捻じ込んで開き、  
細い腰を掴んで捕まえ、引き寄せる。  
 
「ひ・・・や・・・!」  
 
マリアの腰はハヤテの腰へと引きずり寄せられ、  
やがて・・・彼女の潤みきった秘裂に、ちゅく・・・と、何かの先端が触れる。  
 
「や、や・・・やだ、やです! ハヤテくんっ! や、おねが・・・やめて、ください・・・」  
「ふふ、そんなに怯えちゃって・・・でも、マリアさん」  
 
肉槍の穂先に触れるマリアの秘所は温かく潤み、  
必死に懇願する彼女の涙声は、彼女の意図とは真逆の効能をもってハヤテの獣欲をいきり立たせ、  
このまま一気に貫いてしまいたい衝動で下半身を弾けんばかりに満たしてゆく。  
・・・だが、どうせ彼女を犯すことには変わらないのだから、あと少しだけこの衝動を抑えて・・・  
 
「マリアさんは、僕に・・・犯されたかったんでしょう?」  
「なんで・・・すって・・・?」  
「あの時、あれだけ僕を挑発して・・・僕に、マリアさんを抱きたい・・・犯したいって、  
 そういう衝動を植え付けてくれましたよね・・・」  
 
怯えの色を浮かべたまま、マリアははっとした表情でハヤテを見上げている。  
忘れているのか、隠しているのか・・・  
どちらにしても、ハヤテはマリアが抱いていた、あるいは抱いている企みに気付いている。  
 
「そして、ヒナギクさんとお嬢様に僕をけしかけて・・・二人を僕に犯させて・・・  
 女の子を責め立てて、犯して・・・泣かせて悦ばせる、そんな快感に、僕を目覚めさせましたね・・・?」  
 
ぞくり、とマリアが震えるのが、掴んだ彼女の腰からハヤテにも伝わってくる。  
 
―――僕がこのことを見抜いていると知ったら、マリアさんは怯えるだろうか、恥ずかしがるだろうか・・・  
―――いや、でもきっと・・・どんなに怯えても、恥ずかしがっても・・・無意識の奥で、悦ぶんだろうな・・・  
 
「そんな僕について、のこのこ僕の部屋までやってきて・・・それじゃあ、誰がどう考えたって、  
 マリアさんは僕に犯されるためにここへ来たとしか思えませんよ?  
 それなのに、今更そんなに怯えて・・・」  
 
そこで、ふ、とハヤテは表情を崩すと、何も言えずにいるマリアの耳元に唇を寄せて、  
まるで内緒の話でもするかのように―――  
 
「いや、それもマリアさんの想定通り、なんでしょうね。  
 いつもお嬢様を責めるばかりで、責められる悦びを味わってみたかったのですよね?  
 でしたら・・・本気で、心から怖いと、恥ずかしいと思わなきゃ、  
 責められて、苛められて・・・犯される本当の悦びはわかりませんからね」  
 
そこで言葉を区切ると、ふっ、とマリアの耳に吐息を吹きかける。  
 
「―――ひぅうっ!?」  
 
不意の悪戯に、マリアは身体を大きく揺らし、背を仰け反らせて悲鳴のような喘ぎ声を上げる。  
 
「ふふ、だからこうして苛められて・・・マリアさんは本気で恥ずかしがって、怯えて、涙まで流して・・・  
 それでいて、心の奥底では嬉しくて堪らないんですよね?  
 早く、処女を貫かれたくて・・・僕に犯されたくて堪らない・・・そうなんですよね?」  
 
彼女の秘密を彼女にだけ聞こえるように囁いて、ハヤテは再び顔を上げる。  
マリアはやはり何も言わず、ただ顔を真っ赤に染めて、ハヤテを見上げている。  
 
―――全て、見抜かれているんですね・・・  
 
庭で彼の背中を抱いた、その瞬間に自分の中に浮かんでしまったことが。  
自分の抱いた浅ましい淫らな欲望と、その為の伏線が・・・全て。  
それは堪らなく恥ずかしいことであり・・・そしてハヤテが思った通り、喜ばしいことでもある。  
彼に秘していた心の奥底すら見透かされ、マリアの全てはハヤテのものとなった。  
今このとき、彼女は彼に完全に屈服し・・・故に、あとはもう、全てが彼の思うが侭、なのだ。  
 
「ではマリアさん・・・」  
「ひ・・・や・・・ハヤテ、くん・・・やめ・・・」  
 
そこまで見透かされていても、それでも恐ろしいものは、恐ろしい。  
その、恐ろしいと思うこと、心の底から怯えること自体が、マリアの望んだことであったとしても。  
 
「ヒナギクさんは、それまで焦らしすぎたせいか挿れた瞬間からイっちゃって、  
 全然痛がってる様子はありませんでした」  
 
ハヤテの熱い肉槍の穂先が秘裂にあてがわれ、先端が蕩けるような媚肉に包まれる。  
 
「お嬢様は流石に小さいだけあって、物凄く痛がって、それまで感じていた快感から、  
 一気に醒められてしまいましたが・・・  
 でも結局はマリアさんも御覧になったように・・・僕に犯されて、イき続けるくらいに感じてました」  
 
穂先はすぐにマリアの処女膜に突き当たり、そこで一旦、腰の動きを止める。  
 
「ですから、お二人よりもえっちなマリアさんならきっと、すぐに気持ちよくなっちゃうかも知れませんね〜」  
「え・・・あ、や、や! まって、やだ! ハヤテくん・・・!」  
 
そしてマリアが、己の純潔が風前の灯火であることを認識するだけの時間を与えた上で、  
改めて腰にゆっくりと力を込め、  
 
「でも安心して下さいね? 苛められたい、嬲られたいマリアさんの為に、  
 ちゃーんと、最初から激しくしてあげますから、ね♪」  
「ま、まって! は、ハヤテくんっ! そんな、やだ! やですっ!  
 は、初めてなんです! だから、やさしく―――」  
「ふふふ、勿論知ってますよ? ですから・・・」  
 
マリアの純潔の証は突きつけられた穂先からの圧力を受け、みりみりと歪み―――  
 
「泣いて悦んで下さい・・・・・・これから思いっきり・・・犯してあげますから!」  
「ひ・・・い・・・」  
 
ずぶぶぶぶっ!  
 
「い・・・・・・っやぁあぁあぁあああ!」  
 
ハヤテの言葉と共に彼のモノは一気にマリアの処女を貫くと、  
そのままの勢いを殺すことなく二人の腰と腰がぶつかるまで、  
肉の凶器を彼女の未通の膣洞に捻じ込み、閉じた媚肉を抉じ開ける。  
 
「いた・・・っ! いたい! 痛いですっ! ハヤテくんっ! ひぐ・・・抜いて、ぬいてくださいっ!  
 いや! 痛いのっ! ほんとに、お願いですから・・・やめ、いやぁああ! やめてぇ!」  
 
目から大粒の涙を流しながら、マリアは苦痛に顔を歪め、恥も外聞もなく泣き叫ぶ。  
だが、勿論ハヤテがその訴えを聞き入れる事は無い。  
優しく、労わるような性交をする気など毛頭無いことは彼自身が宣言したばかりだし、  
そして何よりも・・・  
 
「す・・・ご、マリアさんの、なか・・・これ、気持ち・・・よすぎますよ・・・  
 なんか、すごい・・・絡み付いてきて・・・腰が・・・勝手に、動いちゃいますよ・・・」  
「や、やだっ! そんな、ひ、いた、いやぁあ! やめ、あ、ひぐ・・・んぁあっ!  
 いた、いたいのっ! 痛いんですっ! おねが・・・っ、ハヤテくんっ! やめ、とめてぇえ!」  
 
その言葉の通りに、ハヤテはマリアに息をつく暇すら与えずに、  
処女を貫いた勢いを全く削ぐことなく、マリアの秘所に埋め込んだ肉茎を抽送していた。  
ずちゅっ! ぎちゅっ! じゅぷっ!  
と、卑猥な水音を立てて二人の性器は交わりあい、  
その隙間から僅かに白濁したマリアの淫蜜と、そして破瓜の証の紅い筋が垂れ流れる。  
 
「いひぃっ! いや、やぁああ! あく・・・ひぎぃっ! いた、痛いぃっ! やめて・・・ハヤテくんっ!  
 もう、もうや、いやぁあっ! おねがい・・・っ、お願いですからぁ! もうやめて・・・もうゆるしてぇ!」  
 
ゴツゴツとした硬い肉の凶器に膣内をぐちゅぐちゅと抉り突き回され、  
みりみりと膣肉が引き攣るような痛みにマリアはただただ泣き叫ぶ。  
それでも、決して涸れない・・・むしろさっきより更に分泌量を増した蜜のお陰で抽送はあくまで滑らかであり、  
マリアの懇願も虚しくハヤテの腰の勢いは一突きごとに強くなるばかり。  
 
「んぁあ・・・あぐ、いた・・・あぁあ! やめ、もうやめて・・・やめてぇえ!  
 ハヤテくんっ! おねがい、おねがいですから! ハヤテくん、ハヤ・・・っやああぁ! あ、ひぁああ!」  
「っふ・・・っ、何、言っているんですか、マリアさん・・・  
 ここ、こんなにぐちょぐちょに濡らしておいて・・・」  
「ひぁ・・・あぁっ! だ、だって・・・それは、あ、あはぁ! はや、ハヤテくんが、痛く、するからですっ!」  
 
摩擦による苦痛を和らげるための防衛反応として、潤滑液となる愛液を身体が分泌するのはハヤテも知っている。  
だが、彼は自分自身を探査針としてマリアの奥深くまで突き込んで、  
今やある部分においては、マリア自身よりも彼女のことを理解している。  
・・・少なくとも、彼女の膣がどんな状態であるか、については。  
 
「じゃあ、どうしてマリアさんの中・・・こんなに、僕のに絡み付いてくるんでしょうねぇ?」  
「ひぐ・・・! うぁあっ! やめ、ひっ・・・! から・・・み・・・? そんな、しらな・・・ぁああっ!」  
「本当にわからないんですか? マリアさんの中、ヒナギクさんやお嬢様に比べると、  
 キツさはソコまで無いんですが・・・いや、それでも充分過ぎるくらいギチギチで気持ちいいんですけど、  
 それ以上にですね・・・マリアさんの中の襞が、僕のモノににゅるにゅる絡んできて・・・  
 マリアさんのココは、僕に犯されて悦んでいるみたいですよ?」  
「そ、そんな・・・っ! しらない、そんなの知りませんっ! そんな、あ、ひぁ、うぁあっ!  
 あぐ、やめ! ハヤテくっ、や!? また、はげしっ! うぁ! んぁあああ!」  
 
そんなやり取りの最中でも、じゅぶじゅぶとハヤテの肉茎はマリアに突き立てられ続け、  
動転した彼女は切羽詰ったような悲鳴を上げて、悶え、喘ぐ。  
 
「そうですか、でもそんなこと言いながら・・・実はマリアさん、感じてませんか?」  
「え・・・い、いや、ちがう、違いますっ! か、感じてなんていませんっ! 痛いん、です、から―――あぁあ!」  
 
組み敷いたマリアの腰に何度も腰を打ちつけながら、  
ハヤテは彼らしくない、薄ら笑いを浮かべてマリアの真っ赤に紅潮した泣き顔を覗き込む。  
その視線の前では全て見抜かれてしまうような気がして、マリアは思わず顔を背けるが―――  
 
ずちゅちゅっ! ずぶぶっ! ぎちゅ、ぐちゅ、じゅぶぶっ!  
 
「んぁあああぁ!? や、やめ、ひぁああっ! だめ、はげし、あ、ふぁああっ! やぁ、ひゃああ!」  
 
途端に激しくなるハヤテの責めに身体はガクガクと揺れ、一度は背けた首を振り乱して、  
マリアは悲鳴――――――ではなく、嬌声を上げて、乱れ泣く。  
 
「あれ、どうしましたマリアさん、さっきより激しくしたのに、痛いって言うのお忘れですよ?」  
「ひぁあ!? あ、そ、そん、あぁあっ! い、いた、ほんとに、本当にっ! いた、い、いひゃああぁあっ!」  
 
ハヤテの意地悪な問いかけにマリアは必死で体裁を取り繕うとするが、  
一度綻びた感情は、あとはただほつれゆくがまま・・・  
もはや、自分がただ痛がっているだけではない―――という事実を、ハヤテに隠すことは出来なかった。  
 
「まぁでも、本当のことを言えば・・・初めからバレバレだったんですけど、ねっ!」  
「うぁああっ! あ・・・え? や、うそ、そんな、や、ひぁあ! はじめ、からって、そんな・・・ぁああっ!」  
「お嬢様の時は、挿入の直後は愛液も出てこなくなっちゃって、膣も攣ったみたいに固まっちゃって、  
 顔色も真っ青、いや、蒼白になってしまいまして・・・  
 それに比べたらマリアさんの中はずーっとぐちゅぐちゅで、にゅるにゅるで・・・ふふ、そういうことです♪」  
 
全く痛くない訳でも無かったのだろうし、今だって痛いのは本当なのかもしれない。  
だが、マリアの表情も声も、もはや苦痛以外のもっと強い別の感情によって染まりきっているのが、  
ハヤテの目にも耳にも、明らかだった。  
そして再び全てを見抜かれてしまったマリアは喘ぎ悶えながら、  
隠したかった喜悦と隠し切れなかった羞恥とで顔中を真っ赤に染めて、泣きそうな顔でハヤテを見上げている。  
ハヤテは責め手を全く緩めることのないまま、す・・・と泣き顔のマリアに顔を寄せて―――  
 
「だからマリアさん、諦めてください。  
 もっと強く、激しくしてあげますから・・・感じて、喘いで・・・乱れてください。  
 変なことに気を使わないで・・・僕に犯されてることだけ感じて、気持ちよくなってください。  
 ・・・だってそれが、マリアさんの望みなんですから・・・」  
 
あくまでマリアを責め立てる肉槍は休ませず、彼女を貶めるような台詞を口にしながら、  
その言葉とはあまりにもそぐわない、だがハヤテらしい優しい笑顔で、声で、囁きかける。  
ハヤテの声は怖いくらいに甘く、優しく・・・マリアの乱れきった心に容易に染み渡り、  
彼女を鎮め・・・その胸を、心を・・・彼の言葉で、満たしてゆく。  
 
「あ、ふぁ・・・あぁあ! は、ハヤテくん・・・っ! ひぁうっ! ハヤテくんっ! ハヤテ、く、んぅう!」  
 
羞恥で染まっていたマリアの瞳が、蕩け・・・何かを乞うような視線となって、ハヤテに注がれる。  
それに応えるようにハヤテは更に顔を寄せて、そのときになって初めて腰の動きを止めて―――  
 
ちゅ、と。  
 
唇と唇が触れ合うだけの優しいキスをして、にっこりと笑ってマリアを見つめる。  
ぴくん、と震えたマリアの目から、ぽろぽろと涙がこぼれ・・・  
 
「ではマリアさん、これからが本番ですからね・・・?  
 たっぷりと・・・心行くまで、滅茶苦茶に・・・犯してあげますから、ね?」  
「は・・・い、ハヤテくん・・・して、ください・・・わたしのこと・・・めちゃくちゃに・・・して・・・」  
「はい♪」  
 
それで、マリアの抵抗も演技も、全て終わりだった。  
あとはただ、ハヤテの思うままに、マリアの求めるままに―――  
 

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