…―――どーしよう、すっごいドキドキする……―――
梓くんが絡まれた私を助けてくれた、一緒に帰ろうって微笑んでくれた、
それだけなのに、気持ちが高まってしょうがない。
これがいわゆる恋なんだろうか。
「ほんと、渚とは大違い…」
「?何見てんだよ。変態」
「!誰もあんたなんか見てない!!自惚れないでよねーっ」
「どーだか。今日だってあず――」
「はわーっ!やめてっ!!」
「?福島どうしたの?」
「あ…あはは」
本人がいるっていうのに、渚ってばまったく性格悪い!悪魔だまったく!!
「由夜、えみお風呂先行ってるねー」
「うん!すぐ行く。あーおいしかった♪あれ、渚まだ食べてるの?
あんたこそどこ見てぼーっと食べてるのよ(笑)」
「……本当、なんで梓なんだよ…」
「え?」
ガシャン!
「きゃっ…」
「福島?渚!どうした?」
「なんでもない。」
「いきなり何するのよぅ!」
「皿が割れたくらいでいちいち騒ぐな。早くいけよ」
「な、なによーっ!!」
「お前が邪魔したせーで落っことしちまったんだろが。
…ちょーどいい、片付けとけよ新入り。」
「なんで!!!渚のせいじゃんどう見たって!」
「ふたりとももういいから。俺が片付けるよ」
「梓くん」
「…フン」
「本当にいっちゃった…」
やっぱり、嫌なヤツだよ渚って!!なんであんなのと梓くんは友達なんだろう?
「?ん?なに?福島手切ると危ないからもう行ってていいよ」
「えっ!そんな!!私がやるよ!梓くん全然関係な…っいたっ」
「ほらっ、だから言ったのに…かして」
ドキン
「あっ…」
やだ…私の指が梓くんの口元に…っなんか、気持ちいいんですけど…
ていうか…銜えてるのずいぶん長くない?!はぁっ…どうしようっ…
ピチャッチュパ
「…んんっあ」
もういいのにぃっ…っ!
「…もういいかな」
「はぁっはぁっ…ありがとう……っ」
「でもこれじゃ消毒になってないよね(笑)。痛むと思う」
「だ、大丈夫だよ!おかげでもう血もとまったしっっ」
「でも――、福島」
「え?!」
「顔、赤くない?さっきも帰るときそうだったけど、熱でもあるんじゃ…」
コツン
!?きゅあああきゃあああああっ!!あず!あず!あずっ!
ちかっちかっちかっ!至近距離すぎーっっ
本当にくらくらしてきた…どうしよっときめきすぎ!!
「そうでもないかな?」
「ううっ…立てない…っきゃ」
ダーン!
「福島っ」
「あ…れ?ここは……」
「気がついた?びっくりしたよ、急に倒れこむんだもん。
ここは、俺の部屋だよ。福島の部屋鍵かかってて入れなかったから」
うわ、笑顔が近い。いいにおい…梓くんのお部屋か…ってことは??
「!!!ここベッド…いたっ」
頭クラクラするっ
「!まだ寝てないとだめだよ。」
「ごめんなさい」
「気にしないでいいよ。本当、ほっとけないなあ」
「恥ずかしい…。もしかして、梓くんがここまで運んでくれたの?
重かったでしょう?」
「そんなことないよ。ただやわらかかったな…って」
「え?」
「ごめん!変な意味じゃなくて。その、女の子って苦手で…
なんかわからなくて。よく知らないからさ」
「そう…だよねーだってアイドルだもんね梓くん(笑)」
ライバルは星の数ほどいるくらいね(泣)
「全然、アイドルじゃないよー(笑)」
「だってモテるでしょー?」
「俺は好きな人にだけモテればいいよ」
「またまたぁって…好きな人、いるの?」
ぎゃーっ何を聞いてるの私は!!いきなり失礼じゃないっ!
「……うん」
「!」
「…なんてね。」
「うそかいっ!!」
びっくりした…梓くんでも冗談言うのか。
「じゃあ福島は?」
「私!?私は……」
目の前に…
「気になってる人なら、いるよ」
「へー。誰?前の学校、中学の人?それともこっち来てみつかった?」
「…うん、ここで」
今ここで!
「そう…かぁ……」
あれ?なんか悲しそうな顔?梓くんどうしたんだろ?
「誰だか教えて?」
「えっ!!それは秘密のサボテンで!!」
「なんだよーお礼くれたっていいじゃない」
「…っ」
どうしよう、そこまで言うなら、言っちゃうよ?
私の気になっている人は目の前に、ここにいる、あなた…梓くん、だって。
「わ、私…」
「ぷはっ!福島、口元にソースついてる」
「え!?どどどこ???」
もーっ恥ずかしいっ
「…違う違う。そっちじゃなくて反対」
「取れた?」
「ううん…」
「?」
えっ…なんで顔が近くなるの?
「!」
舐めた?やだ、キスされるより恥ずかしい…っ
「じれったかったから」
「…梓くん…」
「逃げないんだ?」
「だだだだって!不意打ちすぎっ」
「本当は、ちょっと緊張したんだけど…引いた?」
「う、ううん!びっくりしただけ…」
だって梓くんだし、引くわけないじゃんっって私何いってんの!
それより私のほうが軽い女だって思われたかな…
「なんか福島ってほかの人と違うと思ったから、思わず…ね」
「え?私が??」
どういうこと?またからかわれてるの?
「…いつも緊張の毎日、木苺寮だけだよ、居心地のいい場所は。
だから渚も、笑佳も紺も、ミーちゃんも、雨芽も大事」
「そっか。」
「そしてもちろん、福島もね」
「…あ、私だって!」
「そ?ありがとう」
「うん…木苺寮が好きになった!とくに梓くんは好きだよってー…」
「えっ」
「あ!!いやっ変な意味じゃなくってー…」
「ふぁー眠い。もう10時過ぎだもんね…え?じ、10時!?
大変っ!!バレたらー…」
「あ、それなら大丈夫、部屋に帰ってますっていっておいたから。」
「梓くんが?だって私ここにいるんですケドー?(汗)」
「今から部屋出て見つかると余計怪しまれると俺は思うよ。」
「そ、それもそうだね…。」
「寝てもいい?って、私がここで寝ちゃ梓くんの寝る場所がないか」
「寝ちゃうの?」
「え?うん。」
「寝るの?ここで?」
「うん…って今言ったじゃん梓くん自分で(汗)」
私へんなこと言ったかな?
「知らないよ、どうなっても」
「え…?」
「…俺だって一応男だからね」
「!」
また悪い冗談!?もーっ
「渚じゃあるまいし、そんなこと梓くんがするわけー…っ!!」
…なっ…っ今度は違う、口に、ああああ私の唇にああああずさくんのくちっ
「…眠れるわけないよ、福島がいる部屋で。俺」
「待って!っいきなりなんなのっ!!」
「……」
「…う…」
やだ、怖い。何か言ってよ…気まずいじゃない……
「……最低かな。本当はチャンスだって思ったから」
「…?」
「でも、誘惑してきた福島もどうかと思う」
「はい?!」
「さっき、聞いちゃった。寝言で」
「やだ!!何か言ってた!?」
うわーっ!!!最悪っ!!ハズすぎるーーーーっ
「すきなんだって。俺のこと」
「!!!!」
もう消えたい…あれ?でもなんでじゃあ梓くんは嫌がってないの?むしろ…
「本当?」
「…はい(汗)。」
本当は、私もこんな絶好のチャンスないって思ってる。
学園のアイドルと密室でふたりきり、しかも人気少ない木苺寮。
邪魔される確率、少ないから。
お互いの液がまざる。さっき食べたデザートの味。甘い甘いキス。
「!やっ」
「えっ」
「…ごめ…びっくりして……私舌短いから…その…下手だよ」
ディープキスすら経験ないから満足させてあげられないよ
「俺がリードするから、って、よく言うよね。本当は
がっかりさせそうで怖い。」
「そんなことない!うれしいもん。いやだったら逃げてる…よ?」
「ありがとう」
わ…梓くんもベッドに乗ってきた。シングルベッドにふたりって狭いね。
隣りに座って布団に入ってこようとして、無理で…
私押し倒されて…覆い被さってきた///
「…胸触ってもいい?」
「ん…っ」
恥ずかしい
「なくて…ごめんね」
「ちょうどいいくらいだよ。かわいい。見せて」
私をうつ伏せにさせて器用にブラのホックをはずしてしまう。
どきどきした。緊張してるのバレないかなっ…
「あっ…」
梓くんの手が、私の胸をやさしく揉みしだく…いゃっ
「ん…ふっ…」
「ココ立ってきたね。感じてる?」
「はぁっ…!ひゃっ」
梓くんの顔が見えなくなったと思ったら、弄りながら急に私の片方の
乳首に吸い付いた。代わりに頭が見える。なんだかっ…
本当におかしくなりそう…っ
ピチャピチャ
「はぁっ…はぁっ…」
「息あがってきたね…俺もだけど」
いうと、梓くんは起きて脱ぎだした。
私はさっき脱がされてもうパンツしか履いてない;
細い、梓くんの身体。すらっとしていて、見惚れる。それでいて少し筋肉を
つけている感じ。やっぱり、男の子なんだね…どきどきする。