部屋の隅にキラリと何かが光った「これは神子の大事にしているもの?」
早速神子に届けねばと思ったものの、
自分の手がいつも神子が肌身離さずしているものに触れてしまっていいのか
逡巡しながら敦盛はそれを凝視していた。
淡く白く光る貝のような瑠璃のようなそれどこかで見た事がある、
「白龍の、逆鱗?」龍の逆鱗を取ってしまえば龍は存在しえくなる、だが白龍はいる、
ではこれは逆鱗ではないのか・・・。 それにしても清らかな光。
もし、これを喉元にあてれば自分も白龍や神子の様な神気に少しでも近づけるだろうか、
戯事だと諦念しつつも敦盛の手はそれを自分の首にあてがっていた。
ぴとり、刹那の冷たい感触、直後に熱さが体を駆けた
「っはう、っつ・・・っな に、っはぁふ」
体を回った熱さが自分の中心に自分自身に集中し、敦盛のそれは見た事もない大きさにそそり立っていた。
「はぁっはぁ・・・な、なんっくふぅ・・・。なぜ・・・・・」
どの位時間がたったのかたっていないのか、
驚きと熱さに朦朧と部屋の片隅に倒れていた敦盛の意識を戻したのは部屋に向かってくる足音。
「ぁふっ、く・・・イヤ・・・だ」
誰であろうこんな姿を見られては恥ずかしさの余り死んでいるけど死んでしまう、
死んでいるが死ぬ気で首のそれを引き剥がすのと、戸が開けられるのは間一髪の同時だった。
「どうしたっ敦盛!」
「九郎・・ど・の・・・これを、神子に」
ドタドタと駆け寄る足音を遠くに近くに聞きながら再び敦盛は失神するのだった。