「望美ーー!! お前が好きだ!(ry 愛してる」  
快楽でどうにかなってしまった私の耳に、聞こえないはずの  
九郎さんの声が聞こえてきた。  
一旦、快楽に降参した頭の中が少しだけ鮮明になった気がした。  
うん、私も好きだよ、九郎さんのこと大好き。  
でも、もうそんなこと言えないよ。顔合わせられないよ…。  
こんな風に、九郎さん以外に抱かれて気持ちよくなってる私を、  
九郎さん以外を浅ましく求めてる姿みられちゃって、それに、  
この男の言う通りならもう私……。  
そう思ったら、益々九郎さんの声が大きく聞こえてきた。  
私を好きだと、愛してると人目をはばからず叫んでくれている。  
見えない壁を、拳から血を流して懸命に叩いている九郎さんの  
さっきの姿が頭の中で繰り返される。  
私の為に血を流してる…。  
イヤだ! このままこんな男のモノになるなんて!!  
こんな快楽だけの存在になるなんて絶対にイヤ!  
私は九郎さんが好き! だから『私』を返して!!!!  
 
目を開くと、私が気を失ってからも抱き続けていただろう頼朝の  
獣のような姿が見えた。私自身も獣みたいに求めていたけれど、  
今は快楽なんて微塵も感じ無い。  
振り向くと、叫ぶ九郎さんと目が合った。目が合った瞬間私の体  
から白光が光輝いた。何だろうコレ、優しくて気持ち良い…。  
気が付くと、頼朝が私から離れて目を覆っていた。九郎さんは驚  
愕に目を見開いていたけど、景時さんは頼朝と同じように目を伏  
せていた。  
「望美…?」  
見えない壁が無くなって、九郎さんが近付いてくる。  
どうしよう、今更になって気付いた。私は裸で、そのうえ頼朝に  
付けられた跡と体液が体中にあるよ…。  
でも九郎さんはそんな私を優しく抱きしめてくれた。  
嬉しい。嬉しくて泣き出してしまった。  
「九郎さん」  
私も九郎さんに抱きつく。  
「……貴様等…」  
2人で抱き合っているのを、頼朝が怖い顔で睨んでいた。  
私の体の光はおさまっていないから、手で覆いながらだけど。  
「…兄上…貴方のことを尊敬していました。信じていました…  
 貴方の為なら何でも出来ました。けれど、今回のことは許さない!!  
 絶対に許せない!!!」  
九郎さんは叫ぶと私の両手に自分の両手を重ねてきた。  
そして私と見つめ合う。  
声が揃った  
 
以下略  
 
 

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