「お方様、殿がお着きです。ご支度を。」  
その言葉に、女の体がこわばる。動きにつられ、足元から重い音が響く。  
華奢な足首には、鋼鉄製の枷が填められ、そこから鎖かのび、太い柱にがっちりと固定されている。  
何度も何度も逃げようとした。だが、その度連れ戻され、激しく犯された。  
「お方様。」  
いらいらと声を掛けられる。持女とは名ばかり、実質的には監視役だった。自刃や脱走等をさせない為の。  
女…いや、元源氏の神子、望美はかすれた声で答えた。  
「…わかりました…」 《ここまで》  
 
一之谷からの奇襲が失敗し、味方は総崩れになった。望美は、その知らせを生田で聞いた。  
味方を、一人でも多く逃がそうと、剣を振るう。返り血で全身が真紅に染まった頃、その男に出会った。  
こちらを面白そうに見やり、名乗るなり打ち込んでくる。  
己と互角以上に戦う女。知盛は思った。  
 
面白い。  
この女が欲しい。  
 
女の体が放つ甘い、花の様な香りと、血の臭いが混ざり合い、彼の鼻腔を満たす。男の衝動を刺激する香気だった。  
激しく打ち合う内、女の動きに疲れが見えた。一瞬の隙を突き、組伏せる。  
 
思うまま、唇をむさぼった。女は手足をばたつかせ、必死に逃れようと暴れる。  
知盛は、薄く笑うと、彼女の両手足を押さえ付け、震えている唇の表面を、舌でゆっくりとなぞった。  
食い縛った歯列を力任せにこじ開ける。舌を差し入れた瞬間、鈍い痛みが襲った。  
「………っ!」  
女が侵入者に噛みついたのだ。  
思わず離れると、彼女は身を起こし、肩で息をしていた。顔を上げる。  
知盛は興嘆した。強い眼差し、まるで獣の様な。  
 
ますます面白い。  
絶対手に入れてやる。  
 
源氏は敗走した。  
主だった武将は捕えられ、その場で斬首される。もちろん、望美も例外ではない。龍神の神子、源氏の象徴そのものだったからだ。  
しかし、知盛は殺さなかった。困惑する周囲に、  
「良い手土産になる」  
そう言って笑う。  
 
夜、望美を抱いた。余りに暴れるので両手足首を縛り、自由を奪う。声を堪え、愛撫に耐える姿は被虐心をあおった。まだ濡れの不十分な秘処に、己をあてがい、一気に貫く。  
彼女は目を見開いた。それでも尚、一言も発する気配が無い。ただ、激しく身震いし、息を呑んだだけだ。  
 
その強情さが知盛には好ましかった。  
腰を打ち付ける。すると、望美の首筋から、鮮やかな紅色が広がっていく。白い肌との対比が見事だった。  
耳たぶを甘噛みし、首、桜色の頂きを舌でなぶる内に、香とは違う甘い花の匂いが、辺りに漂い始める。それらに挑発され、知盛は激しく動き始めた。  
望美は眉根をきつく寄せ、苦悶の表情を浮かべる。  
無理もなかった。  
彼女には、初めての行為であり、苦痛しか感じられなかったからだ。  
 
早く終わって。  
望美はそう願う事しか出来なかった。  
 
苦痛が、このまま永遠に続くかと思われた頃だった。  
知盛の体が突然硬直する。望美は恐る恐る薄目を開けた。その瞬間、彼女の中に精が放たれた。  
 
異物が抜けて行く感触。  
「……………ぅ。」  
望美は唇を噛み、嫌悪感・吐気と闘った。  
薄く笑いながら、知盛は体を離し、身支度すると戒めを解き、陣へ帰って行った。  
疲労と鈍痛が彼女の中に残る。せめて顔でも洗おうと、立ち上がった瞬間。膝が崩れる。手をつくと、敷布の赤い染みが目に飛込んできた。  
思わず後退り、秘所に手をやる。  
 
望美は自分の右手を呆然と見つめた。  
白濁した粘着質の液体と、血。  
所々混じり合い、薄紅に変わっている事が、妙な現実感を持って彼女を襲った。  
望美は、込み上げてくる物を押さえようと、口を左手で押さえる。  
外に走り出ると、嘔吐した。胃の中に、何も無くなった後でも、吐き続けた。  
 

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