※ 楠田と慧ちゃんでいちゃこら。
※ 最終話から数年後。設定は適当。
※※ 苦手な方はスルー推奨。
白球を打つ小気味好い音と、叱咤激励する元気な声を遠くに聞きながら、眼前の棒を夢中で頬張る。
淫靡な水音と、高鳴る心音。片手で陰茎を扱き、もう片方の手で彼の手を握る。
ゆるゆると手の甲と、耳の後ろ辺りを撫でられ、それだけのことでもどうしようもないくらいに感じてしまう。
舌と唇を使い、何度も吸い上げ、舐め回す。
−あの女くらい胸があれば、胸も使って扱けたのに。
そんな事をふと思った。
−あの女くらい胸があれば、楠田をもっと気持ちよく出来るのに。
「もういいよ」
頭上から降ってきた言葉に陰茎から口を放して、彼を見上げる。
「・・・・・気持ちよくなかった?」
「気持ちよかったよ」
「じゃあ・・・」
最後までやらせてほしい。あたしでもっと気持ちよくなって。そして熱いモノをあたしに−
「江ノ本はどうしてほしい?」
「え?」
「江ノ本は俺にどうしてほしい?」
頬が赤く染まる。どうしてほしいなんてそんなの決まっている。
「云えよ」
「・・・・・楠田の、・・・が、ほしい、の」
「何処に」
「・・・・・あたしの、・・・に、ほしい、の」
「何?聞こえない。わからないから、みせてくれよ」
その声に熱に浮かされたようにふらふらと立ち上がる。
制服のスカートの裾を両手で持ち上げ、彼に秘部を晒す。
「下、穿いてないのか?江ノ本はいやらしいなぁ」
放課後の裏庭で、何時誰が来るかもわからない場所で、大好きなひとに秘部を晒している。
物凄く恥ずかしいと思う一方で、どうしようもなく興奮してしまう自分に戸惑う。
突然抱き寄せられ、バランスを崩して彼の胸に抱き着く。
「コレがほしいのか?」
お腹辺りに熱くて硬いモノが押し付けられる。
「ココに?」
腰からお尻、そして秘部を一撫でされ、思わぬ快感に目を瞑ってただ頷く。
「んじゃ」
耳元で彼は囁く。
「胡瓜でも突っ込んでおくか?」
「え!?」
目を開ければ、見慣れた天井。薄暗い室内に、時を刻む時計の音と、荒く乱れた自らの呼吸が響いている。
「え?あ、夢?」
時計に目をやれば午前5時。起きるにはまだ早い時間だ。
「あ、や、やだ」
今迄見ていた夢を反芻して、その余りの内容に顔が火照る。
「でも、すごかった」
夢とはいえ、その感覚はすごく鮮明で。まだ、あの感触が残っているような気がした。
「・・・・・やっぱり」
ふと気になって、パジャマ越しに秘部に触れれば、濡れているのが分かる。
そのままショーツの中に片手を忍ばせ、さわさわと撫でる。
撫でるだけではすぐに物足りなくなって、指を二本中へと挿し入れる。
彼と付き合い始めてから、もう何度、こうして自分を慰めたことか。
最初は一本だけだった指も、今では三本ぐらいならすんなりと受け入れてしまう。
慣れた手付きでソコを弄る。特に感じる場所も今ではもうなんとなく分かっている。
途中何回か声を上げそうになって、その都度親指を咥えて声を殺した。
くちゃくちゃと卑猥な音をたて、執拗に中を弄くれば、次第に身体が蕩けていく。
白く霞み始めた脳裏には大好きな彼。
見下ろしていた横顔を、気が付けば見上げていて。あの日ときめいた背中は、驚くくらい広くなった。
その顔や、その声、その手を想い、その姿を浮かべては切なくなる。
その彼に、あんな事やこんな事をされてしまう妄想をして、昂る気持ちを頂点へと押し上げる。
『大好きなんだ』
何度も何度も思い出す。そして、今日も独りで絶頂。
快感はそれなりで、充たされなくて物足りなくてやっぱり彼じゃないとだめなんだと思い知る。
「あ、やだ、すごい量」
びしょ濡れの下着が気持ち悪い。引き抜いた指を暫し眺めて、徐に口に含んだ。
「ヘンな味」
自分の味より、彼の味を知りたいと強く思った。
コックを捻れば、降り注ぐ熱い湯。それを心地よく感じながら、全身隈なく洗う。
泡を凡て洗い流して、顔を上げれば、鏡に映る自分と目が合う。
成長期が人よりも少し早かったあたしは、中三でもうその成長が止まってしまっていた。
『大好きなんだ』
彼と付き合い始めたあの日から、成長したのは、胸が少し大きくなったくらいで。
鏡の中には、中三の時のあたしと変わらないあたしがいる。
「どうして」
どうして彼はあたしに触れようとしないのかな。
付き合い始めて二年半以上経つというのに、手を繋ぐ事と、唇が触れるだけのキスしかした事がない。
中学の時はそんなに聞かなかった初体験の話とかも、高校ではよく耳にするようになった。
仲間内でも土橋なんかはもう経験済みらしい。あたしはまだだと話したら意外そうな顔をされた。
いつもエロイ事で頭がいっぱいの彼と付き合えば、いっぱいそういう事をするのだと思っていた。
でも、実際は−いっぱいどころか、彼からは余りあたしに触れてこない。
中学生の頃はよくしていた口喧嘩もほとんどしなくなった。たまに喧嘩になってもすぐに彼が折れてくれる。
付き合う前と比べたら、すごく優しくなったし、穏やかになった。そんな彼に時々あたしはひどく戸惑う。
自分でもそう思っていたし、周りからもオトナっぽいとよく云われていたが、今では彼の方がずっとオトナだ。
見た目だけではなく中身までも、あたしだけ中三の時から変わっていないような気がする。
「女子扱いしてくれるようにはなったけど」
自分ではナイスボディだと思っている。周りからもスタイルがいいねとよく云われる。でも、彼は。
「不動宮すみれみたいなおっぱいの方がいいのかな」
両手で胸を寄せて上げる。小さい方ではないと思う。周りからは大きいとよく云われる。でも、彼は。
「あたしといっぱいエロイ事したいとか思わないのかな」
あたしは彼の事を想うだけで、先端は硬くなるし、中は柔らかくなるのに。
「あたしに触れて」
鏡の中の自分に囁いて、浴室をあとにした。
今日着ていく洋服をあれこれ迷って、メイクを何度かやり直していたら、気が付けば家を出る時間だった。
出掛けにお姉ちゃんから云われた言葉を何度も反芻する。
ヒールの高い靴に転びそうになりながら、待ち合わせ場所まで息を切らせて急ぐ。
たぶんもう彼は来ている。そう思うと胸が高鳴った。
「ごめん。待った?」
約束の時間の五分後、約束の時間の五分前にはもう来ていた筈の彼に訊ねれば、いつもと同じ答え。
「いや。今、来た」
彼の顔を見た瞬間、今朝方見た夢を思い出して、思わず目を逸らしてしまう。
ああいう夢をもう何度も見ているが、見た後に彼と顔を合わすと恥ずかしく思うと同時に−
「今日、寒いね」
すごく彼に甘えてみたくなって、すごく彼に触れてみたくなってしまう。
ジャケットのポケットに入れられたままの腕に両腕を絡め、頬を擦り寄せる。
「行こう?映画始まっちゃう」
店頭を飾るリースに、ウインドーの中でドレスアップしたマネキン、キラキラ星を天辺に載せたツリー。
クリスマスを今年も二人きりで過ごせる事がすごくうれしい。
ずっと観たかった恋愛映画を観て、お洒落なカフェでお茶をして、ディナーはとっても美味しいイタリアン。
−付き合う前は、ファミレスでミートスパゲティとハンバーグセットだったのに。
街路樹に煌めくイルミネーション、ライトアップされた何時もとは違う街並み、擦違う人達は皆幸せそうで。
人混みに逸れそうになれば、そっと手をとられて、そのまま繋がれる掌。
−付き合い始めた時は、恥ずかしいからと云ってなかなか手を繋いでくれなかったのに。
「なんだよ」
「・・・ううん、なんでもない」
−あの頃とは、なんだか違うひとみたい。
成長期の彼と成長の止まったあたし。触れない彼と触れたいあたし。
手を繋ぐだけでは触れるだけのキスでは全然足りない。
「ねぇ、これから家にこない?」
もっとあたしに触れて。
デートの帰りはいつも家の近くまで送ってくれるけど、彼が部屋に来るのは今日が初めてだ。
出掛けにお姉ちゃんから云われた言葉を何度も反芻する。
『今日からゆうもカレと旅行へ行くから、慧ちゃんお留守番よろしくね』
トレーを持つ手が微かに震える。カップとソーサーがぶつかる音や、心臓の音がやけに煩い。
トレー片手に扉を開けようとしたら、内側から開いて彼が顔を出す。
「あ、ありがとう」
トレーをひょいと取られて、部屋の中へと促される。とりあえずローテーブルの傍に腰を下ろした。
彼も同じ様に向いに腰を下ろす。その距離に少しがっかりしながら、ポットの紅茶をカップに注ぐ。
「いただきます」
向い合ってお互い無言で紅茶を啜る。ふたりの間には茶葉の香りと白い湯気。
何か話さなきゃと会話の糸口を探す。ふと、床に置かれた彼の上着が目に入った。
「皺になるから、ハンガーに掛けておくね」
手にとってクロゼットへと向かう背中に声が掛った。
「内ポケットの中、みてみろよ」
ハンガーに掛け壁に吊るす。それからその言葉通りに内ポケットの中に手を入れる。
「・・・これ」
「クリスマスプレゼント」
手の中には小さな箱。「開けてもいい?」と訊ねてから、銀色の包装紙と白いリボンを解く。
「かわいい」
ハートモチーフのネックレス。トップではピンククォーツが揺れている。
「ね、着けて?」
ネックレスを渡して、髪を持ち上げ彼に背中を向ける。首元を伝う彼の腕、冷りとした感触に振り返る。
「かわいい?」
「ああ」
「ありがとう。すごくうれしい」
にっこりと微笑めば、照れ臭そうに視線を逸らされる。堪らなくなって思わず抱き着いた。
「大好き」
顔を上げて、そっと瞳を閉じる。紅茶味のキス。やっぱり直ぐに離れてしまう唇。
「・・・・・今夜は誰も帰ってこないの」
「だから、ね」懇願するような声音で彼の胸に縋る。
もっともっとあたしに触れて。
どの表情も魅力的だけど、笑う彼女が一番好きで。だから、その表情を曇らせる事だけはしたくなかった。
物心ついた時から異性と性的な事に対する関心が人一倍旺盛で。いつでも頭の中はエロイ事ばかりだった。
大好きな女の子と、いっぱいそういう事をする。考えない訳が無い。何度想像して、何度夢見た事か。
彼女の事を好きになればなるほど、彼女に触れる事が出来なくなった。こわくなったのだ。
もし、厭がられたら。もし、泣かれたら。もし、嫌われたら−何処かでまだ自信が持てなかった。
触れたいと強く願うのは自分だけで、だから自分が我慢すればよいのだと。
今迄考えた事も無かった−彼女も同じ気持ちで、自分に触れたいと思っていたなんて。
俺が逃げようとすると、彼女はいつも体当りをくわせる。
「もっとあたしをみてよ」
美人で華やかな女王様タイプの女の子。
「もっとあたしに触れて」
責任感が強くて素直じゃなくて意地っ張り。
「楠田じゃなきゃだめなの」
可愛いな、と思う。大好きだと思ったら、箍が外れた。
「だから、ん・・・」
軽く重ねて直ぐに離れて、間髪入れずに薄く開かれた唇に舌を捻じ込んだ。
歯列をなぞって上顎を突けば、びくりと肩が揺れた。顔を傾け、角度を変えて咥内を弄る。
舌先が軽く触れ合う。捉まえて絡めれば、両手で胸元をぎゅっと掴まれた。
「ふ・・んぅ」
片手で後頭部を押さえ、もう片方の手で耳裏と頬を何度も撫ぜる。
「んん」
擽ったそうにむずがる姿に一度唇を離した。どちらのものか分からない唾液が彼女の口許を伝う。
「あ」
彼女の視線が名残惜しそうに俺の唇を追う。指先で口許を拭ってやり、そのまま頬を撫でた。
「全部、みたい」
「あたしも」
彼女がタイツを脱いで、ワンピースを床に落とす。その間に自分もズボン以外は全て脱いだ。
「・・・下は?」
ベッドに腰を下ろした俺に、ベビードール姿の彼女が訊ねてくる。
「よくみてから、俺が脱がす」
彼女の腕を引いて、ベッドに押し倒す。
くすくす笑って「えっち」と囁く彼女に「いっぱいしような−」と返せば、ポカリと胸を叩かれた。
淡いピンクのレースに黒いリボンの縁取り。下着姿の彼女を瞬きも忘れてじっとみつめる。
「や、やだ。ほんとによくみるの?」
「何か云ってよ」と云うから「可愛い」と答えれば、みるみる全身を朱に染める。
「可愛い」なんて賛辞、云われ慣れていそうなのに。ぽつりと漏らせば、だってと更に頬を染めた。
「『可愛い』と云って欲しいのは楠田だけだもの」
ふたりして真っ赤になる。このままじゃ先に進まないと思い下着に手を掛けた。
ホックを外せば、ふるりと乳房が毀れる。両手で下から包みこめば、掌の中でぐにゃりと形を変える。
「やわらかい、な」
率直な感想を述べる。初めて触る女の子の胸の、想像以上の柔らかさについ夢中になる。
強弱をつけて掌全体で捏ねまわし、指の間に先端を挿んで親指で軽く潰す。
「やぁあ」
胸を苛める度に反応する彼女に気をよくして、片手で弄ったままもう片方を口に含む。
裾から頂上まで何度も舌で辿り、頂上を唾液塗れにする。時々強く吸ったり、弱く噛む事も忘れない。
手と口を使って、執拗に胸を弄る。白い肌が薄らと赤くなる。余りのしつこさについに彼女が音を上げた。
「さっきから胸ばかり」
飴を舐めるように、咥内で先端を転がす。
「ぁ、ん、胸、すき?」
肯定するかわりに胸の谷間に強く吸い付いた。
「自信あるんだろ?」
初めてにしては上手くいったと赤い印をそっと撫で、にやりと笑えば何故だか拗ねた様な顔をされる。
「・・・もっと大きい方がよかった?」
「?」
「・・・・・不動宮すみれぐらい」
「不動宮?」
「・・・なんでもない」
どうして今ここで不動宮の名前が出てくるのか。意味が解らない。
「大きいとか、小さいとか」
でも何かを気にしているようなので、本音でフォローする。
「江ノ本の胸ならなんでもいいよ」
「・・・小さいとは言ってない」
今度は少しむくれた様な顔。話がおかしな方向へと逸れそうなので、とりあえず胸から離れる。
「そうだな、さっきから胸ばかりだな」
脇腹のラインから腰の括れをなぞり、下肢へと手を伸ばす。
「ここも、みたい」
布越しに触れれば、くちゅりと音がした。
「すごいことになってる」
まるで水を含んだスポンジ。突けば滲み出し、淡いピンクの布地に染みが拡がる。
「キスと胸を弄っただけで?」
脱がそうと手を掛ければ、ぎゅっと太腿を閉じて抵抗された。
「ゃ、だめ」
挟まれる形となった片手はそのままむちっとした太腿で遊ばせ、彼女の背後へ廻る。
臀部を桃に譬えた奴の気持ちが今なら解ると思う。
つるりとした双丘を撫で摩りながら、噛みついてむしゃぶりつきたくなるのを堪えた。
「ほら、いい子だから脱ごうな」
尻の谷間にくい込んだ布地を太腿辺りまで擦り下ろす。
「きゃ」
太腿から膝裏までを指先で辿れば、緩む抵抗。その隙に脱がせて、足元に落とす。
「・・・・・なんで、そんなに余裕なのぉ?」
「そうか?」
「あたしばっかりいっぱいいっぱいで・・・・・ずるいよ」
そう云って両手で顔を隠してしまう。どうやらまた拗ねてしまったらしい。
「そんなことねぇよ」
後ろからそっと抱き締めて、臀部に自分の雄を押し付ける。
「俺もすごいことになってる」
「あ」
「わかる?」
布越しでもわかる。勃ち上がり、硬くなって、涎を垂らしている。
「あ、あたしで?」
「そう。暴発寸前」
冗談ではなくかなり本気でそろそろまずい。ただ堪え性があるだけで、余裕なんて始めから無い。
「ねぇ」
振り返った彼女が上目遣いで訊ねてきた。
「触ってもいい?」
「・・・触るだけ?」
「舐めてもいい?」
「・・・それから?」
「口でシてあげる」
「・・・・・江ノ本は積極的だな−」
今迄ずっと我慢してきた自分は何だったのだろう?
「だって。さっきからあたしばっかり気持ちいい」
そうか、それはよかった。俺もすごく気持ちいいんだが。
「だから、楠田もあたしで気持ちよくなって?」
情けない事に、その言葉だけで射精しそうになった。
ズボンと下着を脱ごうとして、ふとあることに気が付いた。
「なぁ、俺、スキン持ってない」
まさか、今日、彼女と、こんなことになるとは。今朝の俺は想像もしていなかった。
「チェストの一番上、開けてみて」
云われた通りに壁際まで歩いていってチェストの一番上を開けてみる。
「なんだ、今日の記念にどれかひとつくれるのか?」
色とりどりの下着の中から、黒のレースを抓まんで見せれば、ティッシュ箱が顔面を直撃する。
「痛ぇな。冗談だよ」
「まったく・・・紙袋ない?」
「え?ああ」
「持って来て」
彼女に紙袋と箱を手渡してから全部脱ぐ。
「用意いいな」
紙袋の中からはスキンの箱。一つ受け取りまじまじと見つめる。
「違うからね。どうせ楠田はこういうの用意してなさそうと思ったからあたしが。別にあたしは−」
何も言っていないのに、言い訳めいた事を次々と捲し立てる。だが、俺にとって重要なのは−
「江ノ本もずっと俺としたかった?」
「・・・・・うん」
「そうか。俺もずっと江ノ本としたかった」
抱き寄せて、唇を合わせるだけのキスをひとつ。
「口でしてもらうのも魅力的だけど」
それは次回のお楽しみとして。
「今直ぐコレを被せて、中に挿れたい」
「うん・・・・・はやく、きて?」
装着している間、じっと視線を感じてなんだか気恥しい。
「まだ、動かないでね?」
根元を押さえられたかと思えば、彼女が腰を沈めてきた。
「あ、おい、まだ」
「あ・・・う・・・だい・・・じょ・・う・・ぶ」
先端にぬるりとした感触。それからぎゅうぎゅうとした肉の締め付け。
「ぃ・・たぁい」
両肩をぎゅっと掴まれる。くい込む爪先、喰い込む先端。痛みすら心地よくて。
「ごめん」
耳元で囁いて、押し込んだ。陰茎全体をあたたかい肉が包み込んで。
「全部、入った」
「うん」
「俺がいるのわかる?」
「ん」
俺の首筋に抱き着いて乱れた呼吸を整えている。そんな彼女の髪を労る様にそっと撫ぜた。
「ずっとこうしたかった」
応える様に締め付けられる。吐き出しそうになるのを歯をくいしばって堪えた。
一分一秒でも長く、彼女の中にいたかった。
尻たぶに指をくい込ませ、下から緩々と突き上げる。
「ひぅ・・・や・・あ・・あ・ん」
首筋に抱き着いたままの彼女を揺らす度、乳房が胸板に押し付けられぐにゃりと歪む。
「まだ、痛い、か?」
「ん、平気・・・だから・・・もっと」
「もっと、何?」
「・・・・・滅茶苦茶にしてぇ」
なけなしの理性に火がついて、呆気無く焼き切れる音を聞いた。
「あぁ!」
押し倒して、片脚を高く持ち上げる。叩き付ける様に捻じ込んで、直ぐにぎりぎりまで引き抜く。
「ひゃん」
入口付近の突起を引っ掻いて剥けば、ぎゅうぎゅうに締め付けられる。
「あ・あ・・あ・んぁ」
何度も出したり入れたり、馴染んできた中が蜜を零して収縮する。
自分の荒い呼吸と、彼女の甘い嬌声と、互いの肉が擦れる音と、互いの液が交わる音。
ぐりぐりと円を描くように擦りつけて、ぐちゃぐちゃに中を掻きまわす。
「ん」
不意に後頭部に両手が添えられ、引き寄せられるままに唇を重ねる。
上も下もぴったりと重なって、お互いだけを求めて貪り合う。
「すき」
「俺も」
たくさんのはじめてをくれたひと。
「すきだ、慧」
初恋のひと。初めて名前を呼んだら、今迄で一番締め付けられて、切なくなった。
「くっ」
最奥で白濁を吐き出す。彼女の身体が痙攣して震えるから、強く抱き締めた。
泣きたくなるくらい、気持ちよくて、しあわせだった。
真夜中に目が覚めた。静まり返った室内に、微かな寝息。
「変な顔」
隣りに彼が寝ているという事がすごくうれしい。暫し寝顔を眺めて、額にそっとキスをした。
「寝顔、可愛い」
部屋の外がやけに静かだと思いカーテンを少し引けば、そこは白銀の世界。
「雪・・・ホワイトクリスマスね」
そういえば、彼からはとっても可愛いプレゼントを貰ったのに、自分はまだ渡していない。
「明日、目が覚めたら」
朝一番にプレゼントを渡そう。初めてのクリスマスの時に貰ったサンタの衣装を着て。
「よろこんでくれるかな」
それとも呆れる?それとも興奮してくれる?明日の事を考えると楽しくてしょうがない。
「おやすみなさい、また明日」
隣りに潜り込んで、もう一度、今度は唇にキスを一つ。
彼の事を想うと胸がときめく。たくさんのはじめてをくれたひと。
初恋のひと。明日もきっと大好きで、明日も傍にいてほしいと願った。
おまけ
「ねぇ、起きて」
揺すられて、意識がぼんやりと覚醒する。
「ん、もうちょっとだけ」
休日の朝くらいもう少し眠らせてくれ。毛布を被れば、また揺すられる。
「起きなさいよ、もう」
違うと、思った。母親の声ではないと。じゃあ、誰の声だ?
「もう、起きないならプレゼントあげない」
毛布の中から薄目を開ける。そこにはとても可愛いサンタがいた。
「・・・・・これは何の夢だ?」
どこかでみたような衣装を着て、大好きな彼女が笑っている。
「おはよう、目が覚めた?」
ちらりと覗く胸の谷間と括れた腰のラインとすらりと伸びた脚。
「おはよう、なぁ、知ってるか」
腕を引いて自分の脚の間に座らせる。剥き出しの腰に両手を添えてその顔を覗き込む。
「男って朝から元気なんだ」
「・・・・・そうみたいね」
ぐりぐりと柔らかいところに硬くなったものを押し付ければ、上擦ったような声。
「起きたらプレゼントくれるって?」
「うん。枕元に、あ・・だめ」
「あっちは後で。今はこっちを貰う」
「こっち、って・・・ん・・やぁ」
「わかってるくせに、なぁ?」
「わからない・・・よ・・・あっん」
「言ってほしい?それとも−」
「ん」
「上か、下か。どっちに挿れたい?選んでもいいぞ?」
プレゼントが顔面を直撃したが、結局、両方おいしくいただいた。
俺のサンタは何でも願いを叶えてくれるらしい。
「傍にいて」と囁いたら、何故だか赤面してはにかんで。
「知らない」とつれない言葉で、甘いキスをくれた。