京が…京が焼け落ちていく…。福原での戦いに敗れ、頼朝にも見限られた  
九郎について鎌倉から戻った望美。その目に飛び込んだのは、炎上していく  
京の姿。梶原邸に朔の安否を確認しに足を踏み入れた途端、どこからともなく  
火が点いてあっという間に屋敷は炎に包まれる…。  
「神子、龍の逆鱗を使えば神子だけは助かる…。」  
「駄目っ!白龍は天に祈って雨を降らして。私が…引き止めるから…  
 お願い…。」  
これは罠…。よくわかっている。しかし、自分さえ犠牲になれば…京は。  
望美は意を決して外へ飛び出すと、井戸で水をかぶって表玄関へと向かって  
いった。バチバチと燃えさかる炎を、知盛を楽しげにみつめていた。  
「知盛!」  
「よう、源氏の神子…待っていたぜ…。」  
平家の作り出した怨霊を舞うように封印していく源氏の神子…噂を聞くたび  
知盛の心に興味がわきあがった。そして今、目の前にいる少女は知盛の想像  
以上に美しかった。知盛は部下に命じて、望美を拘束すると梶原邸を後にした。  
 
あれからどのくらいの時が流れたのだろう。望美は京のどこかにある屋敷で  
捕らわれの身になっていた。土蔵にある座敷牢…望美はそこに幽閉されていた。  
いつも着ていた着物は脱がされ、白い着物に身を包んでいる望美。土蔵にある  
小さな窓からは木々のざわめき、小鳥のさえずりが聞こえてくる。  
見張りの兵士が敬礼する。望美は入り口に目をやると、知盛がのんびりと入って  
来るところだった。望美が睨みつけると、知盛はその様子にうすら笑いを浮かべた。  
「気分はどうだ?源氏の神子…。」  
「いいわけないでしょ!」  
知盛は見張りの兵士を立ち退かせると、望美のいる座敷牢のなかに入ってくる。  
同時に土蔵の扉が音を立てて閉まってしまう。望美の顔に絶望の色が浮かぶ。  
最後の足掻きで知盛の頬に手を振りかざしても、片手で受け止められてしまう。  
「近寄らないで!」  
「クッ、冷たいこと言うなよ…さあ…俺を楽しませてくれるよな?」  
 
望美の両腕を知盛は強引に拘束すると、座敷牢の畳に押し倒した。もがく望美の  
着物の袷を左右に押し開くと、知盛の目に小ぶりだが形のいい胸がうつる。  
知盛は望美の首筋に唇をおとすと、きつく吸い上げ始める。  
「やっ、いやぁ。」  
身を捩り抵抗する望美を無視して、赤い花々を咲かせ続ける。首筋から柔らかな  
胸の頂に知盛は唇を滑らせると、ねっとりと舐めあげる。片方の胸を乱暴に弄ば  
れると、望美の唇から濡れた声が紡がれる。  
「あっ…あぁん。」  
「いい声だ…。」  
こんな男に弄ばれて声をあげている自分に嫌悪した望美は、唇を咬んで理性を  
保とうとしていた。しかし、心とは裏腹に体は熱くなっていく。  
着物の間から望美の下着を引き抜いた知盛。望美の膝を割り、体を滑り込ませる  
と唐突に望美の泉に触れる。もう充分に蜜を溢れさせている泉に、知盛は指を  
突き立てる。  
「はぅ…あぁ…。」  
くちゃくちゃと水音が響く牢のなか、望美は快感に呑まれまいと眉根をよせて  
耐えている。最奥に灯りはじめた甘い疼きを散らさぬように…。  
知盛は望美の意図を感じ取ると、ますます指の動きを早めた。  
「源氏の神子…さっさと理性を手放したらどうだ?そのほうが…楽になれるぜ。」  
そう言って、望美の泉の内壁をクイッと指で押し上げる。その途端、望美の体は  
電流が走ったかのようにしなる。甘い疼きが泉のなかに広がり弾け飛ぶ。  
「あぁぁ―――っ、やぁっ!」  
頭のなかが真っ白になってなにも考えられなくなる。望美の様子に低く笑うと  
知盛は泉に熱いたかまりをあてがって腰を沈めていく。  
「痛っ!抜い…てっ。」  
「お前…生娘だったのか…。源氏の神子のはじめての男になれるなんて…  
 光栄だな…。」  
 
知盛はニヤッと笑うと、じんわりと最奥を突くように腰をすすめる。そのたびに  
望美は眉根をさらによせて、知盛の腕をきつく掴んだ。  
この行為が早く終わるように、ただそれだけを願って耐えている望美。だんだん  
と早くなる腰の動きに、先程の指とは違うところが突き上げられる。  
はじめての経験なのに、再び灯りだす甘いおおきな疼き…。  
「やだ…助けて…将…臣くんっ!」  
思わず、心惹かれていた幼馴染の名を口にしてしまう望美。その名前を聞いて、  
ピタリと動きを止めた知盛は望美の耳元で囁いた。  
「有川…将臣のことか?」  
平家の将である知盛から、将臣の名がでたことで数々の符号が一致する。こっち  
で出会った人を助けたいと言ってたのは…助けたい人とは平家の人たち…。  
「クッ、その顔…残念だったな…還内府殿は助けに来ないぜ…。  
 だから安心して、俺に身を任せろよ。」  
再び、激しく動きはじめた知盛に揺さぶられて望美のなかで甘い疼きが膨れだす。  
「あぁっ、あんっ…はぁ。」  
「いいぜ…その表情…もっと、啼けよ。」  
最奥が突かれて、望美の背が魚のようにしなる。望美のなかの狭さに限界を悟った  
知盛はさらに望美を突き上げる。  
「あぁ―っ、だめぇっ!」  
望美が喘ぎ声をあげたのを合図に、知盛は熱い欲望をすべて望美のなかに注ぎ込む。  
満足げに知盛は笑うと、ズルリと望美のなかから自身を引き抜いた。意識を手放し  
た望美の身を清めてやると、布団に望美を寝かせた。望美の上気した顔をみつめ  
ながら、知盛は将臣のことを考えていた。  
 
それから、時間を作っては座敷牢を訪れる知盛。知行国も治めもせず、京に  
留まっている知盛を将臣は不信に思っていた。京が炎上してから同じ八葉であった  
譲たちの行方は知れず、そのことがますます将臣を苛立たせた。  
 
再び、知盛が出かけていくのを目にした将臣は何をしているのか見定めるため  
こっそりと後をつける。無残に焼け落ちた屋敷、寺院の焼け跡、これが一の谷  
の奇襲をふさいだ結果…これが平家一門を勝利に導いた結果。  
激しい胸の痛みを感じながら、知盛をつけていくと京の外れにある小さな屋敷  
に辿りつく。将臣でさえ知らなかったこの屋敷の存在に、ますます不信はつのる。  
知盛が土蔵に入っていくのを見定めた将臣は、兵士に向かって足を速める。  
「こ、これは還内府殿っ!」  
「…おい、なかには何があるんだ。正直に言えよ。」  
将臣の有無を言わせぬものいいに、怯えた兵士は目をそらした。しかし、今まで  
つらい時も平家を率いてくれた将臣の問いに土蔵の入り口から離れることで  
答えた。重い扉を慎重に開くと、誰かの声が将臣の耳に届いた。  
「あっ、あぁ…。」  
将臣が足を踏み入れると、そこに知盛はいた。正確には、望美を組み敷いて  
ふくよかな胸を弄んでいるところだった。呆然とその光景をみつめる将臣。  
「…よかったな、源氏の神子…。  
 還内府殿が助けに来てくれたようだぜ…。」  
座敷牢の入り口で突っ立っている人影に、望美はぼんやりと目をやる。  
凍りついたように望美をみつめる将臣の姿に愕然とする望美。将臣はギュッと  
拳を握り締めて、険しい顔で座敷牢のなかへと入っていく。  
「お前が…源氏の神子だったのか…そいつに捕らえられて…  
 ずっと、こんな目に合ってたのか…。」  
「クッ、そんなふうにいうなよ…。捕らえられても、悪いことばかりじゃないぜ。  
 …体を合わせれば合わせるほど、いい声で啼くことも覚えたからな…。」  
その言葉に、将臣は知盛を望美から引き離すと胸倉をつかんだ。暗い瞳で知盛を  
睨みつける。  
「知盛っ!お前、これから望美をどうするつもりだっ!」  
「そうだな…時期が来たら…娶ろうかな…。」  
そういって挑戦的に将臣に笑いかけると、知盛は将臣の手を振り払った。  
 
娶る…妻にする気だという知盛の言葉に、動揺する将臣。ほのかに想っていた  
幼馴染をこんな男に取られたくはない。しかし、京が焼け他の八葉と白龍の  
安否も確認できないため、今ここで逃がしてもすぐに清盛の知るところとなる。  
「源氏の神子はここに幽閉するしかないんだぜ…父上に知れたらどんなことに  
 なるか…分かってるよな。将臣。」  
勝手に望美の身の上を話し合うふたりを望美は、ただみつめるしかなかった。  
将臣が還内府の力を持ってしても、望美を逃がすことなどありえないから。  
どうせまた捕まって…もっと酷い目に合う。戦で負けた者の末路は、学校で  
習った歴史で多少は知っているからここにいるしかないのだ。  
考え事をしている間に、望美のそばまで戻ってきていた知盛は再び望美を愛撫  
しはじめた。将臣がいる前で望美の胸を弄ぶ知盛。  
「ただ幽閉しとくだけじゃもったいないからな…お前もどうだ?」  
「あぁっ…はぅ…。」  
ねっとりと望美の胸の突起を舐めあげ、もう片方の突起を指でこねる。その度に  
身を捩って喘ぎ声をだす望美を見ていると、将臣の胸に葛藤が渦巻く。  
 …こんなことは間違っている…こんな男と一緒にだなんて…でも…  
将臣の人としての理性はあえなく弾け飛んだ。望美に近づくと、唇を塞ぐ。  
逃げる望美の舌を追いかけ、絡めとり吸い上げる。  
ようやく唇を離した将臣は、自身の熱いたかまりを取り出すと望美の唇に  
押し当てた。  
「源氏の神子…四つん這いになってやれ。」  
望美はのろのろと将臣のほうに頭を向けて、将臣のたかまりを咥えた。知盛は  
蜜で溢れている泉に唇をつけると、入れ口に舌を差し込んだ。  
「うぅっ…。」  
くぐもった声で知盛の愛撫に答える望美の頭を手で押さえると、将臣は自身の  
たかまりをぐっと押し込んだ。息苦しさに眉根を寄せる望美。  
 
知盛は望美の泉から唇を離すと、熱いたかまりをあてがって一気に貫いた。  
急な後ろからの刺激に望美の体はピクリと跳ねた。腰を打ちつけながら、望美  
のしなやかな背中に舌を這わせる知盛。  
快感の波に揺れながらも望美は、将臣のたかまりの形を確かめるように舌を  
這わせる。望美が将臣を慰める音と、知盛が望美を貫くたびに聞こえる水音が  
せまい座敷牢に響く。  
「望…美。」  
将臣はそう呟くと、熱い欲望を望美の口内にすべて注ぎ込んだ。反射的に  
のみこんだ望美だが、収まりきれなかった欲望が望美の唇から滴り落ちた。  
扇情的な望美の様子に、再び将臣の欲望に火が灯る。知盛はさらに腰を早めると、  
望美の首筋を同時に吸い上げはじめた。  
「やぁぁっ…も…だめ…あぁ―。」  
「やっぱり…いい女だぜ…望美っ。」  
そう言って知盛は眉根をよせると、望美のなかに全ての欲望を注ぎ込んだ。  
ぐったりとしている望美の泉から自身を引き抜くと、知盛は望美の体を自分に  
もたれかけさせた。将臣は望美の足を割って体を滑り込ませると望美の泉に、  
再び硬さを取り戻したたかまりを押し付けるとじんわりと腰を落とした。  
「あ…。」  
達したばかりで敏感になっている望美は、将臣が奥に進むたびピクピクと体を  
痙攣させる。望美の様子に知盛は唇の端を上げると、耳たぶを吸い上げながら  
望美の胸を弄る。ふたりの男に弄ばれてなにも考えられなくなっている望美。  
「やぁ…ん…んん…あん…もっと…将臣…くん…。」  
「望美…。」  
将臣が突き上げるたびに、くちゃくちゃという水音が望美の耳にも届く。  
最奥に灯る甘いおおきな疼きを早く散らしたくて、自然に望美の腰は動いてしまう。  
「クッ、いやらしい神子だな…。」  
知盛は望美の胸を弄んでいた手を下腹部に移動させると、望美のふくれあがった蕾  
を指でこねあげた。その途端、ビクッと望美の体が跳ねる。  
 
「あぁっ!」  
知盛に突然の刺激を与えられたことで、望美のなかの締め付けがさらにきつくなる。  
さらに刺激を加えてやると、身を捩って答える望美。そんな知盛の悪戯に、将臣の  
限界が近くなってくる。望美の瞳から生理的な涙が零れる。  
「もう…来てっ…将臣くん…あぁ―。」  
きつく締まった望美のなかに将臣はすべての欲望を注ぎ込む。夢にみていた望美の  
なかでやっと果てることができた将臣は、こんな状況なのに望美に微笑みかけた。  
望美も惹かれていた将臣に抱かれたことで、息を弾ませながらも同じように微笑む。  
そんなふたりが気に入らない知盛は、望美を自分のほうに無理やり向かせると望美  
にこういった。  
「まだ、終わりじゃないんだぜ…もう一度…俺を楽しませてくれるよな?」  
 
京が炎上してどのくらいの時間が過ぎたのだろう…。支配者が急に入れ替わることに  
慣れた京の人々は、再び到来した平家の支配下に順応していた。  
復興していく町の様子を、望美は複雑な顔で見つめていた。元の世界では滅びていた  
はずの平家は将臣…還内府の戦略により、源氏を打ち負かし望美をこの異世界に縛り  
つけた。将臣と知盛を恨んでもいいのに、そんな感情はなぜか望美のなかには生まれ  
なかった。幽閉され、散々ふたりに弄ばれたのに…体を合わせるたびに流れ込むふたり  
の想いが痛いほど分かったから恨む気にならなかった。あれから世が安定し座敷牢を  
出て屋敷で生活できるようになっても、望美はふたりに揺らされていた。  
はじめて知盛と出逢った五条大橋のうえで、望美は町並みから水面へと視線を移した。  
望美のそばにふたりの男の影が近づいてくる。とうとうこの瞬間が来てしまった。  
「よう…いよいよだな…お前がどちらを選ぶのか見物だな。」  
「望美…清盛公がお待ちかねだ…。」  
この世界に生きることを強く決意した望美は、顔をあげると足を踏みだした。  
歩みを進めるたびに近づく望美の未来。その時、望美の隣にいるのは誰なのだろうか。  
 
【完】  
 

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