『気付いて欲しいけど、気付いて欲しくない複雑な乙女心』
(私はきっと正しい選択をした・・・ 正しい選択をした・・・)
こう呪文の様に自分の心に言い聞かせている女の子が一人いた。
その女の子の名は桂ヒナギク
男よりもたくさんチョコを貰う、白皇学院のヒーローである。
そして今さっき、自分のライバルになるはずの少女の背中を後押してしまった。
その行為に対してはヒナギクは後悔してはいないが・・・・。
ヒナギクは頭には唯一人の少年の顔が浮かんでいた。
その少年の事を考えるだけで何とも言えないモヤモヤした物が頭を過ぎる。
家に帰ると、再びチョコを一から作りそれをラッピングして、彼女の頭を独占している彼の元に送った。
住所とか名前とかは一切書かずに・・・・・。
(私何してるんだろ・・・・こんな名前書いてないんじゃ誰からかも分からないのに・・・・
馬鹿みたい・・・・本当に馬鹿みたい・・・・)
2月15日(水)
少年は学校から家に帰り、いつも通り執事の仕事をしていると、配達の男が来たので、受け取りに行く。
「いつもごくろうさまです」
そして少年は自分宛に物が来ている事に気付く。
(誰からだろう?僕宛に送る人なんかいるのか?
でも、まぁこうして誰かが送ってきたんだし・・・)
そして自室に戻り、その物を開けると、綺麗にラッピングされた物が現れ、
そのラッピングを解くと、いかにも美味しそうなチョコが入っていた。
(・・・・・・・・・?)
少年は数分硬直した。
そしてもう一度よく見てみる。チョコだった。
上から見下ろす様に見てみる。やっぱりチョコだった。
下から見上げる様に見てみる。だけどチョコだった。
それに話しかけてみた。 ・・・返事が無い。チョコだ。
匂ってみる。 ・・・良い匂いだ。正真正銘のチョコだ。
・・・・・・・・・・。
(誰からでしょうか?まさか・・・・三千院家の遺産を狙っている人が
これで僕を毒殺?・・・・・いやそんな事は)
頭で否定しようとした時シスターの顔が頭に浮かぶ。
(ありえるかも・・・・・まぁ毒ぐらいじゃ死なないと思うし・・・
食べてみるか・・・・。)
パク・・・・・
「お、美味しい」
ケーキ屋でバイトをしていた自分でも、このチョコは素直に美味しいと思った。
それを食べ終わって、誰が自分に送ってきたか必死に考える。
(伊澄さん・・・・いや違うか・・・・誰?)
ラッピングのとこに何か書いていないか必死に調べるハヤテ。
すると、
(あれ?この匂いは・・・・・・確か・・・・)
ハヤテは旧校舎である女の子から抱きつかれた時のその子の髪のあの良い匂いを思い出す。
(まさか?・・・・・明日聞いてみましょうか?)
2月16日(木)
「はぁ〜〜」
生徒会室で一人ため息を吐いて入り口の扉を見るヒナギク。
(私って分かるはず無いのに何を期待してるのかしら私は・・・・・)
そして机の上で指で円を描きながら、また
「はぁ〜〜〜〜」
と長いため息を吐く。
(でも自分からは会いに行けないし・・・・)
そして机に肘を立てて生徒会室の入り口のドアを見つめていた。
・・・・・・・・・・。
時間が少し経つと、ヒナギクは肘が崩れいつの間にか
「すーすー」
と可愛い寝息を立てていた。
・・・・・・・・・・。
もう少し時間が経つと、生徒会室の扉がギィと音を立てて開いた。
「失礼します・・・・」
そこにはヒナギクがある意味待っていた少年ハヤテがいた。
ヒナギクに一歩一歩近づいていく。そして口を開く
「僕の自惚れだったらあれですが、一応確認で・・・・ってあれ?」
ハヤテはヒナギクが寝てる事にやっと気付く。
(う〜ん。あの事聞こうと思ったんですけど・・・・戻りましょうか?)
しかしハヤテはなぜかヒナギクから目が離せなかった。
いつも負けず嫌いで、活発的な女の子だが
今寝ているヒナギクからはそれが微塵も感じられず、むしろ
(可愛い・・・・)
余りにも無防備なその寝顔はハヤテの何かにヒビを入れた。
ハヤテはヒナギクに少しづつ近づいていく。その距離に比例して鼓動が高まっていく。
そしてヒナギクの目の前まで来ると、何の躊躇いもなく、自分の顔をヒナギクの顔に近づけ
ヒナギクの目が開いた。
・・・・・。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
二人の目が合った。
ハヤテは後ろに引こうとしたが、顔を離すのが精一杯で、
「お、おはようございます。ヒナギクさん・・・」
と今更ながら疚しい事をしようとした事気付きそれを誤魔化すようにに言うと、
「お、おはようハヤテ君・・・」
とヒナギクも突然好きな人が目の前にいたので、思わず抜けた顔を言う。
・・・・・・・・・。
二人の間に数秒の沈黙が漂う。
ヒナギクはその沈黙の間に頭を蘇らせ、
「ハヤテ君〜、今私に何しようとしたかなぁ〜?」
とさっそくハヤテをからかうと同時に、
(もうちょっと目を瞑ってたら・・・・・・だったのに(多分))
と、内心すごく残念と思ってたりする。
ハヤテは、
(ヒナギクさんの寝顔があれだったので・・・しようとしました
何て言える訳ないし・・・・ど、どうしよう)
と言葉が上手く口に出せずにひたすら、
「え〜と・・・あ〜と」
など言葉とは言えない言葉を口に漏らす。
ヒナギクは更にハヤテに追撃を行う。
「私の事何とも思ってないって言ってなかったかなぁ〜?」
「うへっ!?・・・」
(確かに僕は前ヒナギクさんにそう言ったけど・・・・
あの寝顔は反則ですよ・・・その・・・・すぎると言うか・・・)
ヒナギクの128連コンボはまだまだ続く。
「ハヤテ君が人の寝込みにあんな事をする人とは思ってなかったなぁ〜」
「ぐはっ!?」
「ロリコンでしかも私にも手を出そうとするなんて、
ハヤテ君は守備範囲が広いとしか言いようがないわね」
「あべし!?」
もう謎の言葉としか言いようが無い言葉をハヤテは連発していた。
(ここは話題変えないとを・・・しないと僕の精神が臨界点を突破する・・・・)
「これじゃぁ・・・」
「ええと、ヒナギクさん?」
「んっ?」
ヒナギクはご機嫌状態で、気持ちのよい返事をする。
「聞きたいことがあるんですが・・・」
「何?」
笑顔のまま答えるヒナギクだが、
(まさか、『ホワイトデーって何を返したらいいですか?』
何て野暮なこと聞くんじゃないでしょうね)
まさか自分が送った名無しチョコについて聞かれるとは夢にも思っても無いヒナギクだが・・・・
「変な・・いや・・・とりあえず、怒らないで下さいよ?」
「怒らないから早く言いなさい!」
少しイライラし始めるヒナギク。
「え〜と、ですね。昨日僕にチョコ送りました?
いや、ただの確認で聞いてるんですけど・・・ヒナギクさん?」
ヒナギクは絶句して口を酸素を求める魚のようにパクパクさせる。その様子を見てハヤテは、
(当たって・・・るのかな?)
ヒナギクのリアクションの意味が読めないハヤテは次の言葉を考えていると、
「何で分かったのよ!?」
ヒナギクが半分嬉しい半分怒りの様な顔でハヤテに問う。
ヒナギクとしてみれば、嬉しいと言えば、嬉しいのだが、かなり恥ずかしかった。
真っ赤な顔をで必死に聞いてくるヒナギクに驚きながらも、
「あのラッピングに微妙にヒナギクさんの匂いを感じたので・・・」
(『お前はイヌかぁ〜』)
と叫びたくなるのを堪えつつ、だがそれだけで自分だと分かってくれたことに喜びを感じる。
ヒナギクが言葉に詰まっていると、
「あのチョコとても美味しかったですよ。僕みたいな人にでもあんなに丁寧に作って、
いかにも手抜きが嫌いなヒナギクさんらしいですね」
ヒナギクは、ハヤテのその言葉にプチンと切れて、
「ハヤテ君だからあんなに丁寧に作ったのよ!」
と思わず怒鳴っていた。
「えっ?」
「あっ・・・」
ハヤテはその言葉の意味をとっさに理解できず、ヒナギクは顔を炎の様に真っ赤に染める。
「それって・・・・」
ハヤテが何か言い終える前にヒナギクはハヤテに抱きつき、ソファーに押し倒す。
「ヒナギクさ・・・・・」
そしてヒナギクの口によってハヤテは、口を塞がれていた。
・・・・・・・・・・。
時が止まったかのように二人はしばらくその状態で固まっていた。
そして二人は口を離すと、二人は無言で見つめ合い、
もう一度キスをしようとすると、
ピロピロリン!!
二人はビクッとする。
ハヤテは自分の携帯を見る。どうやらナギからのようだ。
でようとすると、ヒナギクがハヤテから奪い、電源を消す。
ハヤテは慌てて、
「ちょっ、ヒナギクさん」
「ごめんなさい、ハヤテ君。でも・・・もう少しこのままでいさせて・・・・」
「・・・・・」
「もう一つ・・・・・我が侭聞いてくれる?」
「僕で出来る範囲でならいいですよ」
ヒナギクは躊躇いながら、小さい声ながらもはっきりと
「私を抱いて・・・・・」
・・・・・・・・・。
「ここでするんですか?」
とハヤテが聞くと、ヒナギクが首を横に振り、
「ううん、隣の部屋(ハヤテが西沢から義理チョコを貰った部屋)にベットあるから・・・」
と言って、二人は隣の部屋に移動する。
ハヤテはツッコンではいけないと思いつつも、ツッコミの血が疼いて
「何でベットがあるんですか?」
とハヤテが聞くと、
「泊り込みの仕事の時の仮眠用よ」
と真面目な内容にハヤテは変な事を考えていた自分の妄想を打ち消しつつ、
「生徒会長も大変ですね」
とハヤテがぼやくように言うと、ヒナギクがハヤテの目を真っ直ぐと見つめ
「今からは私だけを見て・・・」
ハヤテはその言葉の返答の変わりにヒナギクにキスをする。
「ん・・・・・・」
さきほどまでの口と口を合わせるだけでなく、舌と舌を絡めあおうとすると、
「んっ!?」
ヒナギクは最初は驚いて目を見開くが、
「ちゅ・・・ちゅぷ・・・・ちゅぱ・・・」
すぐに自分からも舌を絡め始める。
「ちゅるる・・・・」
息が苦しくなるぐらいまで舌を絡ませ合い、苦しくなったら離し、
「ぷはっ」
と、息継ぎをしてまた絡ませ合うことを何度も繰り返す。
ハヤテが次の段階に進もうとヒナギクの服を脱がそうとすると、
「まっ、待って!」
「?」
「じ、自分で脱ぐから、あっち見てて!」
「はぁ・・・」
(どうせこの後見るのに・・・)
とハヤテはやはり、乙女心を理解してなかった。
「いいわよ」
「うわっ・・・・」
ハヤテはヒナギクの裸体の綺麗さに思わず感嘆の声を上げる。
「あまりじろじろ見ないでよ。特に胸は・・・・」
そう言われると胸を見るのが男の性、ハヤテは笑いを漏らす。
その笑いが自分の胸を指してるのかと思い、
「小さくて悪かったわね!」
と怒りと悔しさが籠もった声で言う。
「小さいかもしれませんが、僕はヒナギクのこの可愛い胸好きですよ?」
そうハヤテが言うとヒナギクは黙る。
その隙を狙ってヒナギクの胸をマシュマロを触るように優しく弄る。
「んっ・・・」
そしてこねくり回す。
「ああっ・・・」
ハヤテの手の動きにあわせて、ヒナギクは熱い吐息を漏らす。
「んっ・・・はぁ、ああっ・・んんっ」
徐々に喘ぎ声の質が変化していく、ハヤテも触り方を変化させるように今度は乳首を狙い、
「んあああっ!」
ハヤテの指が頂点に達した瞬間、声を上げて、ビクッと体を震わせる。
「気持ちいいですか?」
ハヤテは意地悪かなと思いつつも今のヒナギクが可愛くて聞かずにはいられなかった。
「そ、そんな事、聞かないでよ」
案の定、拒否の声が上がる。
「いいじゃないですか?今ここには僕しかいないんですし・・・」
そうハヤテが言い訳の逃げ道を塞ぐと、
「き・・・・いい」
声が小さくて聞き取れなかったが、もう一度言わしてからかいたくなる衝動を抑えつつ、
「下の方行きますよ?」
ハヤテは一応確認を取りつつ、指先を秘部に触れた瞬間、
「あっ・・・・」
ヒナギクは体を硬直させる。
そして指を動かし始める。
「んっ・・・やぁ・・・ああっ・・・」
そしてクリトリスを摩り上げた瞬間、
「ひゃああ!」
嬌声が上がる。ハヤテは強くしすぎたのかなと思い、
「す、すみません。痛かったですか?」
といつものごとくあやまる。
「ち、違うの・・・」
「違う・・・?」
どうやら快感が良く分からず恐怖心があるようだ。
「大丈夫ですよ」
思わずそんな言葉がハヤテの口から毀れる。
「えっ?」
ヒナギクが何が?と問いかけてくる前に、指の動きを先程よりも早めに動かす。
「あっ、ん、んんっ、あっ、あああっ!」
「ヒナギクさんの声だんだんいやらしくなってますよ」
「そ、そんなこと、言わないでぇ」
そしてヒナギクの秘部からクチュ、クチュといやらしい音が鳴り始める。
「やぁ・・・・」
自身からあふれ出す音に、ヒナギクは顔を赤くする。
そんなヒナギクの姿に興奮を覚えたハヤテは、指のピストンを早める。
「ああああっ!だめぇ、これ以上は・・・」
「だめじゃないですよ」
指を奥深くまで入れると、
「だめぇぇぇえっ!」
ヒナギクはビクビクビクと体を強く痙攣させ、息を荒くする。
(これがイクというものでしょうか?・・・・初めて見たな・・・・)
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
ヒナギクは熱い吐息を漏らし、瞳は潤っている。
「いいですか?」
ハヤテは聞く。
「・・・・・・」
ヒナギクは何も答えず、唯熱く濡れた視線をハヤテに向ける。
肯定のサインだと判断してハヤテは己の凶器を取り出す。
「あっ!?」
ヒナギクは初めて男のブツを見て、その大きさに驚きと恐怖の混じった声をだす。
ハヤテはそれを見て、先ほどの
「大丈夫ですよ」
という言葉をもう一度ヒナギクに投げかける。
その言葉が効を成したのかすぐにヒナギクの顔が戻る。しかしやはり完全には恐怖は消えていないようだ。
ハヤテはヒナギクの太腿を抱える。
「入れますよ!」
ギンギンと張り詰めた己の凶器を男をまだ知らぬ少女の聖域に侵略させる。
ズブズブ!
「んっ・・・・あっ、ああああああっ!」
だがまだ全部入りきったわけではなかった。ハヤテは悩んだ。
(退くか・・・進むか・・・)
考えていると、
「ハヤテ君・・・・い、いいよ」
「でも・・・」
「私がいいって言ってるのよ・・・」
「・・・・・分かりました」
ハヤテは腰を突き出す。
何かを突き破った感触と同時に
「んっ、いっ、痛いっ・・・」
ヒナギクが痛みを漏らす。そして凶器がヒナギクの中に全て収まる。
「・・・全部入りましたよ」
「私たち今一つになったのね・・・」
「はい」
ヒナギクは喜びと痛みで瞳を濡らしながら言う。
「動かしますよ」
どうしようもない興奮と快感がハヤテの体に流れる。
「なあああっ、んっ、ああっ」
何度も突くうちに唯の痛みを訴えるような声から徐々に甘い声が混じりだす。
「ヒナギクさん!」
「あああっ、は、ハヤテ君」
「ヒナギクさんの中すごく気持ちいいですよ」
「わ、私も何か痛みいが・・・ふあああっ!」
快感が痛みを超えたのか、ヒナギクから痛みを訴える声は消え、甘い声が広がる。
「ああっ、やぁ、んんっ、ああっ」
そしてハヤテに強烈な射精感が襲ってくる。
「ヒナギクさん・・・ぼく、そろそろ・・・」
「私もまたイク・・・・イキそうなの」
「一緒に・・・・」
「うん・・・・」
とうとうハヤテは耐えられなくなり、
「出しますよ!」
「んっ、あっ、あああぁぁぁぁっ!」
「くっ!」
ハヤテは凶器を抜こうとする時に気付く。ヒナギクが足をハヤテの腰に巻きつけている事に、
「ちょっ、ヒナギクさん!」
ドピュウ!ドピュルル!
ハヤテの欲望がヒナギクの中に叩きつけられる。
・・・・・・・・・・・・・。
「足りないわね・・・・」
「・・・・何がですか?」
何となく予想が出来そうなだがあえて聞くハヤテ。
「決まってるでしょ。これよ」
と自分の中から毀れる白い物を手で救い、
「ホワイトデーはこれの3倍ね♪」
と天使の笑顔をハヤテに向ける。
やはりと言わんばかりの返事が返ってきて、思わずハヤテは苦笑する。
「むっ・・・何よ・・・」
ハヤテは手を振りながら
「べっ、別になにもありませんよ」
「そう?ならいいけど」
ハヤテは、
「そう言えば、お嬢様を無視してしまったですね。ヤバイかもしれませんね。
前みたいに勢いで首にされるかも」
「ふふふ、大丈夫よ」
「? 何でですか」
「その時は私が執事として雇ってあげるわ」
「はははは・・・なるほど・・・」
そして時計の鐘が鳴り響く。
終わり!