コン、コン。
何度か扉を叩いてみるが、特に反応は無い。
眠っているのか、それとも何らかの理由で反応することが出来ないのか。
マリアの言い様から、半々・・・いや6対4で後者かな、と思いつつ、
「お嬢様、ハヤテです。 失礼しますね」
がちゃ、と扉を開いて、彼の目が最初に捉えたのは―――
「・・・んな・・・・・・」
後ろ手に手錠をかけられ、目隠しをされて猿轡まで噛まされて・・・
パジャマ姿でベッドに横たえられていた、彼の大恩あるお嬢様―――ナギであった。
状況から察するに、恐らくこれがマリアの言っていた“飾り付け”なのだろうか・・・と迷いつつも、
―――ま、マリアさん、僕は別にこういった趣味は・・・うーん・・・
彼女の期待に添えないのは残念だが、さすがにそういう気分になれないのでは仕方が無い。
とりあえず己の主をこのまま放置する訳にも行かず、ハヤテは主を拘束から解放するために彼女へと近寄る。
「お嬢様、大丈夫ですか!? これ、今すぐ外しますから!・」
「ん、んんっ! んむむ〜!」
ベッドの傍まで近寄ると、ナギの身体は小さくびくびくと震えているのが見て取れる。
この時点で、違和感が無かった訳ではない。
だが、それは拘束による不安が募りすぎての故かと思い、
まずはサイドテーブルの上に置かれていた鍵を取ると手錠を外してナギの両腕を自由にする。
すると、彼女は自由になった手でシーツをきゅっと掴み、何かに耐えるようにやはり震え続ける。
ならば暗闇が怖い彼女のこと、きっと目隠しで視界を完全に遮られて怯えているのだろうと思い、
ハヤテはまずナギの目隠しを外す。
「さ、お嬢様、これでもう暗くはありませんか・・・ら?」
「んっ! んむっ! んんんんっ!」
目隠しの下から現れたナギの目を見て、ハヤテは改めて―――何かが違う、と感じる。
涙で潤んだ目で見上げられるのは、これまでにも何度かあった。
だが、今日の、今の彼女の目は何かが違う・・・そう、その表情。
暗闇に怯えた風でもなく、情けないところを見られたことへの怒りもなく、負けず嫌いな強がりもなく・・・
目尻に涙を溜めて、切なげに潤んだ瞳は、まるで慈悲や情けを乞うようにハヤテに向けられているように見える。
その、普段とのギャップのせいなのか・・・
ハヤテは一瞬、そんな弱々しいナギを力づくでどうにかしてしまったら、どんな気分だろうか、と―――
―――ま、待て僕! お嬢様はお嬢様で、恩があって、何よりまだ子供で・・・!
ぶんぶんと首を振って、そんなあり得ない考えを追い出す。
とにかく、お嬢様を解放したらすぐにこの部屋を去ろう、と心に決めて、続いてナギの猿轡を外しにかかる。
猿轡は目隠しと同じくベルトで固定されただけのごく簡単なものなので、
ハヤテは手早くナギの口を解放すると用意していた挨拶の言葉を―――
「お嬢様、お身体の具合は―――」
「かふっ! かは、こほっ! げほっ!」
「お、お嬢―――」
―――ぼとっ
「・・・え?」
拘束を解いてお嬢様に気遣いの言葉をかけて、
仕事があればそれをこなして、無ければ気を利かせて早めに退出して・・・
と、事前に計画していたハヤテ的に一番無難な執事としての行動予定は、
唐突に出現したその非現実的な物体によって白紙に戻ってしまった。
もっとも、白紙になったのはハヤテの頭の中だとも言えるが。
「えふっ! かふ、こほっ・・・はぁ、は・・・ぁ、うぅぅ・・・」
涙目で顔を真っ赤に染めながら咳き込むナギの年にそぐわぬ艶めいた表情も気になるが、
それよりも今は、そんなお嬢様の口からこぼれ落ちた物体の方が気になって仕方がない。
シーツの上のそれは原色のピンク色で、形は小ぶりな卵・・・を少し縦に伸ばした感じ、といったところだろうか。
だが、形より色より、ハヤテが唖然とさせられたのは、
ヴ・・・と鈍い音を立てながら振動しているという、異様さの故であった。
その振動を続けるモノ―――ローターというものをハヤテは見たことも、そういうものの存在すら知らなかったが、
今夜という余りにも特殊な状況、思わせ振りだったマリアの台詞、
それにこのフォルムと動きから、これがどのような目的をもって作られたモノなのかは、容易に見当はつく。
―――お嬢様はこんなモノをずっと口の中に押し込まれていたのか・・・
これじゃあ、まるで口の中を犯されているような・・・・・・って!
そんなことを考えかけた頭を、もう一度思い切り振ってクリアにする。
3歳も年下の少女に欲情、とは行かぬまでも性的なことを連想するなど、
身分の差以前に、人間として許されざることだと認識していた・・・ハズであった。
例えマリアから期待されはしても、この部屋の扉を潜るまではその気は全く、100%無かったのだ。
なのに、そう・・・
「は、ハヤ、テぇ・・・あ、あぅぅ・・・」
この声。
ナギの切なげな声に思わず顔を上げると、少女は潤んだ瞳で何かを訴えかけるようにハヤテを見つめている。
その、眼差し。
相変わらずの幼げな顔立ち、身体つきにも関わらず、今のナギは年齢や外見と不釣り合いな艶を纏っていて、
それが今夜、女性を知ったばかりのハヤテの感性に、妙に強く訴えかけてくるのだ。
ハヤテは“一般的な性癖の持ち主”として、そして彼女の執事として、
ナギに抱きかけている感覚を必死に否定する。
だが、生まれてしまった感覚は意思の力で抑えることこそ出来るものの、
どれだけ頭を振ろうとも決して消えてはくれない。
そして、ナギの声を聞くたびに少しずつ肥大してゆくその感覚は、
ハヤテの中で何かが鎌首をもたげるようなイメージと共に、背筋をぞくりと震わせて―――
「―――っ!」
慌てて視線を手元に落とし、ナギを意識の外に追いやる。
とにかく、何か別のことを考えようと手中で相変わらず振動しているモノに目を向けて、
・・・とは言え、それ自体はごくごく単純なモノなので、特にこれ以上観察すべき点もなく、
自然とハヤテの目線はコードを辿ってナギのパジャマの胸ポケットへと移る。
「・・・えと、失礼しますね、お嬢様・・・」
「ん・・・ぅ、ふ、ぁ・・・うっ!」
普段以上に注意してナギの身体に触れないようにコードを摘んで、
ローターからコードで繋がれたモノをナギのポケットから吊り上げる。
掌に収まる大きさの箱状の物体に、スイッチとダイアルがついているだけのそれは、
はじめて見たハヤテにもひと目でどんなものか分かる程にシンプルな、要するにコントローラーである。
ダイアルを回してみると、ヴ・・・、ヴゥ・・・ン、ヴヴ・・・ヴ・・・・・・と、徐々に振動が激しくなる。
・・・そうしてしばらくの間、ハヤテはそれを興味深そうに弄っていたが、
これは眺めるだけで何時までも興味を惹き続けるような、高尚なモノではない。
当然ハヤテもすぐに飽きて、頭を切り替えるように手元のコントローラーのスイッチをオフにする。
この振動音が止まれば、変な考え―――13歳の少女に対する、不適切な感情も消えるだろう、と思って。
・・・だが。
「あ・・・れ?」
音が、止まない。
手元のモノを見てみると、振動は完全に止まっているし当然ながら振動音も発していない。
なのに・・・微かだが、ハヤテの手にあるローターと同種の振動音が、まだ聞こえてくるのだ。
小さくくぐもった音を頼りに、その音源の方向へ顔を上げると・・・
「っ、ふ・・・ぅう・・・はやてぇ・・・はぅう・・・」
相変わらずの切なげな、そして―――もの欲しげな表情のナギから、
今度は視線をそらせなかった。
彼女の方から響いてくる音と、潤みきった目に引き寄せられるようにハヤテが無言のまま膝を寄せると、
ナギは緊張したように小刻みに震える身体を固くして、羞恥と熱を孕んだ表情でハヤテを見上げる。
ナギの傍に寄ると、あの鈍い振動音はもはや聞き違え様も無いくらいにはっきりと聞こえてくる。
音源は、彼女のパジャマの下。
「ひ・・・うぁ・・・うゃぁ・・・はやてぇ・・・もぉ・・・っ」
振動で舌が痺れてしまったのか、それともパジャマの下の“音源”のせいなのか、
先程からナギは舌足らずな声でハヤテを呼ぶ以外、途切れ途切れに曖昧なうめき声をあげるばかりで、
ほとんど意味のある言葉を口にしない。
そんな、震えるばかりで声も満足にあげられないナギは、もしもハヤテが“その気”になったなら、
何の困難も無く思うがままに貪り尽される、弱りきった獲物、弱りきった生贄でしかない。
そんな考えをハヤテは―――振り払おうとしない。
こんなことは“もしも”の話。
“自分がこの少女にそんなことをするワケが無いじゃないか”。
“そう、こんなのはただの気の迷い”。
だから、これはそんな欲求から言うんじゃないんだ―――と、自分に言い聞かせて・・・
「ではお嬢様・・・これ、取って差し上げますので・・・服を、お脱がし致しますね」
「ん・・・ぅう・・・」
ナギの曖昧な反応が肯定なのか否定なのか考えようともせず、
ハヤテは横たわるナギの胸元に手を伸ばすと、パジャマのボタンを外し始める。
一つボタンを外す度にナギの白い肌が露わになり、ナギの頬は赤く染まる。
素肌のきめ細かい美しさにぞくりとした興奮を覚えながら、
程無く全てのボタンを外し終えるとハヤテは無言でパジャマの前を開き、
ナギの幼い胸を露出させる。
「――――――っ」
ナギが声にならない声を上げて眉を潜ませたのは、
胸を見られたからか、それともそこにあるモノを見られたからなのか・・・
そこには、ハヤテが予想した通りのモノがあった。
双丘、というにはなだらかな左右の乳房の先端に、
先程ナギの口からこぼれ落ちたモノと同じローターが左右各ひとつずつ、テープで貼り付けられていた。
その、予想していたとは言え異様な光景に心を奪われて、
半ば無意識に僅かな振動を続けるモノを指先で軽く触れてみると、
「ふわぁっ!」
上擦った声と共に、ナギの身体がびくんっと震える。
振動は微弱なものだったが、軽くでも押し付けられるとそれだけで激しく感じてしまうくらいに、
少女の身体は敏感になっているようだった。
「あ・・・ふっ! ひぅ・・・ぁ、あ・・・っ」
ローターに触れる度にびくびくと震えるナギはとても魅力的で、
己の立場を忘れて思わずこの行為に没頭してみたい欲求に襲われる。
だが、それでもハヤテは彼女の執事であり、彼はまだそのことを忘れてはいない・・・今は、まだ。
ナギに尽くすべき身として彼女の服を脱がせた以上、彼女の為に異物は取り除かねばならない。
「し・・・失礼します、少し痛いかも知れませんが、すぐに済ませますので・・・」
そう断って、乳房に貼りつけられたテープを少しずつ剥がし始める。
「ん・・・ぁ、ひぅ! あく・・・んぅ・・・っ」
それは痛みからなのか、それとも鋭い刺激に快感を得ているのか・・・
ナギの悩ましげな声はハヤテの心を揺さぶり、
有り得ない・・・いや、あってはならないハズの過ちの予感がハヤテの中でむくむくと膨らんでくる。
彼の欲望の内圧はその胸に築かれていた年齢の壁、立場の壁、良識の壁を内側から圧迫し、
メリメリと音を立てて壁を軋ませる。
そんなある種の危機感をハヤテ自身も認識しているのだが、
ナギの白い肌が、朱の差した頬が、小さく切なげにあえぐ声が、ハヤテをその壁の向こう側、
欲望があらゆる柵を凌駕する禁断の世界へと、誘惑しているようにすら思えてくる。
―――誘われてるなら、応じるべき、
求められているなら、応えるべき、
執事としてそうすべきなんじゃ・・・・・・って違う!
そもそも誘われて無い!
そんな気の迷いを振りきろうとしたせいか、
慎重にと言い聞かせていたハズの指にいつの間にか力が入ってしまい・・・
「ひぅんっ!」
「え・・・あ! す、すみません!」
半分程度剥がしたテープの残りを勢いで一気に引き剥がしてしまったことに、
ナギの悲鳴で気付く。
慌てて彼女の胸に目を落とすと、テープの跡が白い肌にくっきりと赤く残ってしまっている。
「す、すみませんお嬢様・・・! テープの跡が、こんなに赤く・・・」
自分がおかしなことを考えて、集中を欠いてしまったばかりに―――!
大恩ある少女に欲情し、あまつさえ彼女を傷つけるなど、許されることではない。
ハヤテは後悔と共に、自分の中で膨張しつつあった劣情を凍結させる。
・・・こうして、ハヤテはこの部屋に入る以前の状態に戻る―――ハズだった。
「ハヤテ・・・胸が・・・ヒリヒリする・・・」
「す、すいません! 本当に・・・」
「悪いと、思っているのか・・・?」
「そ、それはもう・・・」
「・・・ならば・・・ハヤテ」
ナギは一旦言葉を切り、ハヤテをじぃっと、睨むように見つめてから・・・
「その・・・ソコを、舐めてくれ・・・」
「・・・は?」
完全に恐縮し、落ち込んでいたハヤテには、何を言われているのか一瞬訳が分からなかった。
余りに唐突で予想外の言葉に、反射的に酷く間抜けな声で応えてしまう。
「え、ええと・・・お嬢様・・・?」
「だ、だからっ! ハヤテが、その、乱暴にするからっ!
ヒリヒリして痛いから・・・な、舐めて・・・治せと言っておるのだ・・・!」
細かく話すのが余程恥ずかしかったのだろう、ナギは顔を真っ赤に染めて、
それでもハヤテから目を逸らそうとはしない。
「お、お嬢様・・・? 本気、ですか・・・?」
ハヤテもまた、どうしていいか分からずにナギを見て・・・彼女の睨みつけるような吊り目で睨みつけられて、
それが冗談などではなく、断ることも出来ないことだと理解する。
「で、では・・・」
他にどうしようもなく、ハヤテは少しずつナギの胸に顔を近づける。
彼女の求める行為は、ハヤテにとっては紛れも無く幼女性愛(ロリコン)的なモノであり、
素に戻ったハヤテにとって、可能な限り敬遠したい行為に他ならない。
だから、せめて目を瞑って・・・と思い、その前に位置だけ把握しておこうと、
ナギの小さなに残る赤い跡と、そしてすぐ傍でぴんと尖っている乳首を見て―――
ぞくり、と。
一度は収まったハズの欲求が、彼の中で再び鎌首をもたげる。
幼い少女の胸に舌を這わせるという行為への罪悪感に苛まれながらも、
同時にその背徳ゆえの興奮が、彼の心の防壁に再び内側から圧をかけ始める。
“おかしなことを考えるな! これは僕の落ち度が招いた事態であり、お嬢様の命令だ。
だから執事として雑念を抱くことなく、命ぜられるままに機械の如く何も余計なことは考えず、ただ動け”
ハヤテは心の中で呪文のように繰り返しながら、目をぎゅっと瞑ってナギの胸へ顔を寄せる。
胸中に葛藤を抱えたまま、それでも鉄の意志で業務として遂行しようと念じ続けるのだが、
そんなハヤテをあざ笑うかのように、えもいわれぬ香りが彼の鼻腔をくすぐり、脳を揺さぶる。
食事、入浴・・・生誕時より今に至るまで、摂取するもの、触れるものの全てが最高の品質であり続けたが故に、
ナギの肉体、彼女を構成する細胞そのものが纏う、甘く高貴な薫香。
それがマリアの仕掛けた責め具によって汗と共に滲み出し、石鹸の残り香と混ざり合い、
ハヤテの心を虜にする。
―――いけない、この香りは・・・いけない・・・
こんなにいい香りのするお嬢様の身体は、どんな味がするのだろう。
きっと、薄らと健康的な汗の香りを纏っていたヒナギクさんの張りのある肌とは、
全然別の味がするのだろう。
知りたい―――
舐めたい。
味わいたい。
しゃぶりつきたい。
・・・犯したい。
侵して、犯して・・・注ぎ込んでしまいたい。
そんな、どうしようもない劣情が身体の中でぐるぐると蠢くのを感じながら、
ハヤテはナギの芳しい肌に舌を伸ばす。
「は・・・ん、んぅっ!」
ハヤテの舌がヒリつく肌にしみたのか、その刺激を上回る快感に襲われたのか、
ナギは身体を震わせながら、甘くさえずるような声で鳴く。
「ふ・・・っ、ぁはん・・・っ・・・ひぅう・・・
ハヤテの、舐め方・・・すごく、えっちだ・・・ぞ・・・ふわ・・・ぁぅ」
ぴちゃ、ちゅぱ、と・・・わざと音を立てながら、ハヤテはナギの小さな胸を丹念に舐め回す。
初めは赤くなってしまっていた部分にだけ優しく丁寧に舌を這わせていたが、
その範囲は徐々に広がり、ナギの乳房を隈なく愛撫してゆく。
「ひぁ、ふぅ・・・っ、あふ・・・や、ん・・・そこ、ひぁ! やぁ、あぅ、つよ・・・っく、ひ・・・うぅ!」
終いには赤く腫れた部分そっちのけで固く尖った乳首を口に含み、
唇で咀嚼するように強く弱く挟みながら、舌先でちろちろと舐め、突付き、敏感な器官に執拗に刺激を加える。
「ふわ、あんっ! ひうっ! そこ、ちがうのにぃ・・・! っく、あ、んぁ、ひゃぁあっ! ふぁあ・・・」
滑らかな肌、芳しい香り、そして悩ましげな喘ぎ声・・・
どれもこれも、暴走をはじめたハヤテの獣性を掻き立てるものばかり。
“お嬢様は僕を拒絶しない・・・それは、こういう行為を求めている・・・ってことだよな”
“ならば執事として為すべき事はひとつ・・・お嬢様を心地よくして差し上げることだ”
“そう、これは執事としての責務・・・決して僕の欲求なんかじゃない、仕事なんだ”
だから、この行為を否定する理由は無い。
年齢のことも僕の都合であり、お嬢様が問題としないならば、これ以上考える必要は無い。
ただ、求められるままに愛撫して、
求められたら・・・犯せばいい。
―――だからもう、僕が悩む必要は、無い。
誰に対してでもない、他ならぬ自分自身に向かって都合良く理由をつけて、ハヤテは彼の中の良識を封じる。
執事という立場を口実に、本来の執事としての矜持を捨てた今の彼にとって、
愛撫され喘ぎ悶える少女は先程のヒナギクと同じ、
もはや“お嬢様”という名の獲物でしかない。
「お嬢様、ではこちらのコレも外しますね」
胸への愛撫を一旦止めて口を離すと、隣の胸の先端で未だに微弱な振動を続けているローターに手を伸ばし、
ビリッ!
「え・・・あ、ぅん・・・ぁ、―――――――――っひぐぅっ!?」
音がするほどの勢いで、ローターをテープごと力任せに引き剥がす。
当然ながらナギは痛みに仰け反り、鋭い悲鳴をあげる。
「な、な、何をするのだっ! ハヤ―――」
「すみませんお嬢様、また失敗してしまいました・・・お詫びにこちらも、舐めて差し上げますね」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!」
涙目でハヤテを怒鳴りつけようとするナギに、
“欠片ほども悪気はなかったんです”とばかりに無邪気な笑顔を向けておいて、
赤く腫れてしまった胸に舌を這わせる。
過敏になった胸をねっとりと這い回るハヤテの舌の感触は痛みと快楽を伴ってナギを翻弄し、
彼の粗相に対する怒りなど数秒ともたずに消え去ってしまう。
「ふわ・・・あ! や、ふぅう・・・っ! ひ・・・ぁつっ!
そこ、ふぁ! しみ・・・て、ぇ・・・あ、ん・・・はや、てぇ・・・ひぅう・・・」
ふるふると震えるナギの胸をじっくりと味わいながらもう一方の乳房に手を伸ばすと、
尖った乳首を摘み上げ、ころころと指先で転がして弄ぶ。
肉の蕾の固い弾力を確かめながら、愛撫というにはやや強めに摘み、捻る。
「ひきっ・・・! い、いつぅっ! あ、ハヤテっ! いた・・・っ、あ、ふぁあ! や、ひぅ、んぅうっ!
やめ、いたぁ・・・っ、つよ、もっと、よわく、あ、ひぁ・・・・・・ぁうっ!」
「んぷ・・・はい、ではこれくらい、ですか・・・?」
「ぇ、あ・・・そ、それは・・・っ、い、いや・・・その・・・、す、好きにすればいいっ!」
「そうですか、では・・・♪」
「ひ、ぅん・・・あ、くぁあ! きゃふっ! あ、んく・・・ひぅ、んぅううっ!」
強く捻り上げるようだった指使いをいきなり優しく変えると、
ナギは一瞬だけ戸惑い、すぐに甘い声を洩らし始める。
続けて口と指を離すと、再び指で責めた方の乳首を口に含み、
摘み捻った痛みを溶かすように優しく舌を添えてしゃぶってやる。
そんな痛みと快楽を交互に擦り込むようなハヤテの愛撫に晒されつづけ、
ナギは震える声で感極まったように喘ぎ、だらしないほどに顔を蕩けさせて快楽に溺れた様を見せる。
ハヤテはそれ以上責め方を変えることはなく、ナギの胸だけを執拗に愛撫する。
彼女の蕩けかけていた声が少しずつ切なげな響きを帯び始めても、
訴えかけるような、ねだるような目で見つめられても、
モゾモゾと内股を擦り合わせるように下半身を震わせても、
ハヤテはあくまで胸しか触れようとしない。
「い・・・ひぅ、ハヤテ・・・ぇ」
「ん・・・む、どうかされましたか、お嬢様?」
「そ、その・・・い、いや! なんでも、ない・・・」
「そうですか♪」
じゃあいいです、とばかりにハヤテは再びナギの乳首を口に含むと飴玉のようにコロコロと舐め転がす。
続けようとした言葉が酷く恥ずかしいモノなのか、ナギは子供のように足をモゾモゾと揺すりながら、
ハヤテのされるがままになっていたが・・・
「ぁ・・・ふぁ・・・ひぅん・・・あ、は、ハヤ・・・っ、くぁ・・・あ、あぅう・・・ハヤテ、ハヤテぇ!」
何かに耐えられなくなったかのように、ナギは今にも泣き出しそうな声でもう一度・・・いや、何度も、
ハヤテの名を繰り返し口にする。
本来は興味の対象外であったハズの子供っぽい涙声が今はハヤテの嗜虐欲を掻き立てて止まず、
敢えて聞こえないフリをして焦らし続けてやりたい欲求が沸き起こりもするのだが、やはりここは執事として・・・
「ちゅ・・・っぷ、む・・・いかがいたしましたか、お嬢様?」
ナギの胸から口を離すと、普段どおりの・・・とても今まで少女の胸をその舌で弄り続けていたとは思えない、
人の良さそうな笑顔を彼女に向ける。
そのあまりに普段どおりのハヤテの表情に、改めて自分一人だけが異様に乱れているように思えてしまい、
これから言おうとしていたこと―――彼に求めたかったことを口にするのが、恥ずかしくて堪らなくなる。
「お嬢様? どうかされましたか?」
「あぅ・・・いや、その・・・・・・ぅぅ・・・」
己の内に湧いた欲求を簡単に口にしてしまうのは、何かに負けてしまったような気もするし、
それは負けず嫌いのナギにとって愉快なことではない。
「特に御用はありませんか? でしたら―――」
「あ、ま、待て! そ、その・・・あの・・・!」
だが・・・負けず嫌いとは言え、同類のヒナギクと違ってナギには致命的に忍耐力が欠けている。
ナギの性格は辛い境遇に耐えて育ったことで身につけた己自身を鼓舞する為の術などではなく、
単なるお嬢様の我侭に過ぎない。
故に、膨らみつづける内なる欲求を抑えつづけることなど出来るハズも無く―――
「そ・・・その、な・・・あの、下、の方・・・も・・・」
「ええと・・・下、ですか・・・何の下でしょう?」
「だ、だから! 下は下で・・・その・・・そ、そこに・・・マリアのが・・・」
「下、で・・・マリアさん、ですか・・・? すみません、もうちょっと具体的に言って頂けないと・・・」
「ううう〜! だから・・・だからっ! パジャマの下の、ええと、その・・・足の方にも、
マリアの・・・それが、付けられてるから・・・だから、それを・・・取ってくれ・・・ぇ」
最後には消え入りそうな声になりながら、ナギは欲求に負け、恥をしのんでハヤテに懇願する。
本当の欲求は隠したままだが、とにかく“そっち”に触れてもらいたい、という一心からの声だった。
「なるほど・・・わかりました、それでは失礼致しまして・・・お脱がし致しますね、お嬢様」
「う、うむ・・・」
ハヤテはナギのパジャマに手をかけると、するするとズボンを下ろし、
両足首から完全に抜き取って彼女の下半身を露わにする。
ショーツはマリアによって脱がされていたのか既に穿いておらず、その代わり・・・ではないであろうが、
ナギの秘所にはやはり・・・そこにもローターが貼り付けられていた。
それ自体はナギの言葉通りでありハヤテの予想通りでもあったのだが、
秘裂に軽く沈めるように貼り付けられたローターとは別に、陰核を押し潰すように一つ、
そして直接は見えないのだが、伸びているコードの具合からして、恐らく尻の方にも一つ、と・・・
―――さ、流石マリアさん・・・容赦・・・というかぬかりはありません、というか・・・
ナギの幼い下半身に都合三つのローターを仕込むという徹底っぷりは流石にハヤテの予想を越えていて、
思わず畏怖の念と共に、黒をバックに美しいけど1ミリも笑っていない笑顔を浮かべる彼女を想像してみたりする。
「ふぁ・・・ハヤテぇ・・・はやく、とって・・・ぇ」
「は・・・! はい、お嬢様・・・」
ナギのねだるような声で我に返ったハヤテは、改めて目の前で露わになった少女の秘所を眺める。
白く滑らかな肌はうっすらと上気したように朱が差し、
胸を執拗に責められたせいか、それとも微弱に振動を続けるローターによるものか、
内腿をぐっしょりと濡らす淫蜜がぬらりと光っている。
彼女自身が放つ芳しい香りと、大量の蜜から漂う性臭が混ざり合い、
えもいわれぬ淫靡な匂いがハヤテの鼻腔をくすぐる。
その匂いに誘われるようにハヤテはナギの秘所に手を伸ばし、
上から順にと、まずは淫核を苛むローターに触れて―――
一瞬の逡巡の後、そこから手を離す。
このローターは全く振動しておらず、それはつまり、
“ナギのここは敏感すぎて、スイッチを入れちゃうとすぐにイっちゃって焦らしにならないので・・・
仕掛けだけしておきますから、ハヤテくんの好きに楽しんでくださいね♪”
というマリアの意図に気付き、今は敢えて手をつけないことにしたのだ。
後でしっかり使わせて貰おうと心の中でほくそ笑みながら。
とりあえず残りの二つのローターもスイッチを切っておいて、
「ではお嬢様、こちらからお剥がし致しますが・・・」
その言葉と共にハヤテはナギの秘裂に半分ほど沈み込んだローターに触れて、少しだけ力を加える。
「え、あふぅっ! ぅく、う、うん・・・は、はやく・・・ぅ」
僅かではあるが異物を身体の奥に押し込まれたことで、ナギの身体と声がびくんと跳ねる。
だがそれこそがナギの求める刺激なので、彼女はハヤテを責めたり非難したりなどせず、
ただただ先をねだる。
「ではお嬢様、ゆっくり剥がすのと、一気に剥がすのと、どちらがいいですか?」
「う・・・い、痛いのは・・・い、いや、ハヤテに任せる!
そのかわり、痛くしたらそ、そのあとは、ちゃんと・・・」
恥ずかしいのを必死に堪えながら、
ナギは彼女にとって一番重要なことを出来るだけさりげなく、仕方なさそうに口にする。
「そ、その、胸と一緒で、ちゃんと、な・・・舐め―――」
「そうですね、お嬢様に痛い思いをさせるなど問題外でした。
やはりここは丁寧に、ゆっくりと・・・」
「な・・・んなっ! ば、ばかっ! 何を聞いて―――っひぁ! あ、くぁ・・・ぃうぅ・・・っ」
恥じらいで眉をひそめながらやっと本音を口にしたと言うのにまるっきりスルーされて、
思わず激昂しかけるナギだったが、
秘所の傍に密着しているテープをピリ、ピリ、と少しずつ剥がされると共に訪れる鋭い刺激に、
ナギは跳ねるような鋭い声と鼻にかかる甘い声を交互に洩らす。
鈍い振動に晒され続け、強い刺激に飢えていたナギの下半身は酷く敏感になっていて、
痛みと同時に、身体の奥へと響く甘い刺激をも感じてしまう。
痛みを我慢して、そのあとの“見返り”を期待していたナギだったが、
この細かく、断続的で、そして鋭い刺激もまた悪くないかもしれない、と思った矢先―――
「っ!? ―――っひぐぅぅううっ!?」
びぃいっ! と半分ほど残っていたテープは唐突に、力任せに剥ぎ取られ、
ナギの陰部を火傷ような痛みが襲う。
「っひ・・・・・・あ、かは・・・・・・っ、は・・・ハヤテぇっ! な、な、なにをするのだっ!」
突然の痛みに息が詰まり、息を整えるのに多少の時間を要してから、
今度こそナギはハヤテを怒鳴りつける。
それくらい・・・涙が出るほど痛かったものだから、ナギの怒りはもっともである。
が・・・
「すみませんお嬢様・・・お嬢様が余りにもどかしそうな声を上げられていたものですから、
ここは一気に剥がして差し上げた方が宜しかったかと思いまして・・・」
「ばかっ! だったら、先にそう言えっ!」
涙目でじろっと睨まれて、ハヤテは如何にも反省していますとばかりに頭を下げる。
「本当に申し訳ありません・・・では、残りのモノもすぐに剥がして、それで僕は退散致しますね」
「え、ちょ、ちょっとまて!」
改めて畏まったように振舞うハヤテを、先程の剣幕は何処へやらといった具合に慌てて制止する。
怒ってはいても・・・マリアの責め具とハヤテの愛撫で疼いてしまった身体は、
簡単に冷めてはくれないのだ。
「お、おまえハヤテっ! こ、こんなに痛くしておいて、そのまま帰るつもりなのかよっ!」
「ええと、それではお嬢様・・・どうすれば?」
「ば、ばかっ! イチイチ聞くな! さ、さっきだって、その・・・胸のときも、してくれたじゃないか・・・」
苛立ちを隠そうともせずに語気も荒げにハヤテに噛み付くナギだったが、
その苛立ちが本当にハヤテに腹を立てているのか、それとも自分の恥ずかしい言葉を誤魔化す為なのかは、
ハヤテにも推測しきれない。
「あ・・・でも、いいんですか? 僕なんかが、お嬢様の・・・ソコに触れてしまって・・・」
「い、いいからっ! 細かいことをイチイチ気にするな!
それより、はやく・・・そ、その、早くしないと、バイキンでも入ったらどうするんだ!」
テープの跡は鮮やかなくらいに真っ赤に腫れてしまっているが、別に傷になっている訳ではない。
なのでバイキンが入るというのもおかしな話ではあるが、
―――うーん、これ以上怒らせて本気で追い出されたりしては敵わないし、ここは、あまり焦らさないで・・・
「分かりましたお嬢様・・・では、失礼しまして・・・」
「あ・・・う、うん・・・」
激しくまくし立て続けるナギであったが、
いざハヤテが身を乗り出してくると途端にしおらしくなり、緊張に身体をきゅっと固めてしまう。
「お嬢様・・・すみません、もう少し、足を開いて・・・」
「え、す、すまん・・・こ、これくらいで、いいか?」
「もうちょっと、お願いします」
「う・・・うん・・・・・・なぁ、あまりジロジロ見るんじゃないぞ・・・?」
「はは、では目隠しでもしましょうか?」
「い、いや、別にいい・・・そ、それより、早く・・・ホントに、ジンジンするんだからな・・・!」
「分かりました、では―――」
ハヤテの・・・意中の男性の目の前で秘所を晒して、そこを舌で舐めて貰う準備が整って・・・
それだけでも顔から火が出るんじゃないかと思うくらいに恥ずかしく、
だが同時にハヤテの息がかかるだけでもこそばゆく、ゾクゾクと背筋が震えるような微弱な快楽が染みてきて、
直に触れられるのが待ち遠しくてたまらない。
―――早く、はやく・・・はやく!
声にこそ出さないが心の中で何度も何度もそう呼びかけるくらいに待ち遠しかったから、
・・・ぴちゅっ
唾液を絡めた舌が赤く腫れた肌に触れたその瞬間に、
痛みやくすぐったさ、恥ずかしさ、そして気持ちのよさが一気に弾けて、
「っふぁあああぁぁっ!?」
ガクン、と大きく一度ナギの腰が跳ね、痙攣しているかのようにひくひくと身体を震わせる。
軽く達してしまい、軽い目眩のような余韻に浸りかけるナギだったが、
それを許すハヤテではない。
舌に唾液を絡めると、赤く腫れたナギの肌に塗りつけ、擦りこもうとするかのように舐め始める。
「ひぅ!? いひゃ、あ、ふゃあぁあっ! や、しみてっ、ひぅう! あふ、んく・・・ぅう・・・」
生温かくねっとりとした舌を過敏になった肌に擦り付けられ、最初こそ肌に沁みるような痛みを覚えたが、
すぐにそれはどうでもよくなる。
ハヤテの舌がにゅるにゅると自分の秘所付近を舐り這いずり回る感触はあまりに生々しく、
秘すべきところを舐められる恥ずかしさも、膣まで響くような甘すぎる刺激の前に溶けて消える。
「ふ・・・んぁ、んふぅ・・・っく、ひう、うぅう・・・」
胸のときと同様、ハヤテの舌は少しずつ腫れた肌から横にずれて、徐々に・・・
ナギの秘裂へと近付いて来ているのが感じられて、
一番敏感なところにもうすぐ触れてくれる、舐めてもらえるという期待と、
触れそうでなかなか触れてくれない、じらされる感覚で、ナギの理性は削ぎ落とされ、
言葉を制御出来なくなる。
「ふぁ、ハヤテぇ、そこじゃ、なくて・・・っ、もっと、よこ・・・ひぅ、んぅう・・・そう、もっとぉ・・・」
ナギが官能に溺れ始めた今、ハヤテも敢えて水をさすような真似はしない。
求められるままに舌を横にスライドさせて、ナギの幼い秘裂を軽く舐めあげる。
「ふわぁあっ! はぅ、んく・・・んぅう! いいのっ、ハヤテぇっ! そこ、もっと・・・んぁあっ!」
まだまだ子供っぽさが残る声ではしたなく喘ぐ様は酷くアンバランスだが、
いつも強気で高飛車な態度の少女が声を乱して蕩けゆく様子に、ハヤテは思った以上にそそられてしまう。
ナギの秘所はマリアに毎晩のように開発されていたせいか、
入り口こそヒナギクのそれより狭そうではあったが、
秘唇は既に綻びかけ、トロトロととめどなく蜜を垂れ流している。
薄らと開きヒクヒクと小刻みに震える秘唇にハヤテは浅く舌を割り込ませると、
溢れる蜜で顔が汚れるのも厭わず、ナギの秘裂に沿って蜜を掻き出すように舌を上下させる。
「うくぅ・・・あ、ふぁ! んぁ、あ、ふ・・・! い、いひぃっ!
あ、ひぅ・・・んく! あは・・・はや、てぇ、もっと・・・あん・・・奥まで、なめてぇ・・・」
ナギのプライドも羞恥心も失われてしまったかのようなはしたない要求に、
ハヤテは忠実に応えて彼女の膣へと舌を抉り込ませ―――ようという素振を見せる。
だが、そこには純潔の証が存在する以上、ナギの欲求が満たされることは無い。
ハヤテは抉り込んだ舌でごく浅い部分の膣壁と、処女膜そのものを愛撫して、
時に優しく、時に純潔を脅かすかのように強く、舐め、吸い、舌を突き入れるだけ。
「ひぅう! んぁ、あ、ふぁあああっ! あ、ひぅ、んぅうっ! あ・・・ぁ、あふ、んく―――!」
膣壁を舐め回される感触にナギは腰をガクンガクンと震わせて、身体を捩り身悶えしながら悦びの声をあげ、
ハヤテはそんな少女の暴れる腰を押さえ付け、捩り込むように舌を突き入れてナギを更に乱し、狂わせる。
だが、それでも少女の欲が完全に満たされることはなく、
むしろ喜悦に溺れれば溺れるほどに、身体の更に深いところが疼いて堪らなくなる。
―――もっと深くまで、舐めて・・・いや、触れて・・・抉って・・・滅茶苦茶にして欲しい!
一度そう思ってしまったら、もうそれ以外のことは考えられず、
これだけ身体が震えて声が抑えられない今の愛撫ですら、物足りないとしか思えなくなる。
その望みを叶える為には失うものがあることも、痛みを伴うことも知識として知ってはいたが、
大好きな相手に快楽を注がれ続け、理性は蕩け羞恥も既に麻痺しているナギにとって、
そんなことは本当にどうでも良い、些細なことでしかなかった。
「んぁあ! あ、ひぐ・・・もっと・・・はやてぇ! もう、舌は、いいからぁ、舐めるの、いいからぁ・・・!」
ナギに両手で頭を押されて、ハヤテはトロトロに蕩けた秘所から口を離して顔を上げると、
いつもの吊り目に涙を湛えて、頬を真っ赤に染めて物欲しげに自分を見つめる彼女と目が合う。
「ハヤテ・・・ぇ、ハヤテので・・・今度は、ハヤテので、中まで・・・奥まで、してぇ・・・」
「僕、の・・・?」
勿論、何のことかは分かっている。
だが敢えて行動には移らずに、ナギを焦らすことにする。
折角本人からここまで求めてくれているのだから、この際最後まで言って貰っても良いだろう。
それに・・・幼く、それでいて気位の高いお嬢様が、劣情に負けて使用人のモノをはしたなくねだる様子は、
ハヤテの嗜虐心を存分に満たしてくれそうであった。
「だ、だから・・・っ! ハヤテの、その・・・それ・・・で、わ、わたしの、ココを・・・」
いざ言葉にしようとすると、僅かに残った羞恥心が邪魔をして曖昧にしか求めることができず、
分かってくれないハヤテとはっきり言えない自分の両方がもどかしくて堪らない。
疼く身体を抑えることも出来ず、もどかしさにも耐えられず、ナギはほとんど自棄になって―――
「だから! ハヤテの、その、そ、その・・・
ひ、ヒナギクにしたことを私にもすればいいんだっ!」
密かに気にしていたことを、思わず洩らしてしまう。
嫉妬していると思われたくなかったのと、
すぐにマリアに“お仕置き”をされて、ハヤテには悶えさせられてで、それどころではなかった。
だが、ナギ自身が思っている以上に、その事実は・・・ある意味当然ながら、彼女を苛んでいた。
「ヒナギクさん・・・ですか」
「そうだよっ! ・・・ど、どうせ・・・もう、しちゃった・・・んだろ・・・ヒナギクとは・・・」
拗ねたように、そして恥ずかしくて堪らないといった風で顔を逸らすナギを見て、
少しだけ保護欲を、そしてその何倍も嗜虐欲を掻き立てられて、ハヤテの身体がぞくりと震える。
「・・・はい、お嬢様」
「――――――っ! な、なら、私にも、同じことを・・・すればいいんだっ!」
スラックスの下で、ハヤテのものが激しく自己主張してやまない。
想定とは違った形になったが、口調だけはいつも通りの強気を装ったまま、
そこに嫉妬や羞恥を懸命に隠して自分を求めるナギの健気な姿に、
ハヤテの方が先に我慢の限界を迎えてしまいそうになる。
「ですが・・・お嬢様はまだ、お体が、その、小さいですから・・・」
「う、うるさいっ! 大丈夫だっ!
わ、わたしの方が、ヒナギクよりずっと、何倍も!
ハヤテのこと、気持ちよくさせられるんだからなっ!」
口調だけは本当に強気で、だがそんな言葉を紡ぐナギの表情は、
“疼く身体が切なくて堪らない、身体の奥まで弄って欲しくて堪らない―――”
と、言葉以上に雄弁に、ハヤテを求めている。
そんな表情で迫られて、これ以上ナギを・・・いや、自分を焦らすことは、ハヤテにはできなかった。
「―――わかりました」
ハヤテは身体を起こすと、カチャカチャと音を立ててベルトを外し、ファスナーを下ろして・・・
ナギの見守る目の前で“それ”を取り出す。
「あ・・・あ、は、ハヤテ・・・の・・・うそ・・・」
初めて目にしたソレ・・・ハヤテの身体の一部とは思えない程に凶悪に屹立した肉塊は、
ナギを僅かに怯えさせ、そして・・・
“あんなモノで貫かれたら・・・掻き回されたら、一体どうなってしまうのだろう”
と思うと・・・ナギの秘所がじゅんっ、と疼き、蜜が更に滴るのが自分でもわかる。
「では、お嬢様・・・」
「は、ハヤテ・・・? ちょ、おま・・・え、ま、まって・・・ちょっ・・・っふぁ!」
ちゅく、とハヤテのモノの先端が、濡れそぼったナギの秘裂に触れる。
その感触だけでナギの身体はガクガクと震え、淫らな期待に子宮が疼く。
「まって、まだ、は、ハヤテ!? ちょ、あ、え・・・あ! ひ・・・んぅうううっ!」
ハヤテは秘裂にあてがったソレを埋め込むような素振を僅かに見せて、
先端をずらして肉茎の背をナギの秘所に擦りつける。
蜜でヌルヌルに濡れた滑りの良い裂け目をゆっくりと擦り上げながらハヤテは腰を押し進め、
やがてハヤテとナギの腰が密着したところで動きを止める。
「――――――っ! は、ぁはっ! ひぅ・・・っはぁ、ふぁあ・・・や、やだ、また、あ、うぁああっ!」
予想外の行為と、ハヤテに性器で性器を擦り上げられているという事実に、
ナギは混乱から立ち直ることも出来ず、与えられる快楽にただただ翻弄される。
そのまま、二度、三度とハヤテのモノで秘所を愛撫され、腰が密着したところで彼は動きを止めて―――
「本当にコレで・・・ヒナギクさんにしたことを、お嬢様にしてしまっても宜しいのですね?」
「え、ぁ・・・あ、ああ・・・そうだ、ヒナギクと同じように・・・いや・・・!
もっと・・・遠慮はいらないから・・・ヒナギクなんかより、もっと激しくしても・・・いいからな」
はいわかりました。
おっしゃるとおり遠慮なんて致しません。
「それではお嬢様」
ギンギンに張り詰めた肉槍の穂先を改めてナギの秘所に突きつけて、
角度を合わせて狙いを定めて―――
「ご希望通り、ヒナギクさんのときよりももっと激しく・・・」
思う存分、全力で、心行くまで―――
「犯して差し上げますね」
めり、と。
ナギの中にあった純潔の証を突き破り、ハヤテの肉槍がナギの処女地に捻じ込まれる。
「ひ・・・ぎ! い、あ! ああ! あぁああぁああああぁああぁあっ!」
明らかに快楽からではない、痛みに耐えかねての悲鳴が部屋中に響き渡る。
処女膜を破られた痛みと、それ以上に狭すぎる膣道を無理矢理拡張される引き裂かれるような痛みに、
蕩けるように上気していたナギの顔色は一瞬にして蒼白になっていた。
同じ処女でも剣道を嗜むヒナギクと生粋のお嬢様たるナギでは痛みへの耐性が違いすぎるし、
何より・・・やはり、ナギの身体は男性のモノを受け入れるには小さすぎた。
だが、ハヤテは“犯す”と宣言した通り、悲鳴を上げるナギに構うことなく腰を突き進め、
メリメリとナギの媚肉を肉槍でこじ開ける。
しとどに濡れていたナギの中は締め付けるようにキツくとも滑りだけは良く、
ずぶずぶとナギの身体に沈み込んでゆく肉槍が膣壁と擦れて痛むようなことも無い。
やがて二人の腰が軽く触れ、同時に肉槍の穂先が子宮口をコツンと叩くまで、
ハヤテの腰が止まることはなかった。
「さ、お嬢様・・・ご希望通り、お嬢様の中に、僕のモノが最後まで入りましたよ・・・」
「ひ・・・っぎ・・・・・・・・・っ、は・・・あ・・・っ」
ナギは蒼白になった顔で、ほとんど声も出せずにガタガタと震えている。
ハヤテはナギを犯すと言ったが、
それは無闇に傷つけて自分だけが快楽を得るという意味ではない。
相手に無理矢理にでも快楽を注ぎ込んで、望もうが望むまいが存分に乱し、狂わせて、
快楽の・・・そして自分の虜にするつもりである。
だから今は無理に動こうとはせず、
ナギの小さな身体が少しずつハヤテのモノに慣れてくるのを待つつもりである。
「・・・あ、く・・・ぅぅ・・・いた・・・い、いたい・・・っ、はや、て・・・ぇ・・・っ」
僅かに痛みに慣れたのか、ナギが泣きながらも意味のある言葉を発するようになっても、
彼女の中から新たな蜜は湧いてこず、まだ中のモノを動かす訳には行かない。
ならば、それ以外の方法で、ナギを感じさせ・・・再び、興奮させてやればいい。
「お嬢様・・・まだ、凄く痛いですよね・・・お嬢様が望んだこととは言え・・・すみません・・・
ですから・・・・・・せめてこれで、気を紛らわせて下さい」
「は・・・ぐ、ん・・・・・・っく、い・・・はや、て・・・? あ、っぐ! あ、ひ・・・・・・んっ!」
かちり、と。
スイッチを入れるような音が鳴り、一瞬遅れてびくん、とナギの身体が小さく跳ねる。
急に動いたことで膣内の痛みが響いたのか、ナギは改めて苦痛に顔を歪めるが、
その顔の隅に、ほんの僅かにではあるが、苦痛以外の感情の色が滲んでいるのをハヤテは見逃さない。
「っ、は、はや・・・てっ、んな・・・・・・あ、ひぐ・・・っ、なに、を・・・」
「やっぱり、ここは敏感なんですね・・・では、こちらは如何でしょう?」
「え・・・あ、ひぁ・・・! そ、そこ、は・・・あ! っ、ひぐ・・・いたっ! なか、響いて・・・ぇ!」
もう一度、かちり、と音が鳴り、ナギの声のトーンが僅かに上がる。
音がしたのはハヤテの手の中からで、そこから延びる二本のコードは彼女の秘芽と後ろの穴、
二箇所に貼り付けられたままだった責め具を起動させたのだ。
強度は“最弱”、振動音もほとんど聞こえない程度だが、それでもナギの表情は明らかに変わり始める。
「い・・・ひぎっ! いぁ、あ・・・っく、ひっ・・・! は、はや・・・っ! やめ、とめ・・・あぅ!」
振動に反応して、きゅ、きゅっ、とナギの膣内が締まり、その度に苦痛の声を上げるのだが、
彼女の顔には徐々に赤みが戻ってきており、悲鳴のような声に艶めいた響きが混じり始めている。
そして何より・・・ハヤテのモノを締め付けるソコに、僅かに潤いが感じられるようになっていた。
「お嬢様、どうです? 少しは痛いの、誤魔化せましたでしょうか?」
「あく・・・ば、ばかっ! あ、ひ・・・っ! こんな、あぅ・・・まだ、いたっ! 痛い、のに・・・いひっ!」
「では、もうちょっと強くしてみましょう♪」
「あ、や、待て! それは、ちょ、あ、ひぁあ! あぐ、い、つぅ! 響く! なかっ! 響いて、いた、あぁっ!」
カチ、カチ、と手中のダイアルを少しだけ回して振動を“最弱”から“弱”に変えると、
ヴ・・・・・・ン、と唸るような振動音と共に、ナギの声もまた一段階トーンアップする。
ナギの声、表情、そしてハヤテをくわえ込んだ秘所の潤い具合から、
彼女が再び昂ぶり始めているのは明らかだった。
もっとも、今だ痛みが消えていないのも事実で、ナギは今苦痛と悦楽の相反する感覚に同時に苛まれている。
だが、その様子・・・痛がりながら、それでも責め具の刺激に感じてしまっているナギの姿に、
ハヤテは酷くそそられてしまう。
本当はもっとしっかり濡れてくるまで我慢するつもりであったが、
その意図を上回る嗜虐欲に、ハヤテは身を任せることにする。
「お嬢様、これだけ動いても、痛いですか?」
「え・・・あ、ひぐ・・・! い、痛いっ! だ・・・め、動く・・・なぁ・・・っ」
ハヤテが僅かに腰を引いて、ナギの中に沈め込んだ肉茎をセンチ以下の単位で動かすと、
それだけでもナギは敏感に反応し・・・表情を苦痛で歪ませる。
だが、ハヤテは構うことなく―――
「では、これではいかがです?」
「え、うぐ・・・ぅあぁあっ!?」
今度は僅かに腰を進めて、先程と同じ距離だけ、肉槍をナギの奥へと突き込む。
当然、ナギも同じように痛みを訴え・・・ようとした声が、身体と共にびくんと跳ねあがる。
「どうでしょう、なかなか悪くないんではないでしょうか?」
「や、ま、まてっ! い、いまの・・・ちょ、っと、だ、だめ、それ、おくにっ、直に、ひびいて―――」
「では、もう一度・・・」
「ま、待て! ちょ、あぎ・・・っつ! や、やめ・・・あ! っくぁああっ!」
もう一度同じように腰を引いて、引いた分だけ押し込む。
押し込んで・・・コツン、と肉槍の穂先でナギの子宮口を叩く。
身体の小さなナギの膣道は狭く、そして当然奥行きも浅い。
故に、普通に挿入したハヤテのモノの先端が、そこまで簡単に届いてしまうのだ。
奥の奥、じくじくと身体を火照らせ疼かせるソコを直に刺激されると、
その瞬間だけはナギを苛む破瓜の痛みも何もかも消えうせて・・・身体が、悦んでしまう。
「ふふ、やっぱり・・・ココは敏感なんですね・・・こんな簡単に届いちゃうのに」
「ひ・・・っく、や・・・は、ぁぅ・・・う、だめ、こんな・・・おく、つついちゃ・・・だめぇ・・・」
「いやいや遠慮は要りません、もっと気持ちよくして差し上げますね・・・」
「や、やめ、いらな・・・あ、ひぎ・・・ぅぁあぁあっ!? あ、んぅうっ! あふ、あ、ふぁあぁっ!」
コツン、コツン、コツン、と・・・
子宮口をノックするように立て続けに叩かれて、ナギはあられもなく乱れ狂う。
つい先程、痛みで蒼白になっていたはずの表情は、既にその前の、蕩け紅潮していたときのそれへと戻りつつある。
そして何より、奥の奥を叩かれる度に膣はきゅうぅっと締まり、同時に蜜がじゅんっと滲み出し、
ナギの中をギチギチの締め付けはそのままに、急速に蕩けるような潤いを帯び始める。
・・・激しく責め立てるにはまだまだ潤滑さに欠けるが、ただ動かすには問題は無い、そんな程度には。
「わかりますか、お嬢様の中・・・凄く濡れてきましたよ」
「っく、あふ! んぅうっ! い、いうなっ! しらな、そんなのっ、しらなぁあああっ!」
「そうですか、まぁ、これから少しずつ動かしますから・・・それで実感してくださいね♪」
「う、うごか・・・って、やめ! ばかぁ! まだ、いたい・・・っひぁああっ!? あ、や、んぁあぁあぁっ!」
ず・・・ずず・・・、と、
震えるようにかすかにしか動かなかったハヤテの腰が、やはり少しずつではあるが、前後に動き始める。
当然ナギの中に収まったままの肉槍も連動して動き、
子宮口を突付くだけでなく、ギチギチに締め付ける膣壁を擦り上げる。
まだハヤテのモノが中にあるだけで痛いナギにとって、その動きは当然苦痛となるのだが、
「あぎ・・・いぐ、う、ぅあぁあっ! やめ、こすれて、いた、ひぁああっ! あぅう、いたい、いたいのにぃっ!」
「ですがお嬢様、そんなに気持ちよさそうに痛いと言われては・・・まるで痛いのが気持ちいいみたいで・・・
お嬢様って意外にマゾっ気が強いんでしょうかね〜♪」
「ぃひっ!? ちが、ちがぁあっ! マゾじゃないっ! ホントに、いたっ! 痛いのにっ! い、ぃうぅううっ!」
密着する性器の粘膜の間には今は豊富に潤滑液が存在し、引き攣るような痛みは無い。
むしろ拡張される痛みとは別に、敏感な膣壁をぐりぐりと擦り上げられる感触が、
突き当りを突付かれる感覚と同種の・・・逆らい難い快感となって、ナギを狂わせはじめる。
痛みを感じながら、同時に身体と心を焦がす快楽が、少しずつ、少しずつ・・・膨れ上がってくる。
「んぁあっ! あ・・・っふ、うぅうっ! やぁ、だめ、こんな、あ、ひぁあ! だめぇえ・・・っ!」
ナギの口から洩れる拒絶の言葉からは、やがて苦痛の響きが抜け落ちて、
与えられる快楽に酔い痴れたかのような、甘く蕩ける響きに取って代わる。
ずぷ、ずぷぷ・・・と自分を貫くハヤテの肉槍の動きが大きくなって、未だ痛みを感じてもいるというのに、
それ以上の快楽にナギの心身は支配されようとしていた。
「ふふ、お嬢様・・・すっかりえっちな声になってしまって・・・はしたないですよ?」
「ふぁあ、そんな・・・あぅうっ! ハヤテが、こんな、あ、いひぃっ! する、からぁああ!」
「いけませんねぇ、僕はちゃんと、犯すって言ったのに・・・
執事に犯されて感じちゃうなんて、三千院のお嬢様の名折れですよ?」
「うく・・・ぅあぁあっ! あ・・・んぅ! だって、だってぇ・・・! ハヤテが・・・あ、ふぁああ!」
―――ゾクゾクする。
あのお嬢様が、僕に犯されて・・・犯されてると認識していながら、こんなに感じて、
泣きながら嬌声を上げて乱れきっているなんて―――
もっと、思い切り腰を動かして突き上げて、滅茶苦茶にしてやりたい衝動が弾けそうになるが、
まだナギのそこはキツいままで、今だって痛みはあるハズだった。
ゆっくりと動かしているからこそこれだけ感じているのであり、まだまだ解しきれてはいない。
だが、分かっていても彼女を苛め、弄り、汚したい衝動は抑えがたく、
ならばせめて、とばかりに―――
「ではお嬢様、そんなはしたないお嬢様には、こうです」
「ひぐ・・・あぅ、ふぁあっ! え、な、あむ――――――!?」
蕩けた嬌声を紡ぎ続ける小さな唇にハヤテの唇を被せて塞ぎ、舌をナギの口腔へと侵入させる。
驚き、混乱しているのか、無防備なままのナギの舌を絡めとると、
にゅるにゅると蠢くように擦り合わせて、柔らかな感触をじっくりと味わう。
突然に口内を襲った蕩けるような感触にナギはしばし呆然と身を任せてしまうが、
自分が今、どんな状況にあるかを徐々に認識して・・・
「んんん! ん! んむ―――!」
ゾクゾクと響く快楽に必死で逆らって、絡め取られた舌を慌てて引っ込める。
“ハヤテとキスしてしまっている!”
という事実に慌てふためいて、一旦身を引こうと首を捩るが、
仰向けに寝そべるナギの唇を上から覆い被さるように塞がれている以上、
逃げることなど出来るわけもなく、ナギの口腔はハヤテの思うがままに蹂躙される。
口中を隈なく舐められ、逃げる舌も簡単に絡めとられ、
唾液を啜り取られたかと思えば逆にハヤテの舌を伝って彼の唾液を送り込まれ、飲み込まされる。
「ん、んむ・・・っ、んむんん・・・ぅ」
そうしている間にもナギを責めるハヤテの腰が止まることはなく、
ぐち・・・ぎちゅ・・・と、溢れる蜜を音を立てて掻き出しながらゆっくりと抽送を続け、
ハヤテの肉茎がナギの膣壁をずるずると擦り上げる。
それだけでもナギの身体は快感でガクガク震えて止まらないくらいに感じてしまうのに、
その上突き込まれるときは必ず肉茎の先端を突き当たるまで押し込まれて、
子宮口をコツンと叩かれる度にナギの小さな身体はおもちゃのようにビクンと跳ねて、
キモチイイこと意外の何も考えられなくなる。
―――ハヤテっ、はやてぇ・・・! だめだ、もう、こんな、されたら・・・!
わたし、もう・・・ヘンになる・・・っ! こわれちゃうよぉっ!・・・ハヤテっ、ハヤテぇえ!
処女を捧げたばかりの秘所は奥の奥までハヤテのモノによって蹂躙され、
彼とのはじめてのキスはそのまま舌による口腔陵辱へ移行して、今や口中ハヤテの味しかしない。
クリトリスと、そしてお尻にまで無機質な責め具を付けられて、微弱な振動による責めも未だに続いているし、
小さな胸はハヤテの手で揉む、というよりマッサージするように撫でられて、尖った乳首は指先で弄ばれている。
ハヤテによって組み敷かれた身体をガクンガクンと震わせながら、
身体中を愛撫されて、そしてその全てを余すところなく快楽として受け入れている自分を改めて認識して、
ナギは自分の身体が彼に支配されたことを悟る。
ハヤテに抱かれ・・・犯されて、ナギの身体も心も興奮し、悦びに打ち震えていることを認めてしまうと―――
「―――んんんっ! んむ、んんぅ――――――っ! んむ、んむむ、んん――――――!」
あとは、呆気なかった。
ハヤテに与えられる快感を抵抗することなく受け入れた身体はどこまでも昂ぶり続け、
その快感がナギの受容できる限界を超えかけたところで、
とどめのようにハヤテの肉槍の穂先がナギの最奥をゴツ、と叩くと―――
「ん! んんんっ! んんんんんんん――――――――――――!」
一際大きく震えながら背筋をぐっと反らすように跳ねて、
ナギは―――絶頂に達した。