私は何度も何度も時空を超えているうちに不思議な時空に入り込んでしまった。  
いつも通りの秋の京のはず、だけどその時空は何かが違っていた。  
まず、最初に、沢山集まっていたはずの五行の力が京に着いた途端、空っぽになった。  
怨霊を倒して溜めようとしても全く怨霊の姿はなかった。  
すっかり在り処を覚えてしまった呪詛の人形は3つ見つかり、惟盛の居場所は分ってしまったのに、  
五行は空のままだ。このままでは戦えない。  
「こんなときは、どうしたら良いの?朔」  
「簡単よ、八葉はこんなときの為にも役立つわ」  
「一緒に戦ってくれる以外に?」  
「そう、私も、いつも八葉から精を貰って五行の力を高めているのよ」  
えええ!!  
「心は凍らせることが出来ても、黒龍に開発された身体は凍らせることができなかったの」  
「は、はっ、八葉ってもしかして、お兄さんの景時さんとも?」  
「まさか!さすがに兄とはしないわ。同腹兄妹だし、畜生道に落ちるもの」  
ああ、良かった。この時空の朔にも、少しはまともな考え方も残っているのかも。  
「兄のは口で受けるだけ」  
えっええええええ!!なんか頭がクラクラする。  
とにかく、月のみちかけと五行の関係から、今晩一晩のうちに八葉全員の  
精をこの身体に受けるのが一番良いということになった。  
こんな異常な事態にあまり抵抗がなかったのは、実は熊野で白龍が大きくなって以来、  
白龍とはお互いの力を高めるために夫婦の契りを交わし、毎晩睦みあっていたからだった。  
一応、夫であるはずの白龍はこの話を聞いて、とても無邪気に喜んでいた。  
「神子と八葉の絆が深まるのは良いことだよ」  
ああ、やっぱりこいつ、人間じゃない。とてもじゃないけど夫とは思えない。  
朔は本当にこいつの片割れと大恋愛してたのだろうか。  
 
最初は天の青龍、将臣くんだ。  
「おっ、俺が最初か。ラッキー」  
「…とはいえ、白龍とは毎晩やってるんだよな  
「まぁ、俺も色々とあったからな、人のことは言えねぇが」  
将臣くんは頭をかいた。  
何度も時空を旅するうち、街角の人々の噂話も気にするようになった。  
還内府は平家の姫や女房たちの間で凄く人気があるというのは耳にしたことがある。  
将臣くんは元々同じ年とはいえ、大人びていたし、  
こちらで三年も過ごしているうちに女性経験が沢山あったのだろう。  
「時間がないんだろ?じゃあ」  
私を布団に押し倒すと、舌を絡める深いキスから唇は鎖骨を滑り、胸の頂を含んだ。  
そのスムーズな動きに改めて凄く慣れている、そう思った。  
私のあまり大きくない胸は将臣くんの手にすっぽりと収まってしまった。  
胸を優しく揉まれると声を上げてしまった。  
「あんっ」  
「感度も良いし、ほんと白龍には勿体無いな」  
耳元で囁いていた唇はいつのまにか下腹部まで花弁を弄んでいた。  
「いやっ!汚い」  
「そんなことないさ、綺麗だ」  
秘烈に舌を押し込まれて、蜜を舐め取られながら逝かされてしまったあと、  
二人で一緒に上り詰めたところまでは良かったんだけど…。  
ことが終わると私がまだ荒い息をしているのに  
「じゃな。俺、用事を思い出したから帰る。みんなによろしくな」  
と言って出て行ってしまった。  
そうか、そうかやることやったら、即効で平家に帰るのか。  
せめて惟盛を倒すとこまでいて下さいよ。  
 
次は地の青龍、九郎さんだ。  
まるで軍議のときのような気難しい顔で九郎さんは部屋に入ってきた。  
「望美、最初に言っておくが俺は、初めてだ」  
「俺は寺に預けられて育った。寺を出てからも兄上に命じられるまま戦いに明け暮れて、  
女と交わったことがない」  
でも、朔が八葉と交わったって言ってたけど?  
「でも、朔とは?」  
「ああ、一度乱心して俺の寝所に入ってきたことがあった。一撃したら正気になったが  
怨霊に取り付かれたと言っていた。  
誰かに知られた生きていけない、内緒にしろと懇願していたが、お前には話したのか」  
そうか、朔、そうだったのか。九郎さんとは失敗したのか。うぷぷ。  
「とにかく、俺はやり方がわからん。乱暴だと思ったら言ってくれ」  
一応、布団に優しく押し倒した後、着物を脱がせてくれた。  
「やわらかいんだな…」  
九郎さんは私の身体を確かめるように恐る恐る手を伸ばして、しみじみと眺めていた。  
「あんまり、見ないでください。恥ずかしい」  
「あっ…い、いやすまん。どうしてこんな身体で剣が振るえるのか不思議だんだ」  
有り余る力をどう加減して良いのかわからないという感じが微笑ましかった。  
ぎこちない愛撫の後に、入ってきたけれどいきなり、激しく動かされたから痛い。  
「痛い!ちょっと乱暴です、九郎さん」  
身体がバラバラにされるかと思うくらい激しく揺さぶられて思わず悲鳴を上げた。  
「すまん、だが止まらん」  
さらに動きが激しくなって、熱い猛りが開放された。  
「すまん、もう一度頼む」  
中に入ったまま、すぐに硬さを取り戻して、もう一度同じことの繰り返し。  
三度目にやっと少し落ち着いて動けるようになってくれて、私も一緒にいくことが出来た。  
「こんなに良いものとは知らなかった。また、頼む。じゃあな」  
九郎さんは満面の笑顔を見せて去っていった。  
この人、明るすぎるのは良いんだけどやっぱり、何か変。  
 
次は天の白虎、譲くんだ  
譲くんは泣きながら部屋に入って来た。  
「酷すぎます。ずっと先輩のことだけ見てたのに、白龍と毎晩とあんな淫らなことを!」  
そうか、毎晩覗いていたのはやっぱり、君か。譲くん。  
「その上今度はこんな形で無理やりセックスしろだなんて!」  
「じゃあ、やめとく?金属性は景時さんがいるし、独りぐらい欠けても  
大丈夫かもしれないから」  
私の両肩を布団に押し倒して、私の目をまっすぐ見つめた。  
「早く五行の力を溜めて、一日も早くこんな異常な世界から、脱出しましょう。  
そのためなら、僕は…」  
譲くんは赤くなりながら、眼鏡を押さておもむろに立ち上がると蝋燭の灯りと鏡を近くにもってきた。  
「もっと、近くはっきり見たかったんです」  
両足を持ち上げられ、鏡に良く映るように秘所がさらされた。  
「いやぁああ、やめて!」  
一生懸命足を閉じようとしても、弓で鍛えた腕力には全くかなわない。  
「ああっ…、思ったとおりだ。綺麗ですよ。見ているだけで逝きそうだ」  
覗いていたせいか、手順は間違っていないし、手先が器用だから結構上手に愛撫をしてくれる。  
「ああっ、こんなに深く先輩の中に入りましたよ」  
顔を鏡のほうに向けられた。  
「鏡を見てください。ほら、こんな形で僕たち、ひとつに成っていますよ」  
両足首を持ち上げられているから、結合部分が鏡に映ってとても恥ずかしかった。  
「いやぁあ」  
私が嫌がっていると、ますます譲くんは意地悪になった。  
「ああ、いつもそんな顔を白龍にみせてるんですか?」  
何も答えず、譲くんの視線に耐えているとどんどん抽送が激しくなった。  
熱い吐息を全身に浴びているうちに私も少しづつ高まってきた。  
「もう、我慢できません」  
譲くんはそういうと、欲望を吐き出していた。  
「必ず一緒に元の世界に帰って、あなたを独り占めして見せます」  
譲くんは名残惜しそうに部屋を出て行った。  
今夜はもう、覗かないでね。八葉の皆は白龍と違って多分激怒して血の雨になると思うから。  
 
次は地の白虎、景時さんだ。  
「ごめんね、望美ちゃん。こんなことになって」  
全然、景時さんのせいじゃないのに、謝ってくれている。  
「いいんです。これも神子の務めだと思うし」  
なんだか、この変な時空ではそうみたいだし。  
「オレで5人目か、腰が疲れたでしょ。少し身体をほぐした方が良いよ」  
促されるままに、うつ伏せになって腰をマッサージしてもらった。  
確かに皆にガンガン打ちつけれれるから、すっかり腰が痛くなっていた。  
「気持ち良い?」  
「うん。ありがとう。景時さんって洗濯だけじゃなくこんなのも上手いんだね」  
景時さんって本当に優しいなぁ、なんて思ったのが甘かった。  
「ねっ、こういうのも試してみてイイかい?」  
ジジジジジと、この世界では聴くことのなかった機械的な音を感じた。  
「気持ちいいでしょ?」  
尾てい骨に振動を与えられるとなんだかくすぐったかった。  
振動するものはゆっくりとずらされて、いつのまにか花弁に軽く当てられていた。  
「あっ!」  
体中に電撃が走ったようにビクッと震えた。  
「ああ、やっぱり凄い反応だね、すっかり濡れてるし」  
「何を使ってるの、景時さん」  
「陰陽道を使った新しい発明、動く張り型だよ」  
棒は秘裂をなぞったあと、私の身体にずぶずぶと埋め込まれていった。  
「いやぁああああ!」  
景時さんは棒をいろんな角度で出し入れして、私を逝かせた。  
「どうして、こんなものを使うんですか?精を貰わないといけないのに」  
初めてこんな道具で逝かされてしまった屈辱で、私は涙目になった。  
「ごめんごめん、オレね、自信がないんだよ。望美ちゃんのこと  
ちゃんと逝かせないといけないと思ってさ」  
私のことを後ろから抱きしめながら、景時さんはささやいた。  
「でも、望美ちゃんのこんな姿見てたら、俺も頑張りたくなったよ」  
…。  
ちゃんと出来るじゃないですか。自信がなかったなんて嘘でしょう。  
 
次は天の朱雀、ヒノエくんだ。  
ヒノエくんは何だか不機嫌そうに部屋に入ってきた。  
「ちぇっ、神子がこんな役目だって知ってたら、とっとと熊野でさらって  
俺だけの姫君にしちまってたのに」  
「ごめんね、ヒノエくん」  
ヒノエくんは私のこと神子というよりは、普通の女の子として接してくれていた。  
「俺は他の男がやったすぐ後ってのは、やる気にならないから、口でやってもらえないか」  
夜が明ける前に八葉を終わらせないといけないから躊躇っている時間はない。  
立ったままのヒノエくんの服を脱がせてモノを手に握った。  
舌先で軽く触れてから、鈴口まで含んで先端を舌で刺激した  
顔を離して、ヒノエくんの顔を見上げて聞いた。  
「ねぇ、こんな感じで良い?」  
「あっ、ああ」  
ぶっきらぼうだけど、よく見ると目元が赤く上気しているのが可愛かった。  
白龍も舌で舐められるのが好きだから、ずいぶんと上達したんだと思う。  
舌だけでなく唇や指も使ってありったけのテクニックでヒノエくんを攻めると段々息が荒くなってきた。  
「つっ立ってるの、馬鹿みたいだ」  
横になって改めて咥えるときに目が合った。、  
「…ほんとは、凄くいやらしい神子…だったんだな」  
熱い迸りを口で受け止めると、なんとか飲み下した。  
「ふぅー」  
「すごいね。ここまでやってくれるとは思わなかったぜ。白龍とのお勤めもまんざら嫌々でもではなかったってことか」  
じゃあ、次の人を、と帰そうとしたんだけど。  
「やっぱり、気が変わった。俺だけ気持ちよくなったってのは男がすたるな」  
「えっ、駄目よ。一人一回にしないと時間が足りない」  
「まぁ、いいじゃないか。まだまだ夜は長いよ」  
そんあことを言いながら、ヒノエくんは私の身体をまさぐっていた。  
「たっぷり、お返しさせてもらうぜ」  
そんなヒノエくんの言葉を聞きながら、私は快楽の淵に堕ちていきながら思った。  
もしかして、最初っから、セックスもしようと思ってたんじゃないの?  
 
弁慶さんはお茶を載せたお盆を持って部屋に入ってきた。  
「大変でしょう、望美さん」  
一人が終わるとすぐ次の人が来て、気がつく暇もなかったけど、  
休む暇なく喘ぎっぱなしなので喉が乾いていた。  
程良く冷めたお茶を一気に喉に流し込むと葛根湯に似た、少し甘いお茶だった。  
やっぱり弁慶さんは気が利くなぁ。  
「ありがとう。なんだか元気が出てきたよ」  
「体力の回復と、もう少し頑張れるような薬にしましたから」  
お茶を飲み終えたのを見て、足元から布団にもぐったかと思うと私の太腿を押し広げた  
「じゃあ、患部も見せてください」  
弁慶さんは布団をめくり上げて、今日、一番酷使された部分が蝋燭の明かりに晒された。  
「いやぁあ、見ないで…」  
「さすがに少し、傷ついてますね、ちょと、しみるかもしれませんが」  
そういって秘裂に薬を塗り始めた。  
「きゃぁ、冷たい!」  
ヒヤリとした感触に驚いたけど、少し熱を持っていたあの部分が少し楽になった気がする。  
「大切な神子なのに。皆さん、乱暴だから困りますね」  
でも、少し時間が経つと身体の奥から不思議な感触がして鳥肌が立ってきた。  
「なんだか、寒気がしてきました」  
「副作用がありますが、気にすることはないですよ。僕が暖めてあげますから」  
弁慶さんは手を取ると指先をそっと舐めた。  
「あんっ!」  
ただ舐められただけなのにゾクゾクして身体が反応している。  
「大きな声をあげるなんて、いけない人ですね。でも、僕はそういう素直な反応をする人が好きですよ」  
そんな…。これは多分、弁慶さんの薬のせいなのに、卑怯だよ。  
「さっきの薬が染み込むまで、しばらくは挿れることができませんからね」  
その後…。短時間に何度も何度も逝かされた後、やっと弁慶さんは  
私の中に入ってきて精を放った。  
こんなに逝かされたんじゃ、回復した体力分、すっかり消耗されてしまったじゃないですか。  
 
「神子…。わたしの為に…」  
「いいのよ、敦盛くん」  
私のほうからやさしくキスをして抱き合って布団に入ったけど、敦盛くんのモノは硬くならなかった  
敦盛くんは戦場に出されていたとはいえ、音楽を愛するとても繊細な少年なのだ。  
これまで皆、なんだかんだでやる気満々だったので、敦盛くんの初々しさが新鮮だった。  
「でも、神子のために今、出来ることは…っ、っつ」  
一生懸命に力んでいる。あっ、そういう頑張り方すると。もしかして、あれに?いやあぁああ!!  
次の瞬間、敦盛くんは怪物に変化していた。  
怪物は言葉にならない獣の咆哮を上げると人の三倍はあろうかという赤々とした肉棒を  
私の身体に突き刺してきた。  
「いやっ」  
これだけ大きなモノだから内臓を押しのけながら、入ってくるという感じだった。  
長さも人のものではないから、先端が子宮の入り口に当たっても、  
入ったのはまだ半分というところだった。  
「ね、敦盛くん、止めて!これ以上奥には入れないの」  
正気を取り戻してもらわないと、この怪物相手では五体無事でいられるか分らない。  
一瞬、怪物の目が光り、何かが分ったという表情が読み取れた。  
はぁ。分ってくれたんだ。安堵もつかの間、己を一気に抜くと私を四つんばいにさせて、  
圧し掛かり今度は後ろから挿入した。  
「きぁあっぁぁああ」  
今度は先端が背骨に刺さりそうだ。でも、この体位の方が少しは根元近くまで収めることができたので、  
怪物は満足したのか、私の身体を押さえつけひたすら抽送を繰り返した。  
無理だと思っていたのに限界まで押し広げられた痛みが、いつの間にか快感に変わっているのに気づいた。  
「ヴォーウウォー」  
私が達っしたときの締め付けで限界を超えたのか怪物は雄たけびを上げると同時に大きさに見合った、  
大量の精を放って、敦盛くんの姿になった。  
私の身体から流れ落ちた精には一筋の私の血が混じっていた。さすがにこれは、どこかが傷ついたみたいだ。  
「すまない、神子」  
人間に戻った敦盛くんはしくしく泣き始めた。いいんだよ、敦盛くんのせいじゃない。  
でも、あの怪物、なんであの体位の方が深く入るって分ったんだろうね。  
きっと敦盛くんの知識なんだろう。かわいい顔して結構、物知りなんだね。  
 
最後は地の玄武 リズヴァーン先生だ。  
先生はいつものように突然、気配もなく現れた。  
「先生」  
私は布団から起き上がろうと上体を起こしただけで、腰に激痛を感じてしまった。  
「痛っ!」  
腰に少しでも体重がかかると激痛が走る。さっきの怪物相手で、腰が抜けてしまったようだ。  
「大丈夫か?神子」  
「先生、腰が…、抜けちゃったみたいなんです」  
先生は泣きそうになっている私に体重を全く掛けないように覆いかぶさって、マスクごしの唇と大きな手で  
とても優しい愛撫した。もう、これまでに七人も交わって、すっかり枯れ果てた思っていたのに、  
うっとりとして蜜壷が潤んでくるのを感じた。でも、これ以上交わるなんてとても無理だ、そう思ったのに…。  
「用意はいいか、神子」  
そう言うと先生は私を軽々と抱き上げた。小さい子供みたいに足を開いて先生の胴を挟むように持ち抱えられている。  
「しっかりと、首に掴まっていなさい」  
先生の身長は凄く高い、その高さから落とされたら堪ったもんじゃない。言われなくても自然に首にしがみ付いていた。  
体勢が安定したのをみて、先生は片手を私の腰から離してズボンを脱いでいた。  
「いくぞ」  
私の目からは見えなかったけど、潤んだ蜜壷の入り口に何があてがわれているのかは分った。  
腰が立たない私に、こんな変な体位で挿入するなんて…。鬼だ!はっ!そういえば鬼の一族だったんだわ。先生は。  
私の身体の重みで先生の剛直は深く突き刺さり、これ以上はないという局部の密着と恥ずかしさで入り口がキリキリと締まった。  
先生は軽々と、私を持ち上げては落とす。  
ぐりぐりと左右に揺さぶられたあと、腰を持ち上げられては少し落とされる。  
だけど背骨に体重がかからないので、さっきのような痛みはなく、快楽の波が襲ってきた。  
段々と出し入れされるのがはっきり分るような動きに変えられた。  
先生は軽く目を閉じ、快感に耐えるように眉間に皺を寄せていた。  
「いいか、神子」  
マスク越しに熱い息が伝わってきて、私がコクコクと頷くと、  
身体の中が暖かいものが満たされてきた。  
「こんな運命もあったのだな…。私の逆鱗を壊そう」  
って、これから屋島もあるんですけど先生!やれたらそれで良い運命なんですか?  
 
部屋の中からでも障子越しに朝日が登り始めているのがわかった。  
なんとか一晩のうちに終えることができて安堵したけど、私はすっかり気力と体力を  
消耗しつくし、目を開けたまま指一本すら動かせない放心状態だった。  
あまりに疲れすぎると逆に、眠ることも出来ない。  
八葉の精が身体の中で渦を巻くようにゆっくりと交じり合うのが感じられて、  
やっと眠りについて、その後、全く丸一日間眠っていたらしい。  
目が覚めると、身体中が五行の力に満たされて、体調も万全になったので  
さっそく惟盛を倒しに行った。  
戦いが始まって、最初の私の一撃で惟盛は瞬殺できた。  
そう、この時空の惟盛はヘロヘロに弱かったのだ。  
だから怨霊も満足に作れない。  
五行の力なんていらなかったじゃないかー!  
じゃあ、わたしの、あの苦労はなんだったんだーーーー!  
この後も雑魚怨霊と戦うことはなかったけれど、毎夜順番に夜這いに来る  
八葉の相手に追われることになってしまった。  
(終)  
 
 

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