(最初に出会って心のかけらも全部取り戻した頼忠さんにしよう!)  
 
「じゃ、頼忠さんを呼んでもらえる?」  
「わかりましたわ。お話でもされていれば何かわかるかもしれませんわね」  
それだけ言い残して紫姫は話の邪魔にならないようにと部屋を出て行った。  
 
紫姫に促されて頼忠さんを呼ぶことにしたけど、まだ心の準備が出来ていない。  
 
(交わる…って、やっぱりそういうことだよね………?)  
 
――――――チリン  
 
遠くの方で鈴の音が聞こえ、自分の選択が間違っていないと思えた。  
 
しばらくすると廊下から足音が聞こえ、部屋の前で止まった。  
「失礼致します、神子殿。お呼びだと伺いました」  
「急に呼び出してごめんなさい。寒いから中に入って下さい」  
「はっ」  
そう言うと頼忠は入り口近くにある几帳の隣で膝をつき、  
部屋の奥にいる花梨が出てくるのを待っている。  
「頼忠さん。…あの、こっちに来てもらえますか?」  
御簾越しに声をかける。  
「はい。では失礼致します」  
 
中に入った頼忠は、いつものように立膝で花梨の言葉を待っていた。  
どこか後ろめたいような気がして、頼忠の顔を見ることが出来ずにいた。  
 
(やっぱり恥ずかしい!でも顔を見なければ言えるかもしれない!)  
 
そう思って、花梨は頼忠の胸に飛び込んだ。  
 
「どうかなさいましたか?」  
飛び込んできた花梨を支えながら訊ねる。  
「…あの、頼忠さん。私これから変なこと言うかもしれないですけど…」  
「…?」  
頼忠の腕の中で覚悟を決めて告げた。  
「私を、抱いてくれませんか?」  
 
「………はっ?」  
「さっき紫姫に言われたの。八葉と神子が交わることでより力を発揮できるって…」  
恥ずかしさで体温が上がっていくのが分かる。  
「私、明日すごく不安で…。  
 …あのっ、でも私、頼忠さんとならって思って、だから………!」  
花梨は掴んでいた頼忠の着物の袖をぎゅっと握り、恐る恐る頼忠の顔を見上げた。  
案の定、頼忠は整った顔に困惑の表情を浮かべている。  
頼忠は膝をついて、抱きついている花梨を支えている。  
「神子殿っ、なりません…!」  
「私じゃダメ、…ですか?」  
「………っ!」  
 
頼忠は心の中で葛藤していた。  
想いを寄せている少女に「抱いてくれ」と迫られている。  
しかしその少女は己が決めた唯一無二の存在の主である。  
そして自分はその少女に密かに想いを寄せていて、  
その想いの丈をぶつけ、受け入れてもらっている。  
自分の気持ちに気付いてから、  
ずっと抱きたいと夢にまで描いていたその時間が目の前まで来ている。  
何も考えず自分のものにしたいと思う自分と、  
主にそのようなことをしてはいけないと咎める自分。  
心の中で二人の自分が喧嘩していた。  
 
花梨は頼忠の首に腕を回し、左耳にある八葉の証しの青い宝珠に口付けた。  
「神子…殿っ……」  
「'(お願い)'」  
潤んだ瞳で見つめられて、頼忠の中で何かが弾けた。  
それは、理性というものかもしれなかった。  
 
少しの沈黙の後、頼忠は真っ直ぐ花梨を見つめて口を開いた。  
「………神子殿の仰せの通りに」  
 
頼忠は花梨を抱き上げ、寝所のある部屋の奥へと歩き出した。  
褥の上に花梨をゆっくりと降ろし、組み敷いた。  
花梨は甘えるように、頼忠の首に腕をかけ、瞳を閉じ口付けをねだる。  
ふわっと唇が暖かくなり、包み込むような甘い口付けで頼忠が応える。  
 
ぱっと頼忠の唇が離れたかと思うと、今度は少し強く唇に触れた。  
直後に躊躇うことなく頼忠の舌が割り入ってくる。  
「んっ…」  
普段の頼忠では考えられない強引な口付けに思わず声が漏れた。  
部屋にある燭台の仄かな灯りの中で、二人は舌を絡め合う。  
 
唇から首筋へと流れるように頼忠の口付けは続く。  
最初は触れるか触れないか分からないくらいの優しい口付けが、  
時間が経つにつれ貪るような口付けに変わり、紅く所有の証しを刻んでいく。  
まるで二人が出会った季節に鮮やかだった紅葉のように。  
 
花梨の着ている白い衣がはだけ、胸が露になると頼忠はそこに顔を埋める。  
「はぁんっ…!」  
胸に頼忠の唇が触れ、反射的に声が漏れ、身体をよじり逃れようとする。  
「神子殿っ!」  
頼忠は逃れようとする花梨の肩を制し、さらにその先端を口に含む。  
舌先で弄ばれると、高みに上るような、  
そして何処までも墜ちるような快感に身体の芯か疼く。  
「あっ、あっ…、あぁ………っ!」  
未知の痺れに耐えられず声が漏れる。  
 
今まで想像の中でしか触れたことのない神子の身体に触れている悦びに、  
自分の行為によって発せられた嬌声に、頼忠の下半身は一層力を増した。  
 
頼忠は執拗にその先端を口に含み吸い上げる。  
花梨は肩を抑えられ身体をよじることが出来ず、  
どうにか逃れようと腰を浮かせる。  
すると頼忠を更に挑発しているように胸を突き出した体勢になる。  
その挑発とも思える素振に頼忠の箍が外れたのか、  
しゅっと腰紐を解く音が聞こえ、はだけていただけの花梨の衣は剥ぎ取られ、  
頼忠も着ていたものを脱ぎ捨てる。  
 
頼忠は一糸纏わぬ姿になった花梨の身体を舐めるように見る。  
薄闇に浮かぶしなやかな白い肢体。  
二つのふくらみは少し荒くなった呼吸と共に上下し、  
透き通るような白い肌の所々には、頼忠がつけた紅い所有の証が散っている。  
細くくびれた腰の下には、茂みがある。  
 
頼忠は花梨の上に覆い被さり、  
花梨の茂みに手を伸ばすとそこは既に濡れそぼっていた。  
「…あんっ」  
頼忠の指は割れ目をつたうと愛液が溢れる真珠へ辿り着いた。  
こりこりと膨れ上がった真珠を弄ると、愛液が止め処なく滴る。  
「…こんなに私を求めていて下さったのですか?」  
指で愛液をすくうと、花梨に見えるようにおもむろにそれを舐めた。  
頼忠の舌の動きを見て、花梨の愛液はさらに溢れる。  
そして強引に花梨の足を広げた。  
 
「入れてもよろしいですか?」  
主語のないその言葉の主語を考えて不意に下を見ると、  
頼忠の張り詰めたものが自分の秘所に据えられているのが目に入った。  
「やっ、…そ…んな…大きいのっ…無理………っ!」  
「大丈夫です。私を信じて下さい」  
直後に頼忠の硬く猛った塊の先端が花梨の中へと挿入された。  
今までに感じたことのない痛みが襲う。  
「…っ!」  
身体が強張り、頼忠のものを花梨は全身で拒絶している。  
「痛ぁ………いっ!」  
痛みに花梨は悲鳴をあげる。  
「いっ…やぁ………やぁ…やぁっ…!」  
言葉とは裏腹に、花梨の身体は逆に頼忠を求め引き入れようとする。  
「神子…殿、力を…抜いて下さい」  
「そん…な…、力抜けって…言われ…ても……、いたぁ…いっ!」  
頼忠は花梨の身体を解すようにゆっくり挿れようとするが、  
花梨の身体の拒絶の方が勝っていた。  
花梨は痛みもさることながら、呼吸も上手く出来ず、軽くパニックを起こしていた。  
 
頼忠は床に手をつき、自分の腕に体重をかけると花梨の唇を塞いだ。  
不意に唇を塞がれ、花梨の身体の力が一瞬抜けた。  
「神子殿…っ!」  
その隙を見逃さず頼忠は一気に花梨を貫いた。  
「あぁぁぁぁぁぁぁ…っ!」  
花梨の小さな悲鳴がしんと静まり返った部屋に響いた。  
 
頼忠は大きくゆっくりと腰を動かし,花梨の中を掻き回し始める。  
「んっ、神子…殿っ…!」  
「…ぁ…ぁぁ………んんっ」  
花梨の小さな喘ぎ声は少しずつ大きさを増していく。  
「あんっ、んっ、あっ………!」  
喘ぎ声が大きくなるにつれ、締め付けがきつくなる。  
「神子殿、そんなに締め付けないで、下さい」  
「ん…っ!私…、しっ、締め付けて…なんか…っ」  
頼忠の動きは速度を増す。  
花梨は痛みから解放され、内から湧き上がってくる快感に酔い始め、それに溺れていった。  
 
「…あぁ…っ!…いやぁ、も…だめぇ………っ」  
「私も、そろそろ限界です…!」  
頼忠は花梨の最奥に突き入れ、胎内で放出した。  
 
 
朦朧としたまま目を開けると、横には頼忠の顔がある。  
「神子殿、お気づきになりましたか?」  
「…頼忠さん」  
次第に意識がはっきりしてきて、ほんの少し前の情事が鮮やかに蘇ってくる。  
「…申し訳ございませんでした」  
「ううん、大丈…夫」  
自分に言い聞かせるように頼忠に告げる。  
「…頼忠さん、少しこのままでいて」  
頼忠の背に手を回し、花梨は安心したように瞳を閉じる。  
指に傷跡の感触を感じ、そこをそっとなぞる。  
「…まだ、足りませんか?」  
それだけ言い残し、頼忠は再び花梨を組み敷いた。  
 
この後、花梨の小さな悲鳴が何度も響いた。  
 
 
 
 

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