ハヤテが突然のヒナギクの闖入に驚きながらもズボンをあげる。
「ヒ、ヒナギクさん……どうしてここに?」
「この子達も生徒会の面々なのよ……せっかく差し入れにおいしいカレーを
作ってあげようと思ってたのに……なにやってるのよ……」
「うむ。思春期男子の生態を観察してたいた」
「ハヤ太君のナニは何げに立派だったのだ」
「のだ♪」
「いい加減にしなさい!」
ヒナギクが一括する。
「そ、それじゃボクはお嬢様のノートを……」
「あ。私も付き合うわ。あんた達はちゃんとお姉ちゃん起こして
勉強のつづきしてなさいよ?」
「えーーーっ」
「ヒナちゃーん。カレーはぁ?」
3人のブーイングをよそにハヤテとヒナギクが校舎に向かった。
「このことは絶対秘密だからね、ハヤテ君」
「はい? 何のことですか?」
「生徒会の面々とお姉ちゃんとの……」
「あぁ……あれはボクもばれるとまずい気がしますし……」
「あの娘たち勉強面でも落第が危ぶまれてるから……
こんな不祥事ばれたらそれこそ……」
「友達想いなんですね。もちろん言いませんよ」
「ありがと……それと……さっきのこと……信じないでよね?」
「へ?」
「その……ボーボーっていうの……そこまでじゃ……ない……か……ら……」
言ってる途中でボーボーではないにしても生えてることをカミングアウトしてることに
気づき顔を真っ赤にさせながら俯く。
「あぁ。大丈夫ですよ。なんていうかそのイメージ湧きませんし……」
「……なんだか子供扱いされてるみたいなんだけど」
それはそれでムッとしてしまう。
「いやそんなわけじゃ……」
「そもそも私ぐらいの年齢になったらだれだって!」
「ヒナギクさぁん、もうわかりましたから!」
「あ……」
困り果てたハヤテが無理矢理遮ることで我に返った。
「そもそもヒナギクさんは無防備すぎます! ボクだからいいようなもののこんな夜の
校舎で二人きりでそんな思春期男子が興味津々になっちゃうような話は……」
「興味津々ってやっぱり気になるの?」
「え。えとそれは……正直……興味はあるんですけど……」
「いいわよ」
「え……」
「ハヤテ君なら……見せても……」
「あ…ヒ…ヒナギク…さん?」
「子供みたいだと思われたら癪だし……かといってボーボーだって
思われるのもやだし……」
恥ずかしそうにそう言う。ハヤテには本気なのか冗談なのか判断つきかねた。
「ほら。ここでしょ? ハヤテ君たちの教室」
「あ……はい」
促されて教室に入る。やっぱりあれは冗談だったのかと思う事にして
ナギのノートを探す。
「あ。ありました。これでやっと帰れま──」
と振り返った瞬間、スカート越しにスパッツを脱いでるヒナギクを目の当たりにする。
「ひ、ヒナギクさん……?」
「こういうときスパッツだとなんか間抜けね……」
「……さっきの本気だったんですが?」
「なによ。冗談だと思ってたの?」
「だってまずいですよ……こんなの」
「それをいったら宿直室のもまずいと思うけど」
「それは……」
「ちょっと暗いけどこれぐらいで許しなさいよね……恥ずかしいんだから……」
そういうとゆっくりと裾を持ち上げていく。
差し込む月光の元ほのかに浮かび上がる肌の白さ。陰影が割れ目を作りその上の
部分にうっすらとした陰毛が生えていた。思わずじっと食い入るように見つめてしまう。
「ど、どう?」
なにも言わぬハヤテに心配になってたまらず聞いてみる。
「えっととてもキレイです……」
「そ、そう……。ありがとう……あの……ハヤテ君のも見せて欲しいな……」
「えぇ? ……それは……その……」
気恥ずかしさが先に立ってしまう。
「なによ。お姉ちゃんや美希達には見せてたじゃない」
「あれは瀬川さんが勝手に……」
「それに私だけ見せてるのも不公平だと思わない?」
「う……わかりましたよ……」
観念してファスナーを下ろし陰茎をとりだす。ソレは既に脈打って天を仰いでいた。
「わ……興奮してるの?」
「そりゃ……ヒナギクさんに見せられて……勃たない方がおかしいかと……」
「そっか……このままエッチしてみる?」
「そ、それはダメですよ!」
「どうして?」
「だってこういうのはお互い好きあってて……ちゃんとムードを作って……」
「誰もいない夜の教室でって十分ムードあると思うけど……」
「あ………」
ヒナギクがスカートを持ったままハヤテに歩み寄る。息が掛かるくらいの位置。
「強いていえば……ちょっとお互いの格好に難があるかしら」
方やノーパンでスカートをたくし上げ、方や勃起させた物を露出させた状態で
格好がつくはずもなく。
「でもそういうのは隠しちゃえば大丈夫♪」
「んっ……」
ヒナギクがスカートを持つ手を離すとフレアスカートか落ち、ハヤテの屹立に掛かる。
「ヒナギクさ…んっ」
自由になった両手がハヤテのうなじにまわして抱きついてキスをする。
少年にとっても初めてのキス。
ん……ちゅ……
キスしてると当然のように密着してしまい、ヒナギクの下腹部に触れないように
していたペニスが触れてしまった。
「ぷぁ……す、すみません!」
「ん……ハヤテ君からキスしたら許してあげる……」
ヒナギクには別に許す許さないの意識はなかったのだが、あやまるハヤテに
つい意地悪を言いたくなる。
「それは……」
「おちんちんは付けられても唇はダメなんだ?」
ヒナギクの言葉に目が唇へと行ってしまう。それは青い月夜の光に照らされて
ことさら艶っぽく感じられた。
「………」
ぎこちない動きでヒナギクの唇に自分の唇を近づける。
「ん……」
改めてのキス。自分からのキス。その思いがより一層ハヤテを高ぶらせる。
それに応えるようにヒナギクが背中に手を回しぎゅっと抱きしめてくる。
密着する胸板。柔らかい感触の奥から早鳴る鼓動が伝わってくる。
だがそれよりも下腹部で押しつけられる形になってる屹立の方に意識が行ってしまう。
亀頭や陰茎の背にはスカートの感触が、裏筋から陰茎の腹にはヒナギクの下腹部の
感触があった。根本の部分では少しざらつくような陰毛の感触。
パニックにならんばかりに刺激情報が錯綜する。そんな混乱に乗じて無意識が手を
ヒナギクの尻に伸ばさせてしまう。
「きゃっ!?」
突然触られたことにヒナギクが驚く。その事でメダパニが解け我に返る。
「あ、すみません!…手が勝手に……」
「もぉ謝ってばかり……しようって言ったの私なんだから……これくらいは許すわよ」
恥ずかしそうにぶっきらぼうにヒナギクがつぶやく。
「そ、それじゃ、触りますね?」
改めて宣言されるのもそれを許可するのもヒナギクを余計に恥ずかしい気にさせたが
ここで断るわけにもいかないし、この律儀な少年は許可するまで触らないだろうと
思いめぐらす。
「い、いいわよ……」
その言葉を聞いて再びハヤテの手がヒナギクの尻をなでまわす……。
形をたしかめるかのような愛撫。上下になで割れ目にそってなで……。
「ん……っ」
恥ずかしさと触られてることによるゾクゾクとした感触に力が抜けそうになるのを
必死でこらえる。
「あ……」
「ヒナギクさん、感じてる?」
負けず嫌いのヒナギクとってその言葉はどこか相手の優位を感じ取らせた。
「そんなこと……っ! ハ、ハヤテ君だってこんなになって興奮してるじゃない!」
下腹部にあたって脈動してるそれをさらに圧迫する。
「……はい。ヒナギクさんとこんなエッチな事してると思ったら凄く興奮して……
恥ずかしいですけど……」
「ハヤテ君……」
ハヤテの正直な告白に優位だのなんだのがどうでもよくなった。
「ふふ。それじゃもっとエッチなことしよっか……」
そう言うとハヤテを教室の床に寝かせてその上にまたがってくる。
「ハヤテ君こういう事は経験あるの?」
「いえまったく……」
「よねぇ。あの純情っぷりはそうだと思ってた」
「う……ヒナギクさんは?」
「わ、私も初めてだから上手くできないかもだけど……」
「え……?」
「なによ……私が初めてだとおかしいわけ?」
「いやヒナギクさん、モテそうだし……そんなことよりいいんですか? ボクなんかと……」
「女の子にはよくモテるけど……それと……」
「………」
「ハヤテ君なんかじゃなくてハヤテ君だから、いいんじゃない……」
「ヒナギクさん……」
腹につきそうなほどの角度で勃起してるハヤテのモノを自分の秘唇にあてがう。
「ん……」
「あ……」
ハヤテの亀頭がヒナギクの中にのめりこんでいく。
「痛……」
「……大丈夫ですか?」
「なんとか……」
亀頭をキツイくらいに圧迫してくる感触はとても心地よかったがヒナギクの苦悶の表情に
気が気でならなくなる。やがて秘裂が屹立を完全に飲み込む。痛いほどに断続的に締め
付けてくる膣肉が動かないまでも今までにない快感を与えてきていた。
「入ったぁ……くっ」
「あの……キツイようだったら、もう止めた方が……」
「んっ……だってハヤテ君まだイってないじゃない……」
「でもヒナギクさん辛そうですし……」
「ダメ! 初めてなんだからハヤテ君がイクまでやめないんだから」
きっとにらんだその目尻には痛みのせいか涙が浮かんでる。負けず嫌いのヒナギクで
あるから、こうなってしまったら早くイった方がいい気がした。
「それじゃ……動くから……ん……」
ゆっくりと動き始める。たどたどしく動く腰の動きに合わせて、擦れる感触が快感として
脳に届く。
「ん……あ……」
思わず呻いてしまう。
「んっ……くす……ハヤテ君たら女の子みたいな声あげて……」
苦しいはずなのに、そうやっていたづらぽく笑うヒナギク。筋金入りの負けずぎらいである。
(……でもまぁ。気持ちよさそうなハヤテ君の表情や声になんだかゾクゾクしちゃてはいるけど)
その興奮が痛みを和らげてくれてるようで、もっと感じてるハヤテの表情がみたく、
感じているハヤテの声を聞きたく腰をうごめかす。
暗い教室にニチニチと二人の繋がってる部分が音をあげる。
「ん……はぁはぁ……んっ!」
「あ……ヒナギクさん……ボクもう…んは! …いっちゃいそうなんですけど……」
「ハヤテ君……」
ふるふると涙目でいってくるハヤテにときめいてしまう。
「いいわ……このまま……大丈夫だから……」
「え?」
ヒナギクがハヤテに上半身を起こさせる。座位の形。挿入は浅くはなるが、
ヒナギクの顔はとても近く。
「このままいってもいいから、キスして抱きしめて」
「…………」
「んむ………」
言われるままにキスをしてぎゅっと抱きしめる。青い月夜の中つながりながらの抱擁と
キス最後のとどめとなって、熱い滾りが駆け上がっていくのを感じる。
「んむ!」
びゅるっ! びゅるるるる……びゅくんびゅくん……。
射精の快感にまかせてきつく抱きしめ唇を求める。
「ん………」
脈動が終わってもなおもキスは終わることなく。
「ちゅ……ん……ん……んぷ……」
ひとしきりキスをしたあと唇がようやく離れる。
「ぷは……ハヤテ君、気持ちよかった?」
「はい……とっても」
「そっか。それはよかった。それじゃ戻ろうか」
「………はい…」
ハヤテにはなんと言えばいいのか分からなかった。
「う゛……なんかまだ入ってるみたい……」
「あ、あははは……」
二人が後始末をして教室を出る。
「それにしてもこんな日に安全日だったなんて偶然ですね」
何を話していいか分からずにそんな事を言ってしまう。
「え? 安全日? 何のこと?」
「へ? だって大丈夫だって……」
「あ……あれ。あれはハヤテ君がカワイイ顔してあんな事言うから……つい」
「え〜っ!? も、もしかして安全日じゃなかったんですか?」
「う……」
「思いっきり膣内で出しちゃって赤ちゃんできたらどうするんですか!」
「えっと……たぶん、きっと大丈夫じゃない?」
「大丈夫じゃないですよ! もうちゃんとしてくださいよ」
(ムカ)
「もし出来てたらちゃんと責任とってよね?」
ハヤテがまくし立てるのに少し腹が立ちにっこりと笑ってとんでもないことを言い出す。
「そりゃ……もし出来てたら……その……でもボクなんかで……ゴニョゴニョ」
そんなことを話ながら歩いてると、宿直室の明かりが見えてくる。
「とりあえず鍵は私が返しておくわ、顔合わせづらいでしょうし」
「あ……はぁ。お願いできますか? それじゃボクはお屋敷に帰りますんで」
「うん。じゃあね。もし出来てたらお義父さんとお義母さんに挨拶に来てね♪」
「もぉ。ヒナギクさぁん」
困った顔のハヤテに少し優越感を感じながら校門へ向かう彼を見送る。
「さて……」
果たして小一時間ぐらい経ってるが生徒会役員の面々は勉強しているのだろうか。
鍵を握りしめて宿直室に向かう。
近づくに連れて彼女たちの話し声が聞こえてくる。
「ったく……やっぱり勉強してないわね……」
徐々に会話まで聞き取れる距離になる。
「でもいくら三千院家の執事と白皇学院の生徒会長と言えど男と女!!」
「♪」
「きっと今頃、月明かりの教室でくんずほぐれつ……」
「ハヤ太君はどっちかというと女っぽいからロープで縛られて首輪なんかされて生徒会長に……」
聞こえてくる会話にこめかみが力が入る。
「ずいぶんと楽しそうね。いったいなんのお話かしら」
「うお!! 生徒会長!! 一体どこから!?」
「ヒナちゃんおかえり〜」
「はい、ただいま〜」
「ったく。ちゃんと勉強しておきなさいと言ってたのに……」
「ん? ハヤ太君はどうした?」
「あいづらいと思って帰したわよ。とりあえずカレー作ってあげるから、
それまでおとなしく勉強しなさいよ?」
「おー♪」
そう言って下ごしらえを始める。
(ったく。首輪にロープか……)
先ほどの涙目のハヤテを思いだす。
(……………………アリよね)
ドス黒い瘴気のようなアミカケをバックに背負いながらカレーを作るヒナギクであった。