「天下一舞踏会 〜triangle or happy〜」
(こ、この二人は何をしているの……?)
ヒナギクの前で繰り広げられる異世界。
未だ見たことない行為。
しかも生でこんな……。
(え、え〜と……)
目の前の二人はもう動物――野生の動物にしか見えない。
本能を剥き出して、自分の欲望を満たそうと、激しく腰を動かす男の子に。
トロンとした瞳で、なすがままに身を捧げ、快楽の波を愉しんでいる女の子。
「ハヤテ君……ハヤテ君……ああっ! ぅん……あん……」
「ふっ……、西沢さんの中……優しく、包み込んできます、……」
「……もっとっ、もっと私を感じてっ……はあ……ハヤテ君」
「はい……、西沢さんももっと感じてくださいね……」
そんな会話をしている二人の、その、えと、交わっている部分を見る。
(う、わぁ……あんな大きいのがあんなにじゅぷじゅぷ……痛くないのかしら……?)
ハヤテのペニスが歩の秘部をずんずんと貫くその様は、初めて見るヒナギクにとっては少しグロテスクな光景だった。
(でも……あのコ、気持ちよさそう……)
ごくり、と意識せずに唾を飲むヒナギクだった。
それは十五分前。
三人が真っ白の部屋にばったり会うことから始まる。
「「「あ」」」
「は、ハヤテ君!? それにか、桂さん!?」
「西沢さん――だったわね。それにハヤテ君、こんにちは」
「ヒナギクさんに西沢さん……、まさか二人とも……」
「あらハヤテ君、私があっさり負けるとでも思ってるのかしら?」
「あ、いえ……そんな……」
「ハヤテ君! わ、私も頑張ったんだよ。……うん、叶えたい願いもあるし……」
「すごいですね西沢さん――」
三人の会話を無視するように、どこからともなく音声が流れ始める。
『ついに――決勝戦だ。ここで勝った者には約束どおり賞品を与えよう。最後の戦いは少し、豪華だ。頑張ってくれ』
そして切れる音声。
さらに今回の題目が表示される――。
『性行為 〜special〜 : 最後まで絶頂を迎えなかった者が勝利』
「……やった」
「え、ええええっ!?」
ヒナギクが大きな声を上げる。それもそのはず。
ハヤテの戦歴。
一回戦――ナギとSEX。
二回戦――マリアに犯される。
歩の戦歴。
一回戦――量産型ハヤテにフェラ。
二回戦――ワタルに手コキ。
ヒナギクの戦歴。
一回戦――クラウスとテスト。
二回戦――シスターと戦闘。
ヒナギクのみ今まで全然やらしいことをしていない。
そこにいきなりの――性行為。
思考が停止し、ただその文字を繰り返して読む。
「性行為……? 性、行、為? セイコウイ?」
「あの〜、……SEXのことですよヒナギクさん」
「わ、分かってるわよ! その…ちょっと考えてた……だけよ」
ふん、とそっぽを向くヒナギク。
困ったハヤテに突然――
「ん――――っ!!」
「ちゅぅ……」
歩にキスをされる。
湿った唇がハヤテの唇に押し付けられ、互いの温もりを感じあう。
「に、西沢さん……?」
「ハヤテ君……見て……」
「……!?」
すぅー、とスカートをめくる歩。
穿いてない――わけではない。
しっかりと水着を着用している。
既に漏れ出している陰部の愛液でしっかり濡れている水着を。
「西沢さん……」
「ハヤテ君、私焦らしっぱなしだったんだ……、お願い、……して」
「……分かりました」
ジーッ、とジッパーを速やかに下ろすハヤテ。
中から立派な代物が姿を現す。
「大きいね、ハヤテ君……」
「ありがとうございます、では――」
優しく歩むの体を地面に倒す。
甘いキスを繰り返し、胸を揉みつつ、陰部にペニスをあてがう。
――クチュ、チュプ
挿入は容易だった。
「あっ……んぅっ――――!!」
けれど、ペニスは少し入ったところで押し戻される。
「これは……」
「うん……私、初めてなの」
「そんな、大事なものを……」
「いいよ、ハヤテ君……ハヤテ君になら、ううん。ハヤテ君にあげたい」
「――ありがとう、西沢さん」
にこ、と最強の微笑みを歩に向け――
――クチュゥッ……プチ……
裂けるような痛み。
破瓜の苦しみが歩に襲い掛かる――。
しかし、歩は
「……えへ……入っちゃったぁ……」
達成感、満足感、大好きなハヤテと繋がったことに幸せという幸せに浸っていた。
体内で感じるハヤテの一部。
(私……ハヤテ君と……してる……)
「……動きますね」
「うん……」
「痛かったら言ってください」
――クチュ……チュプ……ジュ……チュプ
腰を少しずつ動かしては引いて、動かしては引く。
処女の痛みさえ感じる強烈な締め付けにすぐに絶頂へ登りつめそうになる。
しかし、何とかそれを我慢する。
「はぁ……ぅん……ぁぅ……」
歩の息遣いがハヤテの興奮をより大きくさせる。
愛液と破瓜の血をつけたペニスがさらに肥大化する。
「ひゃうっ! まだ、大きく……うぅん…」
クチュクチュといやらしい水音が聞こえる。
泉のように歩の陰部が愛液を零す。
「あぁっ……んく……ふぅ……」
――ず…ずちゅ……じゅぶ……
「……あんなにも突いて……」
ついにヒナギクはじっくりと観察を始めてしまう。
(ひとりでしたこともあるけど……あんなに出たことはないわね……)
ハヤテを迎え入れようとひくひく蠢いているあそこがとても淫靡だ。
(ハヤテ君も……わぁー……我慢してる……)
お互いが感じあってる最中、変化は訪れた。
(――――え?)
歩の周りの風景が色に染まっていく――。
(……私の学校……?)
「ぁ……んっ……」
ハヤテは気付かないのか、懸命に腰を振り続ける。
「宗谷ーっ、おっはよーぅ」
「よ」
ハヤテの体の向こう、聞きなれた声が耳に入る。
(――――宗谷君!?)
「ちょ……ハヤテ君、スト――はひゃっ!」
ズン、と再奥を貫くハヤテ。もう何も聞こえてない。
「――ん?」
歩と宗谷の目が合う。
(い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ!!)
「何でこんなところに犬が……」
「へっ?」
撫でるように、歩の頭を触る宗谷。
(――見えてない……?)
「ぁぅぅ……んっ……」
どうやら向こうからは別のものに見えるらしい。
でも――見られている。
「ひゃ……ハヤテ君……何か……私……」
(だ、駄目よ私……宗谷君に見られて……こんな……でも……)
「あんっ! は、や、イ、く――――っ!!」
びくん、と体が跳ね、背筋が硬直する。
ぎゅぅーと膣内がハヤテの種付けを求めて収縮する。
「か、は――」
それでもハヤテは射精しない、込みあがる射精感を無理矢理押さえつける。
「ぅぅっ……ありがと……射精してくれなかったのはちょっと残念……かな」
「すいません……では――」
じゅぷ。
ペニスを抜くと混ぜ合わさり泡状になった愛液が溢れ出してきていた。
「ヒナギクさん……」
「い、イヤ……ハヤテ君、そんな……」
ビンビンギンギンの反り返ったペニスのハヤテがヒナギクに迫る。
「僕はお嬢様と優勝すると約束しました……すいません」
「イヤぁっ!!」
強制的に脱がされると思ったヒナギクは思いっきり拳を振った。
けれどその拳はあっさりハヤテの手に受け止められた。
そして――
――チュッ
「え……?」
首もとにお人の温かさを感じる。
「……チュウッ」
ハヤテが首元にキスをしている。
温かい、愛するような温もり。
「ハヤ……テ…君?」
「でもヒナギクさんを傷つけることもできません……」
(……)
ぼぼぼ、と赤くなるヒナギク。
「ハヤテ君……して、いいわよ」
「え――?」
「SEXしなさい。その……この試合のルールはそうなんでしょ…」
早くしなさいよ、と言わんばかりに顔を赤らめて俯くヒナギク。
その仕草が、今まで見たヒナギクの中で最もかわいい瞬間だった。
「では早速――」
――クチュっ、チュ、チュププ
ハヤテが後ろから手を回し、秘部に指を入れると中はしっかり濡れていた。
「ヒナギク……さん?」
「しょうがないじゃない! あ、あなたたちがその、あんなことしてるから……」
「……はい。では――」
しゅっ、と手慣れた動作でヒナギクのパンティを脱がすと後ろから、押し当て――
――ず、ずず――ぷち、ぷち
「――ひっ、あぁぁあああっ!!」
柔らかい粘膜の壁が破れ、その痛みに悲鳴を上げるヒナギク。
ヒナギクの視界が暗転した。
(ここ……?)
目を開けると、いる場所が変わっていた。
ハヤテとは――繋がれたままだ。
「動きますよ――」
「ハヤテ君、ちょ……あんっ!」
ずぷずぷ、と往復を始めるハヤテ。
「あ、いやぁ……んっ」
初めて受け入れるペニスとしては規定外のペニスが内壁を擦る。
「……あぁん、んっ……ふっ……」
繰り返されるピストンに自然とエッチな声が口から出てしまう。
「いや……あん……うんぅ……」
ヒナギクを思ってか、小刻みにしか動かないハヤテ。
ヒナギクは少し、それに物足りなさを感じた。
「は、ハヤテ君ッ……もう少し強く――っ」
「分かりました……っ!」
ぱん、と勢いよく腰をぶつけるハヤテ。
「んんんっ!!」
必然的に奥へと差し込まれるペニス。
「あ……んんっ! くぅっ……あんんっ」
少量の痛覚と未知の快感。
女の悦びと呼ばれる甘美な感覚。
「あふぅっ……ひっ……あんんっ――――!」
繰り返される抽送に自然とリズムを合わせ、腰を振るヒナギク。
(やだ……これ……気持ちいい……っ)
粘膜と硬いペニスが触れ合い、快感を呼び込む。
「ああっ、いい……ハヤテ君……もっと、もっとよ……あんっ!」
もうヒナギクの顔は快楽一色に染まっていた。
さっきまで処女とは思えない言動。
天性の才能、なのだろうか。
「ああんっ! ふぅ……はぁ…ああっああっ――」
処女の締め付けがハヤテを責め立てる。
「んうっ! はぁ、はぁっ、ああん! や、あ、…んっ」
「あ〜 猫ちゃんだ〜♪」
「はぁ――――?!?!」
視界に写ったのは紛れも無い――泉。
「捨て子かなぁ〜?」
「やっ……ハヤ、てクンっ!! ま、まって!」
けれどハヤテの耳には何も届かない。
まるで何かに遮断されてるように。
「あんっ! だめ! いやっ! んああっ!」
(泉に……見られ―― ……猫?)
見当違いの言葉を発する泉。
(まさか――私たち猫に見えてる、の……?)
「んぅぅっ! はぁ……あんっ!」
猛烈のごとく、子宮口を叩くハヤテのペニス。
「ああっ! ふぅっ……、んっ、やっ!」
「美希ちゃん〜♪ この猫ちゃん見て〜」
(美希――――!?)
「これは……捨て子か?」
親友が近づいてくる。
(美希っ! 駄目、来ないでっ!)
そんな意思は全く届かない。
「止まって、止まってよぉっ! そんなぁっ! ハヤ、テ君っ!」
涙と涎を流し、懇願するヒナギク。
たとえ向こうは猫に見えてても美希にだけは――こんな姿を見られたくなかった。
でもいくら理性が働いても疼きは止まらない。
(気持ちいい……けどっ、こんな……)
後ろから突かれて感じてる私を見られたくない。
でも快感は大きくなっていく。
「あっあぁつ、んぁああっ!」
(こんな格好で――こんなにも私は感じてる……)
事実を否定できない。
その時、ハヤテのピストンの速さと強さが一気に強くなった。
「かわいいね〜♪」
「ああ、かわいい」
(美希……ごめん。私……カッコよくない…女の子の私を……見せちゃうわね…)
ついにヒナギクは自分を肯定した。
「ああんっ! あっあっあっ、んっ!」
脚をがくがくと震わせ、上半身を支えれなくなり、前のめりになる。
それでも後ろからハヤテの剛直が絶え間なくずんずんと突いてくる。
「あっはっ、いっ、んぅ、ハ、ハヤ、テ君!! お願い!! もっと、もっと気持ちよくしてっ!!」
「――はい」
今まで通じなかった言葉がこの時になって通じる。
ハヤテの腰の速度が増し、グチュグチュという淫靡な水音が響く。
「はぁっ! い、いいっ、気持ちいい――っ!」
ハヤテのペニスがヒナギクの蜜壷の奥をたたく度にきゅ、きゅとそれを締め付ける。
「あっあっ、…うんっ…ひっ、ふっ、はぁんっ!」
処女の痛みなんてものはもうなく、ただその欲望の剛直にただただ溺れていく。
「い、いいっ! はっ、ふぅっ、ンンッ!」
体を大きく揺らし、より多くの快感を享受しようとする。
小さな胸が服の上からでも分かるくらいに僅かに揺れる。
口からは涎をだらだらと垂れ流し、喘ぐ。
痴女とも言えるその姿態。
「んぅっ! あ、ああっ! はふっ……ぅあんっ!」
蕩けた表情で荒い息を吐く。
「ぅぅんっ――――!」
意思があるかのように締め付ける膣壁についにハヤテが限界を迎える。
「くぅっ――!!」
―――ドクッ!! ドピュッ! ドプッ!
「ああっ! 熱――なにこれ……っ」
子宮にどぷどぷと降り注ぐ精液。
初めての性交で中出しされるヒナギク。
その温かく、濃い粘液が子宮を満たしていく感覚に快感を覚える。
「ああっ――」
体を痙攣させ、精を放つペニスをさらに締め付ける。
精液の奔流は止まらず、入りきらない精液が秘裂からごぷぷ、と音を立てて溢れる。
「はっ――あ……」
十回以上の脈動の後、ついにハヤテのペニスが射精を終わらせる。
「あ……ああ……ハヤ、テ君」
「――ヒナギクさん」
「え……うそ……あひぃっ!!」
一気に硬さを取り戻したハヤテのペニスが再び往復を始める。
亀頭が露出するまで引き抜き、再奥まで一気に挿入する。
「ふっ、はぁっ……い、いきなりっ!?」
「ヒナギクさん―――絶頂ってのを教えてあげますね」
「ぜ、ぜっちょう……? あふぅ!」
不規則なテンポで深く深く貫く。
えぐるようにカリが膣壁を擦り上げ、先ほど射精したての精液を掻き出す。
「あああっ! んんっ! やっ、だめぇ……」
初めて精を浴びた膣腔が細かく痙攣しペニスをさらに中へと誘い込む。
「あっ! んんんっ! 腰が……勝手に……!」
自分で制御できなくなるやわらかな肢体。
ただ快感を得るためだけにがくがくと腰を振り、ほかに力は入らない。
「んふぅっ! ぁぁあっ……」
――そんな時、美希と目が合った気がした。
それはあくまで気のせいだったが、ヒナギクの心を乱すのには十分すぎた。
「あああああっっ――――!!」
その瞬間引き金を引いたように、思考が一転、真っ白になり、快感が体に流れ込んでいく。
急激に収縮する膣壁。
ハヤテも腰を激しく打つ。
「くっ!」
「んぅぅぅっ! ぁぁあああっ!」
精液を搾り出すために強烈な締め付けをする。
ハヤテは腰をぐい、と押し付け、びくびくと体を震わす。
――ビュクッ!! ビュルル! ビュク! ビュクゥ!
ヒナギクの最奥で精を吐き出す。
全てが溶けていく様な感覚。
強い締め付けに射精は二度目にもかかわらずとどまる気配はない。
「ああっ……はぁ……」
がくがくと体を痙攣し続けるヒナギク。
強烈なエクスタシーに体が対応できず、ただ目を細めて、快感の余韻に溺れる。
「くっ……うっ……」
ペニスを抜くと未だビクビクと跳ね、精液を飛ばし、ヒナギクの服に白濁の液がかかる。
「はぁぁ……」
理性を失ったヒナギクを撫でてあげるハヤテ。
……。
――――!!
「ん……ちゅぷ……はむぅ……」
見下ろすとまだ熱い剛直に舌を這わせる歩がいた。
「あむ……こんなプルプルでぷちぷちしたザーメンを注がれて……桂さん、妊娠するよ?」
「西沢さん――っ」
「ちゃぷ……でもハヤテ君……できちゃうかもしれないけど……私もハヤテ君のこれ…欲しい」
じゅるるるっ! と尿道に残っていた精液を吸いだす歩。
「あは……苦い、けど美味しいよ……」
「西沢……さんっ!」
「ハヤテ君……あっ……」
ハヤテの上に腰を下ろす歩、対面座位の形だ。
「くぅ……」
射精を二連続して敏感な亀頭に絡みつく濡れた粘膜。
「あっ……ぅぅん……」
待ち望んでいたかのように潤んでいる膣壁。
「ぁぁん……はふぅ……」
全部収まりきると歩はすぐに腰を上下左右、こね回すように動かす。
「んぅぅ……」
愛液をペニスにすり込むように膣壁がうねり、舐めまわすように粘膜が包み込む。
「あっ……ぅぅっ……ハヤテ君……もっと気持ちよくしてあげるね……」
きゅきゅ、と一層締め付けが強くなり、ハヤテのペニスを絞る。
その締め付けはまるで回転しながら上昇していき、マッサージするようにペニスを刺激する。
「あ……」
射精感がこみ上がる。
「ビクビクしてるよぉ……ハヤテ君おねがい……イって!」
じゅぶん、と大きな音がしそうなくらい勢いよく歩が腰を落とす。
「くぅぅっ!」
―――ドプっ! ドビュ! ドピュ!
子宮口にどろどろの濃い樹液を解き放つ。
「ぅぁんっ――――!!」
その熱い粘液が膣内に流れ込んでいく感じに、歩が体を震わす。
けれど――
「だめ……もっと…赤ちゃんができちゃうくらい……」
絶頂途中のペニスをさらに膣壁で刺激する。
「うあっ!」
「もっと……もっとだよハヤテ君……出して、出してよぉ……」
「く、うぅっ!」
それに応えるようにハヤテも腰を動かす。
ぐちゅぐちゅの膣内は楽に滑り、自然とピストンが速まる。
「あぁ……んぅ……」
ペニスを求める子宮口が突く度に動き、ペニスを責める。
「ハヤテ君……」
じゅぷじゅぷ、と愛液と精液が絡まり、泡立つ膣口。
「ぁぁん……ぅぅ……」
少しでもハヤテに気持ちよくなってほしい歩は意識的にぎこちないながらも締める。
その絶妙な快感がとても心地いい。
「ふぅ……んぁぁ…あふぅ……」
――グチュ、ジュブッ、ジュグ……
突き上げる腰が強さを増していく。
「はふぅっ……!」
荒い熱を帯びた息が歩の口から漏れる。
「んぅっ……ふぁ……ぁぁん」
強弱をつけて腰を動かすが、それと全く関係ないように膣はハヤテを締めつける。
「ふぁぁぁっ、あっ……んんうっ」
――ジュプッ、チュブッ、ジュボッ!
「ぃっ! ふぐっ! はぁぁ……」
腰をしっかりと抱きしめ、歩の体を押さえて突き上げる。
子宮口をこじ開けるかのような衝撃が歩に襲い掛かる。
「はぅっ! くぅっ! ……だ、だめ……そんなにしたらぁっ――!」
ギュ!
そんな音でもしたのかと思った。
血管を圧迫するかのような今までにない強い締め付け――っ!
「あ、ああっ。ふぁぁあああああっ!!」
ビクビクッ、と歩のからだがハヤテの中で痙攣する。
「はっ――」
耐えることなんてできるわけがない。
勢いよく四度目の精を噴出する。
――ドビュッ! ドプ! ドププ!
「あ、ああああっ!」
その精を子宮に注がれ、体を硬直させる。
ドクンドクンと中で暴れまわるペニスを歩はしっかりと味わう。
「は、うぅ……」
ついに力が抜け、がくっ、とハヤテにもたれかかる歩。
それをハヤテはしっかり抱きしめる。
「しあわせぇ……」
しばらく顔を胸元うずめてから、顔を上げて口を合わせる。
「すき……んちゅ……ふちゅ……」
「西沢さん……ちゅ……はむ」
「あら……私も混ぜて欲しいわね」
「「――――っ!!」」
振り向けば、復活していたヒナギクが仁王立ちしていた。
「私をあんなにしておいて……自分はまたオタノシミなのかしら? 相手なさい」
「か、桂さん! ハヤテ君は今私とし、したんです。もうあげません」
いつもより強気の歩がヒナギクを睨む。
「あら……なら」
「そうですね……」
「――――え?」
二人にじーっと見られハヤテの額に冷や汗が流れる。
ブチ。
「三人とも完全に趣旨を忘れてるな……」
主催者は三人の映像を遮断した。
「優勝は桂雛菊。……残念ながら願いはないようだ。あの少年が優勝するかと思ったが、惜しい」
結果表をポイ、と投げ捨て、ディスクを手に取りドライブに入れる。
「コピーしたハヤテ♀×マリア♂をもう一度見るか」
主催者の本来の目的。
自作AV作成。
後に世界の誰かはこう語る。「どうして自分はヤらなかったのか」
理由はこの者は――
――――バン!!
「……む?」
「はぁ……やっと見つけましたよ」
不参加だった――鷺ノ宮伊澄。
主催者――幽霊神父はノートを手に取る。
「ナギにハヤテ様、生徒会長までもが学校を休んで寝ているなんて……。誰かの仕業と思ってたら……」
「傑作だろう? 私はこの日を迎えるまで色々と頑張ったしな。それより――どうしてこの場所が分かった?」
「……セックスシンスで」
……あえてツッコミは入れなかった。
「ふむ……。しかし、邪魔はさせない。消えてもらう、大丈夫、私ならできる」
すらすらとノートに名前を書き込む。
「あ、あの……それジャパニカ学習帖ですよ……」
「あ」
伊澄が札を出す。
「ああああああああああ」
吸い込まれていく。
キュポン。
「……これで元通りなはず……です」
伊澄はその場を去っていった。
エピローグ
「何や……夢かい、つまらへん」
サクの起床の第一声はそれだった。
「若……」
「な、なんだよ?」
「い、いえ……」
二人は顔を赤に染めて、目を合わさなかった。
「姉ちゃん、何でそんなご機嫌なの」
「〜〜〜〜」
「聞き取れる言語で話して」
「ヒナ。おはよう」
「み、美希!? お、おはよう……」
「?」
身を縮めて頬を赤らめ、親友を直視できなかった。
「クラウスさん? 僕の数学の教科書が何で必要なんですか?」
「――」
黙り込む執事長。
「ハヤテ君、おはようございます」
「ひっ!」
ダダダダ。
(何で逃げるんですかねぇ……あれは夢だったのに)
「おおハヤテお早う」
「お早うございます お嬢様」
「ふむ……それでなハヤテ」
「はい?」
「……いや……またにしよう」
「???」
とある幽霊の欲望は完成しかけ崩壊した。
けれど、彼らの日常は確実に変化していく……。