ちゅぱ・・・ちゅく、ちゅぷ・・・っ・・・  
 
「っく・・・ぅ、あ・・・っ」  
 
暗い部屋に、切なげな喘ぎ声が響く。  
声だけなら、少女の喘ぎかと思ってもおかしくないようなか細い声で・・・ハヤテが悶えているのだ。  
 
にちゅ、ちゅぷ・・・っ  
 
「ふ・・・ぁ・・・っ、くぅ・・・ぅ、ま、マリア・・・さん・・・っ」  
 
そんな彼にはある意味似つかわしくない、硬く膨れ上がった男性の象徴に・・・マリアの指と舌が妖しく絡みつく。  
 
「ん・・・ぷ・・・ぁ、はふ・・・っ、ふふ・・・ハヤテ君ったら・・・本当に、可愛い・・・」  
「ん・・・く・・・ぅ、そんな、ぅあ・・・!」  
 
すっかり硬く膨れ上がったソレをきゅっと握られて、ハヤテはびくんと身体を震わせる。  
 
「んふ・・・ぞくぞくしちゃいますわ・・・あむ・・・ん・・・」  
「んくっ! ま、マリアさんっ! うぁ、ふ・・・ぅ!」  
 
うっとりと上気したマリアはハヤテのモノを頬張ると、  
唾液を擦り込むように舌を絡ませたかと思えば、鈴口を舌の先端でつん、と突付いてみたり、  
唇を微妙に動かしてエラの部分を刺激しておいて、急に強く締め付けてちゅぅうっ、としゃぶってみたり、  
指で竿の部分を緩やかにしごきながら、時折片方の手を袋に当てて、さわ、と優しく撫でてみたり・・・  
多彩な技巧を満遍なく駆使して、ハヤテを際限無く昂ぶらせる。  
 
「ん・・・んむ・・・っ、む・・・・・・ぷ・・・っん・・・」  
「うぁ、あ・・・くぅう! だ、ダメです! マリアさんっ! こんな、うぁ、うぅう!」  
 
マリアの口唇愛撫によって注ぎ込まれる悦楽に逆らうことなど出来る筈も無く、  
射精感はもはやいつ暴発してもおかしくないレベルを超えて、更に膨張し―――  
涙目のハヤテは髪を振り乱して少女のような“嬌声”を上げ続ける。  
 
ちゅぱ・・・ちゅく、ぴちゅっ、ちゅる・・・じゅる、じゅぶぶっ、ちゅぷ・・・ちゅく・・・っ  
 
そんなハヤテの状態を見抜いた上で、マリアの奉仕はひたすらに激しさを増してゆき、  
程無くしてハヤテの射精感は限界に達し―――  
 
「っく、うぁ、ううう! マリアさんっ! も、もう・・・僕っ! で、出る、出ちゃいま・・・っあぁ!」  
 
びゅくっ! びゅるるっ! びゅるるるるっ!  
 
「んむっ!? んん! ん―――――――――っ!」  
 
為す術もなく達してしまったハヤテは衝動の赴くままに、マリアの口内にどくどくと精を注ぎ込む。  
断続的に爆ぜては、喉の奥まで次々と流し込まれてくる熱い粘液の塊を、  
マリアはむせ返りそうになりながらも決してこぼしたりせずに口腔に留めておく。  
そしてハヤテが射精を終える寸前・・・口内のモノが最後に脈動する瞬間に敢えて身を引いて、  
ハヤテのモノを唇から解放し、そこから放たれた白濁を―――自ら、顔に受ける。  
 
「マリア・・・さん」  
 
極上の射精感に酔いしれかけていたハヤテの目の前で、マリアの端正な顔が白く穢れてゆく―――  
白濁した粘液を頬や口許にこびりつかせたまま、彼女は上目遣いにハヤテを見上げて、  
“んくっ”と喉を鳴らして口中に溜め込んだ精液を飲み下して見せる。  
穢れても尚美しく、いじらしく、そして淫らなマリアの姿の前では、  
たった一度の射精からくる満足感など一瞬で過去のものとなり・・・  
彼女の姿に呼び起こされた劣情が、ハヤテの心を埋めつくしてゆく。  
 
―――まるで初めての時のように、逸る気持ちが抑えられない。  
―――これまでに何度も彼女を抱いているハズなのに・・・  
 
そんなハヤテの心情が簡単に見抜けてしまうような・・・  
たった今まで少女のようだった彼と同じ人物とは思えないような、獣のような劣情を湛えた目で見据えられて・・・  
 
「ハヤテ君・・・そんな目で見つめられたら・・・もう・・・私・・・」  
 
この展開はあくまでマリアのシナリオ通りのもの。  
だがそれでも・・・そんな目をしたハヤテがこれから自分にどんなことをするかと思うと、  
ゾクゾクと身体が疼いて止まらない。  
ごくん、ともう一度喉を鳴らして、ハヤテの足の間から立ち上がると彼に並んで腰かけて・・・  
 
「今夜は時間はたっぷりありますから・・・」  
 
艶やかに、淫蕩に微笑んで・・・  
 
「私のこと・・・好きなだけ、いじめて下さい・・・ね?」  
「ま・・・マリアさんっ!」  
 
その一言でハヤテのスイッチは完全に切り替わり、一気にマリアを押し倒す。  
マリアは心を躍らせながら、全てをハヤテに委ねるように目を瞑り――――――  
 
「・・・・・・?」  
 
何も、起こらない。  
押し倒された自分はすぐさまハヤテによって蹂躙されるハズなのに、  
彼は身体に触れてすらくれない。  
新手の焦らしかとも思ったが、ここはそういうタイミングではないし、  
そんな見当違いな行為で昂ぶった気分を冷めさせるようなヘタを打つハヤテではないハズだ。  
 
「え・・・な・・・?」  
 
そのハヤテの妙な声を聞いて、マリアも思わず目を開いて・・・  
 
「な、なんです・・・それ?」  
 
それまでの雰囲気とはかけ離れた、ハヤテと同類の妙な・・・  
僅かに緊張した声を上げて・・・更なる異常に気付く。  
 
「あ、あの、マリアさん・・・」  
「もしかして、ハヤテくんも・・・身体が、動かない・・・ですか?」  
「はい、それであの、マリアさんの側頭部のあたりに、なんかおかしなものが」  
「それはきっとハヤテくんの肩についているそれと、同じモノでしょうね・・・」  
「やっぱり・・・僕にもついていますか・・・」  
 
暗闇ではっきりとは見えないが、マリア視点ではハヤテの肩に、ハヤテ視点ではマリアの側頭部に、  
紙のようなものが張り付いている。  
そんな物はついさっきまで間違いなくなかったし、互いにいつから張り付いていたのかもわからない。  
だが、普通に考えてあまりにありえないことだが・・・この紙切れが二人の自由を奪っているとしか考えられない。  
 
「一体・・・何が起こっているのでしょうか・・・」  
 
紙切れと自分たちの身体に起きた異常に関する因果関係は想像できなくもないが、  
どうしてそんな事態が起こったのか、となると・・・全くもって不明すぎて、  
マリアは呆然としている。  
だが、ハヤテは・・・  
 
「・・・・・・これって・・・もしかして、でも・・・そんな・・・」  
「ハヤテ君・・・もしかして、何か心当たりがあるんですか!?」  
「いや、でも・・・まさか・・・」  
 
見覚えが、ある。  
そう、初めてその少女に出会ったときに、彼女が―――あろうことか―――自動販売機に挿入していたモノ。  
地下のトンネルに迷い込んだときに、ネズミの大群を退けてしまった時に、袖から出しかけていたモノ。  
そして―――その少女は、今・・・  
 
「まったく・・・ふたりとも、いけませんよ・・・こんなこと」  
「伊澄・・・さん?」  
「え・・・?」  
 
いつの間にかその部屋にいた第三の人物の姿は、薄闇のなかではシルエット程度しか判別がつかない。  
だが、その人物に心あたりがついていれば、声だけでも十分に判断できる。  
 
「い、伊澄さんですよね!? どうしてこちらに・・・というか、これってやっぱり伊澄さんの・・・」  
 
“これ”とは、もちろんハヤテとマリアの身体を縛る紙切れ・・・いや、お札と言うべきか。  
だが、伊澄は質問に答えること無くつかつかとベッドの上の二人に歩み寄り・・・  
 
「お仕置きに参りました」  
「・・・・・・は?」  
「・・・?」  
 
唐突すぎる展開に、ハヤテもマリアもただもう唖然とするばかり。  
そんな二人にゆっくりと近づきながら、伊澄はまずハヤテを見て、  
 
「ハヤテさまはナギだけのものなのに・・・他の方とそんなことをなさるなんて・・・浮気はいけませんよ?」  
「え・・・? い、いや、確かに僕はお嬢様の執事ですが、それとこそれとは・・・」  
 
伊澄から見れば浮気もいいところの行為だが、  
ナギとの誤解を抱えたままこういう状況に陥っているハヤテにとっては余りにも突飛な物言いである。  
だが、伊澄の放つプレッシャーはハヤテに釈明する余裕など与えてはくれそうにない。  
 
「ナギをないがしろにしてマリアさんとこんなことをされるなんて・・・  
 不本意ですが・・・ハヤテさまにはお仕置きをさせて頂かなくてはなりませんね」  
「んな! ちょ、何か誤解が・・・!」  
 
紙切れ一枚で他人の身体の自由を奪ってしまうような・・・  
およそ常識からかけはなれた力を秘めた少女にそんなことを言われては、流石にうろたえずにはいられない。  
だが、ハヤテの引きつった顔を見て伊澄はクスリと笑みを洩らすと―――  
 
「ですが、その前に・・・」  
 
足音も立てずにベッドの傍まで来ていた伊澄の視線が、ハヤテから外れる。  
 
そして・・・ハヤテを見ていたときよりも険しさを増した視線が、マリアを捉える。  
 
「マリアさん・・・以前、それとなく注意したつもりでいたのですが・・・」  
「え、えーと・・・あ〜・・・」  
「それなのに、ナギのメイドであるだけでなく、姉代わりでもあるあなたが、  
 ナギの気持ちを知っていながらこんなことをなさるなんて・・・正直、失望しました」  
「そ、それは・・・ご期待に添えませんで・・・」  
 
改めて言葉にすると感情が昂ぶってしまうのか、話すにつれて伊澄の目が更に険しくなる。  
マリアとしても、ハヤテと違って誤解も何も無く、  
二人の関係についても全てわかった上でやっている以上、釈明などしようもない。  
 
―――うーん・・・私、どうなっちゃうんでしょうねぇ・・・でも・・・  
 
親友を裏切った者への怒りという伊澄のプレッシャーを一身に浴びつづけるマリアだったが、  
同時に・・・もしかすると、それだけではないんじゃないか・・・とも思う。  
伊澄はハヤテを異性として意識していた節があったハズである。  
ならば、ハヤテと同じ行為をしている自分に、彼に対するよりも遥かに強い怒気を向けるということは、つまり・・・  
 
「そういう訳でマリアさん、まずはマリアさんから・・・お仕置きです」  
「え・・・あ、い、伊澄さん!? ちょ、え・・・あ・・・」  
 
マリアが考えを巡らせている間に伊澄の手がスカートの下に潜り込み、  
つぃ、と太股に触れたかと思うとすぐさま彼女の秘所に触れ、  
 
「っひぁ!? い、伊澄さ・・・んぁ!」  
「マリアさん・・・こんなにここを湿らせて・・・それに最初から下着もつけていないなんて・・・  
 はしたないですよ?」  
 
そのまま、ぼそ・・・と何事かを呟いた、次の瞬間に―――  
 
「っひ! や、伊澄さん!? ゆ、指が・・・は、い・・・っあぁあああぁあ!?」  
 
突如、悲鳴のような叫び声が上がり、マリアの身体が雷に打たれたかのようにのけぞり、跳ねる。  
 
「マリアさんっ!?」  
 
マリアに何か激しい衝撃が与えられたのは一目瞭然で、ハヤテは思わず声を上げるが、  
身体の方は相変わらず全く動いてくれない。  
 
「ハヤテさま、慌てないでください・・・大丈夫です。 傷付けたりはしませんから・・・」  
 
ハヤテの心を察してか穏やかな声で伊澄は言うが、  
その瞳には普段の彼女からは想像もつかないような嗜虐的な暗い光が宿っているように見える。  
 
「そのかわり・・・しばらくはココを使っていけない遊びをしようだなんて思えないように・・・  
 少々、刺激的な体験をしていただきますね」  
「や・・・伊澄さん・・・待って・・・っあぁ!」  
 
その台詞が、先程の激烈な刺激を再び体験させられるという意味だと瞬時に理解して、  
マリアは怯えたように声を上げる。  
だが、伊澄の指は欠片ほどの迷いもなく、ずぷぷ・・・と彼女の中へより深く潜り込み、  
ぼそ、ぼそ・・・とハヤテには聞き取れない言葉で何事かを呟くと、その途端に―――  
 
「や、やめ―――っうぁああぁあああぁあ! だ、ダメで、っあぁああぁぁぁああっ!  
 やめ、ほんと! こわ、れぇええぇええっ!」  
 
がくん、がくん、と荒地を走る車のようにマリアの身体が何度も跳ねる。  
 
「んぁああぁあああっ! だ、めぇえ! こわれっ! 伊澄さぁあっ! わたっ、こわれちゃ・・・ぁぁああああ!」  
「ま、マリアさんっ!」  
 
声だけなら、ハヤテもマリアに似たような叫び声を上げさせたことはある。  
だが、快楽で徐々に昂ぶらせ、乱れ狂わせて喘がせるのと、  
強烈なだけの刺激を与えて泣き叫ばせるのでは余りにも違いすぎる。  
 
「ひぁあ・・・ぁああ! たす・・・け、ハヤテ、く・・・ぅああぁああぁ!」  
 
涙をこぼしながらマリアは思わずハヤテの名を呼ぶが、  
その言葉に反応したのは身動きのとれないハヤテではなく―――  
 
「また・・・・・・ダメですよ? ハヤテさまはナギのもの、なんですから・・・ね?」  
 
あくまで言葉遣いは穏やかなまま、うっすらと口許に笑みすら浮かべつつ、  
マリアの更に奥まで指を突き入れてぼそぼそ、と聞き取れない言葉を紡ぐ。  
そして伊澄の唇が動きを止めると同時にマリアの身体がこれまでより更に激しく跳ねて、  
 
「ひっ―――――――――っあぁああぁあぁあっ!」  
 
絶叫、と言うに相応しい叫び声を上げてガクガクと痙攣した末に―――  
どさり、とベッドに倒れ込む。  
その拍子に彼女の自由を縛っていたお札が剥がれるが・・・  
マリアはひくひくと震えるばかりで動く気配は無く、目は薄く開いてはいるものの・・・焦点は合っていない。  
 
「ま・・・マリア・・・さん・・・?」  
 
ハヤテとの行為では、どれだけ激しく責めたてられようともナギやヒナギクのように失神したりしない彼女だけに、  
今のマリアの姿は、何か危険な・・・取り返しのつかないような怖さを連想させる。  
 
「大丈夫です、軽く気を失われているだけですから・・・  
 本当ならもっと軽くやっただけで終わるかと思っていたのですが・・・やはりハヤテさまとの行為で、  
 こういう刺激に耐性があった、ということなのでしょう・・・・・・そう思うと、残念です」  
「は・・・ま、まぁ・・・マリアさんが無事なら、いいのですが・・・」  
「ですが、そのせいでかなり強い刺激を敏感なところに注ぎ込むことになってしまいましたから、  
 しばらくはココを人に触られたいなどとは・・・思えなくなると思いますよ?」  
 
くすり、と微笑む伊澄の目は酷く冷たくて、ハヤテの背筋を震えが走る。  
そう・・・何せマリアの次は、自分の番なのだから。  
 
「さて・・・それではお待たせ致しました・・・ハヤテさま、お仕置きの時間です・・・」  
「あ・・・あは・・・お、お手柔らかにお願いします・・・」  
「さぁ、どうでしょう?」  
「あ、あはは・・・」  
 
引き攣った笑いを浮かべるハヤテに冷たい笑みを浮かべて近づく伊澄だが、  
ベッドに腰掛けたまま固まっている彼の前に立ち・・・そこで止まってしまう。  
覚悟しつつもやはり恐ろしいものは恐ろしいといった気分のハヤテとしては、  
“これは敢えて間を置いて、自分にプレッシャーをかけているに違いない”  
等と思ったりもしたのだが・・・それにしても長すぎる。  
 
「あ、あの・・・伊澄さん?」  
「え・・・は、はい!?」  
「いや、その・・・どうせされるなら、いっそのことひと思いにー、とか思ったりしたのですが・・・あははは・・・」  
「は・・・こ、これは失礼しました・・・」  
「は、はぁ・・・?」  
「で、では・・・」  
 
つい今しがた、マリアを責めたてていた時の冷たい雰囲気とは何か違う・・・  
むしろ普段の彼女に近い反応を見せられてハヤテもやや混乱するが、その理由はすぐに明らかになる。  
伊澄はハヤテのやや開き気味の両足の間にゆっくりと・・・恐る恐る腰を下ろし、  
ハヤテのモノを目の前にして・・・  
 
「こ、これが・・・殿方の・・・いえ、ハヤテさまの・・・・・・  
 こ、こんなに・・・た、たくましいの、ですね・・・」  
「あ・・・もしかして、伊澄さん・・・初めて見ました?」  
「そ、それは・・・! まだ・・・13歳ですから・・・」  
「あ、そうでした・・・」  
 
そんな普段通りの雰囲気の伊澄に、ついつい張り詰めていた緊張が緩みかけるが―――  
 
「それでは・・・し、失礼致しまして・・・」  
「あ・・・っ!」  
 
つ・・・と、滑らかな指先が己のモノに触れるのを感じて、ハヤテはとっさに歯を食い縛るが、  
伊澄の指はいきりたったままのモノを、つ・・・つつ・・・と、撫でるばかりで・・・  
きっと電撃のようなものだろうと覚悟していた“刺激”は一向にやってこない。  
 
「あ、あれ・・・?」  
 
ついついハヤテが間の抜けた声を出してしまうと、足許の伊澄がくす、と笑い・・・  
 
「ハヤテさまも、マリアさんのような目に遭われるかと・・・そうお思いでしたか?」  
「え、ええ、まぁ・・・ぁうっ!?」  
 
戸惑い気味に返事をするハヤテだが、不意にモノをきゅっと握られて、思わず情けない声を洩らす。  
 
「い・・・伊澄さん!?」  
「安心して下さい・・・ハヤテさまのこれは、  
 これからもナギの為に・・・使っていただかなくてはなりませんから・・・」  
 
言葉の調子は静かなままだが、  
先ほどマリアを失神に至らしめた際にも感じた、冷たく・・・嗜虐的な雰囲気を漂わせながら・・・  
 
「ですがこれ以上、浮気でナギを悲しませるようなことがあってはいけませんから・・・  
 こうして差し上げます・・・」  
「え・・・・・・っ!?」  
 
きゅ、と何かがハヤテの、相変わらず張り詰めたままのモノに絡み付いたような感じがして、  
短く声をあげる。  
 
「い、伊澄さん、今のは・・・糸?」  
「いえ・・・私の髪を一本、結ばせて頂きました」  
 
確かに伊澄の長い髪なら、自分のモノに結び付けることなど訳もないだろう。  
だが、その感触はあくまで“そこにある”という程度のもので、  
お仕置きらしくキツい結ばれ方をされた訳ではないらしい。  
 
「あの、これだけ・・・ですか?」  
 
もちろん、それだけならそれに越したことはないのだが・・・  
マリアへの仕打ちを思えば、到底これだけで済むとは思えないのだ。  
 
「いえ・・・」  
 
何せ不幸であることに関しては右に出るもののないハヤテのこと。  
そんな予想が外れるハズもなく・・・  
 
「もちろん・・・これからですよ?」  
 
表情だけはにこやかに答えられて、  
“ああやっぱりか・・・”  
とため息をつきかけて―――  
 
「・・・っふぁ!?」  
 
さわ・・・、と、これまでとは違う感触で腰のモノを撫で上げられて、情けない声を洩らしてしまう。  
伊澄に触られていることには変わりないのだが、  
これまでの恐る恐る・・・あるいは確かめるような触れ方ではなく、  
撫でる・・・というより、もはや愛撫としか思えないような、指先が絡みついてくるような触れ方で・・・  
 
「い、伊澄・・・さんっ、何を・・・!」  
「もちろん・・・お仕置きですよ?」  
「うわ・・・い・・・いす・・・ちょっ!?」  
 
取り乱すハヤテの顔をちらちらと上目使いに覗きながら、伊澄は肉茎に絡ませた十本の指を妖しく蠢かせる。  
滑らかな手つきこそおしとやかな伊澄らしくはあるのだが、  
白く細い指の中にあるのは膨れ上がった自分のモノで・・・  
その異様なコントラストに、ハヤテの背筋がぞくりと震える。  
 
「伊澄さん・・・っ、お、お仕置き・・・って、こ、これじゃあ・・・」  
「ハヤテさま・・・気持いいですか?」  
「え、は、はい・・・ですが・・・これが、っく・・・あの、お仕置き、なんですか・・・?」  
 
戸惑いながら問いかけてくるハヤテの表情は目に見えて上気しはじめていて、  
伊澄は歳に不相応な艶のある笑みを浮かべながら、  
 
「ふふ・・・今は、気持よくなって下さい・・・すぐにわかりますから・・・」  
「は、はぁ・・・ぁうっ・・・っく・・・ぅ」  
 
伊澄の触り方はどこまでも優しく丁寧で、しかもハヤテの敏感なところを確実に突いてきて、  
こんな状況にも関わらず肉茎は更に膨れ、硬さを増し―――  
 
「あ・・・ハヤテさまの・・・すごい、もっと・・・硬く・・・」  
「い、伊澄さんが、お、お上手、だから・・・ですっ、う・・・っく、見たこともなかったのに、なんで、こんな・・・」  
「一応・・・女の子ですから・・・殿方の悦ばせ方くらいは知っています・・・」  
 
―――それが鷺ノ宮クオリティーなのか!?  
―――ちなみにうちのお嬢様はとっても下手です!  
 
等と場違いな考えが頭をよぎったりするが、それも一瞬。  
 
「っうぁっ! い、っく! 伊澄さ・・・っ、息が・・・!」  
 
敏感な亀頭に“ふっ”と息を吹きかけられて、ハヤテの身体ががくんと揺れる。  
自分の意志では首から下は1ミリも動かせない身体だが、意識しない反射的な反応などはできるらしい。  
 
「息がかかっただけでそんな声をあげられるなんて・・・本当に敏感なんですね・・・  
 では、こうしたら如何でしょうか・・・?」  
 
ハヤテの反応が気に入ったのか、伊澄は目の前でそそり立つモノに更に顔を近寄せて・・・  
 
「へ? い、伊澄さ・・・っぁあっ!? ちょ、それは、ダメですっ! い、あ、ふぁあ!」  
「ん・・・ふふ・・・ハヤテさま・・・可愛い声・・・ん・・・む・・・」  
「っく! あぅうっ!」  
 
ちろ・・・ちろ・・・と、伊澄が指だけでなく舌までも使い始め、  
亀頭を這う舌先の感触に、ハヤテはまたしても少女のような声を上げてしまう。  
伊澄の舌使いにはマリアのようなねっとりとした大胆さこそないが、  
指と同じく繊細で遠慮がちで、それでいてハヤテの弱いところを的確に突いてきて・・・  
急速にこみ上げてくる射精感を必死で抑えようとして、ハヤテの腰ががくがくと震える。  
 
「伊澄さんっ、ダメです・・・! そんな、されたらっ! 僕・・・そろそろ・・・っ!」  
「んむ・・・あら・・・大丈夫ですよ? お気になさらず・・・もっと気持ちよくなってください・・・?」  
「い、いやでも! このままじゃ、伊澄さんのお顔に・・・!」  
「心配して下さるのですね・・・でも、大丈夫ですから・・・我慢なんてなさらないでください・・・ん・・・」  
「何が大丈夫・・・って、あぅ! う、くぁ、い、すみさ・・・ぁあっ!」  
 
柔らかな手つき、舌使いのまま愛撫は少しずつ大胆になり、ハヤテの昂ぶりは臨界へ向けて膨れ上がってゆく。  
自分では腰を引くことすら出来ないので、  
このままでは間違いなく伊澄の顔を先ほどのマリアのように汚してしまうことになる。  
マリアとは互いに同意の元でやっていた行為なのでハヤテもいちいち気に留めたりはしないが、  
伊澄はお客様であり、そういう関係でもないし・・・更にナギに釘を刺されたばかりでもある。  
例え彼女の方から積極的にしていることだとしても、このまま伊澄の顔に欲望をぶちまけてしまうのは、  
執事として正しいことではないハズ・・・  
なのだが、そう考えてしまった瞬間に、  
伊澄の幼げな顔や美しい黒髪を己の白いモノでどろどろに汚すところを想像してしまい・・・  
 
「っうぁ! や、ば・・・っ! い、伊澄さんっ! ホントに、ダメですっ! も、もうっ! 僕・・・・・・!」  
 
それ以上は何も言えず、ただひたすら歯を食いしばり一秒でも射精を遅らせようとするが、  
伊澄の舌は容赦なくハヤテの亀頭を這いずり回る。  
 
「―――――――――っっ!」  
 
その熱く濡れた舌先で射精を促すかのように、鈴口をちろちろとほじくるように舐められて、  
ついにハヤテは限界に達し、腰をガクガクと激しく震えさせながら―――  
 
「―――っあ、うぁあ・・・!? え、・・・な・・・んで・・・あく、うぐ・・・ぅう!」  
 
何も、起こらない。  
己を抑えることを放棄したはずなのに、そこから何も放たれることはなく、  
ハヤテのモノは昂ぶりきった射精感も膨れ上がった肉茎もまったくそのまま、維持されているのだ。  
 
「こ、んな・・・あぐ・・・ぅあ! も、もしか、して・・・い・・・すみ、さん・・・っ!?」  
「んむ・・・ん・・・ふふ、お気づきになられましたか?」  
 
ハヤテのモノから口を離して上を向いた伊澄の表情は、すっかり上気して朱に染まり、  
その目にはサディスティックな色が浮かんでいる。  
 
「先ほど結ばせていただいた髪には、ちょっとしたまじないが施してありまして・・・  
 私が念じている限り・・・何もそこを通れません・・・つまりハヤテさま・・・」  
「しゃ、射精も、できない・・・?」  
「はい・・・」  
 
ハヤテは表情を引き攣らせていやに大量の汗をかいているが、  
対する伊澄はにっこりと微笑んで答える。  
だが、その笑みは陰惨な、獲物をいたぶる悦び類のそれである。  
 
「言いましたよね・・・我慢する必要はありませんと・・・ハヤテさまが我慢なさらなくてはならないのは、  
 もっと別のことなのですから・・・」  
「っく・・・!」  
 
出したくても、出せない。  
昂ぶりきった射精感はまったく衰える素振りも見せず、ハヤテの下腹部でぐるぐると渦を巻いて荒れ狂っている。  
発散すべき衝動を、衝動のまま抱え込むということがここまで辛いことだとは、  
普通なら知ることも出来ない感覚なのだが・・・まさに今、ハヤテはその感覚に苛まれ始めている。  
 
「こ、これは・・・っ、い・・・伊澄さん、ちょっと・・・辛い、ですが・・・取って頂くわけには・・・」  
「これも言ったはずですよ・・・? お仕置き、ですから・・・と」  
「・・・・・・やっぱり、そうです・・・よ、ね・・・っうぁあ!?」  
 
引き攣った笑みを浮かべかけたハヤテの声が、悲鳴に変わる。  
伊澄の指が肉茎への愛撫を再開したのだ。  
 
「でも、ご安心ください・・・たっぷりと・・・出すべきものを溜めて頂いたあとには、  
 ちゃんと出させて差し上げますから・・・ただし、ナギの中に・・・ですが」  
「ど、どうして、そんな・・・ぁああぁ!」  
「ナギはハヤテさまのことを想って、寂しがっていましたから・・・ハヤテさまは、ナギのモノなのですから・・・」  
 
そしてさらに・・・  
 
「ではハヤテさま、今度はこうして差し上げます・・・ん・・・はむ・・・っ」  
「うぁ、や、やめ・・・いすみさ・・・あ、うぁ、あぁあっ! あく・・・ぅうう!」  
 
小さな口を目いっぱいに開いてハヤテの肉茎の先端を頬張ると、口腔の粘膜と舌でねっとりと舐り始める。  
既に射精し終えているハズのモノを更に念入りに愛撫されるという本来ならありえない責めに、  
ハヤテの衝動は限界を超えて膨らみつづけ、  
発散できない衝動がハヤテの意識を焼き焦がし、狂わせる。  
 
「あぐ・・・うぁああ! やめ、やめてくださ・・・あぁあ! いすみ、さ・・・伊澄さんっ! も、もう・・・!」  
「んむ・・・はぶ・・・ん・・・っ」  
 
ぬちゅ、ちゅぷ・・・ちゅくっ・・・  
涙目になって訴えるハヤテだが、返ってくる答えは伊澄の口の端や鼻から洩れる呼吸音と、くぐもった水音のみ。  
伊澄流の“殿方の悦ばせ方”はまったく文句のつけ様もないもので、  
ハヤテは全身をガタガタと震わせながら際限無く膨れ上がる射精感に正気が保てるかすら怪しくなってくる。  
 
「あ、あぁああっ! だめ、だめですっ! もうやめ・・・伊澄さんっ! も、許して・・・うぁ、あああああ!」  
 
もはや恥とか外聞とかそんなものに気が回るハズもなく、  
ハヤテは自分がいつもナギやヒナギクに上げさせているのと同じような泣き声を上げていることにも気付かない。  
そして・・・そんなハヤテの痴態を前にして、伊澄にもあらぬ欲望が湧き出してくる。  
 
―――ハヤテさま・・・女の子みたいに、可愛い・・・ん・・・なんだか・・・わたしまで・・・  
 
ハヤテを悶えさせるにつれて、自分の身体が熱く、疼いてくる。  
本当は、このまま指と口だけで済ませる予定だったのだが・・・  
いや、そもそもは口だって使うべきではないと思っていたハズではなかったか・・・  
今回のことで、伊澄が最も気を付けねばならないと思っていたこと、  
それはよくいう“ミイラとりがミイラ”という類のこと。  
ハヤテに対する秘めた好意を否定できない自分を認識しているからこそ、  
不用意な深入りは避けるべきだという自覚はある。  
だが、それでも・・・  
 
―――少しなら・・・そう、これはあくまでハヤテさまにお仕置きするため・・・  
―――ハヤテさまにとっては刺激が強い程、お仕置きとして効果的なのですから・・・  
 
そんな峻遵の末に、伊澄は蠢く指と口から悶えあえぐハヤテを解放する。  
 
「っか・・・は・・・ぁ、は・・・ぁ・・・っ」  
 
愛撫されればされるだけ発散出来ない昂りが膨れ上がり、おかしくなりそうだったハヤテにとって、  
射精を許されぬ限り、それは解放と呼べるモノでは無い。  
だがそれでも・・・そのまま続けられるよりは余程に救いがあった、が・・・  
僅かな期待を込めて視線を向けた伊澄の姿に、  
ハヤテは失いかけていた理性と、絶望的な予感を呼び起こされる。  
 
「い・・・すみ、さん・・・何を・・・」  
 
ハヤテの足元から立ち上がった伊澄は、少しだけ恥ずかしげにハヤテを見て、  
うつむくと腰の帯に手を添えて・・・  
 
する・・・しゅる・・・  
 
絹擦れの音を立てながら、解いた帯を“ふわ・・・”と無造作に床に落とす。  
伊澄の和服を脱ぐ姿は幼い頃から着こなしてきた故か、思わず目を奪われるくらい様になっており、  
歳に不相応な艶すら纏っているかのようで、  
こんな状況だというのにハヤテは彼女に見入ってしまう。  
伊澄も彼の視線を感じつつ、肌蹴た夜着を帯と同様にするり、と床に落とす。  
それで・・・ショーツの他に少女の肌を隠すものは失われ、  
伊澄はその姿のまま、ハヤテの側へと歩み寄る。  
 
「・・・・・・っ!」  
 
射精させてもらえない苦しみで既にもう精神は限界を感じているというのに、  
目の前に立った少女の、暗闇に映える白い肌や儚げな細い腰、薄らと膨らみかけた胸から・・・目が離せない。  
そんなハヤテに見せつけるように、伊澄は、今度はややふらふらと優雅さに欠ける動作で腰を曲げて、  
最後の一枚―――ショーツを下ろし・・・両足から引き抜いて、完全に生まれたままの姿になる。  
 
「い・・・いっ、伊澄さん!? ま、まさか・・・・・・っ!」  
 
―――もしかして伊澄さんは、このまま一線を越えるつもりでは・・・  
 
とハヤテは危惧するが、だからといって動かない身体が動くようになる訳でもなく・・・  
伊澄にとん、と押されただけで、ハヤテはどさりと仰向けに倒されてしまう。  
続いて伊澄もベッドに上がりハヤテの身体に跨るように覆い被さってきて、  
全くそのまま危惧した通りの展開に、ハヤテは射精欲求でガタガタ震えそうな声を必死に抑えながら、  
 
「い、伊澄さんっ! いけ、いけませんっ! こ、んな・・・!」  
 
懸命に彼女を止めようとする。  
だが、伊澄はそんな声に耳を傾ける素振りも見せずゆっくりと腰を下ろし・・・  
 
「伊澄さ、やめ・・・ぁううっ!」  
 
ギチギチに膨れ上がった肉の尖塔は敏感になりすぎていて、  
伊澄の剥き出しの秘唇が“ちゅくっ”と軽く触れただけで、  
発散されない欲求が身体中を駆け巡りハヤテを悶えさせる。  
 
「伊澄さん・・・いけませっ! やめ、やめて・・・くぅう! くださっ、あぅ!」  
 
彼女には絶対に手を出すなとナギから言われているし、  
何より・・・あと少し腰を落とされて・・・もしそのまま伊澄の中に呑み込まれてしまったら、  
間違いなくキツいであろう彼女の膣の締め付けによって、自分はきっと狂ってしまうという予感が頭をよぎる。  
だから、言葉では“いけません”と諭すように言いながらも、  
実質は泣き声のような情けない声でただただ懇願するハヤテだった。  
 
・・・それが逆に伊澄の嗜虐心を焚きつけて、己の欲求に流されそうになるが・・・  
ナギを想う一心で、ギリギリの理性を持ち直す。  
 
「大丈夫です、ハヤテさま・・・ナギのものであるハヤテさまと交わるような・・・  
 そんな真似は決して致しませんから・・・」  
「そ・・・そうですか・・・」  
 
相変わらず眉をひそめて伊澄の“お仕置き”に苦しみながらも、  
当面の最大の危機だけは乗り切ったとの安堵から、ハヤテは思わず溜め息をつく。  
だが・・・自らそうしたにも関わらず、自分と“しない”ことに安堵されたのが、伊澄には微妙に面白くない。  
ナギに遠慮して身を引きこそしたが、ハヤテを想っていることは今でも変わらないのだ。  
故に、抑圧された嫉妬や欲情の念は無意識に伊澄の言動を歪ませて―――  
 
「ですが・・・お仕置きは、まだ終わった訳ではありませんよ・・・?」  
 
油断しかけたハヤテの心に釘を刺すように言うと、一気に腰を落とし・・・  
 
「っうぁああ!?」  
 
天を衝くハヤテのモノの裏筋を舐めるように、伊澄の薄らと濡れた秘唇がぬるりと滑り下りる。  
舌や指とは比較にならないその質感にハヤテの感じる快感は一気に跳ね上がるが、  
発散することの出来ない快感は今やハヤテを責め苛む苦痛と同義であり、  
甲高く響く声はもはや悲鳴と化していた。  
 
「・・・っぐぅう! あ、ぅああっ!い、伊澄さんっ! やめ・・・っぐ! あぐ・・・ぅああ!」  
 
そして、その声は更に激しく響くことになる。  
伊澄は腰を下ろしきってそそり立つ肉茎の根元まで秘唇を擦りつけると、  
今度はその腰を浮かせ、裏筋を先端まで舐め上げる。  
そして頂点まで達すると、再び腰を下ろし・・・  
悶え苦しむハヤテの姿を、薄らと笑みすら浮かべて見守りながら、伊澄は彼に快楽と苦痛を注ぎつづける。  
 
「ひぎ・・・っ! いす、みさ・・・ぁああ! やめ、やめて・・・くださぁっ! あぐ、うくぅう!」  
「ん・・・やめてと言われてやめたのでは、お仕置きになりませんから・・・  
 今は・・・あ、ぅ・・・こういう、はしたないことをすることの、辛さを・・・思い知ってください・・・  
 後で、ナギの中で・・・その昂ぶりきったものを・・・っ、解放する悦びも、味わって頂きますから・・・」  
 
口ではそう言いながらも、“はしたないこと”をする伊澄の動きは少しずつ激しさを増し、  
頬をますます上気させて、額に汗を浮かべながら息を弾ませている。  
 
「っは・・・あ・・・ん、ハヤテさまの・・・、硬くて、熱くて・・・ん・・・っ、  
 びくびくって、脈打っていて・・・はぁ・・・っ、これが・・・ナギの中に・・・入るのですね・・・」  
 
ナギよりも白い、透き通るような肌を紅潮させながら、伊澄は鼻にかかったような声を上げる。  
乱れた息や潤んだ瞳を見れば、彼女もまた昂ぶっているのは明らかだった。  
お仕置きという名目ではあれども、  
伊澄は憧れていた想い人と自分の性器を擦り合わせるという擬似的な性交に、  
僅かずつ理性の枷を綻ばせながら没頭してゆく。  
だが、それは即ち・・・  
 
「あぐ、うぁああぁあ! ひぎ、い、伊澄さぁあっ! やめ、も、ああ! うぐ・・・っあぁあ!  
 やめて、くださ・・・あ! こわれ、ぼくっ! こわれちゃ・・・あっ!」  
 
望まぬ快楽・・・神経が感受する刺激は“快楽”に分類されるモノであっても、  
それに応答してハヤテの心身が感じるのはもはや純粋な苦痛に他ならない。  
昂ぶっても昂ぶっても決して放たれることのない欲望の固まりは、  
ハヤテの正気すら奪いかねない程に抑圧されて・・・  
彼の表情は血の気を失い、上げる声は悶え狂い泣き叫ぶ少女のそれであった。  
 
だがそれでも・・・  
どんなに望んでも彼を手に入れることは叶わないと―――  
否、友情を重んじるが故に、本来なら望むことすら許されないことを認識しているからこそ・・・  
伊澄はこの最初で最後の彼との情事を止めたくなかった。  
お仕置きなど今はどうでもよく、想いを寄せるハヤテのことすら案じられなかった。  
ただ、欲望の赴くままに彼のモノに切ないところを擦りつけ、  
上体を臥せると泣き叫ぶ彼の顔や首筋、薄い胸板に舌を這わせ、唇を寄せる。  
 
「あ! あぐ! うぁああ! やめて、くださぁあ! こわれるっ! これじゃあっ、狂っちゃあああ!」  
「ん・・・っあ! あふ・・・ハヤテさま・・・はむ・・・ん、ふ・・・ぅ、ハヤテ・・・さまぁ!」  
 
既に絶頂二回分を越える快楽を注ぎ込まれながら、達することが出来ず全身をガクガクと痙攣させるハヤテの上で、  
伊澄もまた貪り続けた悦楽に酔い痴れてふるふると震え、絶頂の高みへ達するべく更に腰を蠢かせる。  
 
「いっ! 伊澄さっ! 伊澄さぁんっ! もう、出させてくださいっ!  
 もうっ! ひぎ・・・っああ! んあぁああ!!」  
「あ・・・っはぁ、ハヤテさまぁ・・・わたし、もお・・・っ、あ、くぅ・・・んぅう――――――」  
 
そうして、決して登り詰めることの出来ないハヤテと抱き合いながら伊澄は一人、絶頂を迎えようとして―――  
 
「―――――――――っ!」  
 
がば、とおもむろに身体を起こしてハヤテから距離をとる。  
 
「は・・・ぁ、は・・・っ、はぁ・・・っ・・・」  
「う・・・うぅ・・・・・・っ?」  
 
伊澄は一歩退いてうつむいたまま、胸に手を当ててはぁはぁと荒い息をつく。  
気が変になる一歩手前のハヤテには、己を苛む苦痛が消えた以上のことはわからないが・・・  
伊澄はぎゅっと手を握り締め、全身をわなわなと、微かに震えさせていた。  
うつむいて隠した表情は切なげで、眉をひそめてハヤテとはまた違う辛さを忍ぶような顔をしていたが、  
やがてぎゅっと目を瞑り・・・・・・そして目を開き顔を上げた時には、落ち着いた表情を取り戻していた。  
 
「いけません・・・危うく気をやってしまうところでした・・・  
 折角の禁術が解けてしまっては・・・片手落ちになってしまいます」  
 
そう呟いて再度ハヤテに歩み寄ると、彼の辛そうな、情けを乞うような顔を覗き込んでクス、と微笑みを浮かべる。  
 
「い・・・すみ、さん・・・僕・・・も、もう・・・」  
「どうやらお仕置きはもう十分なようですね・・・これ以上続けてハヤテさまが壊れてしまってはいけませんし・・・  
 さ・・・ではナギの部屋に行きましょうか・・・  
 ナギはきっとハヤテさまの堪えられていらっしゃるものを、全て受け入れてくれますから・・・  
 ナギの中に注いであげて・・・楽になりましょう・・・」  
「は・・・い」  
 
今のハヤテには伊澄が執拗にナギにこだわる理由など、もはやどうでもいい。  
ただ、出したい。  
我が身を焼き尽くさんばかりに滾る衝動を解き放ちたい。  
それだけしか考えられなくて、ハヤテはただただ伊澄の言うことに従う。  
 
「ではハヤテさま・・・そうでした、まずはこれを外さなければなりませんでしたね、長い間、失礼しました・・・」  
 
ハヤテに抵抗する意思・・・というよりも余力がないとわかっているので、  
伊澄は躊躇うことなくハヤテを縛る符を外―――  
 
「・・・あ、あれ?」  
 
ハヤテへと伸ばしかけた手が、ぴたりと止まる。  
それは伊澄に何か思う所があったからかと言うと、決してそういう訳ではなく・・・  
 
「あれ? あれ?」  
 
不測の事態に取り乱したのか、それまでの落ち着きが嘘のようにオロオロと辺りを見回すが―――それだけ。  
伊澄の身体はぴくりとも動かない。  
 
「不思議ですわねぇ・・・本当にこんな紙切れ一枚で人間が動けなくなってしまうなんて」  
 
身体はぴくりとも動かないが、伊澄の表情がぴくり、と引き攣る。  
更に慌てたように唯一動かせる首をフルにつかってきょろきょろとあたりを見回すが、  
真後ろから聞こえた声の主の様子を確認することは出来ない。  
出来ないが・・・その、彼女が倒れていたハズの場所には彼女がおらず、  
彼女を失神に至らしめた際に剥がれた符も、伊澄の視界からは消えていた。  
つまり・・・  
 
「あ、あの・・・もしかして・・・」  
「あら、どうされましたか、伊澄さん?」  
「あ、えーとっ、あの・・・ひぁっ!?」  
 
背後からきゅっと抱き締められて、首筋に吐息を感じ、びくんと震えながら慌てて振り向いて・・・  
 
「ま、マリアさん・・・やっぱり・・・でも、どうして・・・?」  
「どうして、と言われましても・・・こんな楽しそうなことを傍でされていては、  
 やはりじっとしているのは惜しいですからね〜  
 丁度いいところに不思議なお札もありましたし、ちょっとお借りしましたから♪」  
「や、やっぱり・・・って、いえ、そうではなく・・・失神されていたハズなのに・・・」  
「あー、そうですねぇ、確かに凄い刺激で・・・意識が飛んじゃいましたけど、  
 最近は毎日ハヤテ君に苛めて頂いていますからね、失神したことは流石にありませんでしたけど、  
 刺激に慣れてしまっていたせいか・・・すぐに目が覚めてしまいまして♪」  
「そ、そんな・・・あぅっ!?」  
 
する・・・とマリアの手が伊澄の左右の胸にあてがわれる。  
 
「あんな刺激的な体験は滅多にできることではありそうにないですから・・・  
 貴重な体験をさせて頂いた、お礼をせねばなりませんわね〜♪」  
「い、いえ、そんな・・・結構ですよ・・・っあ、あふ・・・ふぁあ! あんっ!」  
 
なだらかな膨らみをマッサージするように揉みしだき、  
尖った乳首を指先で突付き、擦り、軽くつまむ。  
それだけで伊澄は鼻にかかった甘い声を上げて、マリアの腕の中でびくびくと震えてしまう。  
 
「あら・・・伊澄さんったら、すごく感じやすいのですわねぇ・・・ナギ以上かもしれませんね〜」  
「ふ、ぁ・・・そ、そんな・・・あ、あんっ、あふ・・・ぅ・・・うんっ!?」  
 
試しにやや強めに乳首をつまんでみても、ややトーンの上がった嬌声には甘い響きしか含まれていない。  
 
「ハヤテ君を責めているときも、とてもお上手なようでしたし・・・  
 ナギと同い年ではありますが、伊澄さんの方が随分とおませさんのようですわね〜♪」  
「そ、そんな! そんなことっ、ありませんよ・・・っふぁ、あぅ・・・んっ! あ、ふ・・・ぅ、くぅんっ!  
 って・・・マリアさん、そのときはもう、目が覚めて、あん・・・っ、いらしたのですか・・・?」  
「はい♪ だって隣でハヤテ君のあんな可愛い泣き声を聞かされたら、眠ってなんかいられませんわ〜♪」  
「あふ・・・ぅ、で、では・・・その時点でも、止めようと思えば・・・あ、ぅ・・・っ  
 止められた、のに・・・止めなかったのは、ハヤテさまの・・・」  
「勿論です、あんなハヤテ君も滅多にお目にかかれませんからね♪」  
 
要するに自分は途中からこのメイドさんの掌の上だったと思い知らされて・・・  
伊澄の心が、ぐらりと揺らぐ。  
 
「それにしても・・・伊澄さんったら、ハヤテ君はナギのモノだってあんなに繰り返しておきながら、  
 ご自分はしっかり楽しんじゃうなんて・・・隅に置けませんわねぇ?」  
 
揺らいだところに間髪入れずに追い討ちがかかり、伊澄は目に見えて慌て出し・・・  
 
「い、いえ! そんなことは、その・・・あ、あくまで・・・ハヤテさまに、その・・・  
 ナギ以外の女性とああいったことをすることへの、恐怖というか、そういうものを植え付けようとしただけで・・・」  
「そうなんですか〜?  
 でも、ハヤテ君はそうだとしても・・・下着まで脱いでハヤテ君に抱きついちゃって、  
 伊澄さんの方はそれだけじゃなさそうな気がしますけど?」  
「ち、違いますっ! ハヤテさまは、ナギのものだから・・・私は、わたしは・・・っ、あ、ふぅ・・・」  
「本当に? ハヤテ君のモノにあんなにココを擦りつけておいてですか?」  
「それは――――――ひゃうっ!」  
 
いつの間にか胸から離れていたマリアの右手の指先が、伊澄の“ココ”に触れる。  
 
「伊澄さん・・・やっぱり濡れてますね・・・ハヤテ君のは気持ち良かったでしょう?」  
「あ・・・ふぁ! うんっ! し、知りませんっ!」  
 
口ではそう言いながらも、軽く秘裂を撫でるだけで指に絡み付く蜜の量がマリアに何もかも教えてくれる。  
単なる嗜虐欲と、併せて先程の“お仕置き”の意趣返しも兼ねて、  
マリアは蜜を溢れさせながらもぴっちりと閉じたままの伊澄のソコをちゅくちゅくと弄り回し、  
少しずつ指を埋め込んで、解してゆく。  
 
「あ・・・ひゃあっ! ま、マリアさん・・・い、いけません・・・そんな、ぁ・・・」  
「あら・・・あらあら・・・ふぅん・・・なるほど・・・」  
 
されるがままに弄られて、びくびくと震え声を洩らすばかりの伊澄だったが、  
マリアが耳元で意味ありげに呟くのを聞いて、無意識に身体を固くする。  
そんな変化も敏感に察知して、マリアは確証を得たとばかりに妖しい笑みを浮かべ・・・  
 
「伊澄さんのココ・・・思ったより随分とほぐれやすいですねぇ・・・  
 もしかして伊澄さん・・・おませさんなだけあって、ご自分でココを弄ったり、されてました〜?」  
「ひ、あぅ・・・し、しませんっ! そんな、自分で自分を慰めるような、  
 はしたない・・・あぅう! 真似はぁっ、しませんっ! してませんよっ!?」  
 
着実にほぐれてきている伊澄の秘裂に指を浅く埋め込んで掻き回し、  
伊澄の身体が徐々に蕩けつつあるのを確かめながら、マリアは言葉での責め手も緩めない。  
 
「あらあら、本当ですか〜?  
 こんなに濡れやすいのにそういう経験が無いというのはちょっと信じ難いですわね〜」  
「ほんとうですっ! 本当に、あぅ、そんなコト、しませんってば! んぁっ、ひゃうう!」  
「ふふ・・・そんなこと言って、毎晩ハヤテ君のことを考えながら、  
 切ない身体を慰めているんじゃないんですか〜?」  
「そ、そんなこと、致しません!  
 あぅ・・・ひぅんっ・・・だって・・・ハヤテさまは、ナギの・・・  
 ひぁ、マリアさん、ダメですっ! こんな、あんっ! ひぃうぅ!」  
 
必死で否定しようとする伊澄の言葉を、マリアの愛撫が封じ込める。  
すっかりほぐれてしまった秘裂を更に激しく弄り回し、溢れた蜜は伊澄の白い太股をとろとろと垂れ落ちる。  
 
「ふふ・・・もう凄い濡れ方ですよ?  
 本当は、あんな風に擦りつけるだけじゃなくて・・・ココにハヤテ君のモノ・・・  
 欲しかったんじゃないんですか・・・?」  
 
そう言いながら、マリアの指は伊澄の処女膜に触れて、  
破らない程度の力でぐりぐりと押し、撫でる。  
 
「っひぁ・・・! ち、ちが・・・ぁ、ちがいます・・・は、ぁ・・・あ! あん・・・っ、  
 ハヤテさまは・・・ナギの、ものなんですから・・・ぁ! だから、私は・・・わたしは・・・」  
 
必死に否定する伊澄の声は今や完全に上擦り、涙声に近い響きすら帯びていた。  
それでも、親友を裏切る訳には行かないとの思いが、快楽に溺れそうな心をなんとか繋ぎ止める。  
だが――――――  
 
「伊澄さん・・・それは間違いです」  
「ひゃ・・・あぁ・・・んっ、あぅ・・・う、え・・・? ま、ちがい・・・って、なに、が・・・あぅうっ」  
「伊澄さんが何度も繰り返してる、“ハヤテさまはナギのもの”っていう言葉ですが・・・  
 それは正しくありません」  
「・・・・・・え・・・?」  
 
先程までの、強い心を持っていた伊澄ならなそんな言葉に耳を貸したりはしない。  
しかし、ハヤテへの想いや浅ましい行為を続けざまに見抜かれて動転している今の彼女は・・・  
 
「確かに、ハヤテ君の主はナギです。  
 ですが・・・ナギの小さな身体は、隅から隅までハヤテ君の色に染め上げられて・・・  
 今はもう、ハヤテ君無しでは生きていけない・・・ハヤテ君には逆らえないのです」  
「そこ・・・まで・・・?」  
「はい・・・ハヤテ君は立派な執事たろうとしていますから、ナギに求められればいつだって応じてあげます。  
 ですが、逆にハヤテ君がナギを抱きたいと思ったら・・・  
 そこがお屋敷だろうが学校だろうが、ナギが頷こうが嫌がろうが、関係ありません。  
 ハヤテ君が満足するまで、ナギはただただ恥ずかしい声で喘いだり、必死に声を抑えたりしながら、  
 小さな身体を思うがままに弄ばれるだけなんです」  
 
にわかには、信じられない。  
あの、自己中心的で負けず嫌いなナギが、想い人とはいえ・・・それでは、まるで奴隷のような・・・  
 
「それに、ハヤテ君が放課後の生徒会室に用があるときは・・・用件やお相手はご想像にお任せ致しますが・・・」  
 
場所と、昼間にナギが口を滑らせていたことから、すぐに想像がつく。  
生徒会室にいるのは、ナギの数少ない友人でもあり、学院の華と名高い・・・  
 
「・・・生徒会長、さん・・・」  
 
呟く伊澄に、マリアは意味ありげな笑みで答え・・・  
 
「その時は車を呼んで、ナギだけ先に屋敷に帰しちゃいますからね。  
 ナギはいつだって良い顔はしないでしょうし、帰ってきてからも大体機嫌が悪いのですが・・・  
 それでも、ハヤテ君には逆らえません。  
 ですから・・・もう、おわかりですよね?  
 ハヤテ君がナギのモノ、ではないのです」  
 
今になって、思い当たる。  
伊澄の思うとおりのナギなら、ハヤテとマリアのことに嫉妬しながら何もせずに居られるだろうか?  
否・・・とっくにハヤテを叩き伏せているハズだった。  
なのにそれが出来ず、二人を諌めようとした伊澄を制止する素振りすら見せたのは、つまり・・・  
 
「ナギが、ハヤテ君のモノなのですよ・・・」  
「ナギが・・・・・・ハヤテさまの・・・」  
「はい。 あと、ヒナギクさんも・・・それに勿論、私もハヤテ君のモノ、ですよ♪」  
 
軽く、目眩すら感じる。  
親友のためと思い込み、あるいは自分を偽ってしたことはものの見事に失敗した上に、  
根本的に前提からして間違っていた・・・ある意味、既に手遅れだったのだ。  
そうして・・・揺らいだ心の芯は折れ、強さを失った伊澄を・・・  
 
「っふぁ!? や、あ・・・ふぁあ・・・ま、マリアさ・・・あんっ! ひ、や、あぅ・・・ん・・・  
 や、はげし・・・すぎ、ます・・・っ、こんな、あ・・・ん・・・!」  
 
いつの間にか動きを止めていたマリアの指が、先程以上の激しさで秘所への責めを再開する。  
身体は相変わらず動くこともままならず、抵抗する意思そのものも薄弱し、  
伊澄はただただ、マリアのなすがままで・・・  
 
「んぁ・・・はぅ、ん・・・あく! ふわ、あぅう! んふぅ・・・っ、ダメ、です・・・っ、こんな・・・ぁ」  
「あらあら、ダメなのは伊澄さんですよ〜?  
 早とちりの思い込みで私やハヤテ君にあ〜んなお仕置きなんてして下さって・・・  
 これは、伊澄さんにこそお仕置きが必要ですよね・・・・・・ねぇ、ハヤテ君?」  
 
マリアにされるがままに蕩けかけていた伊澄の心が、どくん、と震える。  
背後のマリアと、彼女が語る真実に完全に心を奪われていて―――忘れていた。  
その話題の中の人物が、今、目の前にいたということを。  
 
 

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