ザー…バタン…  
 
「来てない……。」  
 
木苺寮の共同トイレを出て、ため息をつくのは福島由夜。  
この前、高松渚と付き合っているのにもかかわらず、惚れていた千葉梓に告白し、  
酔った勢いで初セックスもしてしまった。しかも、ゴムなしで…。  
もちろん、渚には告げていない。彼はまだ、由夜が処女であると信じて疑わない。  
 
「来なかったら、どうしよう…。もうこれ以上遅れたら完璧ヤバイんだけど…」  
 
「由夜」  
「え!!だれ…っ!っきゃぁっ…っ!!んはンっ」  
「この前、ごめんな」  
「な・・っ渚!!謝りながらなんで胸触ってんの?」  
「誰も見てないから」  
「そーゆー問題じゃな・・っあンッ」  
「もう硬くさせちゃって…ちょっと胸大きくなったかと思ったけど   
 どうやら気のせいだったみたいだな」  
「…!」  
(びっくりした…一瞬、梓くんに抱かれたことバレたのかと思った…)  
「まあ大きくなくても好きだから俺は」  
「やっ…ちょっ・・といつまで揉んでるのよぉぉ…っ」  
「今日は大丈夫なの?この前、逃げられちゃったからな…。梓は  
 何も言わねーし、何かあったんじゃないかってずっと心配してたんだけど」  
「あ…ご、ごめんなさい…っ」  
「…許さない」  
 
ドクン・・・  
(っもしや、感づいてる?処女じゃなくなったこと、ばれた?とか?)  
 
「んんっ!」  
(もうっ…キスはいいけど、いきなり舌まで入れないでよっ…)  
「はっ…あ、のね?何もなかったよ…」  
(最低。わたしのウソツキ)  
「じゃあ確かめなきゃな…」  
「!!それはだめ!!!っあ;;」  
「…なんだよ。ココをみればわかるだけだよ。本番までしないから…」  
「えっ・・・んあっ!」  
 
スリスリ、と、渚は由夜の大事な部分をそのジャージの上から、割れ目に沿って  
下から上へと刷り上げた。何度も往復させているうちに、由夜は感じたらしく  
抵抗の力が抜けていく。そこを見計らって、渚はジャージのズボンの上から  
手を入れ、下着の上からもっと早く擦りはじめた。次第にそこはどんどん濡れ、  
下着は由夜の割れ目にピッタリと食い込んでしまった。  
今度は指をその下着の裾から進入させ這わせようとする。  
 
「…っんっあ・・だ・・・・めぇ・・っ!」  
「だめ?じゃ、一気に入れよう」  
ズブッ!  
中指は一気にその蜜壷へ入り込んだ。  
ゆっくりと指先を動かし、円をえがく。  
 
「・・・っああっ・・・はぁっ・・はぁっ・・・」  
(や・・やめて…っ!おかしくなっちゃう…っ!!)  
 
ヌプ・・・  
顔色一つ変えずにしばらく弄ったあと、静かに抜き取った。  
 
「…血だ。少し膜が破れたかな?」  
「え・・?」  
「なんだよ。大丈夫だよ。これから俺が一気に貫いて、気持ちよくさせてやるから」  
「や・・・そういうんじゃなくって・・・」  
(膜って…復活するの?それとも梓くんに抱かれたのは夢だったとか?  
 そんなはず・・・!確かにすっごく痛かったもん!血もでたし;どういうこと?)  
 
ただ生理が始まっていただけであった。  
 
「じゃ、行こう。」  
「や・・・今日は…」  
「もうじらされるのは飽きた。今日じゃないと一生後悔することになるぞ」  
「・・・・・・。」  
(渚は、今日わたしが拒んだら一生目も合わせてくれないだろう。  
 二度と戻らない関係。ここまできたんだ。悩むくらいなら腹くくろう。)  
 
「わたしのこと、許してくれるんなら…。」  
「なぜか紺にコレもらったからさ。由夜好きだよ。俺が嫌いになるわけないじゃん」  
「!!?さては、はかったな〜?!もう!!信じられない!」  
「もう訂正は聞かないよ。覚悟決めるんだなー」  
 
(最悪…。でも一番最低なのは―――  
 
                          渚を裏切った、わたし。)  
 

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