最近お兄ちゃんの様子がおかしい。  
小宵は兄良彦がどこか以前と違うことを感じていた。山本さんの一件があってからというもの、どちらかと言うと元気がなかったのだが、今は浮かれている様子なのである。  
いつもどうり優しい兄ではあるが、どうも何かが違う。家でテレビを見るわけでもなく、ぼ〜っとしてるかと思えば、急ににやけだしたり…いわゆる幸せオーラが見えるのである。しかし、直接聞くことはできなかった…  
お兄ちゃんにまた好きな人ができたの?どういうこと?でも…怖くて聞けないよ…  
 
休み時間…慧とあゆみの2人は噂話に興じていた。  
慧「だから、うちのお姉ちゃんに彼氏ができたみたいなんだけど、それが小宵の兄貴っぽいのよ」  
あゆみ「マジで?けど、小宵ちゃんのってあんましさえない感じだったし有り得ないって(笑)」  
慧「…そうそう(笑)まあ、小宵には言わないほうがいいわね…って小宵!!」  
2人の話を聞いていた小宵は呆然と立ち尽くしていた。信じられない、お兄ちゃんに彼女が??嘘だよ。頭の中はいろんな思考がめぐっては錯綜し、ただの噂だと安堵してはまた不安が湧き上がってくる。その日の授業は何をしたかはほとんど覚えていない。  
 
良彦「ごちそうさま〜」  
小宵「あっ…あのお兄ちゃん。その…」良彦「ん、どした?」  
小宵「やっ…今日のご飯美味しかった?」  
良彦「ああ、うまかったよ。じゃ、オレ風呂入るわ。」  
もどかしい。しかし、小宵には良彦に聞くことはできなかった。  
 
夜…なかなか眠れない。  
小宵「喉…乾いたな」  
キッチンに向かい冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し喉を潤す。しかし、ちっとも喉の渇きが癒やされない。  
 
兄の部屋へ足が向かっていた。そっと戸を開けると、良彦は静かに寝息をたて眠っている。  
近づいて顔を覗き込むと、いつもの兄の優しい寝顔であった。小さい頃に母が亡くなってからというもの、いつも側で優しくしてくれ、甘えさせてくれた兄。  
小宵「…お兄ちゃん」  
胸がキュッと締め付けられたような気がして苦しい。  
頬に口付けをし、しばらく寝顔をボンヤリと眺めていた。  
ふと小宵は兄の下半身の変化に気づく。まるでテントのように張っていた。  
ドキドキしながらそっと手で触れてみる。熱い…それに固い。お兄ちゃん窮屈そう。  
いろんな想いが湧き上がっていた。大好きな自分だけの兄、誰かのものになってしまうかもしれない。そして、小宵はこれほどまでに兄を愛していることを改めて確認した。  
 
………私が楽にしてあげる。  
小宵はティーンズ雑誌に載っていた、愛する者への奉仕の仕方を思い出していた。  
緊張しながらズボンを下ろす。兄のモノを久しぶりに見た。小さい頃はよくお風呂に一緒に入っていたものだが、その頃の記憶のものとはまるで違っていた。  
小宵「お兄ちゃんの…すごい。」そっと触ってみる。  
小宵「…温かい」  
ゆっくりと握った手からは体温が伝わってくる。自分の心臓の音がやけに気になる。息づかいも荒くなってるのを感じた。  
小宵「えと…こうだったよね」ぎこちない手つきで動かしてみる。  
小宵「そして…く、口で(ゴクリ)。お兄ちゃん…」確かフェラって言うんだよね。愛する人の為にする行為…  
ドキドキと張り裂けそうな胸の高鳴りを押さえ、小宵は兄の脈々と息づくものを口にくわえた。  
口の中に兄の体温が伝わる。恥ずかしくてあまりちゃんとは読めなかった雑誌の知識を思い出しながら必至に兄を愛撫した。  
くちゅっ、じゅぽっ…ちゅ  
薄暗く静かな部屋に艶めかしい音が流れる。  
 
小宵が兄を見やると、さっきまで一定のリズムでしていた呼吸がやや乱れている。  
気持ちいいんだ…小宵はぞくぞくと体中に電気の走るような快感を感じた。  
私がお兄ちゃんを気持ちよくさせてる。…嬉しい!  
愛撫に力が入る。  
良彦「…んっ!うんんっ……zzz」  
…どうやら歯が当たってしまったようだ。  
小宵「ごめん!お兄ちゃん。えと、こ…こうかな」  
小宵は今度は慎重に当たらないように、そして精一杯気持ちよくしてあげようという気持ちでフェラを続けた。すると徐々に脈を打ってきたモノから、不意に熱いものが小宵の口内に発射された。  
小宵「!!?」  
ドクッドクッ…  
突然のことに驚きながらもリズミカルに溢れてくる熱い液体を、小宵はこぼさぬように全て受け止めた。  
小宵「…んくっ」  
コクンっと飲み込んだものはとてもにがい。しかし良彦とひとつになれたかのような感じを覚え、とてもとても幸せだった。  
小宵「はあっ…はあっ。…小宵は上手にできたでしょ?」  
そうささやくと、良彦の頭を優しく撫で、衣服を元に戻して布団に潜り込み、ギュッとしがみついた。ぬくもりと不思議な安心感のせいで、眠りに落ちるのに数分もかからなかった。小宵「…お兄ちゃん」  
小宵の頬には一筋の涙がこぼれた。  
 
 
ピピピッ、ピピピッピピ…カチッ  
良彦「ふぁ〜、んん朝かぁ……って小宵!?なんでオレの布団に寝てん…」  
小宵「……ん…大好きだよ…お兄ちゃん」  
 
良彦は小さい寝息をたてている妹をじっと見つめ、ふぅっとため息を付き、苦笑いを浮かべると、はだけた毛布を優しくかぶせた。  
 
 
おしまい  

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