「よーし!! ならもう一度がんばってみるか―――!!」  
「その意気ですお嬢さま!!」  
 
アウターストーリーin第71話  
「咲夜のしゃべくり/駕籠の中にいたはずの伊澄」  
 
「というわけで今度の新人賞こそは――」  
「2D6、6ゾロ以外は自動的失敗や。」  
「こらゲームマスター!! ハヤテのアドバイスのボーナス修正を  
 ちゃんとジャッジしてから目標値を決めんか!!」  
「せやかてバツ技能やし…」  
「ギャグメーカーレベル10の奴が言うな!!」  
「な!!そこまでいってへんてゆうたやろ!! 7以上出せば成功するんや!!」  
「上級ルールランクに踏み込んでるのをいばるな!!」  
「ナギも咲夜も落ち着いて…」  
ナギと咲夜がじゃれあい出したのを伊澄が一応諫める。ありふれた光景だ。  
「伊澄は私のまんが家技能を信頼してくれるよな?」  
「伊澄さんにはウチのキャラはボケやのうてツッコミやとわかっとるやろ?」  
「ええと……専門用語が多くてよく解らなかったのだけど……  
 セッション始めるならマッパーをやってみたいと思うのだけれど…」  
「どこのここでない場所の詩人だ!!」ピコッ  
「つうかわかっとるやんか!!」バシィィン  
「うう……この鷺ノ宮伊澄一生の不覚…」  
「いや伊澄もういいから。大変に似合ったセリフだが。」  
 
「しかしそれはバレンタインデーの次の日やというのに…  
 色気のない話に戻ったもんやなあ」  
「れ!!恋愛には息抜きが必要なのだ!!」  
「うまいことを言いますね」  
「うぉっ!! ツッコミを飛ばされてもた!!」  
「だからもういいから。」  
「まあバレンタインにはマセガキのナギちゃんはさぞかし……  
 週刊誌みたいなエッチをしたんやろうなぁ〜」  
「あんなのがサンデーに載るか!!」  
「え?」  
「あ?」  
「……」  
「……」  
「……」  
「お嬢さま、お茶をお持ちしまし」  
「おおハヤテごくろうだったなきょう  
 はつかれただろうあとはよいからみ  
 んながかえるまでマリアとおやつで  
 もたべてやすんでくれマリアにもそ  
 うつたえるのだぞ」  
「え?お気持ちはありがたいのですがお邪魔でなければ皆さんが  
 御友達になられた頃の話を参考に伺いたいと思って…」  
「ともだちがほしいのかすごくかんた  
 んだよまずその1ハヤテがあいてを  
 しゅうそくがたほうげきまほうでう  
 みにたたきおとし」  
「その1の段階でなにかに気づいてください!!」  
ナギがハヤテを部屋の外に押し出しているのを見ながら、咲夜は伊澄にささやいた。  
『なあ伊澄さん、ナギはとうとうヤってもうたんやろか』  
『そうではないようよ』  
『処女は匂いでわかるとかいうんか?』  
『吸血鬼ではないのだから…生娘を見分けたりはできません』  
『そらすまんかった』  
『ただ……ハヤテさまが清童のままなので……』  
『そっちはわかるんかい!!』  
『生娘ほどではないけれど需要のある属性なのよ』  
『そないなこと聞いてへん!!』  
『安心しました?』  
『べ!!べつに借金執事が誰とやろうと…』  
『ナギの破瓜のことだけど…』  
『……や!!そやそやナギのことやあん  
 しんというよりはがっかりやななあ  
 にぐずぐずしとるんやろなまあもし  
 しとったらちょいさきこされたよう  
 でくやしいかなべつにしゃっきんし  
 つじをものにされるのがくやしいん  
 やないでそこんとこごかいせんとい  
 てなそもそもナギがへんなボケかま  
 すからいかんのやこれはちょっとお  
 しおきせなあかんな』  
「何をこそこそ…ハァハァ…話してるのだ?」  
「いえ、ナギはまだシンデレラなのかどうかという議論を」  
 
「だからハヤテとは何もなかったよ。いつも通りマリアと寝たし。」  
「そうか、いつも通りマリアさんと寝たんやな。」  
「そう、いつも通りマリアさんと寝たんですね。」  
「……もうその話はいいだろ!! それよりなんでそんな格好に着替えたのだ?」  
咲夜と伊澄はメイド服に着替えていた。  
「三千院ナギの永遠のライバルたる愛沢咲夜としては…  
 メイド服を上手く扱えることを見せ付けてやろうと思うてな。」  
「未来の相方じゃなかったのかよ。  
 序盤でライバル名乗るとインフレについていけんぞ。」  
「バトル漫画じゃないから大丈夫よ……たぶん。」  
「しかし少々家事ができるからといって…この屋敷のメイドの仕事は  
 そんなに生易しくないぞ。」  
「主にナギのせいでな。」  
「だからどいつもこいつも!!」  
「でも咲夜、確かにナギはもとより私たちには荷が重いのではないかしら。」  
「なにか一言引っかかるが、サクにも無理だろ。」  
「ふっふっふ……まあたしかにハウスメイドのライセンスは持ってへん…  
 しかぁし!!ナギがやろうとしたのは『マリアさんのお手伝い』!!  
 一番マリアさんの役に立つんはナギをおとなしゅうさせること!!  
 これこそが三千院ナギ邸メイドの」  
「ハヤテ、私だ至急――」  
『ただいまおやつの為電話に出ることができません。御用件のある方は  
 令呪を使用してお呼び出しください。ただいま』  
「ハヤテ――!!」  
「どうやら食いしん坊サーヴァントを召喚する令呪は残ってないようやな。」  
「くっ、誘拐犯とギルバートとネコで使い切ってしまっていた……!!」  
 1.転進する。  
 2.マリアを呼ぶ。  
 3.立ち向かう。  
 二対一では分が悪い、マリアを呼べてもきっと敵に付く、ここはひとまず――  
「逃がさへんで!!」  
ヒュンヒュンヒュン!!  
「なにぃ!?」  
ソファーの下から伸びた三本の影がナギの両足と左腕を捕らえ、立ち上がろうとした  
ナギの体を引き戻した。  
「ってこの見覚えのある機械式アームはぁ!!!」  
「15日やったか?ネットオークションで買うたんや。1回使用済み新品同様美品、  
 人に優しい高性能ロボットアーム。」  
「こんなものを買うなぁ!!」  
「開発者は若き天才で、さらに人としての心を学ぶべく教職の経験を志願したそうや。  
 今時なかなかおらん立派な技術者やで……」  
「絶対違う!! 間違って伝わってる!!」  
「ここに設置できた経緯については企業秘密やから教えられへんが――」  
「どう見ても犯人はマリアだありがとう。って伊澄助けてく――」  
じたばたオロオロ…  
「……」  
「……萌えやろ?」  
メイド服のスカートの端をアームにつかまれて伊澄は逃げ出せないでいた。  
 
「さあ伊澄さん、ナギお嬢さまに何色の下着をはいてるのかお見せしましょ」  
「咲夜……」  
テーブルの上で伊澄をだっこして座っている咲夜が、伊澄のスカートの前を持ち上げ、  
正面にいるナギに向かって彼女の下着をあらわにした。  
「ナギお嬢さま、よそ見はあかんですよ〜」  
「う、うるさい!! 付き合う義理はない!!」  
「女の子の下着が目の毒ですか〜お嬢さまはスケベオヤジですな〜」  
「そ、そんなことはない!!」  
「というか咲夜、下着を見たがるのはいつもあなた…」  
「あーあー聞こえへーん。ナギお嬢さま〜、ちゃんと見て伊澄さんの下着の色を  
 教えてくれへんと、スケベオヤジ女子高生認定ですよ〜。CV:豊口めぐみで  
 アニメ化ですよ〜」  
「そんな未来なんて、きっと来ない」  
「別のめぐみさんはもっと難し思うけどな〜 ほれほれ新聞部に嗅ぎつけられる前に  
 答えたほうがええですよ〜」  
「くっ……」  
ナギは伊澄のスカートの奥を見ると、涙目で咲夜をにらみながら言った。  
「ピンクだ……」  
「はいせいかーい。さて伊澄さん……ウチらの任務はナギお嬢さまがついつい  
 大人しく一人エッチに耽るようなメイド同士のエロシーンをお見せすることや。」  
「ナギの自慰はあまり大人しくなかったような……」  
「まあ程度問題や。」  
「そこ!! 人聞きの悪いことを言うな!!」  
「かなりエロいくせしおって……」  
咲夜が伊澄の耳を舐める。  
「ふぅん!!」  
「!!」  
「…ナギお嬢さまの右手は空けとるさかい、好きなだけしてくださいな……」  
背後から手を回し、伊澄の薄い胸をメイド服の上から捕まえた。  
「まずはちちからや……うりゃうりゃ」  
「あっ、咲夜……」  
「伊澄さんが悪いんやで……ええと……とにかく悪いんや。」  
「なんでもアドリブで済ますのはやめて…」  
「おお反抗的態度!! これは悪い子や!! 先輩メイドとして躾をせなあかん!!」  
「ぁっ、…なんで先輩なの?」  
「2.5秒先にメイド服に着替え終わったからや。」  
「それでは仕方ないですね。」  
「だまされてる!! だまされてるぞ伊澄!!」  
「ナギお嬢さまが見とるで、伊澄さんのおっぱい揉まれとるとこ……」  
「んっ、ナギ……?」  
「い、いや!! わ、私は!!」  
「お、いまちょっと反応あったで…どりゃどりゃ……?」  
「咲夜先輩…」  
「流されるな伊澄!!」  
器用に咲夜は伊澄のメイド服の胸元を脱がす。  
「あっあぅ、こすっちゃ、いや……」  
「ほれもう乳首固くなって来おった…伊澄さんこの周りの辺はどや、  
 敏感になっとるんやないか?」  
「……」  
「伊澄さんはエッチなメイドさんや…ナギお嬢さまも興味津々やで」  
「……」  
「……ナギ、お嬢さま…伊澄はえっちなメイドです……御覧になっていいのですよ」  
 
「ぅん、むっ、むんんっ、んっ……」  
「んっ、伊澄さん、やっぱ上手いな。舌使いが上品や。」  
「はむん、ん、んん」  
「胸の揉み方も…気持ちええよ。……ご褒美や。」  
「んんんんーーっっっ!!」  
伊澄の下着の上で動いていた咲夜の指が陰核をこすりあげた。  
咲夜に抱きつくようにして舌と手で胸を愛撫していた伊澄は  
体を震わせて口を塞いだまま呻きを響かせる。  
「伊澄さんもうトロトロや。下着に染みが出来てまうで……  
 まあいつも履いとるんやないからいいけど」  
「はーっ、はーっ……」  
「脱いでまうか?なあ、ナ…」  
ナギに呼びかけようとした咲夜の口を伊澄の指が制した。  
『今は…あむ…見ないふりを……』  
『うひゃぁ!!いきなり耳責めんといて!!』  
『ふーーっ……始めてしまうまでは……ちゅ…頑固ですから……』  
「んんっ!! 伊澄さんちょタンマタンマ!!」  
伊澄の頭を抱えながら咲夜が覗き見ると、ナギは右手をぎゅっと握り締めて、  
ちらちらとこちらを見たり俯いたりしていた。その視線の先には咲夜の胸や  
伊澄の下着、そしておそらく熱くなり始めている自分の股間がある。  
『オーケーオーケー…はむはむ……あれはもうすぐ落ちるな』  
『んぅ!!…わかっていただけました?』  
『ていうか必死に堪えてるナギが萌え萌えなんやけど襲っちゃあかんか?』  
『だからそのアドリブ体質を…』  
『あーはいはい……先に伊澄さんをいただきますか』  
「んあっ!! ああっ!!」  
「ほら伊澄さん、直接触ってもぬるぬるやから痛く無いやろ?」  
「ああぅ、咲夜、せ、先輩…」  
「悪いメイドの伊澄さんがイってまうとこ、先輩がちゃんと見てたるさかいな…」  
「あんぁああん!! あ!!」  
伊澄の下着の下に滑り込んだ咲夜の指が秘裂を責め立てる。  
「伊澄さん気持ちええか?あそこ触る指が気持ちええのんか?」  
「いい、気持ち、あああ、いい、いいの、いいのっ」  
「ほらお豆くりくりしたら気持ちええか?」  
「あああぁっ!! うあ!! うんっ、ああああっ」  
「イきそうか?これでどうや?」  
「あっあっあっイッ、イクッ、イッちゃう」  
「伊澄さんイってええで、ほらっ」  
「イッちゃう、イッちゃう、あ、あああああぁぁあっ!!」  
 
「盛大に潮噴いたなあ」  
「はーっ、んんっ、はぁっ、はぁ、はぁ……」  
「伊澄さん、ウチもびしょびしょやから触ってくれへんか」  
「あっ……はい、咲夜先輩……」  
咲夜はテーブルに背を横たえ、伊澄を抱き寄せてその手を自分の股間に導いた。  
「んっ…」  
「咲夜先輩、いかがです…?」  
「ええよ、そこ、気持ちええ…」  
「本当、先輩のここ、すごく濡れています… 咲夜先輩も感じてたんですね…」  
「んんっ、アホ、そんなん言わんといて…」  
「先輩は私にあんなに恥ずかしいことを言ったのに…」  
「先輩やから、んあんっ、ええねんや…」  
「いじわるですね……」  
「伊澄さん、ウチのあそこ、お口でしてくれへんか?ウチもしたるから……」  
「はい、咲夜先輩」  
咲夜の上に乗っている伊澄の体の向きが変わる。  
「まあ先輩…」  
「なんでっしゃろ伊澄さん」  
「この向きだとナギお嬢さまの一人遊びが目に入ってしまいます」  
「!!」  
伊澄と咲夜は目配せして、自慰を見つかった事に気づいたナギに対する  
最後の誘惑に取り掛かった。  
「メイドのエッチを見てイタズラしとったエッチなナギお嬢さまに…  
 もっとお楽しみいただくのがメイドの務めや。  
 伊澄さんとウチのエッチなところを……たくさんお見せするんや!!」  
「んぁん!! …ナ、ナギお嬢さま…えっちなメイドの伊澄が…  
 咲夜先輩にえっちなことをされて、自分もお口でえっちなことをするところを、  
 いっぱいいっぱい……御覧になってください…」  
一瞬動けないでいたが、二人の親友が痴態を見せている状況に中てられたナギは  
すぐに快感を求める手と腰を制御できなくなった。  
「伊澄ぃ…サクぅ…やだ、止まんないよぅ……」  
「んん、む、お嬢さま、気持ち良いことして、いいのですよ…… ああんっ、  
 ナギお嬢さまが楽しんでいらっしゃるところ、ん、見せて…」  
「ふぁあっ、エッチなメイドさんが、目の前、おるんやから、むぐ、  
 エッチなことしたなるのは、変やあらへん、ウチらをオカズに、イってまえ!!」  
「あっあっ、止まんない、あっ、気持ちいいのが止まんないよ、あっあっあっ…!!」  
「ああぅ、むぐん、はうっ」  
「ぁああ、ふああ、んん、むぐっ」  
「あっあっ、あっあっ、あっあっ」  
そして親友の反応を糧に登りつめた三人の少女にその刻が訪れる。  
「ふん…ん、ナギお嬢……さまっ、あむ…、…咲夜先輩っ」  
「ナギッ……、あああっ、伊澄さんっ……」  
「あっあっ、サク姉ちゃん、イスミちゃん、あっあっ、あっあっ、あっ…!!」  
「「「ああっ!!!」」」  
 
「ええいこの馬鹿サクが!! やるだけやったら寝おって!!  
 せめてアームを解除してから旅立て!!」  
「ナギお嬢さま、落ち着いてください……」  
「これが落ち着いていられようか!!」  
「咲夜先輩も、きっと不安だったのですよ……ナギお嬢さまが大人の階段を  
 自分より先に昇っていくかもしれない、そんな不安が、束縛と注目を  
 求めさせたのでしょう……」  
「とってつけたような理由だな……気持ちは分からなくもないが。」  
「ええ。とってつけましたから。」  
「……」  
「……」  
ピコッ  
「うう……これは鷺ノ宮伊澄一生の不覚…」  
「だからもういいから。」  
「でも……私達がナギお嬢さまとの気持ちの繋がりを、  
 いつも、いつまでも求めているのは、本当のことです。」  
「……分かってるよ。出来ればもうちょっと手段を選んでくれ。」  
「はい。」  
「……ところで伊澄、いつまでその口調なのだ?」  
「え…」  
「……」  
「……どうやらメイドスイッチに固定してしまったようです。」  
「スイッチってなんだよスイッチって!!」  
「大丈夫です。ナギお嬢さまに協力していただければ  
 別のスイッチに切り替えられます。」  
「別のスイッチってなんだよ別のスイッチって!!」  
「『ナギちゃん』の『およめさん』スイッチ……」  
「あれは無効だってば!!」  
「『イスミちゃん』の処女は『ナギちゃん』が貰ってくれる約束を」  
「それも無効だって!!」  
「まあ体を重ね幼い日々に戻り約束を取り戻し――」  
「いつも寝るときと同じじゃないか!!」  
「都合のいいことになぜかナギお嬢さまの手足が束縛されています。」  
「よくなーい!!」  
「啼かせるつもりはないのですが…」  
「助けて――!!」  
 
「むにゃむにゃ……だめだこりゃ」  
 
〜Fin〜  
 

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