「天下一舞踏会 〜true or reverse〜」
(オレのビデオショップじゃねーか……)
ワタルはサキと別れると、再び別の場所へと移動させられていた。
周りを見渡しても誰もいない。
「時計……止まってるし」
外を除くも誰もいない。
自動ドアも開かず、窓も開かない。
(ここで何かまたやれってことかよ……)
「――――っ!?」
ばっ、と後ろから誰かに抱きつかれた。
輪を作るように後ろから手を回され、手の自由がきかなくなる。
「お前……」
「ごめんね……ワタル君……」
顔だけを後ろに向けると、常連客の歩が抱きついていた。
水着で。
「何でお前――っ!」
「ごめんね……でも、負けたくない」
むにむにと柔らかい何かが背中に当たっている。
かー、とワタルの表情が赤に濁る。
「本当ごめん……」
ジーッ
ワタルのジッパーを下ろす歩。
「――!?」
「……わぁ、ちょっと違うんだね」
耳元で囁く、温かい吐息も一緒に耳にかかる。
「やめろよ……好きな男がいるんだろーが」
「だから……だよ、ワタル君。私は――テ君が好き、こんなやり方で結ばれるのは卑怯だけど……だけど……好きだから」
『手コキ : 10分以内に♂をイかせれば♀の勝利、耐え切れば♂の勝利』
目の端にその文字が写った。
(そーゆーことかよ……)
「ん……かわいい」
「そんなにじろじろ見るんじゃねー」
小さな状態のままのワタルのモノは簡単に歩の手の中に収まった。
(つーか、まずこの女に興奮しねーから悪ーけどこいつに勝ちはねーな……)
「ワタル君……こーゆーこと一人でする?」
勃たないソレをもみもみと揉みながら耳元で囁く。
「……なんでお前にそんなことを……っ!」
ぐ、と力を入れられ、亀頭を握られる。
「ふぅん……少しはしてるのかな。けど……サキさんは結構してるみたいだよ」
「は……サキ……?」
「うん、これ、さっき奥の部屋にあった」
「――!?」
ピンク色でお風呂場の玩具に似た――バイブ。
「サキさんもエッチだね……あそこをこんなのでグチョグチョにしてるんだよ」
「そんな……あいつはっ」
「ここに住んでるのは2人だけじゃん……、それともワタル君が使うのかな?」
くすくすと笑う歩。
「これで……たぶんワタル君を想像してるんだよ、サキさん」
「……違う」
「『若……若ぁ……』みたいな感じで可愛い声出してしてるんだよ」
「……やめろ」
「『若のが……あぁ……太い……ンンッ……そこはぁ……』」
少し違う声色の声を出してサキに似た声で喘ぐ。
「……やめろよ」
「でも、ワタル君大きくなってるよ」
ぎゅ、とワタルの勃起したソレを握る。
「これは……」
「いけないんだよー、ワタル君。サキさんのエッチな姿想像したら……」
「ち、ちげーよ」
「『若……もっと、してください』」
「――くっ」
手をリズミカルに律動させ、ワタルのそれを刺激する。
「ほらほら……ワタル君、これ……まだサキさんの臭いがするかもよ?」
「やめろ、そんな変態じゃねー……」
「ふうん……でもワタル君は変態だよ、サキさんの妄想だけでこんなパンパンだもん」
「それは……」
「あ、何か出てきたよ……」
先からヌチャヌチャした汁が少しずつ溢れ出てくる。
「う……」
「うわあ……どんどん出てくるよ、カウパー? だっけこれの名前」
「お前……詳しすぎるっつーの……」
「最近の女子高生ってやつだからね」
「それはあんまり理由に…っ」
溢れてくる汁を、亀頭、カリ、サオとべたべたと塗りたくっていく。
「は、あ……」
吐息を漏らすワタル。亀頭への刺激に慣れていないワタルには粘着質のある液体を塗られるだけでもう快感だった。
「いくよ……」
「何を……だっ!?」
巧みにくねらせながら、スピードを調整して扱き上げる。
「ふっ……ふぅ……はぅ……」
息を荒げに色っぽい声を出す。
それに反応するようにビクビクとワタルのソレが脈打つ。
「あとちょっと……かな?」
「……」
細い指が音を立てて絡み、射精を促す。
「ごめんね……ワタル君。もう、時間がないから……」
さらにスピードが増していく。
「う……」
「……出して、ワタル君。ワタル君の精子、見たい」
ぎゅう、と強く握った瞬間――
――ドクッ!! ドビュッ! ドクン!
「わぁ――――」
「う、く……」
熱い白濁液が歩の手を汚し、さらに勢いよく壁にまでかかっていく。
「すごい……いっぱい……」
歩の手の中で脈動を続けるワタルのものはビクビクと元気よく射精を続ける。
「……かけちまった。悪ぃ」
「いいよ……、こんなことしてごめんね。私は……あの人と――うん、がんばる」
9分02秒06。
歩の勝利だった。
「あとワタル君……このバイブ、実はさっき関西弁の女の子に貰ったもので……サキさんのじゃないんだ」
「…………はぁー」大きく溜息するワタル。「女って怖ーな」
「ごめん……」
「……まー、何とかがんばれよ」
「――うん」
大きく頷く歩だった。
――西沢 歩 決勝戦進出
***
……ギィン、ガン、ギン!
「ほらほら、さっきから後ろに下がりっぱなしですよ! 生徒会長さん!」
「……っ」
トンファーと木刀が交差し、不快な音を奏でる。
『武器戦闘 : 武器で相手を倒せば勝利』
(……まずいわね…、……やっぱり強いわ、この人)
――ギィィン!
ギリギリとトンファーが木刀を押してくる。
お互いの力は――拮抗しない。
「学生さんは家で勉強してれば――いいの!!」
「う……」
木刀が弾かれる。
反対の手のトンファーが迫るけど何とか避ける。
「降参すれば痛い目はみなくてすみますよ?」
憎々しげに言うシスター。
「それとも――あなたも叶えたい願いでもあるのですか?」
「あら――それならあなたも願いがあってこんな茶番に参加してるってことかしら?」
「――過去に戻って父が日本へ行くのを止める。そうすれば――」
「……困るわ」
「はい?」
「あなたのお父さんが死ななかったらココにあなたはいないでしょう? そうしたらハヤテ君がダンジョンに行くなんて事がなくなっちゃうじゃない。
そんなことになったらハヤテ君が必殺技を習得できなくなるわ」
「……でも生徒会長さんには関係ない――あぁ、なるほど。あなた――ハヤテ君が好きなの」
「……なっ……、違うわよ! その……えと……」
「いいでしょう……その思いごと――潰す!!」
トンファーを構え――
「トンファーウォーク!」
「え?」
す、とヒナギクの脇を通るシスター。
ドゴォォォ
「――っ!?」
腹部に走る激痛。
まるで何かに殴られたかのように。
「……痛……何……今の……」
(歩いてただけなのに……何なのよ)
「トンファービーム!」
「きゃ――」
頭上に閃光が走り、シスターが蹴りこんでくる。
「そう何度も――」
落ちていた木刀を拾う。
「やられるのもカッコ悪いわよ!」
蹴りを木刀で受け止め、その足を弾いて、一気に肉薄する。
「面――――!」
「トンファーシールド!」
――バチィッ!!
「――はぁ!?」
木刀が不可視の壁に止められる。
「トンファーをなめるなぁつ! ――トンファー何もしない!」
ドゴォォォ
「ぅぅっ……」
衝撃によろけるヒナギク。
(……わけが……分からないわよ……)
「トンファー叩き付け!」
振り下ろされるトンファー。
何もできずにそのまま地面に技名どおり叩きつけられる。
「ぅぅ……、ハ、あ――」
「トンファー!!」
ガツポーズを取るシスター。
「は――ヤ―ーて……君」
(助けに来ては――くれない)
(そうよ――何でも頼ってちゃ駄目よ……)
(私は――生徒会長だもの……)
(それに試合で1人なのはいつものことじゃない……)
その時ヒナギクの手の中には木刀正宗とは違うものが握られていた。
(あれ……?)
(……そうね。試合ではいつもあなたと一緒だったわね)
(こんな無様なヤラレ様なんて私じゃないわよね……)
(行くわよ……私の竹刀)
「あら……勝負はまだついてないわよ?」
「――倒れてれば楽ったんじゃないですか」
「残念だけど……寝てても勝てないじゃない」
「――まだ私のトンファーに刃向かうのですか?」
「ええ、だって私は勝つもの」
「いいでしょう……討つ!」
地面を蹴り、距離を詰めてくるシスター。
「私の竹刀――答えて」
「トンファー――――」
「 卍 開 」
「はっ?」
「『手院華亜雛』!」
「ええっ?」
すーっ、とヒナギクの背に羽が生えていく。
「そ、そんな反則――」
「うるさい! あなただって意味の分からないトンファー使ってるじゃない!」
「それは……ま、まぁいいです。倒せば一緒ですね。殺劇舞トンファー!」
「面――!!」
ぎゅん、と風が吹いたようにヒナギクの体が飛び、シスターに一撃を叩き込む。
「いやぁぁぁぁぁ!」
どかーん、とシスターが吹っ飛び――
「はーひふーへほー」
キラーン、と何処かへ行ってしまった。
「……勝った。でもこの衣装は何なのよぉ……」
フリフリの衣装を纏い、もじもじとその場で立ち尽くすヒナギク。
誰か曰く、それは意外と似合わないらしい。
――桂 雛菊 決勝戦進出
***
「あー……すいません。もう一回状況を言ってください」
「……気付いたら突然女の子になってまして……」
「重症ですね、とりあえずお薬出しておきます」
「ありがとうございます――って、僕は何をっ!?」
あまりの非常事態に一人二役をこなしていた。
「え〜と……」
改めて目の前の鏡を凝視する。
ピンク色の女子制服、胸元には大きなリボン。
「ええ……?」
ふたつのふっくらした山が胸についている。
「何でですかね〜……」
むにゅ、と自分の手でその山を掴む。
「あ……」
とても柔らかくて……大きい。
(すごい……ちょっと気持ちいいし……)
「てことはまさか――――」
股間部分をやんわり触ってみる。
(――――無い)
今まで数々の試練を越えてきたMY SONがいない。
「これじゃ……本当に女の子ですね……」
じっくりと自分の体を隅々まで見てみる。
(……自分で言うのもアレだけど……これはかわいい方なんじゃ……)
「――ってダメダメ! 僕は男なんだからこんな事考えてちゃ……」
「あら――結構かわいいので自分に見とれてしまうのもしょうがないと思いますよ」
「――マリアさん?」
部屋の隅からその姿が現れた。
「――ハヤテ君」
「マリア……さん?」
表情を読み取れない、ただ――その口元は半月の形をしていた。
「マリアさん……実は僕、今――」
「ええ、分かります。あぁ――」
ぐい、と手を引かれマリアに後ろから抱かれる。
「あら――私より大きいですね……」
むにゅむにゅ。
「ひっ――マ、マリアさん!?」
「ふふ……大丈夫ですよ、取って食べようってわけじゃあありませんから、あ、いえ――とりあえず痛い事はしませんから」
「ふぁ、はい!?」
ぐにゅぐにゅ、と形が乱れるほどに胸を揉みしだくマリア。
「は――あ……」
「感じてきましたね、ふふ……かわいい」
「や、やめてくだ――んんっ……!!」
その言葉はマリアの唇が封じた。
「ン――うぅ……ちゅ……んちゅ……あむぅ……」
「んむ……ちゅ、ちゅ……はぷ……ちゅぅぅ」
湿ったマリアの唇がハヤテの柔らかい唇をやさしく包み、覆い、吸う。
「んぅ……はむ……はちゅ……んぷぅっ!」
無理矢理顔を引き離し、体を遠ざけようと――は出来なかった。
ぎゅ、と抱きしめられ、離れることは出来ない。
「マリアさん! 何を――」
「何ってハヤテ君……えっちな事をするんですよ」
「な、何で――!?」
「それはハヤテ君が犯罪的に可愛いからです……もぉ……かわいい……」
「そんな! だってマリアさんは……」
「ハヤテ君は私のこと嫌いなんですか?」
「いえ、そんなことは……」
「それにここは私の夢の中ですし、ハヤテ君は私の言うとおりになってればいいんですよ」
「――え?」
「ふふ……ハヤテ君、これ何だか分かりますか?」
ぐっ、とさらに抱き寄せられる。
(――――!!)
気付く。
下腹部に当たる――硬く、熱い、欲望の塊。
「マリア……さん?」
「ふふ……楽しみましょう」
マリアの向こう、そこの壁には『性転換性交 : 先にイかせれば勝利』の文字が書かれていた。
「そんな――」
「はぶっ……んぶぅ……ちゅぶ、ちゃぶ……」
「ほらほらハヤテ君、もっと舌を動かしてください」
「そ、ひょんな……はむぅ……ちゅぶぶっ……」
ハヤテは跪かされ、奉仕をさせられていた。
「あぁ……気持ちいです。男の人の快感ってかなり直接的にこんなにも……すごいです」
「ンぅ……はむ……んぶ……ちゅ」
口内に広がる熱く硬い感触。
「さすがハヤテ君……何でも得意ですねぇ……ン、そこもっと舐めてください」
「ふぁい……ちゅぷ、じゅ、ず、……れろ、ちゃぷ」
(どうして僕はこんなことを……)
「駄目ですよハヤテ君、もっと奥にじゅっぽじゅっぽしてください、しないとお仕置きですから」
「あむ……じゅぅ、ん……ず、ちゅぷっ、ン……ちゃぷぷ、じゅる」
「……お仕置きです」
ぐい、とハヤテの乳首をつねるマリア。
「あひっ! や、やめてください……ちゃんと僕しますから……」
「そうですよ〜。最初からちゃんとやってればいいんです」
「はい……んむぅ、じゅぷっ、じゅずず、……ずる、ちゅぶ、はぶ」
「ああ……あ――」
ヌルヌルした舌を絡ませ、喉の奥へとペニスを引き込む。
「ンぅ、ふちゅ……ちゅぶ、ちゃぷ、じゅぶぶ」
より一層硬さを増していくペニスを丁寧に口内でなぞる。
「じゅるる、ちゃぶぶぶ……ちゅぅ、ちゅ、じゅぷ……ちゅぢゅっ、じゅぅう……っ」
「ああ……これは……ハヤテ君、失礼しますね」
「ふぁい……?」
そ、と頬に手を添えられる。
「ラストスパートってやつですね〜」
「ふぁ……あぶぅっ!!」
ぐい、と頬を挟まれ、勢いよく引き寄せられる。
当然猛り立ったペニスがハヤテの喉を突く。
「ひゃ、ひゃべてくだ――はぶぅっ! じゃぶ! ひゃぶ!」
「あ、あああ、イイです――ン」
「ひゃう! んぶ――んんんんっ!!」
どくん、と大きく脈動するペニス。
先から熱い精液が噴出し、ハヤテの口内を白く染めていく。
どぷどぷと非常識な量が吐き出されていく。
「ふぶ……ちゅぶぶ、ちゃぶ……」
「しっかり飲んでください……」
「んぅ……んぶ……コク、じゅぶぶ、……コク」
ネバつく精液を何とか飲み干す。
口に入りきらなかった精液が顎や頬についてる。
「あら――ハヤテ君エロエロです……」
「そ、そんな事言わないでくださいよ……」
「さて――」
(これで勝負も終わったし……戻れるハズだよね)
「――本番をしましょう、ハヤテ君♪」
「……え?」
ぐい、とそのまま押し倒すマリア。
「ちょ……そんな! マリアさん今出した――」
ギンギンのペニスがハヤテの――本来あるハズのない秘裂にこねるように押し当てられる。
「――っ! これ以上はマリアさん駄目です、こんな……ふわっ!!」
ずん、とマリアは一気に腰を進めた。
「は、ううっ!」
「……んん、すご……熱くてヌルヌルして……締まってきて……ああん!」
体の内部に他人の一部が入る違和感と同時に、内臓が押される感覚に息が詰まる。
マリアも未だ経験したことない最高の快感にぶるぶると身を震わせる。
「は――あ」
(何……この感じ……気持ち、いい……?)
「ああ……ハヤテ君しっかり濡れてるじゃないですか……ふふ、気持ちよくしてあげますね」
ゆっくりグラインドを始めるマリア。
「ぁ……う」
「はぁ……気持ちいいですよハヤテ君……」
その動きに応えるようにハヤテの膣内が蠢く。
しっかりとペニスを捕まえるように、さらに快感を得ようとするように。
「中……動いて……、ハヤテ君も感じてるじゃないですかぁ……」
「はぅ……そんな……事――っ」
ずん、と最奥を貫くペニス。
「あ……ひっ……は……うぅ……」
「子宮口ですよ、ハヤテ君。女の子はみ〜んなココに弱いんです」
「ぅ……はっ……んぅ……ひっ……」
巧みに腰を振り、時には強く、時には弱く、徐々にスピードを上げながら肉壁を擦る。
「ん……そういえばハヤテ君、処女じゃないんですね……つまり童貞じゃないんですね〜」
「あぅ……そんな……」
「誰としたんですか〜? ナギ? 前の学校の娘? ヒナギクさん? ちょっと嫉妬しちゃいます……」
「そん、な……はぅっ! は、はげしっ――」
「ほらほらハヤテ君……誰とSEXしたんですか? 誰のをハヤテ君ので泣かせたんですか?」
「い、言えません、あふっ! も、もっとやさし、」
「……そうですか。どうせ夢ですし現実味はありませんけど……ハヤテ君、孕んでみません?」
「……うっ! あ、は……孕む……? あふぅ!」
「ふふふ……じゃあしっかり元気な子を産んでください」
ずぷ、と深く、強く、ペニスを差し込む。
――ドビュッ!! ビュルッ! ドプ!
「は、あああああっ!!」
どくんどくんペニスが脈打ち、濃い精液が子宮に流し込まれていく。
「あ、ああ……私……ハヤテ君の中に出してます……」
「ううっ! あ、つぅ……」
びゅくびゅくと二度目の射精にもかかわらず遠慮のない量の粘液がハヤテの膣内に満たされる。
「あ、あぁ……」
「気持ちよかったです、ハヤテ君。また――」
快感の渦に浸るハヤテ。
そこで意識は強制的にに閉じられた。
――綾崎 颯 決勝戦進出