今から2年前。  
朔は人の形になった黒龍を、人と言いくるめて夫婦になった。いや、夫婦ではないが、現実は夫婦同然だった。  
 
兄は陰陽師だから、神気にうすうす気づいていたが何もいわなかった。  
ただ、本当にいいのかと何度も聞かれた。  
「神様なんだよ・・いつか消えてしまうかもしれない・・それで耐えられるのかい?」  
「兄上、もう決めたんです。私はあの人の力になりたい。分かっているのなら見逃して・・そうでないと私死にます」  
「分かったよ・・もう止められないんだね・・朔・・」  
哀しそうな顔で兄上は許してくれた。  
 
「すまない・・いつまでこの姿を保てるかどうかわからないのに・・・人の世界で暮らす場所を作ってくれるなど・・」  
「いいのよ・・黒龍。私は神子になれて嬉しい」  
 
黒龍は朔を後ろから抱くのを好んだ。護るという意識が強かったためだろうか。  
「人の形をとったことは久しくなかった。こんな思いを味わったことはなかった・・また貴女を苦しめてしまうのか・・」  
黒龍の両手は朔の柔らかな胸に伸びている。  
「朔・・あなたの胸は柔らかい・・なのにこうしていると先端が堅く張り詰めてくる」  
「いいの・・私が貴女を大好きだから・・体が答えてるの・・続けて・・」  
「息が荒い・・朔・・でも止めたくない・・ぞくぞくするよ・・」  
胸を探られ、朔は快楽に震えながらも黒龍を見上げる。顔が上気して長い髪が小刻みに波打つ。  
「続けて・・好きだって私に教えて・・黒龍・・」  
 
不器用ながらも何とか黒龍は衣を開いた。朔の着物は胸からへそ、その下の黒い茂みまで見えている。  
「ああ・・朔の匂いがする・・こんなに喜んでいるんだね」  
「黒龍・・ああ・・・もっと触れて・・下まで指を入れていいの・・」  
「ああ・・朔のいうとおりにする」  
黒龍の長い綺麗な指が茂みの奥に入っていく。  
「熱いよ・・そこらじゅう濡れてる・・・どんどん奥から流れてくる」  
「あああっ・・黒龍っ・・・」  
花芽に触れただけで朔は仰け反った。  
 
「次はここがいいんだね・・朔・・もう忘れない」  
「あああーーーーっ」  
中をかき回され、花芽を擦られて朔は快楽に沈んでいった。  
 
黒龍はしなだれた体を持ち上げて自分の分身の上におとした。  
「ああ・・朔・・熱い・・気がめぐるよ・・・」  
「ああん・・黒龍っ・・・もっとゆっくり・・」  
泣き叫ぶ朔の声にも動きを止めることはない。朔が一番気持ちいいから泣くんだと教えられたから。  
上下左右に揺すり、突き上げてはまた抜いて。  
この行為で人は子を成す。でも自分は子を成せない。いつ消えるかもしれない。それでも今だけは、こうしていたい。  
 
大好きな朔と一緒になりたい。これが人の思いなんだ。人の体になってしまった私の思い。  
 
「さく・・もっと一緒にいたい・・さく・・」  
「こく・・りゅう・・・わたしも・・・」  
 
やがて二人は頂点まで上り詰めた。がくがくと震える体で抱き合いながら、横に倒れた。  
黒龍の前で朔は幸せそうに眠っている。  
 
「朔・・あなたが大好きだ・・でも龍脈が切られて私の存在は日々弱くなっていく・・どうすればいい?」  
 
哀しそうに黒龍は朔の長い髪を撫でた。朔が自分にしてるように。そうするととても気持ちがよかったから。  
 
「朔・・もし私が消えても悲しまないでほしい・・それが私の願い・・」  
 

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