「望美ちゃん、大丈夫かい?」  
平家の放った怨霊を封印し終わってから、望美は景時にそう尋ねられた。  
最近、望美にふりかかる出来事のせいか力を思うように揮えないことを暗に  
言われたような気がして思わず謝ってしまった。  
「ご、ごめんなさい。みんな頑張ってくれているのに…。」  
「あ〜、謝らないでよ。唯…疲れてるみたいだからさ。」  
やっぱり人の言動、行動をさりげなく気にしている景時にはばれてしまって  
いるようだった。それはそうだろう、敦盛と譲は不自然なほど望美に近づかないし  
弁慶とヒノエはいつもと同じなようでも、微妙に互いを牽制しあってる。  
望美は気軽に話しかけやすい景時に相談しようと思い、景時に耳打ちした。  
「あの…相談がしたいことがあるので、夕食後部屋にお邪魔していいですか?」  
「う、うん。かまわないよ。」  
景時は取り繕って返事をしていたように望美は思った。  
約束通り、望美は景時の部屋に足を運んだ。  
「失礼します。」  
「望美ちゃん、どうぞ入って。」  
望美は梶原低に随分お世話になっているが、景時の部屋には初めて入るため緊張  
していた。そんな望美を優しく迎える景時。  
「で、相談したいことってなにかな?」  
いきなり切り出されて、言い出しにくそうな望美に気づいた景時は続けて口を開いた。  
「もしかして、皆のこと?」  
「…はい。景時さん、気づいてますよね?皆が私を…。」  
それきり下を向いて言葉を続けられなくなった望美の様子に、景時は優しく望美の  
髪を撫でながら言った。  
「神子と八葉は特別な絆があるって白龍は言ってたよね?あの意味、最初はピンと  
 こなかったけど今はすっごく分かるんだよ。君に…どんどん引き込まれるんだ。」  
「私の…せいなんですか?」  
景時は望美の頬を両手で包むと、さらに言葉を続けた。触れられると体が熱くなる。  
「違うとも言い切れないかなぁ…でも、俺も受け入れて欲しい一人だとしたら、  
 君はどうする?」  
 
望美は分かっていた。振り切ってこの部屋を出て行くほど、そんなことを口にする  
目の前の人物を嫌いじゃないこと。きっと、自分は受け入れてしまうこと。  
望美は小さく頷いて瞳を閉じると、すぐに望美の唇を景時が塞ぐ。  
景時の舌が望美の口内をやっと手にしたものを愛しむように丁寧に犯していく。  
望美の歯列をなぞり舌と舌を絡めながら、景時は望美の素肌を晒す。  
望美の首筋に唇を這わそうとして、景時の動きは止まる。  
皆が残した情事の痕…。景時もそのなかに加わろうとしている。  
わざと肩まで唇を這わせた影時は、誰の痕もない柔らかい素肌をきつく吸い上げた。  
「あんっ…。」  
望美の柔らかな膨らみの頂にある突起は、硬く尖って景時の愛撫を待ち焦がれている  
ようだった。景時はその突起を口に含み舌で舐め転がしながら、もう片方の手で優しく  
弄る。望美は身悶えながら、愛撫を受け入れる。  
「あぁ…気持ち…い…い。」  
景時はズルズルと望美の下半身あたりまで体をずらすと、望美の膝の裏に手を置き  
両足を押し開いた。望美の泉から溢れ出した蜜で、下着はすっかり濡れていた。  
景時は下着の上から指で望美の泉をなぞると、プクッと起き上がった蕾を擦りあげた。  
「あっ!あ…んん…。」  
「ねえ望美ちゃん…どうして欲しいか言ってごらん。」  
薄い布の上から繰り返される景時の愛撫に、望美はだんだん焦らされてくる。  
望美は火照った体を、景時に早く冷まして欲しくて顔をそむけながら言った。  
「直…に触って…ください。」  
「よくできたね。」  
景時は望美の下着を取り去って、泉を左右に押し広げて唇をつけた。  
蕾を吸い上げると、望美の体はピクッと反応する。景時は望美の反応を楽しむかのよう  
に、舌を尖らすと泉の入り口へと差し込んだ。  
「ひゃっ!やぁん…ヘ…ンな感じっ。」  
わざとペチャペチャと音を立てて望美のなかを味わう景時。舌を抜き取ると、かわりに  
指を沈めて望美のなかをかき回す。  
「君の感じやすい所は…ここ…かな。」  
「んっ!」  
 
最奥に指を突き立てると、望美は仰け反りながら快感を味わう。景時は蕾をきつく吸い  
上げながら、最奥を突くと大きな疼きが望美の体を支配してゆく。  
「やだっ!だめっ…だめぇ。」  
クッと体を強張らせた望美をみて、景時は優しく微笑んだ。まだ激しく呼吸を繰り返して  
いる望美の泉に景時は熱いたかまりを押し付けると、ゆっくり腰を沈めていく。  
達して間もない望美の敏感な体に景時によって新たな刺激が生まれてくる。  
景時は望美に覆いかぶさって激しく腰を打ちつけ始めると、ふたりの繋がったところ  
からいやらしい音が溢れてくる。  
「はぁっ、もっと…もっと下さいっ。」  
景時は望美の唇を塞ぐと、再び舌を絡め始めた。望美も景時の全てを味わうように、  
腰を動かし始める。  
激しく景時に体を揺さぶられながらも、望美はぼんやりと靄のかかった頭で考えていた。  
今までの出来事を将臣が知ったら、どんな反応を示すかを…。こんな淫らな体になった  
自分をどんな目で見つめるかを…。  
そんな望美を現実に引き戻すかのごとく、影時は望美の体を起こすと自分はそのまま  
寝転んでしまった。  
「望美ちゃん、自分で動けるかい?」  
そういったまま、動く気配のない景時に焦らされて望美はぎこちなく上下にゆれ始めた。  
また、望美のなかに甘い疼きが広がってゆく。切なげに眉根をよせて動く望美を、下から  
景時が突き上げれば望美の口から可愛らしい声がもれる。  
「はぁ…んん…いい…。」  
望美の泉から溢れ出す蜜がよりふたりを快楽へと誘う。  
普段は頑張りやで強気な神子が、今は景時にだけ淫らに痴態をみせつける。  
もうそろそろ限界なのか、景時をきつく締め付け始めた望美。  
「やぁっ…また…!」  
「望美ちゃんっ」  
ドクンッと、望美のなかに熱い欲望が満たされる。気だるい体を景時の体に重ねた望美は  
そのまま呼吸を整えている。  
いまだに繋がったまま影時も荒々しく息をしながら、望美をきつく抱きしめた。  
今はまだ、自分だけの神子だとでもいうように。  
 

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