…チョコは溶けますけど。  
 
アウターストーリーin第67話  
「St.Valentine's Day SIDE:H-O'USE "裸にすればするほど安らぎに会えたのかもしれない"」  
 
「こらマリア!いつの間に私のベッドにこんな仕掛けをした!」  
2月14日、夜。運んできたワゴンを押してマリアがナギの寝室に入ると、  
ナギは四本の機械式アームに手足を握られ、ベッドに仰向けに固定されていた。  
「いつだったかしら?畑先生の作品内タイムテーブルを見れば  
多分書いてあると思いますけど…」  
「いや絶対書いてないから!」  
「でも月の周期とか書いてあると思うんですよね」  
「これはそんな背景作画上のデータとかじゃないだろ!」  
「でもあの日は魔力が弱まるから大変なんですよ?」  
「そっちかよ!」  
マリアはナギの抗議を受け流すと、ワゴンをベッドサイドに寄せ、  
大の字で固定されているナギの様子を確かめるように見渡した。  
「まあこれは『こんなこともあろうかと』っていうやつですわ。  
 ナギもこんな仕掛けがあると知ってるベッドでは寝にくいでしょうから、  
 明日には撤去しますよ」  
「こんな仕掛けをすると知ってるメイドと寝にくいとは思わんのか!?」  
ナギの顔をマリアが覗き見た。  
「寝にくいですか?」  
「……か、寛大な主人を持って幸せだな、マリア。度々の狼藉は許してやるから  
 今すぐこのどこかで見たような作りのアームで束縛するのをやめろ」  
「晩御飯も食べてお風呂も入って、あとは××××して寝るだけだから  
 いいじゃないですか」  
「これじゃできないだろ!」  
「するんですか?」  
「しなぁい!」  
「じゃあいいじゃないですか」  
「ひゃん!」  
マリアは手に持った刷毛でナギのうなじをぞわぞわとなぞった。  
 
「仕事上の知人からチョコレートをもらったんですよ。  
 腕前のいいパティシエの作品で『上流階級の若い女性』にも大変評判が良かったとか。  
 私は チ ョ コ を あ げ る ひ と も い な い く い し ん ぼ う ですから  
 一人で食べてしまおうかと思ったのですが…」  
「それはっ、あっ、謝っただろ!デザートにみんなで食べるチョコを作っていて、  
 ハヤテの力作に…うひゃっ…やめ…はりあってついつい大げさになったのを、  
 誤解して悪かったと!」  
マリアはナギのパジャマをはだけながら時折刷毛でナギの肌をくすぐっている。  
ナギのよく反応する所をマリアは的確に責めていく。  
「ええ、ナギに喜んで食べてもらえてよかったです。でも私も確かに  
 バレンタインデーに一人チョコを食べるような灰色の青春はどうかと思いまして…」  
「思いっきりピンク色だろ!」  
ナギの胴体を隠す衣服を全て剥ぎ取ると、マリアはワゴンの上のカップに刷毛を浸し、  
その焦げ茶色の液体に染まった先端を引き上げた。  
「ナギといっしょに食べれば寂しくないと…」  
「こら!どう『いっしょに』だ!」  
「それはもちろん…こうですわ」  
「つ、つめたぃ…っ」  
刷毛がナギの胸の上をじわじわと動いていく。少し塗っては離れ、  
またわずかに刷いては引き上げられる。刺激そのものは性的なものではないが、  
女性を象徴するべき部分を道具で扱われているというイメージが  
ナギの官能を揺さぶり始めていた。  
「はい、ひとまず出来上がりです…どうです?上手いでしょう?」  
「うーっ…」  
ナギが顔を起こして自分の平らな胸を見ると、小さな膨らみを含んだハート型に  
チョコレートの液体が塗られていた。どういう加工をしているのか、  
固まりきることも垂れ落ちることもない。  
「やっぱり白チョコで"Eat Me"とか書いたほうがよかったかしら?  
でもこの体勢だとナギには見せにくいからちょっとつまらないですしね〜」  
「か、勝手なことを…」  
「でもこのピンクのアクセントはちょっと色っぽいでしょ、ナギ?」  
「え、ば、馬鹿、そんな恥ずかしいことを言うな!」  
茶色のハートから突き出た二つの突起をマリアに指摘され、ナギは真っ赤になって  
沈黙を命令した。だがマリアは待ち構えていたかのように次の手を放った。  
「あらあら、お嬢さまがおっぱいの先が見えてるのは恥ずかしいとおっしゃるなら、  
 ここも隠して差し上げないといけませんね〜」  
「言ってなーい!そんなことは言ってなーい!」  
「もう遅いですよ…」  
マリアは刷毛から自分の指先にチョコをすくい取ると、ナギの乳首を優しく摘んだ。  
「あぅっ!ん!」  
ゆっくりとこねるように乳首にチョコをまぶしていく。引き伸ばし、押し潰し、  
ただ塗りつけるのに必要な動きを遥かにオーバーして、まさに愛撫といっていい工程を  
二つの頂に施した。  
「ほら、ピンク色のナギの先っぽ、見えなくなりましたよ」  
「んんん、ん…」  
「でも…もっと目立っちゃったかもしれませんね」  
「なん…で…あっ!見るな!見るなってば!」  
 
「こっちの美味しそうな生地は、もともと見た目はかわいいですから、  
 丁寧なデコレーションで素材の旨みを引き出しちゃいましょう」  
「や!そんなところに塗るな!」  
マリアがナギの足の間に移動して、露出された秘所が揺れ動かないよう  
幼い体躯を固定する。ナギはマリアが本気で最後までこのプレイをやるつもりだと  
悟って無駄な抵抗を試みるが、マラソン大会二位の脚力をもってしてもかなわない。  
「いつもとはちょっと違った調理法ですが、ここが料理人の腕の見せ所です…」  
ナギの股間にマリアの刷毛が蠢いた。  
「ひっ!」  
同じところを何度もなぞる。強い刺激を求めだせばそれに応え、  
引き出した大きな反応には優しいリズムを送る。  
襞を指で開いて差し込む。異物に最初は怯えていた内部も、  
むず痒いような掻き回しにだんだんと虜になっていく。  
一気に全面を掃き上げる。もっとも敏感な部位を刺激される衝撃と  
股間をいいようにされている恥辱がぞくぞくするような性感を広げる。  
「マ、マリア、も…もう…やめ…」  
「いつもならここからお口でして差し上げるところですが、今日は  
 メインディッシュの前に前菜が残ってますから」  
ナギの体の反応は花弁がほころぶほどに進んでいた。ごくノーマルな日は、  
ここまでの状態にする前に胸への愛撫やショーツの上や下での指の刺激を行うが  
今回は胸は乳首をいじっただけで、ほとんどテクニカルな触り方をしていない。  
だが秘所を十分ほぐしたことで、胸が敏感になっていることは、  
最初に固く尖らせた突起がまったく緩んでいないことで明らかだった。  
「ハートのチョコレート、食べちゃいますね…」  
マリアはナギの右脇から胸に描いたチョコへ舌を這わせた。肌の僅かな塩味と  
チョコの甘みが舌に突き刺さる。  
「ふぅっ!」  
そのまま右胸の頂に向けてチョコをしゃぶり取っていく。マリアの唇が時々強く  
ナギの胸を吸う。初めはくすぐったそうだったナギの息遣いがだんだんと荒いものに  
変わっていった。そしてついに突起へと到達する。  
「はぁああん!ぁああ…」  
右の乳首から舌でチョコをこそぎ取る。チョコがはがれ剥き出しになった所に  
舌を当て、突起を一周するように舌を這わす。  
「はぅ、はっ、はーっ」  
乳首からチョコを食べ切って優しくなめ回した後、マリアはナギの左脇に手を添えた。  
そこにナギが気を回した瞬間、左乳首にマリアは噛み付いた。  
「いっ、ゃあああぁぁぁああ!」  
唇を使って乳首全体のチョコを強く吸い取る。ナギにとってはとても長い時間  
吸い続けたあと、マリアは口を離して一息ついた。  
「結構広く塗ったから難儀ですねえ。ちょっと美味しい所を待てなくて  
 先に食べちゃいました。まだ残ってるけど、どうしましょうね?」  
そう言ってマリアは丸々残っている左胸のチョコをわずかな胸のふくらみに沿って  
指でなぞった。ナギは声にならない喘ぎを上げる。  
「いじわるしちゃったから、残りは全部優しく食べてあげますね…」  
乳首に指をかけながらマリアはナギの胸に再び口を近づけた。  
 
「うぁ、マリア、マリアぁ…」  
乳首と胸を愛撫しながら胸部のチョコをマリアが食べつくす頃には、ナギは段々と  
間隔の狭まる衝動の波に揺さぶられていた。  
「ナギ、してほしいの?ナギの女の子をお口でしてほしいの?」  
マリアがナギの内股を手のひらでさする。ナギは何かをこらえたような顔で  
何度も大きく頷いた。  
「じゃあチョコと一緒にナギを食べちゃうから、たくさん、気持ちよくなってね…」  
ナギの股間の秘所、そこに塗られたチョコレート、その下に隠れた秘唇と陰核に  
マリアの唇が近づいていく。それだけでナギは性感を刺激されたらしく切ない声を  
漏らし始める。マリアの口付けでそれははっきりとした喘ぎ声に変わった。  
「ああぁんぁんあんっっ!」  
マリアの舌がチョコを舐め取っていく。秘裂の近くではすでに愛液と交じり合って  
とろとろになっていて、ミックスジュースを吸い取るように音を立てながら  
しゃぶりつく。マリアはチョコにまみれた右手を自分の股間に差し込んだ。  
すでに判っていたことだがそこはすっかり濡れてしまっていた。ためらわず  
下着の下に指を差し入れ自分の秘所を慰める。舌の動きと右手の動きが同期して、  
マリアが興奮するほど、ナギへの舌技も激しくなる。  
「ぁああっ!あっ!あああっ!」  
ナギの喘ぎが切迫し、マリアも五感の全てで興奮を促される。ナギの声と肉体、  
自分の指が触れる女性器、チョコと愛液の光、匂い、そして、味。  
「ナギの、ナギの、ジュース…!……の…チョコ……ッ!」  
「あんああああっ、マリアぁっ、マリアぁっっああ!」  
ナギのクリトリスにマリアがチョコドロップを舐めるように吸い付いた。たまらず  
ナギは絶頂に駆け上がる。ナギが果てたあと、マリアはナギの下腹に顔を伏せ、  
右手の指を強く動かす。マリアの軽く達する呻きとナギの吐息が重なり、  
部屋は静かになった。  
 
「…ごちそうさまでした」  
「マーリーアーのーへーんーたーいー」  
お嬢さまはご機嫌斜めだった。  
「たいへんおいしくいただきました」  
「マーリーアーのーすーけーべー」  
メイドさんはご機嫌上々だった。  
「ゆうべはナギったら相手をしてくれないものだから」  
「マーリーアーのーとーしーまーってイタタタいたい痛いマリア!」  
ご機嫌上々だからこの程度で済んだのだ。  
「誰が年増ですか」  
「チョココーティングプレイなぞオールドタイプの風俗を実行に移す奴のことだ!  
 ていうかヘンタイとスケベは否定しないのか!」  
「私はナギのためにと思って色々身に付けたんですよ。色事だって、  
 ナギが伊澄さんと結婚したいというから、色々勉強して教授差し上げましたのに…」  
「そもそもマリアのせいだろ!それ以前からマリアが夜な夜な変なことをするから  
 純真な幼児に結婚は男女がするものという概念が形成されなかったのだ!」  
「『こんいんとどけ』を作成したとたん襲い掛かったあげく、  
 返り討ちにあってメロメロにされたようなのを、純真な幼児と…」  
「…若さ故の過ちという奴だ!」  
「認めたくないんですね?」  
「大体伊澄が変に上手いのがいかん!ハンドパワーでも使ってるに違いない!」  
「ナギは咲夜さんにも桂さんにも連戦連敗じゃないですか。ナギはネコの中のネコ、  
 クイーン・オブ・ネコです。勝てるのはネズミくらいのものです」  
「サクやヒナギクやマリアを基準にするな!どうして私の親友は揃いも揃って  
 こんな所で高性能なんだ!」  
「いいじゃないですか、みんなナギのことが大好きなんですから」  
「…それならふつうにこのチョコ、くれたってよかったじゃないか」  
「…え、え〜と、…ナ、ナギがバレンタインデーのジェンダーを放棄したところに  
 追い討ちをかけてはいけないと!」  
「すでにハヤテがジェンダーを放棄しかけてると思うが、痛いところを突くな。」  
「ハヤテ君はセックスも危ういですよね」  
「それとなんかこのチョコの匂い最近かいだ様な…」  
「……ナ、ナギは徹夜でチョコを扱っていたから、デジャヴというやつですよ!  
 早くお風呂で綺麗にして早く休みましょう!」  
「まあいい。確かに眠いし」  
「じゃあ部屋のバスの湯を出しますね」  
「…マリア」  
「な…なんでしょう?」  
「マリアにも作れば良かったな…チョコ」  
「…バレンタインデーは女の子が一番好きな人にチョコをあげる日ですよ。  
 ナギは頑張りました。私はそれが嬉しいです」  
「…ん、ありがと。さすが年のko  
 
〜Fin〜  

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