伊澄の会心の一撃で悪霊の群れは退散した。神父の霊も一緒に消滅していたが  
ハヤテは見なかったことにした…。  
「大丈夫ですか?ハヤテさま」  
「い、伊澄さん。今の力は?」  
 伊澄は伸ばした手を止めて、  
「えと、その…マ、マジックハンドです…」――マジック〜…  
(マジックハンド!?ってーかマジックって言っちゃってるじゃないですか!)  
「そ、そうですか。僕は毒矢を受けてしまいまして…」  
 突っ込まない方がよさそうだと判断してハヤテは事情を説明する。伊澄は  
小首を傾げるとハヤテの額に指をかざした。  
 
 フィイイィンッ  
 
 ハヤテの頭がすっと軽くなる。同時に下半身の重さが増して痛みに近くなった。  
「…なにをしたんですか?」  
 伊澄は顔を赤らめて袖で口元を覆うと説明する。  
「あの…ハヤテさまの身体の毒を…膀胱…に集めたんです…用を足されれば  
 …楽になりますよ」  
 それは凄いような凄くないような…しかし、  
「えっと…それはありがたいのですけど…僕さっき用を足したばかりなので…  
 出そうにないです…」  
 尿検査の提出日に普通におしっこをしてしまい後で気付いた時の気分でハヤテは  
いった。伊澄はオロオロ。  
「え?もしかして…ここで…?」  
『大地は俺のトイレだ。偉い人にはそれがわからんのですよと立ちションを…』  
 幻聴までがハヤテの人としての尊厳を奪う。立ちションをしろといっておいて  
立ちションをしたことを糾弾されるのは不条理だとハヤテは思った。  
 
 伊澄は30オロオロセコンド後に意を決して瞳に力をこもらせると再びハヤテの  
額に指をかざし力を発動させる。  
「あの…別に変わりないんですけど…」  
 伊澄は身をかがめながら真っ赤になって、  
「いえ…今度はハヤテさまの…せ、精嚢に…毒を集めさせていただきました。  
 いま、楽にしてさしあげますから…」  
 そういってズボンのチャックをひきおろしハヤテの陰茎をとりだそうとする。  
「まさか…そんなのダメですよ!伊澄さん。やめてください!」  
 ハヤテは伊澄を止めようとするが、伊澄は上目づかいで、  
「でも…早くしないと…毒で使いものにならなくなってしまいますよ?」  
「早急にお願いします!」  
 
 伊澄はとりだした逸物に手を添えると、そっと口づける。  
「うぁっ!伊澄さんっ、口で?」  
 情けなく腰を震わせるハヤテの反応を黙殺して伊澄は行為に没頭した。ともかく  
急いで集中していたからその攻めはいつもの彼女からは想像もできなほど積極的で  
淫猥だった。  
 先端から根元まで舌を走らせ、ナメクジの這った痕のように粘液に濡れた肉棒に  
何度も唾液を上塗りする。根元から先端へ垂れていた濁った液体は、やがて先端から  
根元へ逆流していき、伊澄は頭の位置をあげて解毒を続行する。  
「あぁっ…くぅ…」  
 立っているのがやっとの少年の喘ぎ声といやらしい水音がその空間を支配していく。  
 伊澄はカリに舌を強く這わせながら、つたなく竿をしごき、鼻筋で亀頭をこする。  
彼女の瞳はうっとりと自分がしていることに喜びすら感じているようにぼやけて、  
熱がこもっていた。  
 ハヤテは分身を這いまわる冷たい深海の生物のような感触と伊澄の異常な様子に  
さいなまれ、快感に溺れ、先端を口に含まれた瞬間に精神の降伏点を超えた。  
「伊澄さん!でます。でちゃいますっ。ああああっ!」  
(ん〜〜!!)じたばたオロオロ。  
 とつぜん放出された毒液に口腔を犯された伊澄はびっくりして口を離し、美貌と  
高価な着物まで汚されてしまう。  
「ああ……」  
 欲望に顔面を塗りたくられ口から白い糸を呆然とたらしている伊澄の様子に、  
ハヤテはいっそうの欲情をかきたてられた。毒も抜けきっていないし…。  
「伊澄さん、すみません。もっと出したいんですが…」  
「……」  
 伊澄は無言で帯を解くと冷たいダンジョンの床に横たわる。白く汚れた顔を赤く  
染めて袖で隠しながら呟く。  
「どうぞ…ハヤテさま。伊澄の身体を使ってください…」  
 
 ハヤテは自分が美少女を襲っているモンスターになったような錯覚にとりつかれて  
伊澄の上に覆いかぶさると着物をはだけさせる。  
 着物の間に現れた白い清流のような肌に生唾を飲み、片方だけ露になった桃色の  
つぼみと最下流にある出口にして入口に血走った目を走らせる。  
 そして舌で幼い乳首をなぶりながら指を女陰に這わせほぐしていく。着物の少女は  
熱っぽい喘ぎ声を小さく漏らしながら愛撫にたえ、涙で顔についた汚れを流す。  
「ハヤテさま…遠慮しないで急いでください…毒が…」  
「…わかりました。失礼します…」  
 まだ前戯が不十分だと思ったがハヤテも毒は怖い――というか不能になるのは嫌だ。  
伊澄の献身的態度に感謝して位置を定めようとする。しかし、腰に力が入らなくて  
手間どってしまう。しかたなく伊澄を抱き起こした。  
「すみません…その、伊澄さんからしていただけませんか?」  
 伊澄は躊躇したが、ハヤテが下半身を動かしにくいことを理解すると、どっかの  
魔王の眼よりも赤くなって頷いた。  
 身を竦ませながらも少女は少年の誘導にしたがって腰を落とし、性器が接触して  
からは眉をかすかにひそめながらも、ゆっくりとハヤテを受け入れていく。  
 きつさに酔いしれながらハヤテの男根は破瓜の鮮血をまとい最奥に到達する。  
涙目の伊澄は短く息を吐きながらハヤテの胸にもたれかかった。  
「ハヤテさま…」  
「伊澄さん…最高です」  
 「あっ」という声まで一緒に抱きしめると腕で肢体を揺らすようにして射精感を  
高めていく。苦痛に打たれながらも健気な伊澄は悲鳴ひとつあげず、それどころか  
ハヤテのシャツを必死に開くとその乳首をチロチロと舐めた。  
「うあぁっ!」  
 あまりの快感に苦悶の絶叫をあげながらハヤテは男根を暴れさせ、伊澄の体内に  
濁流を解き放つ。  
「っ――!」  
 両肩まで晒すほど乱れた伊澄はハヤテに抱かれながら痙攣し、精を受けとめた。  
「ああ…ハヤテさまのお熱いのがたくさん…」  
 ぐったりとなりながらも伊澄はうっとりと口走り、続ける。  
「ハヤテさまが満足なさるまで…お相手してさしあげます…」  
 美少女退魔士の顔は13歳にしてはあまりにも妖艶にして扇情的で借金執事は  
自分が悪霊をうわまわる存在のとりこになったことを悟った。  
 
 
 数時間後。  
 死闘の末に解毒の花を手に入れたナギたちが戻ってくると、そこには着衣を  
散々に乱し、全身をネトネトした白いものに覆われて抱き合うハヤテと伊澄の  
姿があった。  
『…………………………………………………』  
 重い沈黙。  
 赤くなって横目でみるヒナギク、ショックで幽体離脱したワタル(伊澄の力の  
余波で昇天中)、怒りで拳をふるふると震わせるナギに伊澄はオロオロしながら  
言った。  
「…えっと…プリズムです」  
(エクトプラズマって言いたいんだろうなぁ…)  
 
                   幕  
 

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