「あっ…… いやっ……」
その空間に幼い少女の声が響いていた。
桜色の髪よりも濃い色へと頬が染まっている。
瞳はいつもより潤いを増し、小さな雫が流れ落ちた。
──どうして? どうしてこんなことになっちゃったの?
少女の苦しむ姿を見ていた少年は自問する。
──そうか。 ぼくのせいなんだ。
その空間にいたのは少年と妖精と。 そして大きなロボット。
──ぼくが4ばんめの「ちょうせん」にかてなかったから……
ロボットの指先から伸びる管のようなものが少女を拘束していた。
妖精の手からはステッキが消え、帽子は落ち、マントはボロボロに引き裂かれていた。