いまだに京で呪詛を解除できずにいる望美は、ひとり苦しんでいた。
体が重く感じ、神子としての力も発揮できずにいたから。
朔も白龍も望美の体調を心配しているようだったが、話せるわけがない。
「望美、最近ヘンだぞ。なんかあったのか?」
「そ、そうかな?将臣くん。」
将臣の発した言葉に、仲間の間に奇妙な空気が流れる。九郎だけがきょとん
としていて他の八葉の顔をみつめていた。
しかしあまり細かいことを気にしない性格の将臣は、望美の身に起こった
出来事にまったく気づいてない様子だった。
夕食後、自分の部屋に戻った望美は整えられた庭を見ながら考えていた。
―こんな穢れた女が神子って呼ばれてるなんて…笑っちゃうよね―
確かに最初は無理やり敦盛に抱かれた。でも思い返せば、拒否できたのに
受け入れてきた自分がいた。
そんなことを考えていると、戸を叩く音が聞こえた。今日もまた…。
「神子、起きているか?」
望美の師匠でもあるリズヴァーンの声に、望美は戸を開けた。
部屋に招き入れると、望美はもうすでに覚悟が出来ていた。
「先生も、私を抱きにきたんでしょう?」
そういって、スルスル衣服を脱いでいく望美をリズヴァーンは目を細めて
見ていた。リズヴァーンは望美に近づいていくと、着物の袷を肌蹴させ
畳の上に落とした。産まれたままの姿になった望美。
「神子…。」
そういって自分のマスクをとると、望美の柔らかい素肌を吸い上げる。
「あ…。」
愛しそうに花を咲かせ続ける自分の師匠の姿に、望美の体は熱くなっていく。
ふくよかな胸の頂にある突起も、すでに反応して硬く尖っている。
その突起を強くこねると、望美は体を跳ねさせる。
「はぁ…ん…。」
リズヴァーンが口に含み甘がみすると、望美の膝がくずれそのまま畳に寝かされる。
望美の膝の裏に手をかけて、両足を押し開くと望美の泉からはいやらしく光った
蜜があふれ出していた。
リズヴァーンは望美の泉に舌を近づけると、泉の入り口に差し込んだ。
「ひゃ…ぅ。」
溢れ出る蜜を吸い取るように、泉のなかを這う舌の感触に望美は体を捩っていた。
同時に指で蕾を攻められると敏感な望美は簡単に達してしまう。
荒い呼吸を繰り返す望美にリズヴァーンが覆いかぶさろうした時、おもむろに部屋
の戸が開き九郎が顔を覗かせた。
「望美、いるか?……。」
部屋の中では、火照った体を投げ出している望美と尊敬する師匠であるリズヴァーンが
睦みあっている。九郎は状況を把握できずに呆然と立ち尽くしていた。
「九郎、戸を閉めてこちらに来なさい。」
「はっ、はい。」
その声で九郎がいることに気づいた望美は、あわてて体を隠そうとしたが組み敷かれ
ているため身動きがとれない。
九郎も恥ずかしそうに顔をそむけながら、命令通りリズヴァーンのそばまでやってきた。
リズヴァーンは望美を四つん這いにさせると、頭を九郎の方に向かせた。
「神子、九郎のものを慰めなさい。」
信じられないことを言うこの剣の師匠の命令に望美は従った。衣服をたどたどしく
取り払い、もうすでに熱く硬くなっている九郎のたかまりを口に含む。
「うっ…だ…だめだ、やめっ。」
はじめて男のたかまりを口に含んだ望美は、その行為にますます体を火照らしていく。
一生懸命九郎を慰める望美と、眉根をよせて望美があたえる快感に耐えている九朗。
リズヴァーンはふたりの様子をしばらく見つめていたが、望美の泉に自らの熱いたかまり
を押し付けると一気に貫いた。
「っ…!」
「はぁっ…。」
望美の唇が九郎のたかまりをきつく圧迫すると、九郎の唇からかすれたような声が
漏れる。リズヴァーンの腰が打ち付けられるたび、溢れ出す望美の蜜がくちゃくちゃと
厭らしく部屋に響く。時折、蕾をこねると望美の体はピクリと跳ねる。
「あぁっ…!」
突然九郎が声をあげると、望美の口のなかにあつい欲望が注がれる。無意識に飲み込んだ
望美の口から、トロリと白い欲望が零れだす。
普段刀を振るって怨霊と戦う勇ましい神子としての望美しか知らない九郎は、目の前で
繰り広げられる望美の痴態に目を奪われていた。
「やぁ…あっ…ああっ。」
九郎の足にすがり付いて、望美はリズヴァーンの動きに合わせて揺ら揺らと腰を動かし
はじめる。最奥を突かれると、魚のように背が跳ねる。
「だめっ…また…あっ…イ、イクっ!」
「神子っ!」
望美のなかに待ち焦がれていた熱い欲望が注ぎ込まれる。手足に力が入らなくなり
畳の上に倒れる望美。
リズヴァーンは望美の両腕に手をかけると、自分にもたれかけさせた。
九郎は望美の膝に手を置くと、左右に押し広げて熱い欲望を望美の泉に差し入れた。
「あ―っ、やぁ…。」
達したばかりで気だるさが残る望美の体に、再び快感が駆け抜ける。
「お前のなか…熱…いな。」
初めて女を抱く九郎は、望美のなかを堪能していた。九郎が腰を打ち付けるたびに
先程放たれた熱い欲望が、望美のなかからあふれ出し太ももを汚していた。
「あぁんっ…ん…んんっ。」
またも最奥を突かれるたび、甘い大きな疼きが望美の中心に灯る。
リズヴァーンは望美の両胸を弄び、突起を指で転がす。ピクンと望美が体を震わせる。
「はぁっ…あっ…。」
ぼんやりとした視界のなか、望美はまた将臣のことを考えていた。
―また熊野で別れたように、私を残して去ってくれればいいのに―
「何も考えるな…神子。」
リズヴァーンに耳元で囁かれ、現実に戻された望美。荒々しく胸を揉まれて、九郎から
突き動かされると自ら腰を振り出す望美。
「望美っ!もう…。」
「あっ…。」
九郎の顔が切なげに歪み、望美のなかにまたも熱い欲望が広がっていく。
はあはあっと喘ぐような呼吸だけがこの部屋を支配している。暫くすると、望美のなかで
九郎が再び硬さを取り戻し始める。リズヴァーンは、望美の体を九郎の上に覆い被せると
望美の泉の後ろに冷たい液体を塗った。
「やぁ―っ、な、何?」
「弁慶から貰った薬だ。じきに良くなる。」
しだいに塗りたくられたところがジンジンと熱を持ち始め、泉とは違う疼きが灯る。
九郎が下から突き上げるたび、望美は甘たるい声で鳴く。
「あぁ…っいい…よ。後ろ…が熱い…。」
リズヴァーンは望美のお尻を自分に向けると、じんわりと熱いたかまりを差し込む。
「やぁ――っ、無理…だよぅ。」
ズンっとお腹に響いたような気がする。望美は涙を流して苦痛に耐えていたが、やがて
ゆっくりとリズヴァーンが前後に動き出すと九郎と繋がっているところも擦れて味わった
ことのない快感が望美を支配する。
「なか…が変だよ…。はぁ…ん…こんなの…ヤダ…。」
ふたりの男に同時に愛されて、喘いでる自分の姿を望美は嫌悪していた。
堕ちるところまで、堕ちてしまった。望美はそう思うと、意識を手放した。
どのくらいの時間が経ったのか。唐突に目を覚ました望美が最初に見たのは、心配げに
のぞきこむ朔の顔だった。慌てて起きようとした望美だが、朔に止められる。
「九郎とリズ先生から倒れたって聞いてびっくりしたわ…もっと私に頼って欲しいの。」
朔のそんな優しさが心に沁みる。望美は思わず涙ぐんでしまった。
―違うんだよ、朔。私はそんなこと言ってもらう資格ないんだよ―
「ゆっくり休んでちょうだい。また様子見に来るから…。」
望美の部屋から出ようと、戸を開けるとそこには将臣が立っていた。
入れ違いに部屋に入ろうとする将臣を、止めようとした朔だが将臣の表情を見たとたん
考えを変え自分の部屋へと戻っていった。
部屋へ入った将臣は望美のそばに座ると、顔をのぞきこんだ。疲れ切って寝息を立てている
幼馴染の少女の頬をそっと包むと、将臣は望美の唇に軽く触れた。
将臣も望美も元の世界にいたなら、戦にまきこまれることもなく怨霊を封印することもなく
平和に暮らしていたことだろう。でも、離れてしまったことで気づいた気持ちもある。
将臣は望美の手を握りながら、そばにずっと付き添っていた。